章を付けてみました
当たり前ではあるが困惑する二匹、そして未だにキャーキャーと騒ぎ立てる少女。彼女達のテンションは互いに対照的であった。
「イィィィィィイヤッフオォォォォォォォォォオ!!!!」
『『うわあぁぁぁぁぁあ!!??』』
阿鼻叫喚の地獄絵図、このワンシーンが絵画となるなら題名はこうなるかもしれない。
そんな事はさておき、霊夢と魔理沙は驚愕する。早苗が口走った言葉に。
「ちょっと待てっ、早苗。お前こいつらの事を知ってるのか?」
「キャッホォォォ! ……あ、はい。知ってますよ。なんたって! この子達は! あの! リオルと! イーブイなのですから!」
気分の落差が激しく、情緒不安定気味の早苗。それ程までに興奮しているのが見てとれる。そして、リオルとイーブイは早苗が落ち着いた時に握力が弱まったので、その隙に即座に離れた。
『ちょっと……誰? この人は?』
『さぁ……? 全くもって初対面だよ……。けど、僕達を知っている……?』
そう、二匹の疑問はそこにあった。此処にはポケモンが生息していない。それどころかポケモンのポの字も無く、全くポケモンという存在が浸透していないのだ。
だからこそ、この早苗という少女が自分達の事を何故知っているのか、気になるどころでは済まない。二匹からしたらまさしく垂涎ものであった。
そうして思考を張り巡らせながらリオルとイーブイが早苗を見ていると、魔理沙が早苗の腕を掴む。
「なぁ、話。聞かせてもらうぜ」
好奇心を潜ませたその瞳を早苗に焦点を合わせ、言い放った。
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博麗神社、そこでは二人の巫女と一人の魔法使い、そして二匹の獣が鎮座していた。
「ポケモン?」
「えぇ。あのリオルとイーブイ、彼等はそう呼ばれる一種の……架空上の生物ですね……」
すっかり気分が沈静化した早苗は霊夢にポケモンについてそう説明する。
架空上、の部分で言い淀んだのは今目の前に『ポケモン』という架空生物が生命を持って存在しているのと、二匹の存在を否定するような気がして気不味さを感じたからだろう。事実、早苗の顔はどこか複雑そうな顔に歪んでいた。
「架空のって事は……、本の中の登場人物……いや、人物では無いな……登場動物ってとこか? まぁ、いいか……兎に角、そんな感じでいいか?」
そう質問する魔理沙。しかし、早苗の答えは
「それは違う……いや、三割正解ってとこですかね……」
どういう事だ、とまたも質問をする魔理沙。
「リオルとイーブイは、『ゲーム』と呼ばれるものに登場するのですよ」
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「むぅ、良く理解出来ないわねぇ……」
「あぁ、そうだな。なんつーか、ピンとこない……」
一通りゲームの説明を受けた霊夢と魔理沙は、そう悩まし気に呟いて床に倒れ込む。リオルとイーブイも同様だ。
「上手く説明出来無いですね……」
それも仕方ないかもしれない。この地に全く無い概念を説明しろと言われても、普通不可能だろう。それに早苗も、一般人と比べるとそれなりに優れた頭脳を持っているのだが、彼女はどちらかというと天才気質で、説明は苦手であった。
「あ、そうだ」
頭の上に電球マークが浮かぶ様な、何かを閃いた早苗。霊夢と魔理沙は不思議に思い上体を起こし、リオルとイーブイも首を傾げながら早苗を見つめる。
「リオル君の持ってるそれ……トレジャーバッグですよね?」
今更ではあるが、リオルは君付け、イーブイはちゃん付けで呼ばれている。
それはさておいて二匹は驚く、早苗がトレジャーバッグの事を知っている事に。そうしたのも逡巡、ゲームで登場したのだなとほぼ同時に思い至る。
因みに言っておくと、何故自分が架空の存在と言われてここまで平然としているかは、一周回って逆に落ち着いたのと、ディアルガの様な存在が実際にいてたまるかという否定感。そして、リオルが自分が知っている世界は全て架空で、それを架空の世界と思ってゲームの様に楽しんでいる世界、それもまた架空の……といった吃驚仰天超飛躍哲学的理論を遠い目をしながら語り出し(つまり暴走)、二匹揃って‘‘もうどうにでもな〜れ’’と思考を放棄したためだ。
きっと深く考えてはいけない事だ……要するにただの現実逃避であるが。
そんな少し前の事を思考の片隅にダストシュートしたリオルは、早苗の質問に対し、頷く。
「やっぱり……、それじゃあポケダンの世界線……そして、リオルとイーブイがいるということは……空の探検隊?」
彼女は言葉を一度区切って、
「一応確認しますが……貴方達は、探検隊ですか?」
驚きつつも、二匹は頷く。
ふむふむ、としばらく考え込む早苗。そして、しばらくすると霊夢に話し掛ける。
「霊夢さん霊夢さん」
「……何よ?」
「これもう完全に異変ですよね?」
霊夢と魔理沙は半ば現実逃避していた事なのだが、早苗はどんどん斬り込んで行くようだ。
おふざけが過ぎた