指揮官が不細工すぎる   作:排無

6 / 8
指揮官視点です。


6話

ケッコン。

それは指揮官との間に強い絆を持った艦船だけが執り行うことができる儀式。指揮官から渡される誓いの指輪を付けることで彼女達はさらに強くなれるという。ケッコンという名称から全ての艦船の憧れでもある…らしい。

 

私は自他ともに認める不細工である。もはや不細工という言葉では収まらない程度の。なので結婚どころか女性とお付き合いすることすら不可能だ。そもそも日常的な会話だって怪しい。艦船達から距離を置かれるのも仕方ないことだと割り切って真面目に仕事をしてきたつもりだ。そんな中飛び込んできたのがこのケッコンの話。書類一式と指輪がついにこの学園にも届けられた。

言うまでもないが誰にも渡す気はない。戦力強化の目的でケッコンしたら相手に失礼だ。何故ケッコンという名称にしてしまったのか。何故指輪なのか。勘違いを生んでしまうからせめてブレスレットあたりにして欲しかった。

 

ところで、私はこんな風貌だが両親は普通の見た目をしている。一人っ子の私を大切に育ててくれたし、こうして国を守る仕事にも就かせてもらった。荒れた時期もあったが両親には感謝してもしきれない。本当は子供の一人でも儲けて親孝行したいものだが…そこは察してくれているようだ。

 

さて、ケッコンに必要不可欠なのは艦船との絆。ケッコンしている同僚の指揮官曰く、「目から想いが伝わってくる」らしい。

残念ながら間違いなく異性としては好かれていないことぐらいは分かる。女性関係が母親以外に全くない私でもだ。なんて言うんだろう。とにかくサングラス越しでも無理してる感じがひしひしと伝わってくる。

こっちも無理して関わってもらわなくていいのに、言葉にしてはっきりそう伝えているのにも関わらず何故だか彼女達は『頑張る』。頑張るのは出撃の時だけでいいし、嫌なものを無理して見なくてもいい。こちらは出来る限り顔を隠して自衛しているのにどうしても見たがる。「押すな」と言われると押したくなるようなものだろうか?現にロイヤルの艦船達が洒落になってない状況なのだが。

顔が原因でいじめられたり差別されることは多々あった。それは仕方ないと自分に言い聞かせて耐えることはできたが、顔が原因で他人に深刻な精神ダメージを与えてしまっているのはもっと辛い。

 

秘書艦のエンタープライズには本当に申し訳ないと思っている。彼女も多少は慣れたのだろうが面と向かうと顔が引きつっている。最近は元気がないようにも見えるし…そろそろ長期休暇を与えた方がいいな。




そろそろ最終回
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。