11月21日 三話に文章を追加しました
「お前ら二匹には悪いかもしれないが……、その狼は私の獲物だぜ!」
突如として現れた少女。先程の星型の弾の攻撃の件があるので警戒をしていたが、どうやら敵意を向けているのはこちらではなくあの狼だったようで……
「恋符『マスタースパーク』」
少女がそう宣言をして、八卦炉を取り出す。すると、それの中に光、そして熱が集まりだし……
ゴオォォォォォォォォオ!!!!
放たれる。極太のレーザーはその軌跡に入った全ての物を破壊しながら突き進んでいく。
(なんだあれは……『はかいこうせん』? いや、違う。威力はあれぐらいだったと思うけど、あんなに広い範囲を攻撃できるものでは無かった筈だ……)
(なにあれ……ニンゲンってあんなに強かったの……?)
二匹は混乱していた。まぁそれも当然だろう。突然見知らぬ少女が現れ、一撃で先程戦っていた異形の狼を倒したのだから。
そして、蹂躙は終わった。レーザーが収縮していき、完全に消失する。
狼は地に伏していた。体中傷だらけになり、既に息の根を止めている。
「ふぅ……。やっと終わったか。人様に迷惑かけやがって」
少女は一人ごちる。自分よりも遥かに上回る大きさの生き物を殺した後とは思えない程違和感のない光景であった。
「ところで、
少女は二匹に向かって話しかける。
お前らもやるか?」
何を、とは言わない。先程の彼女の行動がそれを示していた。
当然二匹は死にたくは無い、それにしなくていい戦いはしたく無かった。二匹揃って首を横に振る。その顔は二匹とも青ざめていた。
「分かったよ。冗談、冗談だぜ。……にしてもお前ら人間の言葉が分かるのか?」
その通りだ。二匹とも首を縦に振り、肯定の意を示す。
「へぇ、知性を持つ妖怪か? いや、でも妖力は感じない……それどころか、霊力を使っていたな……」
一人思考に耽る少女。今の内にこの場から離れようとした二匹がそろりそろりと忍び歩きで移動を始めるのだが……
「おい待てよ、逃げんなって。勿論、取って食うような真似はしないぜ?」
悪意は感じない。二匹は渋々といった感じで、指示に従う。
「あぁ、そうだ。近寄れって」
そう言って少女は、偶然すぐそばにあったそこそこ大きな切り株に腰掛けた。
リオルはその隣に、そしてイーブイはリオルの膝の上に座る。
「まず聞くが……お前らは何者だ? 今まで異変解決や妖怪退治であちこちを巡ってきたんだが……お前らみたいなのは見た事が無いぜ」
そう問われても、二匹はポケモンと呼ばれる種族なのだが、人間の言葉を話せない以上、それを伝える手段が無い。
なんとかジェスチャーと鳴き声を交えて解説しようとするのだが……
通じない。
「………………悪い。何を伝えたいのか、全く分からないんだぜ」
申し訳なさと気まずさを醸し出す様な苦笑を浮かべている少女。どこか愉快なものを見ている雰囲気もあったのだが。
「それじゃっ、私の自己紹介といくか! 私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ!」
軽くポーズを決めながら元気はつらつといった感じで自己紹介をする魔理沙。
しかし二匹は思う。魔法使いに普通ってあるのか、と。というかそもそも魔法使いが何たるかについても二匹はあまり知らなかった。
疑問が増え、二匹揃って頭の上にハテナマークを浮かべていたのだが……魔理沙がそれを遮る。
「なぁ、一つ提案なんだが……私の家に、来るつもりはないか?」
そして、更なる爆弾を投下した。