-はどうだん――
蒼炎の如く燃え上がる波導が、空気を切り裂きながら矢の様に突き進んで行く――――炎を操る妖精に向かって。
「うわぁっ!?」
着弾。彼女は波導に思い切り押されて、吹き飛ぶ。そのまま錐揉み回転をしながら飛ばされていく。そして濃霧に飲み込まれる様にリオルの視界から消えた。……波導の生命感知で位置は分かるのだが。
そう、生命感知。この能力こそが、リオルが今現在霧の湖に訪れた理由であった。
幻想郷中に妖精は、そこら中に生息していた。跋扈する様に、そこら中に。数を数えようとすれば、それこそ気の遠くなる作業だろう。
妖精は波導の生命感知を軽く行使するだけで、直ぐに発見する事が出来た。そして視界を大きく制限する霧の湖。
そこでリオルの脳内歯車はカチリ、と噛み合った。思い付いたのは、検証の様なもので、今現在それを実行しようとした所、少々イレギュラーな事態が起こってしまう。
本来は、妖精を波導で観察するのみ。所謂人間観察と同じような事で、それをあらゆる方向複数同時にこなし、そういった能力を鍛えようと考えたわけだ。
しかし何を思ったのか、いや、単に悪戯のつもりなのだろうがリオルに敵対反応を示した。
そこでどうせならこれを利用してやろうと考えたリオル。波導の生命感知のみで攻撃を読み回避、それが止んだら仕返しに波導弾、というわけだ。
-はどうだん――
-はどうだん――
-はどうだん――
機関銃の如く波導弾を乱射。威力よりも数を重点に置いたその乱撃は、妖精達を撃ち抜いていく。
炸裂。炸裂。炸裂。炸裂。炸裂。面白いぐらいに次々と命中、皆撃墜され湖に頭からバシャンとダイブした。
『……ちょっとやり過ぎたかな?』
ここまで来ると流石にそう思って心配してしまうリオル。明らかに炎タイプな妖精とか、見るからにやばそうだった。ジュワッと逝ってしまったら怖い。
『助けるか……』
リオルは湖に飛び込んだ。
「きゅ〜」
「う〜」
「ち〜」
「だ〜」
(何だこの無駄な一体感は……)
時間帯は妖精達を水揚げした直後、リオルは驚愕した。と言うより、心の内で思わず突っ込みをした。目をグルグルと回して呻き声を上げるのはまだ良い、極めて普通の反応だろう。しかしその内容。明らかに四人一組で一つの熟語を成立させていた。
事実彼女達側からすると窮地だという発言に間違いは無いかもしれないが、何故こんな事で無駄に高いチームワークを発揮したのか……、リオルに知る術はない。
『…………』
如何したものか、と考え込む。四人共意識は無いわけで、それでいて既に仕返しも済んだ。と、なると、自身が取るべき行動は……、
『よっと』
一息入れ、四人を抱えた。おんぶする様に運び、近くにあった木の陰で休ませておく。ついでに先程の戦闘で乱れた服装も整えてあげた。
『こんなとこかな……』
ふぅ、と一息吐いて、自身が居候している紅魔館に向かった。
ネタ切れ