東方闇時空   作:よひつじ

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冬休みイエェェェェェェェェェェェェィィイ!!!!(錯乱)


修行

 早苗が去った翌日。リオルは漠然とした不安を覚えながらも、美鈴との修行に臨んでいた。

 紅魔館の庭にて、美鈴とリオルが向かい合っている。

 

「まずですが、貴方には足りないものが三つあります。取り敢えず今日は一個目の習得を目指しましょう。……一日では無理ですけど。

 ……そしてその足りないものは波導の操作。出来ているには出来ているのですが……、速度と精巧さ、これがてんで駄目です。欠けてます。

 濁流の様な速度で、止水の様に穏やかに……、これが出来るかによって、闘いにも戦略の幅が広がるんですよ。

 ……まぁ、試しに全身に波導を流して下さい。最初はゆっくり円を描く様なイメージで、そこから段々速度を上げていくのです。それをひたすら限界が来るまで行って下さい」

 

 リオルは波導を解放し、ゆっくりと、少しずつ流して__移動させていく。心臓部から首を登り、脳天で折り返して次に右腕、全ての指に流し終わり、右脚、左脚、左腕__心臓部に戻り、また頭部に波導を流し込む__それをひたすら反復し、蛇がとぐろを巻くイメージで__それをどんどん速く、疾く、捷く。

 しかし、速度が上がれば上がるほど、荒さが目立ってくる。注意はしているものの、どうしても指の末端などの細かい部分で波導が乱れいく。

 

『はぁっ、はぁっ……』

 

 そのまま続けると、指などの末端部どころか、全身へ波導を巡らす事もままならなくなってきた。精神的疲労も相まって、つい解除してしまう。

 

「成る程、一秒間に一周程。それが貴方の限界というわけですね。初めてでそれは凄まじい……、とは言っても、まだまだですけどね」

 

 そう言って気を解放する美鈴。

 ギュオンッ! と驚異的な速さで気をリオルと同じ手順で回し始めた、凡そ一秒に七周半。偶然ではあるが、光が一秒間に地球を回る速度と同じであった__余談である。

 

「この辺りまで到達すると、局地的な攻撃__防御を行えます。相手が腹を殴ってくるなら、腹に力を集め、右の脇腹がガラ空きならそこに気や波導で強化済みのミドルキックを叩き込む__例を挙げるなら、こんなとこですね。リオル君にもある程度は行えますが……、決定打ぐらいしか使えないと思います」

 

 そう締めくくって、一回見せた方が良いと判断したのだろう。脚に気を集め回し蹴りを放ち、そして蹴り上げた足が地面に着いた瞬間__反対の足へと__軸となる足を交換して__波導を流しながら後ろ回し蹴りを叩き込む__しかし、まだ終わりではない。その勢いに身体を乗せたまま、何と彼女は螺旋状に気を練り上げ__全力で目の前の空虚に殴りかかる。

 

「ハァッ!」

 

 演武を終え__一度静止。しばらくして大きく息を吐くと、期待した目でリオルを見つめる。

 

『すごい……』

 

 そして当のリオルは、驚きのあまり彼女の視線に気付いていなかった。気の伝達速度もそうだが__一番驚愕するべき点は、それが一度も乱れていない事だった。

 特に最後の一撃__気を螺旋状に形状を変化させ放った、正拳突き__その螺旋形は滑らかな曲線を描き、芸術的なまでに何の違和感も感じさせる事も無く練り上げられていった。

 ただ流すだけなら、リオルも練習を積めば習得可能だと自分自身そう思っているし、事実である。

 だが、リオルにはあれを自分が使うビジョンが見えなかった。

 

「どうですか? すごいでしょう? 貴方も修行を積めばこんな事も出来ちゃうんですよ。どうです? 興味ありますか……、って、聞く必要も無かったですね」

 

 リオルの目は、光り輝いて__それでいて、やる気に満ち溢れていた。

 

 ________________________________________________________

 

「ねぇ、お姉様」

 

「どうしたのだ? フラン」

 

「あのね、早苗が言ってた事なんだけど……、イーブイって、種族としての特性として、あらゆる環境に適応出来るよう、その場その場に合わせて変質__早苗が言うには『進化』らしいけど。兎に角、そんな事が出来るらしいよ?」

 

「ほぉ……、それは興味深いな。だがしかし、それを知ったお前は何を企んでいるのだ?」

 

「それはね……っと、その前に幾らか事前説明を。まず前提として一度進化をしてしまうと元に戻る事が出来ないんだって。確か……、

 

『炎』を操るブースター

 

『水』を操るシャワーズ

 

『草』を操るリーフィア

 

『雷』を操るサンダース

 

『氷』を操るグレイシア

 

『闇』を操るブラッキー

 

『理力』を操るエーフィ

 

『癒し』を操るニンフィア

 

 ……だったかな? 

 

 まぁとにかく、これだけいっぱいあるのに一つしかなれない」

 

「そりゃあそうだろう。一度進化とかいう不思議現象が起きて、それがまたすぐに元に戻る__それはもはや、生き物という枠を超越しているだろう」

 

「けどね、それも違うんだよ」

 

「は?」

 

「詳しい話は聞かなかったけどね、進化と退化を使い分けて、ブースターやシャワーズに変化出来るイーブイがいたんだって」

 

「何だそれは……。いや、創作物ではあるし、そのぐらいは有り得る範囲なのか?」

 

「そうそう、あくまで空想なんだ。何だって可能だよ」

 

「問題はそれが存在する事……」

 

「今は別にそんな事どうだっていいじゃない? 問題はそんな事が出来る個体が存在した事。つまり、種族上それはあの子にも同じ事が出来るんじゃないかって思うんだ」

 

「不可能だと思うぞ? それはそいつが特殊だっただけで、あのイーブイは違うだろう」

 

「確かにそうだ……、今はね」

 

「再度聞くが、何をするつもりだ?」

 

「それはね……

 

 __あの子の『縛り』を破壊する__

 

 面白そうだし」

 

 

 

 




師匠の元で修行を積む正統派と悪の組織の実験台にされるダークヒーロー……、いや違うけど後半。
単純に強化イベを出しときたかった。
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