今回は次回への導入的なものなのでハジケが薄いです申し訳ない。
雄英教師たちによる採点。
それは全教員を巻き込んだスマイリーの提案であった。
学年を問わずスマイリーの気まぐれによって突如として実施されるヒーロー科の生徒を巻き込んだ授業。
ヒーローの資格を持つ教師陣たちに生徒の様子をモニタリングさせ、採点。個々のプラス点とマイナス点を別々に平均化し、最後に合わせた点がその授業の成績になる。
もちろんマイナス100点に達した時点で除籍である。
教師陣が全員いるため他のクラスの授業はスマイリーお手製のスマ太郎ロボ教師モデルによって円滑に行われているため問題はない。
教師全員であるため新人教師であるオールマイトも採点しているが、根が優しいためなのか、なかなかマイナス点を高くつけられないようだ。
「うーん。緑谷少年の動きは悪くないんだが……」
「オールマイト。これはあくまでも練習です。ダメなところはしっかりと点数をつけるべきでは?」
「わかっているんだけどね相澤くん。みんな初日なのに頑張っているから」
「かといって甘くしてやる必要はあいつらのためになりません」
「う、うむ……」
相澤は手元の採点用タブレットにどんどんマイナス点を書き込んでいる。
「さあさあ! 採点しちゃってよー!! 今日はお試し企画だよー気にしないでいいんだよー」
八百屋を営業し始めたスマイリーに教師陣はおかしな目で見るが、
「オラ! 採点に集中しねぇか!!」
などとスマイリーがなぜかキレる。
八百屋なのに売っている野菜を勝手に焼きそばの材料にしていいのだろうか? 一部の教師は考える。加えていい匂いが漂って邪魔をする。
「ああ、ネギの嵐でみんな倒されてしまったね……」
「ちょうど授業も終わるころですし、問題ないなスマイリー」
「OK! お疲れ様ー!! 次の授業は夜ね!!」
「……ん? 夜?」
「それじゃ! 俺は準備があるから!!」
「ま、待ちたまえスマイリー! 夜ってなんだい!?」
オールマイトが止めようとするもスマイリーは足の裏からジェットを噴射して焼きそばを食べながら飛び立っていった。
『残った焼きそばは食べてね♡』
教師陣の大半がイラッとした。
ボロボロになった40人のヒーロー科生徒たち。
授業が終了するものの、クリアできない悔しさに打ちひしがれていた。
オールマイトらが裏で採点していたことを聞いて、多くの生徒が除籍を考えてしまったが、今回が初日であることと教師側も試験的な一面があった為に点数の増減はないという発言で、生徒たちは落ち着きを折り戻した。
だが、スマイリーが夜になにか仕掛けてくると相澤が言うと、緊張が走る。
「そういうわけで今のうちに寮に案内しておく。いつでもスマイリーが奇襲を仕掛けてきてもいいように用意しておけよ」
スマイリーが効率アップのために一時間で用意した学生寮へと案内した(他の学科にも存在する)
「おいでやすーようこそヒーロー科の皆さんわたくし寮母のスマ子と申します」
「何をしているんだいスマイリー……」
「出迎えに決まってんだろうに」
「着物を着た仮面の人間に出迎えられてもねぇ……」
「気にしない気にしない。さて新入生40人のガキどもよく聞けぇ!」
「一瞬にして軍服に着替えるなら着物は何だったんだ……」
軍服に着替えたスマイリーがヒーロー科ご一行の旗を持って案内を始めた。
「この共同スペースを正面に右が男子、左が女子だ。だが、部屋はまだ決まっていない」
「ん? まだ決まっていない?」
「そう。と、いうわけでスーパー部屋決め大戦をはじめるぜぇぇぇぇぇぇ!!」
マイクを取り出したスマイリーがそのように宣言すると。寮の入口が閉じられ、周囲に戦闘ロボが展開していた。
「この室内でどのような戦闘をするか、もしくはしないというのもありだ。とにかく部屋の中へ入ること。こいつらはそれを阻止してくる。捕まれば補習を受けてもらう」
スマイリーは生徒たちの顔を見渡す。
「さて、ただ部屋の中に入るだけじゃつまらん。特別ルールとして一番最初に部屋に入った者にはこの8割程度の再現に成功したエクスカリバーをプレゼントしよう」
「偽物なのにすごい迫力だな……本物はさぞすごかったんだろうね」
「そりゃすごいさ、俺の家に飾ってあるけど神々しいぞ」
「え?」
「ん?」
「あるの本物?」
「あるよ」
「そんなキメ顔で言われても……」
「それじゃスタート!! あ、昼までに終わらせるからなー」
スマイリーの掛け声と共にロボたちが一斉に攻撃を開始。生徒たちも守りを展開したのち攻勢に出る。
「さてさて、終わるまでオールマイトの新コスチュームでも考えるかね」
「私のかい?」
「サポートアイテム制作検定1級の俺に死角はない」
「あったかそんなの?」
相澤の疑問は最もだったが、スマイリーは当然無視する。
「そういえばスマイリー。夜にもなにかするつもりなのかい?」
「いやしないよ。眠いじゃん」
「ええ……」
「お前たちから伝えられて、勝手に警戒してくれるかなって」
「最低だなお前」
「てへ」
殺意の沸く相澤だったが、我慢した。
「ま、あいつらが油断していたらやるかもな」
カカカカッと仮面が笑い始める。
このやり取りの間にも生徒たちの怒号と悲鳴が寮内に響いていた。
ちなみにだが、部屋決め大戦で最初に部屋に入ったのは取陰切奈だった。だが、エクスカリバーはいらないから他の何かをくれと頼んだ。そこでスマイリーは恐竜エネルギーを取り込んだベルトをプレゼントした。これによって取陰の個性はさらなる飛躍を遂げることになる。
全員が部屋へと入ることに成功したのち少々遅めの昼食を取り、食後の運動と称して相澤が本来やるつもりだった個性把握テストをA組B組合同で実施。そのあとにスマイリー企画立案のデンジャラス鬼ごっこ~捕まったら除籍だぞ☆~が始まり、緑谷たちは学校内を必死に逃げ回った。
さらに、それが終わり次第。チキチキ通常授業でドカンという国語などの授業をわくわくタワー第二階層なる場所に送り込まれながら受けることになり。生徒たちの疲労は限界を超えていた。
「もう無理……死んじまう……」
上鳴電気は机にぐったりと体を預けていた。
彼だけではなく他の者たちも似たようなものだが。
「これが初日って……俺やっていけんのかな……」
上鳴から消極的な言葉が出てしまう。それは他の者たちも思っていたことだ。だが、
「大丈夫だよ皆!」
緑谷と爆豪は違った。
「緑谷……」
「スマイリーさんは確かに厳しいけどいつもいつもこんなことばかりじゃないと思うよ。ね、かっちゃん」
「ああ、まぁな。慣れちまえばこっちのもんだろ」
「いや、慣れるまでが問題だと思うんだけど……」
「平気だよ、ちょっと大変な思いをすればあっという間だから。はははは」
「おい、デク正気に戻れ」
「はっ!?」
余計に不安になる一同であった。
その夜。
食事を終えた緑谷たちは共同スペースで会話を楽しんだり、部屋で過ごしたりしていた。もちろんスマイリーが何かをしてくる可能性を疑い警戒していたが、いつまでたってもやってこないため、皆が眠りについた深夜1時。
『ハーハッハッハッハッ!! おはようございます生徒諸君!! これより深夜の戦闘訓練を始めるぜぇぇぇぇぇぇ!!!』
寮内に響き渡るスマイリーの声に全員が目を覚ます。加えて全員コスチュームに着替えさせられていた。
『ヴィラン共が休んでいるお前たちを襲撃してくる設定だ。ヴィランはスマキングファイターロボだから壊してくれて構わんぞ。あと、戦闘向きではない生徒はこの状況でできることを考えることも授業の一環だ。ではバトル開始いいいい!!』
合図とともに寮が破壊された。
その日の授業開始までにしっかりと体調を整えてやってきた生徒はいなかった。
授業内容を端折ったのはこちらの都合で書く時間が取れそうもないからです。申し訳ありません。