東方闇時空   作:よひつじ

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UA一万突破!

そして新章突入!

前回のあらすじ(大嘘)

リオル「イーブイの事かーーー!!」

妖精「こ、これが伝説の波導の勇者……」


Chapter3 あかいきしつとひそうてん
天気


 夏。

 

 カンカンと日光が地上を照らし、それと同時にその熱を持って人々を苦しめる。蝉の鳴き声が辺りに響き、さながら合唱の様。

 家屋の縁側では風鈴のチリーンといった冷涼な音が聞こえ、猛暑の中人間達にひと時の癒しを与えるのだ。

 空を見上げれば、雲一つない唯広大な水色が広がる。空一面がキャンパスだとすれば、一色で彩られたそれは味気ないかもしれない。然しその美しいスカイブルーは、色付いた深い緑色の木々達に、人里の皆の風景と相まって、まさに『幻想郷』の名に恥じないものであった。

 

 ……だが、それは本来の夏であって、今回はどうやら違うようだ……。

 

 


 

 門番の仕事が形骸化してきていた。リオルの波導の能力、生命感知があれば必要無いのでは? と誰かが疑問に思い、気が付いたらこうなっていた、というわけだ。

 美鈴も一応守護はするのだが、当然のように爆睡していた。

 

 話を変えるが……いや、間接的には関係しているか。

 リオルは美鈴との修行終わりに霧の湖で妖精達と遊んでいる。それは前回で描写した通りで、もう一度言うと結構な頻度で行なっていた。もうほぼ毎日と断言しても良い。

 ……門番の仕事が無くなった事が、因果として繋がっていると言っていいだろう。

 

 だからこそ----異常に気付く事が出来た。

 

『やっぱり……おかしいよね?』

 

 そう、ぽつりと声が漏れる。リオルは今現在、妖精達に目もくれず……正確に言えば多少気にしてはいるが----兎も角、リオルは上空----広大な空に、疑問を感じていた。

 

『んぅぅ……?』

 

 また声が漏れ、次に前方----紅魔館、もう少し条件を絞って言えば、紅魔館の上空を見つめる。

 

 そこに映るのは、厚い雲が膜のように張る、夏場には珍しい曇天の空であった。

 

『…………』

 

 とうとう無言になり、再度自分の真上を見上げた。

 そこに映るのは、薄く張った雲……巻層雲とも呼ばれる、薄雲という天気だ。

 

 補足として、リオルの現在地と紅魔館との距離は、百メートルと少し。その短い間に、どんよりとした雲と、グラデーションの様に太陽を淡く隠す薄雲が存在していた。

 

 もし見かけたとしてもそこまで驚愕こそしないものの、一笑に付してはいけない。それぐらいには、珍しい天気だろう。

 

 しかし、

 

『これが数日続くっていうのは……ねぇ?』

 

 そう、この天候がかれこれ数日間続いていた。と、なると、それこそただ事では無い。今は夏場真っ只中だというのに、太陽が紅魔館に直撃する事は無かった。

 

『それに、波導が抜けている?』

 

 そして、波導が靄の様にリオルの体から抜け落ちていた。その上、色も赤く変色して。

 

『ん……?』

 

 色々とこの異常事態について思考を巡らせるのだが、一向に答えは出ない。情報が少なすぎるのだろう。

 そうして思考が半ば諦めモードに入った時、例の雲の中を進む物体をリオルは発見した。

 

 この距離ではそれが何なのか、見た目だけでは全く不明だが、リオルはその物体に、ある程度目星がついていた。

 

『魔理沙……?』

 

 


 

 そこは、一触即発の状況であった。魔理沙と咲夜が向かい合い、弾幕ごっこを始めようとしている。

 そして、完全に観戦ムードな美鈴とイーブイ。そして、追加でリオル。

 

「あら、雨が降ってきたわ」

 

「そうなんだよ、最近雨続きで困るよな」

 

 しかし、それを遮るように雨が降り始める。リオルや咲夜からの視点だと、久々に雨が降ったという感覚だが、魔理沙の視点から見ると、どうやら今迄雨続きだったようで、愚痴を零している。

 

「全く、本を持ち帰ろうにも湿気ちまうし……」

 

「勝手に持っていかないの」

 

 困り顔で指摘する咲夜。この魔理沙、どうやら例のパチュリーの新作魔法を破ったらしい。魔理沙自身決して天才では無いので、相応の努力が必要だっただろう。もっと他の部分で使うべきだが。

 

「まぁ、最近天気が悪いのは確かだけれど。それよりも、何か感じない……?」

 

 おそらく、天気の件と関係しているのでは? とリオルは推察する。そして、波導の事にも関係しているだろう、と。

 

「あぁ? 全く感じないな……」

 

「ほら、貴女の体からも……」

 

 そう、リオルだけではなく、咲夜、それに魔理沙までもがこの赤い霧を発生していた。しかし、魔理沙に気付く様子はない。

 解けない謎に嫌気がさした魔理沙は、ミニ八卦炉を取り出し、構える。同時に咲夜も両手にナイフを構えた。

 

「兎に角、私はお前には用が無いぜ!」

 

 闘いの火蓋は、切って落とされた----

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