僕の個性は自衛隊   作:こしあんA

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皆さんこんにちは。
今回かなり描写を頑張ったと思っています。
それでもまだ稚拙な文章のため、ご指摘お願いします。

これは四月分ってことでいいですか?
ちなみにストックは1つ残っています。

ここまで投稿が遅い理由は、QC検定三級とかいうものの勉強をしているからです。
以前十二月に乙4という資格試験も受けました。
なのでその頃は投稿を出来ませんでした。
そして乙4を合格しました。

ガソリンなどの危険物を扱えるようになります。
なのでガソスタでバイトする場合賃金が上がるとか。
バイトしませんけどね。




9話 満身創痍

『できる限り応急処置はしたつもりだ。だが足と腹に埋まった弾丸は取れないし、背に刺さった破片はどうしようもない。専門の場所で治療を受けなきゃならん』

 

『ああ、分かった。ありがとう、じゃあ……』

 

『まあ、待て。この痛みを今のお前に押し付けるのも酷ってもんだろ? ()()()()までは肩代わりしてやるよ。それにまだヴィラン? とかいうやつらがいるんだろ?』

 

『じゃあ、お言葉に甘えて』

 

『よし、まだ生を謳歌できる!』

 

おい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

階段は塞がっていて使えない。今のこの身体では危険だがラペリングをするしかない。

 

 

 

出現させたロープを柱にこれでもかと頑丈に縛り付け、解けないか引っ張って確認もした。

その後、専門の道具を使って窓に登り、外に足から降ろしていく。

そして、スタスタと造作もなく壁を蹴って降りていく。

 

 

『うまいな』

 

「だろ?……あっ」

 

足から鳴ってはいけない音が俺にも聞こえた。

 

『やめろよ、それ俺の体だぞ!……そういえばスナイパーがどうたらとかあいつ言ってたけど今の状況かなりヤバくない?』

 

「あんなん嘘に決まってんだろ……多分」

 

彼の予想が合っているのか撃たれる事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

ビルから降り、ロープとその他一式を消す。そして、八十九式小銃を新たに出現させる。

 

『待て、俺はそんな武器解放してないぞ!』

 

「これか? さっき解放された」

 

『通知来てないんだけど! 通知さん、仕事して!』

 

「その件に関しては後で教えてやるから」

 

今は(ヴィラン)の無力化と脱出をしなければならない。

山口の見たもの、知っているものであれば共有ができるため事情はあらかた理解している。

 

 

 

 

ビルの窓から見た広場へと歩こうとする。

その時、体が影で覆われた。

負傷した足にムチを打って前へ回避する。そして、後ろへ振り向こうとするが、視界の右端に人影らしきものを捉えた。

地面を蹴り、左へと跳ぶ。

そして、その人影の方向へ銃口をむけ、セレクターを『ア』から『レ』まで回し、引鉄を引く。

 

「ギャアアア!!!」

 

発射された約7発の弾丸の内いくつかが(ヴィラン)の肉を食い千切り胴体を貫いた。

(ヴィラン)は激痛に倒れ、コヒュー……コヒュー……と荒く息を吐く。

 

体勢を立て直し、状況を確認する。

目視できる(ヴィラン)は残り7名

タンクと思わしき者2名、遠距離型と思わしき者3名、オオカミの姿をした者1名、他1名に関しては不明。

 

遠距離型らしき3名に狙いを定め引鉄を絞る。

約8発の弾丸が弾き出された。

照準はしっかりと敵を見ている。

しかし、弾は1発も遠距離型(ヴィラン)に命中することはなかった。

 

その代わりに全身金属の(ヴィラン)の体に弾丸がへばり付いていた。

 

「残念だったな。俺の個性は磁石、近くにある金属は自然と俺に寄ってくる。お前に勝ち目なんて……」

 

「ほい、手榴弾」

 

「えっ?」

 

手榴弾は(ヴィラン)の体にへばり付き、数秒後爆発した。

爆風は彼の背後にいた(ヴィラン)をも襲い、遠距離型3名中2名が気絶し、1人は朦朧としている。

直撃を受けた(ヴィラン)は身体が金属で覆われているのか気絶で済んでいる。

 

 

残存敵勢力は4名

タンク型、遠距離型、オオカミ、そして不明

 

「お前は後方支援を頼む。他は俺と一緒に奴へ肉薄する!」

 

タンク型と思わしき巨漢の(ヴィラン)は腕をクロスし、顔面を覆いながら、突撃の魁として切り込み隊長の役を務める。

他2名も彼を盾にしながらこちらに向かってくる。

まるで戦車と歩兵だ。

 

 

 

 

切り込み隊長の(ヴィラン)に狙いを定め、引鉄を絞る。

弾き出された弾丸は全弾命中するも、全てが弾かれた。

オオカミ(ヴィラン)はタンクの背を踏み台に跳躍。

それと同時にもう1人も右翼へ展開。

タンクは以前前へと前進。

 

ダメだ。避けきれそうにない。

 

「わおおおぉん!!」

 

けたたましい雄叫びが響き、俺の鼓膜は破れた。そして、一気に降下してその鋭利な爪で俺を引き裂こうとする。

銃口を向け引鉄を絞る。

弾丸がいくつも発射され、オオカミ(ヴィラン)の胴体に穴を開けた。

 

雄叫びは直ぐ悲鳴へと変わった。

 

 

 

 

 

未だ不明な(ヴィラン)は何もない虚空に向けて腕を横に薙ぎ払う。

次の瞬間俺の体全身が引き裂かれた。そして、追撃するかのようにもうひとりの巨漢の鋭い右ストレートが腹に決まった。

 

 

「グホッ!!」

 

 

160センチのこの体はいとも容易く吹き飛ばされ、口からは胃液とドロドロに溶けた食べ物が吐き出される。

 

 

「ひゃっは! クリティカルヒットだ!」

 

 

吹き飛ばされ、頭を強く打ったがヘルメットのお陰で大事には至らなかった。

腹の奥底がズキズキと痛み、それが広がってどこが痛いのかも分からなくなってきた。

切り傷は浅く、致命傷ではないものの全身から血が抜けていく。

あれはおそらくカマイタチといったところであろう。

 

 

仰向けのままP220を出現させ、カマイタチの野郎に大方向きを合わせ、5回引鉄を引いた。

そのうちのニ発が両足に命中し、悲鳴をあげて倒れた。

 

 

あと2人。

 

 

だが、ダメージを受けすぎた。

俺はどうとでもなるのだが、この身体が悲鳴を上げている。

立ち上がろうにも言う事を聞かなくなってきた。

 

 

「ガキが、ずいぶん調子に乗ってくれたな」

 

 

首を握り締められ、持ち上げられる。

 

「が……あ……はっ……」

 

首が締まり肺に酸素が全く送られなくなる。

苦しい。

考えようにも脳の回転が遅い。

 

こいつにダメージを与える方法が思いつかない。

手榴弾はもう使えない。そもそもこの距離ではこの身体が死ぬ。

迫撃砲なんて使い道もない。

他の対物兵器は開放すらされていない。さらにそのほとんどがこの距離では死ぬ。又は使い物にならない。

 

 

首締めに対する抵抗をやめる。

P220をもう一度呼び寄せ、銃口を向ける。

 

「!?」

 

もう1人に対して。

両足を撃ち抜かれた(ヴィラン)は必死に足を押さえる。

 

 

 

「狂ってやがる!」

 

 

(ヴィラン)は今自分が追い詰めているはずの男が浮かべた笑みに自分は本当にこいつを追い詰めているのか分からなくなった。

だが、こいつは今ここで殺さなければ今後(ヴィラン)に多大な被害が及ぶ。

それはなんとしても阻止しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、俺の行動に驚いたのか拘束が緩まり、肺に酸素が供給された。

しかし、それは本当に一瞬でさらに首が絞まった。

 

必死に抵抗するも指一本退かす事が出来ない。

 

 

 

 

 

「お前はいつか俺たち(ヴィラン)の大きな障害となる。今ここでその芽を摘んでやる」

 

そして、この仲間を担いでここから脱出してやる。

何が命令だ。あんな偉そうにしやがって。気に食わねぇ、死柄木 弔。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界の色がだんだん変わっていき、黒く、暗くなっていく。音は全く聞こえない。

あんな啖呵切っておいて情けない。

 

そのとき、複数の銃声がUSJ内に響き渡る。

その内の3発が目の前の(ヴィラン)の腕、足、腹に命中。装甲を破り体内へと弾丸は侵入した。

 

拘束が外れ、地面へと落ちる。

 

「ゲホ……ゲホ……はあ……はあ……」

 

生き返った。入ってくる酸素が美味しいと感じる。

40秒で息を整え、杖を出し、杖にして歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くそっ、ついてねぇ!

仲間はやられるは銃で撃ち抜かれるは。

一体どんな弾使いやがった。

クソ!

 

帰る、俺は帰るんだ。

痛みに耐え、仲間を担ぎ黒霧の野郎の所へと歩き出す。

しかし、その歩みは亀よりも遅い。

そして、再び銃弾を浴びせられ、無事だったもう片足も撃ち抜かれ、その場に倒れる。

 

「くそ……!くそ……!」

 

それでも背に仲間を乗せ、腕で体を引きずる。

そして、今度は腕を撃ち抜かれた。

だが男は這い続けた。

這って這って這い続けた。

しかし、次に背に乗せた仲間を撃たれ、

男は歩みを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『スマン、()()()()だ』

 

広場に着くと同時に体の主導権が入れ替わった。

 

「ぐっ……」

 

洒落にならない激痛に倒れそうになるも、杖にしがみつき倒れずに済んだ。

杖をつきながら歩く。その一歩一歩はとても遅く歩幅も短い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんて事だ……」

 

現状の有様に頭を垂らす。

 

「これだけ派手に侵入されて逃げられちゃうなんて」

 

「完全に虚を突かれたね……それより今は生徒らの安否さ」

 

 

 

……やばいな。

オールマイトは活動限界を大幅に超えている。

動こうにも指1つ動かない。

今は変身する際に発生する煙に隠れられているが、もし煙が晴れてしまったら。

その後の光景が容易に浮かぶ。

 

 

「緑谷ぁ! 無事か!?」

 

「切島くん……!」

切島少年! なんて素晴らしい心持ち!

だが今こっちに来られては……やばい、待って!

 

煙がだんだんと晴れてきた。

その時、地面が盛り上がって壁が出来た。

 

「怪我人の対処はこちらでするよ」

 

「ラジャっす!」

 

 

コツンコツンと杖の音がする。

 

「ちょっ、山口くん……何、その傷……」

 

「や、山口さん……」

 

その場に居る大体の人間が青ざめる。

当たり前だ。

服や包帯はズタボロに引き裂かれ、血で赤黒く汚れている。複数の箇所に銃弾で開けられたような穴。

そして、全身は血まみれ、切り傷まみれ。

 

そして何より、変形した耳が皆の視線を釘付けにした。

 

 

「スイ……マセン……俺の治療……も」

 

ぷつっと意識が途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、悪かったな。最後まで肩代わり出来ない挙句余計な傷まで増やして」

 

気がつくと何も無い空間に立っていた。

そして、例の男がバツの悪そうに立っていた。

 

「別にいいって……それより例の件、話してもらおうか」

 

「ああ、連射できたことか? 一応聞くけど実戦で一回でもフルオートにして撃ったことあるか?」

 

「当たり前だろ? それで出来なかっ……いや、待てよ……嘘だろ」

 

「やってなかったんだな」

 

実戦を経験する機会が全くないのもそうだが、セレクターに触れたのは『演習モード』の時の一回だけだった。

 

「プ……ふふ、実戦で単発だけとか……流石にないだろ……ハハハハハ!」

 

よほどおかしいのか地面にうずくまって床をバンバン叩く。

 

「……ふぅ、お前には課題がある。

 

その1 身長伸ばせ

その2 筋肉つけろ

その3 今度からここに来て素手での戦闘を学べ

その4 もっと武器を解放しろ!

 

以上だ。反論は認めない。じゃあな」

 

「ちょ、まっ!」

 

目の前が真っ暗なった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると俺はベットの上に横たわっていた。

腕には点滴が打たれている。

時間を確認するため時計はないかと探す。

時計を見つけ時刻を確認する。

 

8時30分

窓の外が暗いと言うことは夜なのだろう。

 

 

 

起き上がろうとするが、体が怠く動けない。

脳の働きも鈍い。

 

「おや、目が覚めたかい……本当にひどい怪我だよ。私たちヒーローがあんなにも近くにいたってのに何も出来なかったことが申し訳ないよ……ほら、これをお食べ」

 

口の中に温かいおかゆを押し込まれる。

 

「私の個性で治してはあげられたが、それは自身の治癒能力を無理やり活性化させているに過ぎない。しっかり栄養補給しないと衰弱死してしまうよ。」

 

また、おかゆを口の中に押し込まれる。

おかゆには細かく刻まれた鶏肉などが入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒロ!」

「ヒロちゃん!」

 

数分後血相を変えた親がやってきた。

 

「良かった、生きててよかった……! ヒロちゃんが寝込んでるときもう目が覚めないんじゃないかと……」

 

俺を強く抱きしめた母は小刻みに震えていた。

 

「お前が寝込んでいる間本当に心配だった。目が覚めて本当に良かった……」

 

いつもふざけている父の泣き顔を初めて目にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リカバリーガールのおかげで傷もほとんど治っていた。

だが、怠さは治っていない。

もっと栄養を摂取しなくてはいけない。そのためさっきから煮干しや干し椎茸、肉などを貪り続けている。

不思議と食べても食べても、食べ足りない。

余程栄養を持っていかれたのだろう。

食べ物を掴む手が止まらない。

 

 

そういえばアイツになんか言われたっけか。

課題がどうこうとか。

 

『もっと武器を解放しろ』って言ってたのはよく覚えているんだけどな。

それ以外がどうしても思い出せないな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変形した耳はなんとか治ったものの、銃創は痛ましく残っていた。




敵強くしすぎましたね。
あと、山口の体を操った男の名前に悩んでいます。
もしよければ名前を付けてあげてください。



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階級を自衛隊式にすべきか!

  • 自衛隊式
  • 大日本帝国式

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