ご注文は無口な少年ですか?   作:獅子龍

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今回はチノとのデートです。チノの書き方がちょっと微妙かもしれません。さらに、
書きたいことを勢いで書いたので……ちょっと短めです。
本当は年が変わった瞬間に投稿したかったのですが寝ちゃいました。
今回も暖かい眼でご覧ください。


5関羽 無口な少年とチノとの1日

私の名前は香風 チノ

ここ喫茶店ラビットハウスマスターの娘です。

昼は喫茶店で夜はバーになります。

そんなラビットハウスには勿論のことだが働いている人がいる。

私と私の父、そして一応私のお爺ちゃん。今は兎ですか

少し前からバイトとして働いて貰ってるリゼさん

今年の春から家で下宿しているココアさん。

そして、ココアさんと一緒に下宿兼働いて貰ってるココアさんの弟のシノンさん。

今日はそんな無口なシノンさんと私のお話です。

 

 

 

 

お昼前のラビットハウス。

リゼさんとココアさんは2人とも用事があってここには私とシノンさんの2人きりです。

 

「………………終った」

「あ、ありがとうございます。」

「………………」

「………………」

 

シノンさんは皿洗いが終ったのかキッチンから顔を出していました。

私は一言かけて、このあとどうするかを考えていました。

昼過ぎとはいえお客さんもいなく。何をしたら良いのか。普通の人なら対談等するのでしょうけど元からお喋りではない私と無口なシノンさんでは会話どころか目も会わせていませんでした。

 

「あ、コーヒー豆の補充しませんと」

 

私は倉庫に行ってコーヒー豆の入った袋を持ち上げようとするが、しばらく持っていなかったからか袋の重さに負けて後ろに倒れそうになります。

倒れる衝撃を思い目を瞑る。

「……ッ!」

ボフッ

しかし、来たのは痛みではなく柔らかくだけど少し固く。そして柔らかい触感だった。

 

「あ、あれ」

「………………大丈夫?」

「シ、シノンさん」

「………………コクッ」

 

後ろに居たのはシノンさんだった。

いつもの優しい雰囲気とその鋭い目付きが近く少し私はドキとしてしまう。

 

「………………持つよ」

「え、いやでも」

「……………………力……仕事……だから」ポン

「あ、ありがとうございます。」

 

シノンさんは大きいほうの袋を軽々しく持ち上げ部屋を出ていく。部屋を出ていく前にシノンさんは私の頭に軽く手を置きポンポンと2、3回叩く

私はその行動に嬉しさと少しの嫌悪感を感じた。

まるで子供扱いされているようで嫌だった。

 

「…………お昼作る?」

「わ、私が作りますよ」

「……………………大丈夫」ニコッ

「え、あの」

 

シノンさんは、そういうとキッチンへと入っていった。

その優しさが暖かさが苦しくなる時がある。

彼の優しさは私を妹だと思ってるから物なのかもしれない。

 

「シノンさんは……私をどう思ってるんでしょうか」

「………………俺が……何?」

「え!!い、いや何でも無いです。」

「……………………?」

 

そのあとシノンさんが作ったオムライスを食べながらお昼を過ごした。

その間も心のモヤモヤは切れなかった。

食べ終わって片付けしていると父に買い出しを頼まれた。シノンさんと一緒に

 

 

「…………何……買うの?」

「オレンジジュースとグレープフルーツジュース等の飲み物関係を買ってきてほしいと」

「…………カクテル用…………がなくなった……のかな」

「あと、クラッカーとパスタだそうです。」

「……………………荷物……多くなるね」

「そうですね。」

「…………飲み物の方………………持つね」

「あ、ありがとうございます。」

 

 

2人で歩いていると向こうから女性が2人歩いてきました。

「あら~貴方カッコいいわね」

「そっちの子は可愛いわね~~」

「あ、あの」

2人の女性が私達に詰め寄ります。私が困っているとシノンさんが前に立ってくれました。

「……………………すみませんが…………急いでるので」

「え~~良いじゃない」

「そうよ少しだけ」

「………………すみません。」

 

中々引き下がらない女性達に私は少し嫌な気持ちがした。そして、無意識だった。シノンさんの服の袖をギュッと掴んでいた。

 

「………………?」

「あ、いや、その」

「………………ん」ニコッ

「え?」

 

「………………すみませんが……見ての通りなので…………勘弁して貰いたい」

「……そうね♪」

「これ以上は無粋ってものね」

 

シノンさんが少し言うと女性達は素直に離れていった。

何故今、私はシノンさんの袖を掴んだんでしょうか

まるでシノンさんがどこか行ってしまうそんな気がしたのだった。

お店について買い物を済まして、帰ってる途中。

 

「…ふぅ」

「………………疲れた?」

「え、いや、その」

 

ど、どうしましょう。さっきのシノンさんの態度でついため息を……変に誤解させてしまいました。

 

「…………少し……休んでく?」

「は、はい」

 

近くにあった公園のベンチに座って。シノンさんは飲み物を買いに行きました。

もちろん、私は断りました。しかし、シノンさんは『…………大丈夫』と

ココアさんに子供扱いされるのも嫌でしたが、シノンさんにされるのは別の嫌な感じがするのは何故でしょう。

 

 

「グ、クフフフフ。ソ、ソコノオジョウサン?」

「は、はい?」

 

声をかけられて、そちらを向くと父よりも背が高く。服を着ていてもわかるぐらい立派な筋肉をしている。黒人が立っていました。

 

「ス、スコシ。ミチアンナイタノミタイ!」

「え、でも、その」

「イイカラ!オネガイ」

「あの、ちょっ」

 

その、黒人さんは私の手を強引に掴んできました。

一瞬で悪い想像をしてしまう。このままどこに連れられるのか、連れられた先で何されるのか。

もしかしたら、もう会えなくなるかもしれない。

ココアさん、リゼさん、シャロさん、千夜さん、マヤさん、メグさん、お父さん、おじいちゃん。

 

 

 

シノンさん!

 

 

「…………ハァ!!」

「what!!!?」

「ッ!?」

 

もうダメだと思った矢先、シノンさんが黒人の腕を蹴り上げ私を抱き抱えた。

 

「!!マ、マタオマエカ!!」

「……………………」

「シ、シノンさん」

 

「……俺の大事な女に……手ェ出してんじゃねぇよ!」

「お、女…………」

「オマエ!ブッコロス!!」

「…………チノ……離れてろ」

 

シノンさんは私をおろすとそう言う。しかし、私は腰が抜けてしまっていてそこから、動けなかった。

「……チノ!?」

「す、すみません。腰が抜けてて」

「………………なら、俺に捕まってて」

 

再度私を抱き抱えるとそう言いました。私はさっきの恐怖もあり無意識にシノンさんの首に腕を回していました。

 

「ソノコ!オレノヨメ!!」

「…………させるか」

 

黒人がシノンに殴りかかる。それをシノンは紙一重で避けて、そのまま右蹴り。

黒人は両手で振り下ろす

「コノヤロー!」

「…………ハァ!!」

それを避けながら相手の懐に入り、足を上げて顎を蹴り上げる。そのままスキだらけの鳩尾に肘打ち、正拳突き、掌底打ちを繰り出す。

 

「ゴハッ!」

「…………もっと!」

 

そこから、始まる連撃!猛撃!!

右蹴り・ローキック・正拳突き・裏拳・掌底打ち・かかと落とし。一切相手に攻撃の隙を作らせない。

その猛撃を受けて黒人は膝をつきこちらを睨んでいく。

 

「オ、オマエ!ソノコノナンナンダ!」

「………………すぅ~」

 

シノンはゆっくりと足をあげた。

 

「………………ハァァ!!」

「グホッホ!!?」

 

 

そして、黒人の後頭部にかかと落としを決めた。

男はそのまま地に伏せて起き上がることはなかった。

 

「………………言ったろ…………大事な(ひと)だってな」

「!!」

 

あ、そっか。シノンさんは私を子供扱いなんてしてなかった。私のことを1人の家族として、1人の妹として、1人の女性として扱ってくれていた。

一番子供扱いしていたのは……シノンさんではなく私自身だった。

 

少し離れた木陰~

 

「………………大丈夫?」

「ぐすっ……ぐすっ……あ、ありがとうございます。」

「………………うん」よしよし

 

シノンさんは優しく頭を撫でてくれる。

暖かく、心地良い、いつまでも感じていたい温まりだ。

夕方になり夕陽が周りを照らし、聞こえる呼吸は2人のみ。

 

 

「……………………」

「…………ぐすっ…………ぐすっ」

「…………………………守るから」

「……え?」

 

ギュッ

 

シノンさんが優しく私を抱き締める。

左手が私の背中に、撫でていた右手はそのまま後頭部をより自分へと引き寄せてくれる。

 

 

「………………何があっても…守るから」

「……」

「………………ずっと側に要るから」

「…………はい。…………ッはい!」

 

~次の日

 

 

「~~♪」

「あれ?チノちゃん何か良いことあった?」

「な、何がですか?」

「そうだな、鼻唄なんて歌ってるし」

「な、何でもないですよ!」

「「??」」

「あ、あー!そうでした。コーヒー豆の補充しないと」

「………………手伝おっか?」ポン

「…………えっと……その」

「…………?顔…………赤い?」

「ッ!き、気のせいです!!」

「……………………?」

 

この気持ちがなんなのか、まだよくわからないけど。

でも、不思議と嫌では無いですね。

いつか、この気持ちがわかった時……私はあなたに。

 

「ふぅ、シノンさん!」

「………………ん?」

「運ぶのお願いしますね!」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは青い少女の無口な少年への気持ちが変わる…………そんな1日だった。

 

 

 

 

 

 

 




読んで頂きありがとうございます。
次回も気長にお待ちいただければ幸いです。
そして、こんな自分ですが今年もどうぞよろしくお願いします。
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