前話に章を追加しました 1月29日 文章を一部追加しました
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作者は美鈴、こいし、優曇華、あうん、ルナチャ、パルスィ、こころに入れました!
「手っ取り早く済ませたいからな! 被弾回数は一でどうだ?」
「えぇ、構わないわ」
僅か数秒のルール確認から、勝負は始まった。咲夜は霊力を使って生身で飛翔し、魔理沙は魔力を箒に流して空に飛び立つ。
「先ずは小手調べといこうか!」
「あらあら、小手調べなんかでやられないでよ?」
魔理沙相手に敬語を使う気はないようで、普段とは打って変わって砕けた口調で咲夜は魔理沙を煽る。
違う一面を垣間見た事で、リオル達ギャラリー勢は目を丸くしていた。
そんな事は気にせず始まる二人の少女の闘い。
咲夜はナイフをばらつかせながら飛ばし、魔理沙は緑色のビームを放出する。
しかし、当たる事は無い。互いに余裕を持って躱し続け、掠りすらしない。
いくらナイフが飛ぼうが、いくら光線が射出されようが、それはあくまで前哨戦。二人からすると、まだまだ物足りない、只の作業。
それも、すぐに終わりを告げた。
「先手必勝!星符『ポラリスユニーク』!」
八卦炉を右手に持ち、左手にスペルカード。互いを交差----バッテンの様に構え、宣言。
そして、八卦炉を咲夜に向けた。不敵な笑みを浮かべて、魔力を充填し……一発の星弾を放った。
それは旋回しながらゆっくりと咲夜に向かって迫ってくる。
「……?」
咲夜は困惑した。スペルカードなのに、その弱々しい星弾に。しかし、その困惑はすぐに驚愕へと塗り替えられる。
なぜなら----その星弾が突如、膨れ上がる様に巨大化したからだ。
「ッ!?」
その形状は、球体。星型の弾は、突如巨大な球形の弾へと進化した。更に、爆発する様に巨大化したそれは、一定のサイズまで成長した瞬間、あらゆる方向へ星弾をばら撒いた。
「くっ!」
体を捻り、第一波を乗り越える。その後も第二波、第三波と流星群の様に咲夜目掛けて弾幕が解き放たれていくが、第一波を乗り越えた時点で体勢を整えた咲夜は、自身の体術を駆使して躱していく。
「そらそらぁっ! またまだいくぜぇ!」
しかし、八卦炉から産み落とされる星々は、敵意を持って咲夜を襲い続ける。次第に追い込まれていくのは、当然の結果であった。
「おいおい、どうした? こんなもんか?」
満身創痍、とはいかないが、グレイズの回数は加速度的に急増している。まさに防戦一方。
ギャラリー達から焦りの声が漏れる。
だが、咲夜は自分が負けるビジョンなど、欠片も考えていなかった。
(魔理沙は油断している……。そこにつけ込む事は容易いっ!)
この、咲夜の思考。それは実に的を射ていて、ほぼ完璧に魔理沙の心情を読み取っていた。
それは、パチュリーと魔理沙の攻防が由来するものであった。
日常的と言っても決して過言とは言い切れないその争い、その仁義なき戦いは、時に魔理沙の勝利で終わる時もあればパチュリーが魔理沙を追い出して終わる時もある。
しかし、魔理沙が連勝した事は、今迄一度も無かった。
その理由を一言で言うなら、慢心だろう。油断したから、負ける、ある種当たり前の話だ。
当然、そんな事を繰り返せば、魔理沙も油断は薄まるだろう。自分が全力でないと勝てない相手なのは、重々承知だ。
それでも、心の奥底、何処かで甘えた思考が残る。今回勝てたのだから、どうせ次も勝てるだろう……、といった、呑気な考えが。それは魔理沙の悪癖だった。油断、そして慢心しやすい、というある種の性質。
それが分かるからこそ、咲夜はそこにつけ込む事が出来た。
逃げる様に……事実逃げてはいるものの、それは身を守る為ではなく、魔理沙を打倒する為の布石。魔理沙の周りを大きく旋回する様に飛び回る。
「逃げの一手か!? そろそろ倒しなちまうぞ!」
「ふふふ、やれるものならやってみなさい。……まぁ、『普通』の魔法使いには無理でしょうね。パチュリー様とは違って、所詮『普通』だから」
そして煽る。相手の正確な判断力を損なう為だ。それが功を奏したのか、魔理沙の砲撃はどんどん乱雑に化している。
「全く、ちょこまかと!」
そう言って----叫んで、とどめと言わんばかりにとびきり魔力の込もった、今迄のものとは別格の大きさを誇る星弾を八卦炉からぶっ放した。
そう、
「奇術『エターナルミーク』」
絶妙なタイミングで、咲夜はスペルカード宣言を行う。その内容は……。
「せやぁ!」
ひたすらナイフを連続で投げる。それだけだが、シンプルゆえに使い所も幅広く比較的扱いやすいスペルカード。
そしてそのナイフには霊力が込められていて----容易く、魔理沙の星弾を貫通した。
「何っ!?」
魔理沙の驚愕は、ナイフの貫通ではなく、そのタイミングであった。魔理沙が弾幕を放つ時の隙、弾で丁度姿が見えなくなる刹那の時間、咲夜はスペルカードを発動した。
その鈍く輝く銀の凶器は、雨の中魔理沙へと突進した----