プール編最後です。書きたいことを書いてたらいつの間にか「あれ~?」ってのが出来てました。
ということで今回も文章力は皆無です。
暖かい眼でご覧ください。
「……………………」
シノンは無反応だった。まるでつまらない映画を見るようにそこら辺にいるアリを見るようにそこに喜怒哀楽どころか感情の欠片もないだろう
「おいてめぇ!無視してんじゃねぇぞ!?」
シノンが無口と知らない以前に無視されている結果に金髪の男が怒鳴る。しかし、それでも反応はない。
「まぁ、いいじゃねえか」
赤髪の男がそう言うと金髪の男が不思議そうに見る。
「こいつをぶん殴って有り金、全部もらってそのあと…………こいつと来ていた女共を貰うか!」
にやけながら、笑いながら言う赤髪の男。その視線は遠くで遊んでいるココア達へと向けられた。
その眼は酷く濁っており、冗談の域を越えていた。
「さぁ~てと、どいつから……!?」
「……………………」
次の瞬間6人全員が寒気を……いや恐怖を感じた!
その原因は探すよりも速くわかった。
何故なら目の前にいる少年が出しているのだから、体温が一気に下がる感覚がした。
さっきまで無反応だった、こちらにまるで興味はなかったはず。
良い獲物のことを鴨と例えることがある。
。そして、その鴨がさらに良い獲物を持っていたら、もしくは鴨を獲ることによりさらに得ることを鴨が葱を背負ってくると例える。シノンは男達にとってまさにそれだった。シノンから金を取り、同時にその連れであるココア達を我が物とする。一石二鳥でありまさしく都合の良い鴨だった。
しかし、違った。ある言葉を切っ掛けに立場は変わってしまったのだ。
もし、シノンを鴨と例えていたのであればカツアゲしようとしていた男達と女達は、さしずめハイエナと言ったところだろうか。
鴨を狙ったハイエナが6匹。さぁ、襲おうという所でハイエナの1匹が鴨の奥にいる大事な物を狙おうとした。その瞬間鴨でなくなった。
そこにいるなは鴨ではなく鷲だった。
鷲は鷲でも日本で一番大きな鷲ともいわれている。雄は全長88cmもある。その鋭い爪と嘴は獲物を食らいつくすだろう。そんな空の王者・大鷲である。
そう捕食者だった、食べる側だった。だか、今の現状は補食対象、エサ、食べられる側になっていた。
シノンが少し通路を歩きこちらを見る。
まるで獲物を見てゆっくりと歩む獣のように、獲物の上で旋回する大鷲のように歩いた。
「こ、このやろう!?」
痺れを切らしたのか金髪の男が殴りかかる。
それを紙一重で躱して、その手首を左手で掴む。
そして一言
「なっ!?」
「………………失せろ」
「ッ!?この!?」
シノンの忠告、それでも男は殴りかかった。
しかし、その拳は届かなかった。拳が届くよりも速く投げたからだ。
グッと掴んでいた腕を自分の方に引き、それと同時に右手を相手の腕へとそして体を回して腰を下げて相手を担ぐ。これを同時に速く行うそして、相手を腰の上に担ぎ上げればあとは、テコの要領で一回転!見事な一本背負いである。
「…………ハァ!」
「グハッ!?」バシャ!!
プールの地面は基本的に固い。それは、周知の事実である。そこに大学生ぐらいの男性が一本背負いされれば軽傷ではすまないだろう。だからシノンは狙ったのだ。近くにあったプールに、わざと移動して投げたときに水の中へと投げれるように、しかし水とはいえ衝撃はある。
水の入った桶を思いっきり振り相手に水をかければ、まるで鞭で打たれたような痛みが現れる。
普通に入ればなんてことない。しかし、高い位置から飛び込めば、衝撃の痛みが現れる。
水とは時に柔らかくなり時に固くなる。そんな水に勢い良く投げられば地面ほどではないがかなりの痛みある。
「ゴホッ!!」
水の中に入った男は衝撃により肺の中の空気が外に出る。しかし、ここは水の中、口から水が入り息が出来なくなる。背中の痛みを我慢してプールサイドに上がる。
口から水を吐き出して体に空気を入れて落ち着かせる。
視界がぐらつく中、顔を上げるとこちらを鋭い眼光で睨むシノンがいた。
「ハァ……ハァ…………!!」
「………もう一度言う…………失せろ……そしてあいつらに手を出すな」
「あっ…………なっ」
男の恐怖は最大だった。そして、その恐怖は伝染した。
他の男と女性も恐怖を感じていた。目の前にいる少年に
「……………3回目は…………無い」
「い、行くぞ!!」
赤髪の男が叫び、他の奴らも続いて逃げていく。プールに投げられた男も遅れて逃げる。
幸い周りに人はいなく大事にならなかったが男達には1つのトラウマになったのは言うまでもない。
「………………はぁ」
シノンはため息を1つ、そして水を買って自分の大事な人達の所へとココア達の所へと歩み始めるのだった。
チノの千夜チェス勝負は終盤にさしかかっていた。
「追い詰めました」
「まだまだよ」
千夜が負ければ自分の沽券にかかわると思ったココアはすぐに2人への元へと
置いてけぼりにされたシャロとリゼは練習を開始する。
「千夜ちゃんが負けたら私のお姉ちゃんとしての威厳がぁぁ」
(はっ!2人きり……)
「えっと、とっとりあえずビート板を使って練習しましょう」
「あ ビート板じゃなくて、手を引っ張るやつあれがやりたい」
「リゼ先輩意外と子供だ……」
こうして手を引っ張りながらの泳ぎ練習が開始された。
千夜とチノの勝負を見ているココアとティッピーが騒いでいた。
「千夜ちゃんそこでチェストだよ!」
「チェクメイトって言いたいの?」
「ここで負けたらわしがあわれもない姿に」
「ティッピーうるさいです。」
「一兵卒が女王に逆らおうなど貴族に生まれ変わってからにしろ!」
「ココアちゃん……駒になりきるのやめてもらえる。」
「チノ、今じゃそこだ、!」
「千夜ちゃん上後ろ」
(しゅ……集中出来ない)
「………………駄目」
「あ、いたっ」
そこに水の入ったペットボトル片手に来たシノンがペシとココアの頭に軽くチョップする。
「あ、シノンおかえり~」
「………………ん」
「う~でもこれで千夜ちゃんが負けたら姉の威厳が……」
「…………勝負の……邪魔………………めっ!」
「う~、は~い」
「……………………」チラッ
(うっ、今シノンから〝ティッピーもね〟と言われた気が)
チラッと見たシノンの意図を汲み取ったティッピーと注意されたココアはこのあと静かに観戦をした。
それと同じぐらいの時シャロとリゼは引き続き泳ぎの練習をしていた。手を引っ張りながらの
「先輩ってスポーツ万能かと思ってました」
「泳ぐ機会なかったからなー授業もなかったし、年下に教わるってなんだか、、恥ずかしいなぁ」
(手を引っ張られてるこの状況は恥ずかしくないんだ)「シャロが溺れても助けられるくらい上手くなってやるぞー」
「そ、そんな迷惑かけませんよ……!?うわっー!?」
「もう想定訓練か!?」
(緊張して足がつった)
シノンはチノ達を観戦しながらもシャロ達の方も気にかけていた。その理由は先程の出来事である。またあいつらが来ないという保証が無いため念のため、注意深く周りと皆を見ているのだ。理由はどうあれ、しているのは完全に保護者役のお父さんである。
そんな、気にかけているシノンがシャロが溺れたことに気がつかないわけはない
「…シャロ!!」
勢い良く立ち上がりすぐさまシャロの元へと駆け出す。
バシャッ!
プールの中に飛び込みすぐに見つけ出してお姫様の要領で抱えて水面へと浮上する。
「プハッ!!」
「……ハァ!!」
シノンはすぐにプールサイドへと向かい。シャロを上げた。そして、自分も上がるとシャロの顔を覗いた。
その時水が眼に少し触れた。それを邪魔だと思ったシノンは髪をかきあげた。軽く頬を叩きながら名前を呼ぶシノン。
「……シャロ…………シャロ!?」ペシペシ
「……んぅ~」
幸い溺れてからそんなに時がたっていないこと、すぐにシノンが助けたこともあり、シャロはすぐさま目を覚ました。しかし、どちらかと言うとそのあとが大変だった。
目を覚ましたシャロの前にいるには顔を覗き込んでいるシノンがいた。顔が近いのだ、もう少し近づいたらキス出来るほどである。しかも濡れ髪にオールバック、そして、好意を寄せていて。いつもカッコいいと思っていて、さっきココアが組体操した時脇から抱えられて抱っこされたこともありシャロの恥ずかしさは最高潮である。
「ひゃあぁぁぁー!」
「…………………………?」
「あわあわあわあわ」
頬をペシペシしていた右手を止めてそのまま添えてじっと見つめる。顔を真っ赤にして口をパクパクしている。
そんな、シャロを不思議そうに見つめるシノン。とりあえず大丈夫そうで安心したが何故こんな風になっているのかはわからないようである。
「シノン、そのぐらいで勘弁してやってくれ」
「………………??」
「とりあえず大丈夫そうだしあとは私がやっておくから……冷たい、そう冷たい飲み物を買ってきてくれ。」
「………………わかった」
そう言われて再び飲み物を買いに行く。その間にシャロの介護をするリゼ。まぁ、溺れたことに対してではなくてシノンからの辱しめへの介護である。
ちなみにこのあとスポーツドリンクを買ってきたシノンの顔を見て、また顔を真っ赤にするシャロだった。
シャロが落ち着いてから、シノンと共にリゼの泳ぎを見ていた。
シャロの指導の元リゼの泳ぎは驚くほど上達していた。
「リゼ先輩流石です。」
「…………凄い」
「シャロの特訓のお陰だな」
「リゼ先輩は飲み込みが早いですから、私はほとんど何もしてないです。」
「泳ぐのがこんなに楽しいとは思わなかった。ありがとな シャロ」
「…………謙遜……大丈夫………………教え方…………上手」
「えっと、そのありがとう」
「じゃぁ次は…………」
そう言いながらシャロの手をとるリゼ。そしてあっちの方向を指差した。その方向にはココアが持ってきた足ヒレが
「これを使った深い所へ行こうな」
「それは、私でも無理です先輩~」
「………………プール…………そこまで…………深くない」
少し苦笑いするシノンだった。
一通り遊んで、気が付けばいい時間になっていた。
ココア達は皆で景色を見ていた。少し高いところから見る夜景はとても綺麗だった。
ちなみにシノンは先程のことを気にして皆には待っててもらって自分は飲み物を買いに行った。シノン、今日3回目の飲み物買いである。
「夜景が綺麗~」
「そうですね」
「夜風が心地いいわね」
「そうね、確かに気持ちいいわね」
「こうやって耳をすませばあの光一つ一つから町の営みが聞こえてきそう」
「素敵です」
「あのお家今夜は妹さん特製カレーだっていいなぉ~」
「あの家のご夫婦今夜は修羅場ね」
「台無しにするな!?」
リゼのツッコミが夜空に消えるタイミングでシノンがやってきた。その手にコーヒー牛乳の瓶を抱えながら
「……………………買ってきたよ」
「あ、おかえり~」
「でも良かったのか?1人で行かせてしまって」
「………………大丈夫………………皆で…………飲もう」
「「「「「それじゃ!コーヒー(フルーツ)牛乳で乾杯」」」」」
「…………乾杯」
「お姉ちゃん!コーヒー牛乳はこうやって飲むんだよ」
「チノが勝ったのか」
「ゴクゴクぷはー」
「…………ほら………………口元……汚れてる」
そう言いながらココアの口元を手の甲で拭いていく。
「シノンの場合賭け事以前に兄だな」
「同感です。」
「ねぇねぇ、シャロちゃんあのまま気絶してたらもしかして……」
「そ、それ以上言うなー!千夜のバカー!」
皆でわいわいしている様子を星を見上げシノンはこう思った。
(皆が何事もなく幸せでありますように)
おまけ!
「クソーなんなんだよあいつ」
「いててて、まだ背中が痛いぜ」
「おいおい、大丈夫か?」
シノンにカツアゲしょうとした6人は帰り道でシノンのことを話していた。
「今度会ったら今度こそ痛い目見させてやる」
「出来んのかよ?俺は、無理だな」
「同感」
「なに、弱気になってんだよ!?おいお前らも手、貸せよ!」
そう言いながら赤髪の男は女性達へと顔を向ける。
その女性達はと言うと…………
「「「・・・」」」ぽ~~
頬を赤く染めながら上の空だった。
「お、おいどうした?」
「かっこよかった」ぽ~
「は?」
「頭から離れない」
「え?」
「はぁ、もう…………好き」
「おい!?」
「あ、ごめん……ちゅき」
「変わってねぇよ!?」
そう、女性達はシノンの魅力に心を射たれていたのだ。
さすがシノンである。
「なんか、やっぱすげーかなわねぇ気がしてきた。」
「それな」
「もう、今日のことは忘れようぜ」
「あぁ」
「だな」
現実逃避をする男達。そして、上の空の女性達が現実に戻ってくるのはまだしばらくのようだ
「「「ふわぁ~」」」ぽ~
「「「はぁ~」」」
恐らくシノンの魅力の威力はとどまることを知らないだろう。
これが無口な少年とこの日のプール最後の出来事である。
読んで頂きありがとうございます
如何だったでしょうか?良ければ感想のほどお願いします。
仕事の合間で書いていくので次がいつになるかわかりませんが気長にお待ち頂ければ幸いです。