指揮官が不細工すぎる   作:排無

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最終話

指揮官は学園を辞める決心をした。

理由は自分の顔が原因で傷ついた艦船を増やしすぎてしまったとのこと。これ以上被害者を出さないためにも責任を取って辞めるのだという。

 

「…ということだ。明後日にはもうここを出て行くが心配しないでほしい。すぐに代わりの指揮官が来るはずだ。」

「ま、待ってくれ指揮官!貴方の代わりなんて誰もいないんだ!」

「ははは、そりゃこんな顔をした人間の代わりなんていないだろうよ」

「そういうことじゃなくて…!」

 

必死に食い止めようとしても私は論破される一方だった。指揮官の言うことが全くもって正論すぎて話にならなかった。

 

 

 

次の日の朝。

動ける艦船達の前で指揮官が辞める旨を発表した。

少しはざわついたものの、声をあげて反対する者は誰もいなかった。私としては少しぐらいいてほしかったのだが…大勢の注目もあるし言い出しにくかったのだと思いたい。

 

明日には指揮官が出て行ってしまうので今日は全員、全ての学園機能は休みになった。秘書艦らしく最後くらい指揮官の手伝いをしたかったのだが、彼の準備は完璧でほんの数十分で終わってしまった。いずれこうなることを見越していたようだった。後は私が後任の指揮官に引き継がれた仕事を説明するだけだ。

 

「ありがとうエンタープライズ。後は任せたぞ」

 

サングラスとマスクに覆われた彼の顔がなんとなく笑ったように見えた。

 

 

 

今日は何もすることがなくなった私は部屋のベッドに寝転がり、ぼーっと天井を見上げていた。

ここに着任して1年と数ヶ月。指揮官とは長い付き合いだが、思い返せばあっという間だった。こんなに早く指揮官が辞めてしまうのだから。

 

目を閉じると浮かんでくるのは指揮官との思い出。

初めて指揮官の顔を見たあの日。心臓を鷲掴みされたような衝撃を受けた。

そしてセイレーンとの終わらない戦いの日々。

 

…ん?おかしいな…戦った記憶は多々あれど指揮官との思い出がほとんど出てこない。指揮官の顔がすごくて…指揮官の顔がとてつもなくて…

 

「う、うーん…うーん…」

 

 

 

「姉ちゃんうなされてるけどどうしたの?」

「そっとしておいてあげましょう…」

 

 

 

朝起きたら指揮官は既にいなくなっていた。私達への感謝と、今日にも後任の指揮官がやってくることが書かれた手紙を残して。せめて見送りぐらいはさせてほしかったが…彼なりの配慮だろうか?

 

指揮官のいなくなった執務室で、ジャベリンと私は窓から校門を眺めて新しい指揮官の着任を待っていた。

 

「エンタープライズさん、新しい指揮官さんはどんな人でしょうか?」

「さぁ…優秀らしいが見たことはないって彼は言ってたな…」

「カッコいい人だといいですね!」

 

私はあまりそういうことは気にしないタイプなんだが…一応期待することにしよう。

 

「あ!来たみたいです!」

 

正門にそれらしい車が止まるなり、ジャベリンは部屋を飛び出していった。

 

「全く…元気だなジャベリンは…」

 

彼女を追いかけて校舎を出た瞬間のことであった。

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!?」




完結です。

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