指揮官が不細工すぎる   作:排無

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1話

「…以上が今日の出撃報告だ」

「ありがとうエンタープライズ。今日はもう上がっていいよ。ゆっくり休みな」

「わかった。指揮官もあまり無理しないように」

 

私の指揮官は信頼できる。私達艦船のことを第一に考えて行動してくれる。休暇は多いし、結構自由な生活をさせてもらっている。とにかく性格は素晴らしいのだが誰にでも弱点はあるというもので…

 

 

 

その…残念ながら顔が…あの…あまり良くない。

 

 

 

いや、正直「あまり」という言葉には収まらない。身も蓋もないことを言えば不細工なのだ。それも極度の。天は二物を与えずと聞くが両極端すぎる。私もこの学園に来て長いが未だに慣れない。

初めて指揮官を見る者は等しく顔を歪める。重桜の言葉でいうところの…チミモウリョウ?その破壊力は一部の駆逐艦に至っては泣き出すほどだ。初期艦であるジャベリンが指揮官の性格のフォローをしなければ、誰も彼に付いて来なかっただろう。

 

顔が良くないのは指揮官自身も分かっているようで、基本的に大きなサングラスとマスクで顔を隠している。さらに私達艦船から距離を取ろうとしていることが言動から伝わってくる。気を遣ってくれているのは分かる…が、寂しい気持ちもある。多くの艦船が指揮官を慕っているのだ。それは私も例外ではない。

この指揮官の顔面問題、どちらかというと艦船側の方が気にしている。

 

 

 

顔を隠している以上、指揮官も全く気にしていない訳ではないだろう。自分の顔を自虐する発言もなくはない。

問題は私達。彼のことをもっと知りたい、という気持ちがあるのに行動ができない。あの顔を知っていると、どうも上手くコミュニケーションが取れなくなる。

人間は顔じゃない。中身だ。と何度自分に言い聞かせても、性格の良さを外見が相殺してしまう。それ程までに指揮官の顔面は壊滅的なのだ。

 

そんな私の指揮官は鉄血の艦船をよく出撃させている。彼女達はドライな性格の子が多いので、あまり上官の顔というものは気にしていないらしい。特にアドミラル・グラーフ・シュペー。彼女のドライっぷりは驚嘆に値する。当然、全員が全員そういう訳ではないけれど…

逆に深刻なのはロイヤル。女王であるクイーン・エリザベスが指揮官の顔を見て半狂乱になったことは目に焼き付いている。フッドやウェールズのような大人はいいのだが…陣営全体の士気は限りなく低い。

指揮官は『無理に出撃しなくてもいいよ』とは言っているものの、流石になんとかした方がいいと思う…

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