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黒い雨雲が空を覆っているある日
ココア達は今日の映画のことで話していた。
この前、チノの悩みに答えてくれた小説家の青山ブルーマウンテン、略して青ブルマがくれたもので、その次の日に皆が偶然バイトが休みということもあり映画に行く事になったのだ。
その映画の事で3人は盛り上がっていた。若干1名眠そうにしているが
「うさぎのマスターがCGかどうか確かめないとね」
「そうだね~」
「…………」コクッ
「あと、あのコーヒー豆のシーンあれを映画でどう表現するのか見物だわ」
「…………」コクッコクッ
「千夜ちゃん楽しそうだね」
「だって皆と映画だものチケットをくれたお客様に感謝しなきゃ」
「……………………」コクッ!!
「シノン君も嬉しそうね」
「シノン……本すきだから、楽しみなんだと思うよ~」
「それは、そうとココアちゃん眠そうね」
「昨夜、チノちゃんに私の修行の成果を見せようと思って、コーヒーの銘柄当てクイズしてたの」
「………………全部……ハズレてた」
「飲みすぎてあまり寝れなかったのね」
「一応シノンのおかげで少しは寝れたんだけどね」
「この後映画観に行くのに大丈夫?」
「コーヒー呑めば夜までもつと思う」
「え~!?」
「………………………逆効果」
昨日の夜シノンは、ココアを寝かせ付けて朝は、朝で眠そうにしているココアの準備を手助けしたり、まるでメイドのようなこうとをしていた。
そして、下校時雨が降り始めていた。
「やだ 急に雨が……映画今日じゃない方が良かったかしら」
「ううん せっかく皆揃ってバイト休みなんだから……えーい!!」
「…………ココア姉?」
「小雨の中走るのも気持ちいいよ」
「…………ココアちゃん」
「誰が映画館に一番乗りするかなぁ」
(…………嫌な予感がする。)
次の瞬間ココアが転びそうになった。近くまで走っていたシノンはそれを受け止める。
「キャ!?」
「…………走る…………危ない」
「あ、ありがとうシノン」
「2人とも大丈夫?ごめんなさい、楽しそうに走るから黙ってたけど私置き傘持ってるの。」
「用意周到だね!」
「でも1つしかないわ」
「………………ココア姉」
「うん!」
「・・・え?」
映画館前には、チノ以外が集合していた。5人で話していると少し遠くからチノがやってきた。
「あっ、チノちゃん」
「お待たせしました」
「みんなびしょ濡れ」
「雨なんて予想外だったもの」
「でも目は覚めたかも」
「私は、それよりも3人の姿を見て目が覚めたがな」
「私も先輩と同じです。」
「私は、シノン君の行動で目が覚めたわ」
「なんの話です?」
「いや、実はな私とシャロが一番最初について次にシノン達だったんだが……1つの傘に3人が入っていたな」
「そんなに大きな傘だったんですか?」
「いえ、普通のよ」
「驚いたのは……シノンがココアをお姫様だっこしていたんだ。それで傘に入っていた。」
そう、シノンはココアをお姫様だっこしてそれで3人で相合傘をしていたのだ。ココアにとっては、良くされていることだし、子供の時から傘に入りきれないときはこれをしていたため2人に抵抗を執着心も無いのだ。
「そんなにおかしいかな?」
「………………?」
「「「「おかしい!(です!)」」」」
映画館に入りリゼがタオルを皆に差し出す。
体育で使わなかったやつである。
ココアがチノの髪を拭き
千夜がシャロの髪を拭き始める。
「頭拭いてあげるね」
「いいです私はあまり濡れなかったので」
「………………拭く」
「あ、シノン!ありがとう」
「チノは傘持ってたんだな」
「途中でティッピーが持ってきてくれました」
「器用だな!?」
「あ、私ポップコーン買ってくるね。」
「私もよく子供扱いされるんです」
「わかるわ」
「本当にクセ毛すごいのに」
「・・・」チラッ
シャロが売店をチラ見する。
「………………」
映画開始
ちなみに席順は下がシャロ、千夜、リゼ
上がシノン、ココア、チノである。
(開始五分で涙腺が……お姉ちゃんなのにチノちゃんの隣で泣いちゃ駄目!)
(泣いてるのココアさんにバレたくない。絶対からかわれる)
「ぐす……ぐす……」
(チノちゃん?そうだね感情に素直になるべきだよね」
そう思いながらチノにテイッシュを渡す。しかし大泣きしているのはチノではなくその頭の上にいるティッピーである。
(そういえばシノンは……?)
(シノンさんも泣くのでしょうか?)
シノンのことが気になり2人は隣のシノンを見る。そこには無表情のシノンが映画を見ていた。
(さ、さすがシノンさんクールです。)
(良かった!シノンも感動しているんだ)
シノンの感情がわかる日はまだ遠いチノだった。
(スクリーンって大きいな!うちのTVより大きいんじゃないかな)
(ふむふむ、メニュー名に使えそうね)
(うぅ~おっお腹静まれ……っうぅ~ケチらずに軽食買っておけば良かった)
「……………………」
(ん?)
シャロが視線の先に動くものがあり顔をあげると前の席のシノンが指でこちらに何かを伝えようとしていた。
(シノン?)
シャロが気づいたことに気づいたシノンは指を引っ込め次に何かを渡した。
(これは、ホットドッグ)
(…………)
「た、食べていいの?」小声
「………………」
シノンはなにも言わずサムズアップだけする。シャロはそれを申し訳なさそうに受け取り食べ始めた。
(ありがと、シノン)
(…………良かった)
上映後
「後半寝てたんですか!?すごく良かったのに皆さんと語り合えないじゃないですか」
「………………」コクッコクッ!
「でも小説は読んだから~」
(((あまり内容を覚えていない)))
リゼはスクリーンのことで、千夜は台詞で、そしてシャロはシノンのことで映画を良く見ていなかったのだ。
それは、ともかく皆の話は映画の内容へと移っていた。
「主人公のうさぎになっちゃったお爺ちゃんかっこよかったね」
「ライバルの甘味処のあ婆さんの情熱には心打たれたわ、くだらないことで争ってたけど」
「どこかで聞いた話ね」
「でもジャズやって喫茶店の経営難救ったバーデンダーの息子さんはもっとかっこよかったな」
「まるで父みたいでした」
「…………カッコ良かった!」
「ムキーッ!?」
「今日のティッピーは表情豊かだな」
「一番楽しんでたんじゃないか」
(………………嫉妬?)
「ちょっとトイレ行ってくる」
「待ってるね」
リゼがお手洗いに行ってるとチノが眠そうにしていた。
「リゼちゃんがもどってきたら……あ、チノちゃん眠いの?」
「あ、いえ平気です。」
「カモン!!」
「はい?」
「家までおんぶしてあげる」
しゃがんでいつでもおんぶできる状態にするココア。
「子供じゃないんですから」
「大丈夫!気にしないよ」
「私が気にします」
「え~」
「え~じゃなくてココアさんがおんぶしたいだけじゃないですか」
「やめといた方がいいわよでもココアちゃん眠いんじゃ」
「倒れたりしたら悲惨よ」
「………………おいで」
シノンがチノに手招きをする。
「え、あ、はい」
チノが近づくとシノンはチノをお姫様だっこをした。
「え、あの!?」
「………………俺なら……安心……じゃない?」
「は、はい……」
「うわーん!シノンにチノちゃんとられた!」
「よしよし~」
「た、ただいま……ってなんだこの状況は」
「説明しづらいです。」
「………………?」
本人が気づかない所でラブコメがされていたことは言うまでもあるまい。
「心がバリスタなら、例えうさぎだって珈琲を入れられるんだ」
「あ、それ昨日の映画の台詞だな」
「すぐに影響されるんですから」
「私も本格的にバリスタ目指してみようかな!それでリゼちゃんはバーデンダーかソムリエになるの!チノちゃんもバリスタやって、シノンはコックで大人になって。ここで4人で働けたら素敵だね」
「…………」パァ!
ココアの発言にあるかもしれない未来に嬉しくなるチノ。
「パン屋さんと弁護士はもういいのか」
「あっ最近小説家もいいなーって」
「……むぅ」
それもまた、ココアの発言でなくなってしまう。
その夜
「どうして怒ってるの」
「本気で目指したいならコーヒーの違いくらい当ててみせてください」
「えぇ~~シ、シノン助けて~」
「………………自業自得」
「そんなぁ~~」
「…………ずっとか」
「シノン?」
「…………なんでもない」
別にバリスタにならなくてもコックにならなくても皆ずっと一緒に笑いあっていたい。そう思うシノンだった
こうして、夜はまたふけていく。
これが、雨の日の映画での出来事であった。
読んで頂きありがとうございます。
スランプから抜け出せるように頑張っていきますので
どうぞよろしくお願いします。