シノンがもしヤンキーぽくなったらという妄想で書きました。
でも、実際書くとただ言い方がちょっときつくなっただけになってしまいました。
今回も暖かい目でご覧ください。
1閑羽 無口な少年がヤンキー?
私ココア! この春から弟のシノンと高校に通うために一緒に木組みと石畳の街へとやってきたの!
私とシノンは香風さんという家に下宿させてもらってるんだ!
私の弟シノンは過去にいろいろあってちょっと口が悪いけど私の自慢の弟なの!
「…………ココア姉……行くぞ」
「あ、うん! 今行くよシノン!」
~シノンとココア
ココアとシノンは休みの日に二人で出掛けていた。
「いい天気だね~シノン♪」
「…………あぁ」
「このあとどこ行こうか」
「…………ココア姉の行きてぇとこにいけばいいだろ」
「ありがとう、シノン」
自分の行きたい所を優先してくれるシノンに微笑むココア
「それでねチノちゃんが……きゃあ!」
「ココア姉!?」
二人で歩いているとココアが転んだ
「……たくっ、相変わらず鈍くさいな」
「えへへ、ごめんね」
「……はぁ、ほら立てるか?」
「ありがとうシノン」
シノンは少し屈み手を差し出した。
近くの公園のベンチに移動しシノンはココアの膝を見る
「……ほら、手当てするから」
「うん!」
そう言うとシノンはどこからともなく消毒液と絆創膏を取り出した。それらを使いココアの手当をし始める。
「や、優しくしてね? シノン」
「…………やだ」
「なんで!?」
「……速く手当てしねぇと傷口にばい菌が入るだろうが!」
シノンはさっき水道で濡らしてきたハンカチでココアの膝を軽く拭いた。そのあと消毒液をティッシュで湿らせ膝に押し当てる。
「……ほら、少し染みるぞ」
「う、うん……う~痛い~」
「……我慢しろよ」
「痛いよ~シノン~」
「……あとちょいだから」
シノンは手当する速さを少し早めた。
「……はい、終わり」
「ありがと! シノン!」
にっこり微笑むココアにシノンは黙って頭を撫でた。
「…………」なでなで
「えへへ~」
シノンは暫くしたあと撫でるのを止め、手を差し出す。
「……ほら、もう立てんだろ? ……さっさと行くぞ」
「うん!」
二人は公園を出てまた街を歩き始める。そうすると、ココアがシノンに聞き始める。
「ねぇ? シノン」
「…………ん?」
「またこうやって遊びに行こうね!」
「…………はぁ」
「え?」
シノンはため息を一つつくとココアの手をとり一言。
「……んなの当たり前だろ?」
「うん!」
シノンの言葉にさっきまで少し暗くなっていたココアは一気に笑顔になる。
そして、そのまま手を繋ぎながら歩いて行った。
~シノンとチノ
今日のラビットハウスではココア、リゼは休みでシノンとチノしかいなかった。
シノンはキッチン担当で忙しい時にたまに接客に入る。
「ふぅ」
チノはテーブルを吹きながらシノンのことを考えていた。
(シノンさん…………少し恐い人ですが優しい人です)
「……チノ、皿洗い終わったぞ」
「あ、ありがとうございます」
「……そうだチノ、久々に俺が淹れるコーヒー飲んでくれよ」
「コーヒーですか?」
「……あぁ、チノにはまだ届かねぇが少しは上達したはずだぜ」
「いえ、私なんて」
「……なにいってんだ? チノの淹れるコーヒーは日本一だろ?」
「い、言い過ぎてすよ」
「そうか?」
シノンの褒めに照れるチノ
シノンはコーヒーを淹れ始める。豆を挽き、お湯を注いでいく。
出来たコーヒーをカウンターに座るチノに出す。
「……できたぞ」
「いただきます」
シノンが出したコーヒーを飲み始める。もちろんミルクと砂糖は入っている。
「うん、美味しいです。前より凄く上達してますね」
「……えへへ、だろ?」
「ココアさんもシノンさんみたいに勉強してくれればいいんですか」
「……ココアには少し難しいかもな」
「ですね」
そのまま、二人で少し雑談し続けた。
~しばらくして
シノンがチノの様子を見て違和感を感じた。
「……ん? なんかチノ疲れてんのか?」
「い、いえそんなことは……」
「……あほか、普通にわかるわ」
「わかりますか?」
「……たりめぇだ。なんかあったか?」
「最近疲れがとれなくて」
「……なるほどなぁ」
「でも、私の気のせいかもしれないですし」
「……はぁ」
「え?」
シノンはため息を一つ、つくとチノの頭に手を置いて一言
「……チノが頑張ってんのは知ってるよ、そこも尊敬してるよ」
「……」
「……だけどな、もう少し頼ったって罰はあたんねぇよ」
「…………はい、ありがとうございます」
(やっぱりシノンさんは優しい人です)
少し頬を染めながら小さな声で答えるチノ。
そのあと、シノンはチノの仕事を軽くするため、沢山働きその日の夜はチノを速めに寝かせた。
~シノンとリゼ
日曜日、シノンとリゼは服を見に来ていた。
「……珍しいな、リゼから誘ってくれるなんて」
「たまにはいいだろ」
「……なんか、あったのか?」
「べ、別にな、なにもないぞ!」
「……嘘だな」
「即答!?」
「…………」
じっ~と見つめ続けるシノンに根負けして事情を話し始める。
リゼは部活の助っ人で演劇をやっている。そして、次の役で男性役らしいしかし、演劇部の人達は難しいお願いをしてきたらしい。
そのお願いは男性らしい服装だがリゼらしさも残してほしいという難しいやつだった。
お金は部活が出すから休日買ってきてほしいということらしい。
「……なるほどな、なんとも難しいお願いだな」
「そうなんだよ」
「……それで、男の俺に意見を聞きたいということだな」
「そのとおりだ、お願いだ! 協力してくれ!」
「…………役に立つかはわからねぇがいいよ協力するよ」
「!! ありがとう!」
そんなこんなで始まった服選び
「こんなのはどうだろうか?」
「…………う~ん男はあんま着ねぇな」
「じゃあこれは?」
「……リゼらしくねぇな」
「これは?」
「……悪くはねぇが微妙だな」
軽く一時間選び続けるがなかなか良いのが見つからなかった。
「はぁ、なかなか見つからないな」
「……だな」
「……はぁ、もうなんでもいいかな」
諦めかけてたリゼにシノンは肩に手をおいた
「……あほか、諦めるには、はぇよ」
「しかし……」
「…………確かにリゼは、何着ても似合うけど、より似合う服選ぶのが一番だろ」
「お、お前はまた……」
「……ん? 事実だろ?」
「天然攻撃はやめろ!」
「……?」
なんのことかわからず首をかしげるシノン
そのあと、お店で二手にわかれて選び始めた。
「……リゼこんなのはどうだ?」
シノンが持ってきたのは紫色のジャケットに中のTシャッは縞模様で黒のジーパンを持ってきた。
「おぉなかなか良いんじゃないか」
「……試着してこいよ」
「あぁ」
試着室に入るリゼ
~しばらくして着替え終わったリゼが試着室のカーテンを開ける
「ど、どうだ」
「……やっぱりな」
「に、似合ってないか?」
「……すげぇ似合ってるよ」
少し微笑みながら答えるシノン。
「……」かぁ~
「……どうした?」
「これで、悪気がないからたちが悪いな」
「……?」
ちょっと落ち着いたあと
「シ、シノンもなにか、着替えたらどうた!?」
「……俺はいいよ」
「そんなこと言わずにどれ、私が選んでやろう!」
リゼが選んできた服は蒼のジーパンに黒のジャケット柄が入ったTシャッを持ってきた
リゼに言われるまま試着室に入り着替えた。
「……どうだ?」
「……」
「……に、似合ってないか?」
黙り続けるリゼに不安になっていくシノン
「か、かっこよすぎだ」ボソッ
「……え? なんて?」
「な、なんでもない!」
「それにしても、この格好はお揃いみたいだな」
「な!」
リゼとシノンの格好は色は違えどほとんど一緒だった。
「わ、私なんかとお揃いしても嬉しくないだろ!」
「……はぁ」
シノンはため息一つつくと、肩に手を置くと一言
「…………光栄に決まってんだろ」
「はぁ、かなわないなシノンには」
シノンとリゼは最後に試着した服を購入して、お店を後にした。
これが無口…………若干無口なヤンキーと三人の少女の物語
読んで頂きありがとうございました!
次回はこのまま まだ出ていない二人と……を書こうと思います。
令和でもよろしくお願いします。