東方闇時空   作:よひつじ

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主人公の口調がうろ覚えなのですが、ご了承下さい。

11月19日 前話のトレジャーバッグの中身に大きなリンゴを追加しました

11月21日 文章を追加しました


魔法の森

 _魔法の森__

 

 二匹は再思の道を抜けた。そして、その先は……

 

「……森、それも結構な大きさみたいだ……」

 

 かつて『ときのはぐるま』を集める為、ジュプトルと共に探検した、キザキの森を彷彿とさせる広大な森だった。

 

 それに付随して、ジュプトルはあの後どうなってしまったのだろうか……といった不安が二匹の思考を掠めるが、ジュプトルが倒されるわけがない、という絶大な信頼で塗り潰したのだった。

 

 _____________________________________________________

 

「……ねぇ、リオル」

 

「……言わなくてもいいよ、僕もイーブイも、きっと同じ事を考えてるんだろうから」

 

 リオルが言った通り、2匹の心情は一致していた。

 なにあれ、と。

 

 それは幻想郷では化け物茸と呼ばれ、瘴気を発する恐ろしいキノコなのだが……幸運な事にポケモンにはその瘴気に耐性があったようで、二匹は無事でいた。

 

「……食べれそうな物も無さそうだねぇ」

 

 先程の化け物茸といい、この森に生えてる物は食せるものでは無かった。明らかに毒々しい色の果物各種、リオルとほぼ同じ大きさのキノコ、傘の部分が赤く白い水玉模様の何処かで見た事がある食べたら巨大化しそうなキノコetc……

 

「こんなのグレッグルでもないと食べれないよぅ……」

 

 意気消沈しているのだが、それはそれでグレッグルに失礼だろう。まぁ、彼は毒タイプだから問題はないのかもしれないが。

 

「リンゴがトレジャーバッグに入っているけど……、今食べるのもな……温存するのが得策だろうね」

 

 まだ、お腹の減り具合は二人とも小腹程であった。リオルの言う通りまだ食べるわけにはいかないだろう。そもそもこの地に食べられる物が無いという可能性もある。もしそうならトレジャーバッグの中身が空になった時に洒落にならない事になってしまうだろう。

 

「あ、あれ、どうかな?」

 

 イーブイが指を指した場所に生えていたのは胡桃……いや胡桃そのものだった。通常の物と違う点があるとすれば、それは樹高、そして実の大きさだろう。樹高は、本来の物と比べると、それは半分と少し程だ。実はそれとは相対して逆に二倍を超える大きさであった。

 

「成る程……あれなら大丈夫そうだな……よしっ」

 

 リオルはそう言って、するすると器用に胡桃の木を登っていった。それは曲芸師の様に見事な身のこなしである。そして、生えている実を数個ほど採っていくと、そのまま実を片手で抱えながらまた器用に木を降りていく。そして……

 

 すとっ、

 

 綺麗な着地を魅せる。やはり超常的な不思議な力や身体能力を持つポケモン。それも肉体運動に特化した格闘タイプの運動センスは、たとえベイビィポケモンのリオルであっても計り知れないものであった。

 

「それじゃあ、殻を……」

 

 そう言って、リオルは採ってきた胡桃を全て空中に放り投げ……。

 

 __かわらわり____

 

 

 

 ……スパァッ! 

 

 剣の如く放たれた刃、残像がが見える程の鋭い手刀であった。再度言うが、リオルの運動センスは計り知れないものがある。

 

「相変わらず凄い威力だね、リオル」

 

「あはは、それほどでもないよ。でもまぁ、今は食べる事を考えよう」

 

 イーブイはそれもそうか、と返事をする。そして、二匹共々その見た目とは裏腹に器用に胡桃の実を取り出して、二匹一緒に口へと運んだ。

 

「「……ッ……」」

 

 美味しい、と二匹は率直に思った。胡桃独特の風味と味が口内を蹂躙し、二匹揃って顔が緩んでいく。

 そして、もう1口と胡桃を口へと運ぼうとする……

 

 

 が、

 

 

「ッ!」

 

 リオルが素早く後ろを向き、臨戦態勢へと身体を動かす。

 敵の波導を察知したのだ。リオルの様子に気付いたイーブイも一拍遅れて構えをとる。

 二匹は目を凝らし、先手を取られまいと精神を張り巡らせていく。警戒を続けて数十秒、痺れを切らした敵がのそり、と姿を現し始めた。

 

「ルオォォオ………………」

 

 その姿は狼。いやそんな生易しいものではない。異常な程に筋肉が膨張し、赤黒い筋が脈動を繰り返していた。しかし、最も印象的なのはその身体ではない。

 目だ。

 異形、としか表現しようがない、その五つ目。

 幻想郷では、中級になりかけの下級妖怪に位置している。

 

 その姿を見たイーブイは、

 

「……………………」

 

 震えていた。

 恐怖で足が、動かない。

 顔も蒼白だった。

 今まで、見たことも無いような化け物が、さも当然かのように目の前に存在していることに、心の底から恐怖していた。

 それを見かねたリオルは、

 

「イーブイ」

 

 ____大丈夫____

 

 短くはあるが、心のこもった温かい言葉。イーブイを勇気付けるには、充分すぎる言葉だった。

 

「……そうだよね、ありがとうリオル。勇気……そう、勇気を出さないと!」

 

 先程とは一転、イーブイ特有の可愛らしさを残しながらも、凛々しく、頼もしい顔付きになる。滝壺の洞窟などの出来事を想起したのだろう。そして、あの時の自分でも出来たのだから、今の自分に出来なくてどうするんだと考えたのだ。

 

 二匹は、互いに向き合って頷く。

 

 不思議と、力が漲ってくる。

 

 突然の出来事であるが、覚悟は、固まった。

 

 

 

 

 




次回、初の戦闘シーン

あまり書ける気がしない(汗)

解説

ときのはぐるま
各地の時間を守っている
これが無いとその地の時間は止まってしまう

ジュプトル
ときのはぐるまを盗む大罪人として知られていたが、真実は世界の時間を動かす為にときのはぐるまを集め、次元の塔に嵌め込むため、セレビィと共に行動していた。
最後は主人公達を庇い、ヨノワールを道連れに未来世界に帰った
一言で言うとめちゃくちゃかっこいい

化け物茸
文中の通り

グレッグル
ギルドでグレッグルのトレード店を開いている
かなりの変人
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