ご注文は無口な少年ですか?   作:獅子龍

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ココアとシノンのデートを書いてみました。途中気持ちの描写がおかしい所があるとおもいますがご了承ください。
感想・アンケートそして、誤字修正本当にありがとうございます!
今回も文章はおかしい所があると想いますが暖かい眼でご覧ください。



3関羽 無口な少年とココアとのデート

これは、ココア達が木組みの家と石畳の街に越してきてからしばらくしたあとの話である。

「シノン~こっちこっち!」

「………………ん」

私、ココア!

今日は弟のシノンと街にお出掛けしに来たよ

でも、弟と言っても私達は血が繋がっていない。

ある日、私が11歳の時お母さんとお父さんが雨の中倒れているところを助けたらしいの。

第一印象は不安、絶望、恐怖……とにかく暗い顔をしていた。

黒髪で、その髪は目元を少し隠していて、不思議と嫌な感じはなかった。まるで助けを求めてるかのようなそんな悲しい雰囲気だった。

私は、始めてみる人に興味津々だった。

仲良くなりたい、一緒に遊びたい!沢山お喋りしたい等と思いながら話しかけた。

「あなたおなまえは?」

「…………」

でも、少年から返ってきたのは返事がないという虚無だった。

しかし、私は話し掛けるのをやめなかった。

「わ、わたしココア! きみは?」

「……………………」

されど返事はない。

「う、うぇ~ん!」

ついには、私は泣き出してしまった。

 

ココアは、昔本で読んだことがあった。心理学においてストロークという考えがあるらしい。ストロークとは、話しかける誉める触れる等と言った人から人への働きかけ全てを言う、ストロークは2つに分けられる。

プラスのストロークとマイナスのストロークだ。

プラスのストロークは誉める、笑い合う、撫でるなど相手が喜ぶことである。では、逆にマイナスのストロークは怒る、悪口、殴るなど相手の気分を悪くすること全てを言う。

 

そして、ストロークは心の栄養とも言う。

つまり、ストローク=食べ物や水なのだ。人は、これがないと生きては行けない。

そして、人はストロークを求めるものである。多くの人はプラスのストロークを求めるだろう。しかし、中にはマイナスのストロークを求める人もいる。食事に例えるとわかりやすいだろう。誰でも豪華な食事を望む、しかし、もし遭難したのであればどんなに不味くても食べたいものでもある。

 

故に人にとって孤独や無視されるのは一番辛いものなのかもしれない。例えマイナスであっても何もないよりマシなのである。

シノンに悪気は一切無い、ましてや傷つける気など皆無である。しかし最終的にはココアは無視されるという結果になってしまった。

 

 

泣き出してしまった私の前に現れたのはお母さんだった。私はすぐにお母さんに抱きついた。暖かくいい匂いがして安心できた。しかし、私が泣き止むことはなかった。お母さんに撫でてもらってると姉であるモカ姉が入ってきた。

私は、お姉ちゃんに抱きつく。お母さんも好きだけどお姉ちゃんも好きなのだ。お母さんに言われてお姉ちゃんは私を連れて自室へと向かう。

 

あのあと、落ち着いてから少年が家族になる両親から言われた。私は嬉しかった一番末っ子である私に弟が出来るから。年は同じでも誕生日は私の方が速い、これからお姉ちゃんになれる、憧れだったお姉ちゃんに!とても嬉しかった。

 

その日に家族会議が行われたの、内容は少年の名前を決めるためのもの。少年にも名前はあったでも捨てた。なぜなら本人曰く過去を思い出すかららしい

 

「どんな、名前がいいかしら」

「カッコいい名前がいいかな」

「え~可愛いほうがいいよ!」

「モカ、あの子は男の子よ?」

「ボーイ!?」

「そんなに驚かなくても」

「シノンなんてどうかしら?」

ふっとココアが言った。

「シノン?」

「えぇ、あの子の過去を想うとね、これからは静かにのんびりと幸せに、暮らしてほしい……そんな願いを込めてシノン。どうかしら?」

「うん、いいんじゃないか?」

「私もそれがいいと想う!」

「私もー!」

ココアのお母さんが決めた名前に兄妹と父は賛成した。

その日、保登 シノンという一人の家族が出来たのだ。

 

シノンが来た日にお母さんから喋れない事は説明されていたでも、その理由までは聞いていなかった。

その理由を聞いたのは私が14歳の中学二年生の時だった。涙が止まらなかった。気がつけばシノンをぎゅっと抱き締めていた。

 

「わ、私がお姉ちゃんになるから!シノンの家族になるから!ずっと一緒だから!!」

「……………ん」コクッ

シノンはそっと肩の服を掴む。その手は怯えながらも離れたくないという意思表示だった。

そこから、私達はもっと仲良くなった。

お姉ちゃんと呼んでほしかったけどシノンは中々呼んでくれなかった。

そして、私はある提案をした。

「私が高校に合格したら私のことお姉ちゃんて呼んで!!」

正直シノンと同じ高校に入るには少しギリギリだった。だから提案したのだ。苦手な文系を頑張って勉強して見事合格。そこからシノンは私の事をココア姉と言ってくれるようになってくれた。

 

そんなシノンと街に出掛けてしばらく歩いていた。

 

「ね!シノン次どこいく?」

「…………………………」

「う~んじゃあ、本屋でいい?」

「……………………」

「わーい!ありがとー!シノン♪」

「………………」

周りの人達(なんで会話が成立しているの!?)

他の人からしたら私がずっとシノンに一方的に話し掛けてるようにしか見えないかもしれない。でも私達の会話は成立している。ちなみに今の会話はこう

※(シノンが言ってる言葉でココア視点)

「ね!シノン次どこいく?」

(ココア姉の行きたい所でいいよ)

「う~んじゃあ、本屋でいい?」

(もちろん、いいよ)

「わーい!ありがとー!シノン♪」

(うん)

 

ココア、もしくは保登家の人達しか出来ない神業である。

このあと、2人は本屋をめぐり服を見て休憩にカフェに入った。シノンはバニラアイスとカフェオレ。ココアはスイーツパフェにオレンジジュースを注文した。

 

「ん~美味しい~♪」

「………………」コクッ

シノンはそっと少し立ち上がるとココアの口に手を近づけた。

「………………ん」

「ん?シノンどうしたの?」

「……………………」

「え!?」

「………………あむっ」パクっ

シノンはココアの口元にあったクリームを手で掬うとそのまま自分の口へと……そして食べた

「シ、シノン!そういうのはしちゃ駄目だよ!!」

「…………………………?」

「そ、それは、とにかく駄目なの!駄目なものは駄目なの!」

 

↑の会話はこうである。

 

「ん~美味しい~♪」

(うん、美味しい)コクッ

(ココア姉……ちょっと)

「ん?シノンどうしたの?」

「動かないで」

「え!?」

(あむっ)パクっ

「シ、シノン!そういうのはしちゃ駄目だよ!!」

(なんで?)

「そ、それは、とにかく駄目なの!駄目なものは駄目なの!」

 

シノン達はカフェのあとは公園に来ていた。2人はたくさんいるうさぎと戯れていた。

 

「わー!うさぎかいっぱい!」

「……………………」

「わかってるよ~」

「……………………」

「う~んもふもふ~♪」

「……………………ん」

「………………………………?」

「……………………」キョロキョロ

「…………………………はぁ」

~しばらくして

「あれ?シノン?もう~シノンったら自分が言ったくせに迷子になるなんて」

「シノン~どこ~」

「………………」ペシ

「いたっ!?あれ?シノン!?」

「……………………」

「え~シノンが迷子になったんだよ!?」

「……………………はぁ」

「シノン?」

ぎゅっ

シノンはココアの手を掴んだ。しかも俗に言う恋人繋ぎである。

「シノン!?!!?」

「……………………!」

「いや、それはそうかもしれないけど」

「……………………」

「う~心臓にわるいよ~」

 

↑の以下略

 

「わー!うさぎかいっぱい!」

(迷子にならないでよ?)

「わかってるよ~」

(本当かな~?)

「う~んもふもふ~♪」

(確かに可愛い……ん、もふもふだね)

(ん?)

(ココア姉?)キョロキョロ

(はぁ、言った傍から)

~しばらくして

「あれ?シノン?もう~シノンったら自分が言ったくせに迷子になるなんて」

「シノン~どこ~」

「居た」ペシ

「いたっ!?あれ?シノン!?」

「探したよ。ココア姉……まったく言った傍から迷子にならないでよ」

「え~シノンが迷子になったんだよ!?」

「…はぁ、ココア姉が迷子なんだよ?もう……」

「シノン?」

ぎゅっ

シノンはココアの手を掴んだ。しかも俗に言う恋人繋ぎである。

「シノン!?!!?」

「これなら、はぐれないでしょ?」

「いや、それはそうかもしれないけど」

「文句言わない」

「う~心臓にわるいよ~」

 

公園を出ようとすると5歳くらいの2人の姉弟がいた。

「おねぇちゃんまってよー!」

「もう、はやくおいで」

「うん!」

姉弟は仲良く手を繋ぎながら歩いていった。

 

「ねぇ、シノン?シノンは私がお姉ちゃんでよかった?」

いつも明るいココアには珍しくなんとも静かで落ち着いた声で聞いてきた。その姿は心なしか大人びて見えた。

「…………………………」

「そっか、うんありがとうシノン!」

ココアは繋いでいた手に少し力が入っていた。それは、もしかしたら目元の涙を止めるためだったのかもしれない。

「行こっ!シノン?」

「……………………うん」コクッ

 

ココアは帰り道こんなことを考えていた。

私はこれからもシノンのお姉ちゃんでいよう

でも、少しぐらいお姉ちゃんじゃなくて一人の……そう一人の女性として見てほしいかな

 

それは、1人の恋する乙女の願いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、シノン?シノンは私がお姉ちゃんでよかった?」

(ココア姉とモカ姉が俺のお姉ちゃんでよかったって心の底から想ってるよ?)

「そっか、うんありがとうシノン!」

 

 

 

 




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