交差する時、引鉄は誰が引く   作:ベシ

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サブタイトルは原作から流用させてもらいました。

それで今回の話なんですが、原作では選択肢以外ではまったく言葉を発しない主人公ががっつり会話しています。

原作にある選択肢の文章や、設定にある性格からできるだけ違和感がないようにしたつもりなのですが、それでも否定的な意見が出てしまうと思います。

ですが、この話を書いていくに当たり彼に話してもらわないと進行に支障をきたす場合があるのでご理解をいただければ幸いです。


はじまりは 潮風そよぐ アルニ村

 夢を、みていた。

 

 ボクと知らない女の子が出てくる、不思議な夢。

 

 夢の中身は、既にほとんど忘れてしまったけれど、一つだけ鮮明に覚えていることがあった。

 

 その夢の中でボクは、その女の子を大振りのナイフで刺していたんだ。夢の中の出来事のはずなのに妙にリアルな感触が手に残っていた。

 

 あれは、一体なんだったんだろう……

 

 いくら考えても答えは出なくて、ひとしきり悩んだ後ボクはそれを忘れることにした。

 

 あれは夢だったんだ、ただ内容がちょっとリアルだっただけさと、考えることにした。

 

 太陽はすでに高く昇り、海を照らしていた。

 

 そういえば、昨日レナがなんか言ってたっけ。トカゲのウロコがなんとかっ……て………

 

「ああっ!? しまった忘れてた!」

 

 今日はみんなでトカゲのウロコでネックレスを作る約束をしてたんだった……

 

「うぅ、レナもシュウも怒ってるだろうなぁ…」

 

 慌てて着替えて一階に降りると、母さんが家事をする手を止めて呆れたように笑いながらこっちを見ていた。

 

「あら、ようやく起きたの? せっかくレナちゃんが起こしに来てくれたのにお前ったら、ぐっすり寝てたわね。ほら、女の子を待たせるもんじゃないわよ?」

 

 ああやっぱり…早く行かないとっ!

 

「母さん、行ってきます!」

 

「はいはい、気を付けてね」

 

 外に飛び出したボクは一目散にレナの家を目指す。と言ってもすぐに隣なんだけど。

 

「お邪魔します!」

 

 声をかけて中に入って行ったけど、そこに居たのはレナのお婆さんだけだった。

 

「おや、セルジュじゃないかい。一体どうしたんじゃ? レナなら用事を言いつかって、ほれ、あの桟橋のところにおる。そういえば、昨夜はシュウと一緒になにか話しておったが、そのことかのぅ?」

 

 お婆さんはにやにやと悪どい笑みを浮かべながら(これ絶対わかってやってるよ…)、レナの居場所を教えてくれた。

 

 ボクはお婆さんに礼を言って、今度は桟橋の方へ足を向ける。

 

「セルジュ兄ちゃん!」

 

 と、不意に後ろから声がかけられた。

 

「聞いたよ!レナ姉ちゃんとシュウ姉ちゃんとの約束すっぽかしたんだって?」

 

 彼はウーナ。レナの弟だ。村の人たちの間で、彼は家ではレナとシュウの尻に敷かれているという噂がまことしやかに囁かれている。というか、実際そうだ。

 

 そんな彼が、キラキラした目でボクを見ている。

 例えて言うなら、誰も釣ることができなかった大物を釣り上げて帰ってきた英雄を見ているかのような、そんな目だった。

 

 ……なんとも切ない気分になってしまったけど、ボクも彼のことを笑うことはできない。なぜなら、ボクだって彼女たちに頭が上がらないのだから……!

「いや、すっぽかしたというか、成り行き上そうなってしまったというか……」

 

 なのでこんな情けない理由で彼をわくわくさせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。

 

 そんなボクに彼はさらに追い打ちをかけて来た。

 

「それでもだよ、うん。姉ちゃんたち手が早くておいらまいってるんだよ。だから、これを機にセルジュ兄ちゃん、いっちょがつんと言ってやってよ!」

 

 切実な訴えを聞いて、流石に無理だと言うことが出来ず、

 

「わかった、約束はできないけど、どうにかならないか言ってみる」

 

 そう返したのだった。

 

「がんばってね、セルジュ兄ちゃん! おいら応援してるからさ!陰ながら、ひっそりと、地道に……」

 

 あはは……。ダメだったら、骨は拾ってね……。

 

 ともかく、彼と別れて、僕は改めて桟橋へ向かうのだった。

 

 

 __

 ___

 ______

 

 桟橋には、海に飛び込んで遊ぶ村のちびっ子たちと彼らのお守をするレナがいた。

 

 ゆっくり近付いていくと、向こうもこっちに気づいたんだろう、もともと憮然としていた顔をさらに不機嫌そうにしてこっちを睨んできたのだった。すごいこわい。

 

 でも、ここで躊躇ってたらもっと怖いことに……!

 

 意を決して、ボクは彼女の方に足を踏み出した。

 

「あーら、ようやくお目覚め?」

 

 ひぃっ!?ごめんよウーナ、やっぱりボクには無理みたいだよ……。

 

「セルジュ、貴方が寝坊したもんだから母さんから用事を言いつかっちゃったじゃない。……ちょっと、聞いてる?」

 

 こういう時は、下手に言い訳をするよりも素直に謝っておいた方が結果的に被害は少なくて済む。ボクの経験に基づく対処法だ。

 

「ごめん……。言い訳はしないよ、本当にごめん。二人とも楽しみにしてたのに……」

 

「む、そんな風に謝られたらもう怒れないじゃない……」

 

 案の定、レナはそれ以上怒ることなく普段の機嫌に戻ってくれた。

 

 少し、無言の時間が流れる。

 

 けれどそれは不快なものではなかった。

 

「おーい、セルジュ兄ちゃーん!レナ姉ちゃーん!」

 

 僕たちにかけられたその声で、はっと我に返る。そっちを見てみると、バシャバシャと水音をたてて海で遊んでいたなかの1人がはじけるような笑顔でこっちを見ていた。

 

「兄ちゃんたちも一緒に泳ごうよ!」

 

 そんな無邪気な誘いにふと笑みを漏らす。

 レナも同じようだったけど、あいにくボク達(主にボク)に泳いでいる暇はなかった。

 

「バカなこと言わないの、あんたたちと違ってこっちは遊んでるわけじゃないんだから! ……あんまり遠くへ行っちゃだめよ!」

 

「ほーい、りょーかーい!」

 

 そう言うと、その子はまた輪の中に戻って行くのだった。

 

「まったく……、呑気でいいわよね、チビ助たちは」

 

 確かにボクもそう思う。でも、ボク達にだってあんな時があったんだ。だから、決して多くない子供でいられるこの時間を大切にしてほしいって、そう思うんだ。

 

「けど、わたし達にもあったよね、あんな頃」

 

 レナも、同じことを考えてみたいだね。

 

「一日がすごく長くて、毎日が新しいことだらけでその全てが輝いて見えてた」

 

「うん、そうだね。ほんとに、毎日が楽しかった。今の日常も悪くはないけど、あの頃は、なんて言うか、とても良いものだったと思うよ」

 

 と、そこで遠い目をしていたレナがキリッと表情を改めて拳を握って前にかざしたかと思うと、

 

「けど、今大切なのは失った子供時代じゃなくてトカゲのネックレスなのだ!うん。過去よりも今を見据えて生きなくちゃ!」

 

 思わずずっこけてしまいそうだった。

 今はそんな空気じゃなかったはずなのに……!

 

「というわけで、シュウと一緒に先に行ってウロコを集めておいてね。シュウはキキのお父さんに手伝いを頼まれてたから、そこにいると思うわ。そうね、本当は100枚くらいって言いたいけどそれじゃあんまりだから3枚くらいにしといてあげる。集め終わったらオパーサの浜で待ってて、用事が済んだら私もすぐ行くから」

 

 ちぇっ、冗談じゃない…。

 思わずそう言ってしまいそうになったけど、そんなことをしたら血を見ることになるので素直に頷いておく。

 

「わかった、任せといてよ!」

 

 そう返すと、レナはうんうん、とうなずきながら、満足そうに微笑んでいた。

 

「そうそう、やっぱり素直が一番ね」

 

 あーあ、ずっとそうしてれば可愛いのに。

 ボクは口に出さずに心の中でそう呟くのだった。

 

 さて、シュウがいるのはキキの家だったっけ。

 それじゃあ早いとこ合流してトカゲ狩りと行きますか!

 

 ボクはシュウを迎えに行くために桟橋を後にしたのだった。




はなしがすすまないよ>_<

もう少し進めるつもりでしたがなんとなく話の繋がりとかを考えた結果こんなぶつ切りになっちゃった訳であります。

次はもう一人のオリジナルキャラが出てくるんじゃ。
まったく、この鳥頭に収集をつけることが出来るのだろうか……。

それはさておき、毎度のごとくキャラ紹介と行きましょう!

【セルジュ】
・原作の主人公。2度の臨死体験をもつツワモノである。
・楽天的な性格で、少し悩むことはあってもすぐに、なるようになるさ、と思い直すことができる。

一旦はこんなところですね。次!


【レナ】
・セルジュとシュウの幼馴染
・少し気の強い女の子。
・実はセルジュのことが……?

レナとキッド、どっちが好きかと聞かれれば迷いなくオルハと答える。これが俺クオリティ。(※オルハとは、クロノクロスに登場する女性キャラクターのことである。後々この話にも出てくるよ)

……はい、それでは今回はここまで!
まだまだ始まったばかりで先は長いですが、終わりまでどうかお付き合いください。

感想、評価、改善点などなど何かありましたら気軽にお送りしちゃってください。
では、次の話で会いましょう
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