そんな君、こんな僕   作: 龍也/星河琉

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みなさんこんにちは!龍也です!
今回は光瑠くんが羽丘学園に行きます!


第4話 試験

 

 

 

自室で読書をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。振り返ると、大きめの封筒を手に持った母が部屋に入ってきた。

 

「光瑠ー!羽丘の入学手続きの書類、書いたよ! 」

 

「ああ、ありがとう」

 

羽丘学園に行くことを決めた日の翌日に、母は学校にすぐ電話してくれた。理事長と電話で話したらしく、この時期に入学する理由を説明したら、快く納得してくれたようで、すぐに入学手続きの書類を家に郵送してくれた。

 

入学手続きの書類に一通り目を通したら、1年生の過程を経由しなくとも、編入が可能だということがわかった。だが、編入する為には筆記試験を受けなくてはならないらしい。さすがに無条件で2学年の生徒として入学はさせてくれないのではないかと薄々そう思っていたが、見事に予想が的中した。

 

試験に関しては家で毎日勉強していた為、どんな問題が出てもいいように対策をしてある為、余程のことがない限りは大丈夫だと信じている。まあ、編入試験に難解な問題を出すとは到底思えないのだが。

 

 

僕が書類に署名をし、母が入学手続きの書類を全て書き終えた為、僕は明日、その書類を学校に届けると同時に、編入試験を受けることにした。学校にはあらかじめ明日に試験を受けに行くと連絡してある。

 

 

「ついに明日は編入試験だね!頑張って! 」

 

「うん。多分、そんなに難しくはないと思うけど」

 

「いつも勉強してるんだから、光瑠なら絶対大丈夫!きっと編入させてくれるわよ! 」

 

「そうなることを祈るよ」

 

「うんうん!明日の為に、今日は早く寝なさいよ?」

 

「わかってる。 もう少ししたら寝るよ」

 

「うん!えらいえらい!じゃあまた明日ね! 光瑠!」

 

「うん。おやすみ」

 

母は軽く手を振って、部屋から出ていった。えらいえらいなんてこの歳の僕に使う言葉ではないような気がするのだが、あえて指摘しなかった。

 

 

 

僕は本に栞を挟んで机の上に置き、電気を消した。編入試験といっても中学校卒業レベルの問題がほとんどだろうし、気楽に行こう。僕は心の中でそう思いながら、ゆっくり目を閉じた。

 

 

・・・

 

次の日、僕はリュックに書類が入ったクリアファイルと筆記用具を入れ、上着を羽織り、玄関へ向かった。今日は父と母は仕事の為、家にいない。

 

「行ってきます」

 

入り口のドアの鍵を閉め、母に言われたルート通りに、僕は羽丘学園へと向かった。

 

 

数分歩いていると、羽丘学園の校舎が見えてきた。予想していたより校舎が大きかったので、それなりに生徒数がいる高校だということがわかった。まっすぐ歩くと羽丘の校門前に着いた。

 

職員玄関へ行くと、先生が待ってくれていた。

 

「本田光瑠君だね?試験教室に案内するよ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

靴を履き替えた後、僕は先生に入学志願書が入った封筒を渡した。先生の後に着いて行き、指定された教室に入った。学校内に入ってまず思った事は、広くて綺麗の一言に尽きる。こんな環境で勉強できると思うと、少しだけ心が躍った。

 

教室の真ん中にある席に着くと、もう既に解答用紙と問題用紙が置いてあった。

 

「その問題用紙1冊にそれぞれ5教科の問題がある。試験時間は2時間。リラックスして解いてね」

 

「はい。わかりました」

 

リュックから筆記用具を出し、僕は問題用紙を開いた。そこに書かれていた問題は、僕にとっては余りにも簡単すぎる問いだった。5教科全ての問題に一通り目を通したが、どれも簡単に解けるようなものばかりだった。

 

(……なにこれ。簡単すぎる……)

 

正直こんなに簡単な問題だとは思わなかった。僕は1問数秒のペースで試験問題を解き、約30分で全ての問題を解き終わり、シャーペンを置いた。

 

「先生、終わりました」

 

「え、も、もう終わったのかい? 」

 

「はい」

 

先生は驚いた様子で解答用紙と問題用紙を回収した。

 

「今採点してくるから、少し待っててくれるかな?」

 

「わかりました」

 

採点の為、先生は小走りで教室から出ていった。誰もいなくなった教室で僕は静かに先生が戻って来るのを待った。はっきり言ってとても簡単な試験だった。昨日の緊張を返してほしいくらいだ。あんな問題、誰でも全問正解できるだろう。採点する意味はあまりないと思うのだが。

 

そんなことを思っているうちに、先生が戻ってきた。

 

「…本田君、君、どこか塾にでも通っていたのかい…?」

 

「いいえ? 通ってませんけど」

 

「この編入試験で全問正解したのは、君が初めてだよ……すごいよ本田君! 」

 

「え? 」

 

僕は思わず耳を疑った。全問正解したのが今までで僕だけ?いやいやまさか。あんな簡単な問題で?

 

「この試験で40点以上の点数を取れれば編入が認められるのに、まさか全問正解するとはね。ほんとに驚いたよ」

 

「は、はぁ……」

 

40点以上がノルマだったなんてあまりにもレベルが低いと思ったが、それを口に出したら怒られると思った為、言わなかった。

 

「今日の試験の点数と、君の人間性。両方とも問題なさそうだね。合格だよ。本田君。羽丘学園の2年生として、入学を許可します! 」

 

「え、あぁ、ありがとうございます」

 

意外とあっさり編入が決まった。まあ、当然といえば当然かもしれないのだけれど。

 

「詳しくは郵送で合格通知書と書類を送るから、それに目を通しておくこと。制服が用意でき次第、いつでも学校に来ていいから。これから頑張ってね。本田君」

 

「……はい。頑張ります。では僕はこれで」

 

「あ、待って本田君!1つ、聞きたいことがあるんだけど…」

 

リュックを背負って教室から出ようとすると、先生に止められた。この時期に入学する理由を聞く為だろうか。

 

「はい? 」

 

「君、この時期になってもマスク付けてるみたいだけど、なんで? 」

 

「……風邪予防です」

 

「あ、そっか!予防ね!そうだったんだ! あ、 あはは……」

 

 

てっきり今の時期から風邪予防するの?と聞かれるかと思ったが、苦笑いしながら納得した為、僕は先生に挨拶をし、教室を後にした。

 

 

職員玄関で靴を履き替え、僕は学校から出た。羽丘学園の校舎を眺め、窓を見ると、ずっと僕を見ている男子生徒と目が合った。その男子生徒がこちらに軽く手を振った為、僕は怖くなり、小走りで校門に向かった。

 

学校の敷地内から出た後、自分に手を振ってきた不思議な生徒のことを思い出しながら、僕は家の方角へゆっくりと歩いた。

 

 

 

 

一方その頃 教室にて

 

 

 

「…あいつ、転入生かな。なんでマスクなんかしてるんだ? しかも手振ったら逃げたし。……なかなか面白そうな奴だな…! ははっ! 」

 

結城(ゆうき)君?独り言言ってないで、ちゃんとノート取りなさい」

 

「はいはい。わかりましたよ。センセ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時からもう既に始まっていたのかもしれない。彼と目が合った、あの日から。

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。日頃の勉強の成果を発揮した光瑠くん!羽丘学園への編入が決まりました!

そして光瑠くんと目が合った謎の男子生徒の正体は…?
次回もお楽しみに!

感想、評価。どれもモチベーションが上がります!
ぜひぜひお願いします!

それではまた次回のお話でお会いしましょう!
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