先に言っておきますと、スペルカードルールに一部変化があります。ご了承ください
「ふぅ、勝ったぜ。つっても、余裕だったがな」
小馬鹿にする様な態度で飄々と言い放ち、地上に降り立つ魔理沙。既に美鈴は回収されていて、魔理沙はそれを一瞥すると咲夜に話し掛ける。
「お前もやるか? 弾幕ごっこ。来るなら来いよ、受けて立つぜ」
「いえ、遠慮しておくわ。今の私は退け退けモードだもの」
「何じゃそりゃ」
軽い言い合いを区切り、飽きてきたのかそのまま館に這入っていく魔理沙。咲夜はその微笑を崩さず、無抵抗を貫いている。
『通して良かったの?』
イーブイが問う。リオルも同様──同じ事を考えていた。魔理沙の手癖の悪さは以前に聞かされている。
そして、図書館に被害が既に出てしまっている事も。パチュリーのストレッサーである彼女を通してしまえば──後々、大変な事になってしまうのは目に見えていた。
二匹の瞳に宿る猜疑心を感じ取る事が出来たのだろう、少し考える間があったが明確な確信を持ってその質問に答える。
「えぇ、問題無い……、朝聞いたのだけど、魔理沙撃退用の新しい魔法が完成したらしいの。早速使ってみたらいいんじゃないかってね」
微笑からいたずらっぽい笑みに表情を変え──いや、どちらかと言えばあくどい笑みだが──そう言って、少しずつ赤々とした館に呑まれていく魔理沙を見やる。
それを知った後だと、本当に彼女が食べられる様に見える──なんて比喩的な事を考えながら、リオルとイーブイは僅かな同情心を含ませた紅い目で魔理沙を見送るのだった。
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「お邪魔するぜ……って何だこれ? え、ちょっあ、うわぁぁぁぁあ………………」
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「さて、と……、さっきの弾幕ごっこの説明をしましょうか」
一旦話題を逸らして話を進めようとする咲夜。二匹にとっても目の前で事が起こった事なので、知っておきたい。
よって、特に話の邪魔をする事もなく頷いて解説を促す。
「あれは一種の遊びの様なもの──この殺伐とした幻想郷での殺し合いを防ぐ為の救済措置といった一面もあるけど」
殺し合いっ!? と二匹が素っ頓狂に鳴き声を上げるが、それも想定内な咲夜は特に気にした様子もなく説明を続行する。
「遊びって言っても用途は幅広い、異変解決──所謂、事件ね。その犯人と、博麗の巫女が弾幕ごっこで対決。有事の際は弾幕ごっこで──大事件とかだと、幻想郷の未来が決まる事だって有り得る。
……あ、異変解決は巫女だけじゃ無くて、他の人も出動する時があるわ。私もお嬢様の享楽目的で赴いた事があるし」
幻想郷の大事件に享楽目的で赴かせる事におおよそ精神的な面でレミリアを疑ったが、きっと心にゆとりがあるから余裕な行動をとれるのだろうと無理矢理納得しておく。
というより、先程の殺伐とした内容の話を聞いたせいなのか、あまりそちら方面に疑問の矛先が向かなかった。
「そして宣言して取り出したのがスペルカード。あれには自身の技──その名前や効果といった詳細が書かれているのだけど……、このカード自体は特殊な物ってわけではないわ。ぶっちゃけただの紙ね。紙屑。
まぁそれはいいとして、スペルカード名を叫ぶなりカードを掲げるなりして自分が攻撃する事を宣言する。これを『スペルカード宣言』といって、不意打ちを防ぐ為のルールね。方法は何だっていいわ……、相手に通じれば。
そして、カード数と被弾回数の提示。
美鈴の場合は両方三だったけど……、兎に角互いが納得したらそれで良いことになってるの。
後は、殺生の禁止。とは言っても無闇矢鱈にするなってだけで、絶対ダメっていう事じゃないわ。妖精とかなら死んでもすぐ蘇るし……。だからまぁ、全く死人が出ないわけじゃあない……、というか、美鈴みたいな妖怪なら死ぬ事もほぼ無いでしょうけど。
それと、攻撃にもルールがある。
まず、意味のない攻撃をしない事。
そして、美しさを最も重要な事とする事。
後、回避不可能弾幕は禁止──完全な実力主義の否定。
……こんな所かしらね」
説明に疲れたのか、締め括ってそれ以上話すでも無く反応を観察する咲夜。
リオルは長考し、イーブイはうんうんと唸っていた。(実際はブイブイと)
(……可愛い)
段々と、完璧瀟洒なキャラが崩れていく咲夜であった。
活動報告も覗いてみて下さい
……コラ! そこ! 面倒だから適当に区切ったとか言うんじゃない!(事実)