そんな君、こんな僕   作: 龍也/星河琉

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みなさんこんにちは!龍也です!
バンドリ作品はこれで2作目となります!
常にマスクをしている男の子、本田 光瑠くんのお話です!



第1話 虚無

 

 

 

 

 

 

 

 もしも、学校でいじめられていなかったら。もし自分が、誤解されやすい人間じゃなかったら。

 

 彼はずっとそう思っていた。だが、その本音は誰にも伝わることはなかった。

 生きる希望を失いつつある少年は、一筋の光に縋ることになる。

 

 これは、恵まれない少年が人と関わることで変化し、そして、成長するお話。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 いつも通りの朝。いつも通りの生活。僕くらいの歳の人なら、今の時間帯は学校に行っているだろう。

 

 現在時刻は9時30分。幾度となく聞いた目覚まし時計の音で、僕は目が覚めた。

 

 

 本田 光瑠(ほんだ ひかる)17歳。 現在不登校。

 

 長めの黒髪をかき乱しながら、僕はゆっくりベッドから出る。紙箱からマスクを取り出し、それを口元に着ける。私服に着替えてから部屋を出て、キッチンにあるカップラーメンを取りに行く。

 

 普段から何も変わらない、いつもの生活。

 

 別にこの生活で不自由なことはない。好きな時間に起き、好きな時間に食べ、好きな時間に勉強し、好きな時間に寝る。

 

 これほど楽な生活はあるだろうか。だが、欠点を言うならば、同年代と関わる機会が皆無なことと、外出しない為、運動不足が更に悪化することくらい。

 

 ……そんな生活でも全然構わないと、僕はそう思ってる。

 

 友達を作りたいなんて欲望は、中学の時点で消え失せた。友達を作ったところでまた誤解され、勝手に離れていくからだ。

 

 僕は小学校の頃から周りから誤解を受けやすく、自分がやっていないことを自分のせいにされたりした。

 

 僕は面倒なことになるのが嫌だった為、全て自分がやったと言っていた。しばらくは陰口悪口が飛び交うが、いつかほとぼりが冷め、誰も気にしなくなる。

 

 それと、誰かが悪く言われることが嫌いだった為、いっそのこと僕が代わりに悪口を言われれば、誰も傷つかずに済むと思ったから。

 

僕はそれを善意でやっていたが、その善意につけ込んだ連中からいじめが始まった。

 

 最初はただ罵倒されるだけだったが、徐々に物を隠されたり、暴力を振るわれたりした。日に日にそれがエスカレートし、僕の身体は傷だらけになった。

 

 誰も傷ついてほしくなかったから、良かれと思って自分が責任を背負っていたら、いつのまにか僕の居場所は無くなっていた。

 

 中学校に進級した後も同じ。

 

小学校の時のトラウマで笑うことができなくなり、顔が怖いという理由でいじめられるようになった。

 

だから僕はマスクで顔を隠しながら生活することにした。そんな生活が3年間続き、耐えられなくなった僕は、中3の後半に不登校になった。

 

 高校へ行かないことを決め、しばらくの間自室に引きこもった。中学の卒業式にも出席せず、校長室で卒業式を行った。

 

 卒業した後も高校に入学せず、独学で勉強をした。そんな生活が1年以上続き、いじめられたこともあってか、人に恐怖を抱くようになり、人とどう接すればいいかわからなくなった。

 

 

 だから僕は学校へは行きたくない。行っても無駄。そう思っている。

 

 だから僕は自分で勉強する。毎日問題集を解きまくる毎日。勉強ばかりで退屈だと思うことはあるが、それでいい。学校に行くよりはマシだから。

 

 

 いつものように問題集を解いていると、微かに玄関のドアが開く音が聞こえた。

 

 多分、帰ってきたのは母親だろう。そう思いながら問題を解いていると、階段を登ってくる音が聞こえ、しばらくすると部屋をノックする音がした。

 

 部屋のドアを開け、母が自室に入ってきた。

 

「ただいま光瑠。お勉強中かな? 」

 

 長い茶髪を後ろで結び、ぱっちりした目。明るくて誰とでも分け隔てなく接する為、町内で人気があるらしい。なんでそんなに人と接するのか、よくわからないけど。

 

「おかえり。お母さん」

 

「いい加減、そのマスク外したら?今はマスクする季節じゃないでしょ?」

 

「マスクしてる方が落ち着くんだよ」

 

「そう。光瑠がいいならいいけど、あ、それより光瑠。そろそろさ、……学校、行ってみない? 」

 

「えっ? 」

 

 いきなり何を言いだすかと思えば。学校に行きたくない理由は、お母さんが1番知っているはずでしょうが。何故に?

 

 

「……嫌だよ。僕が学校嫌いなの、お母さん知ってるでしょ? 」

 

「それはわかってるけど、学校はそんなに悪いものじゃないわよ。きっと、光瑠の良さをわかってくれる友達ができる。そう思うの」

 

 高校。昔は憧れていたけど、もう憧れとか、そんな感情は持てない。小・中学校であれだったんだから、高校もきっとそんな感じだろう。そんなふうにしか思えなくなった。

 

「今の生活で充分だよ。ちゃんと勉強してるし。ごめん。学校には、行きたくないよ」

 

「……そっか。光瑠の意見を尊重するから、無理に学校に行けとは言わない。でも、もし行きたくなったら言ってね。いい高校、知ってるから」

 

「……うん。わかった」

 

 僕がそう言うと、母は少し笑い、部屋から出て行った。

 

「いい高校……か」

 

 いい高校なんてあるのかどうか。まあ、考えるだけ無駄だろう。どうせ期待を裏切ってくれるんだから。

 

 お母さんが学校に行くのを勧めてくれているのに、行かないのは正直申し訳ないと思ってる。

 

 でも、傷付くのが怖いから。次はどんなことをされるかわからないから。愚かなわがままだということはわかってる。けど、しばらくはこの生活をさせてほしい。

 

 

 

「あと2ページ終わらせよ」

 

 そう呟き、問題集を解くのを再開した。現実から目を背けるように、問題を解くのに集中した。普段やることと言ったらこれしかないからだ。 一種のストレス発散だとも最近思い始めてきた。

 

 

 学校には行かず、自由な生活。やることはただ問題集を解くか寝るだけ。そんな色のない生活が、まさかあんな風になるなんて、今の僕にはまだ知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
不幸な学校生活をおくっていた光瑠くん。
彼はどんな生活をおくるようになるでしょう。
次回もお楽しみに!

感想、評価をもらえるとモチベが上がります!
ぜひ、お願いします!
それではまた次回のお話でお会いしましょう!
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