男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた! 作:ネコ文屋
モルサァ
グラッセ村の道を森側に向けて歩く。
農業クラン儲かるんかなぁ...種苗専門だとB to Bだから安定してそうだが、そもそも農民プレイヤーそこまで人口いるのか?それとも、農民ギルドにも卸すから維持できているのかな。しかし、冒険ファンタジーで農民になるなんてなかなかキマッてしまってるよなぁ。もっとも、料理人がいるなら材料からこだわるというのも頷ける話ではある。マリーさんから情報を取ってきて欲しいようだが、多分クランメンバーに魔術師は多くないんだろうなぁ。ゲームの本筋じゃないしな...
森へ行く門にたどり着いた。閂はかかっていないようだ。門を押して外へ出る。後ろ手に閉めつつ辺りを見回す。
木の板が渡してあり、空堀になっている。村側は石垣になっている。空堀の前にはトゲトゲしい蔦で柵が作られている。そこから先にオレンジ色の花畑があり、そのさらに先に生垣がある。
生垣まで歩いていくと、その外側に原木が積まれた広場が見えてきた。建物が2・3棟立っている。林業もやっているのかな。森の方に細い小道があるのが見える。
呪文もチェックしておくか...基本魔術教本を開く。
【エアーカッター】
正式詠唱:切断せよ、風の刃。エアーカッター。
短縮詠唱:エアーカッター
代償:3MP
効果:手あるいは発動体から横向きの大きな風の刃を打ち出す。
【コラプスウィンド】
正式詠唱:転べ、風の悪戯。コラプスウィンド。
短縮詠唱:コラプスウィンド
代償:2MP
効果:手あるいは発動体を向けた対象に対して強烈な横風が吹きつける。
【アクアウィップ】
正式詠唱:しなり薙ぎ払え、水の鞭よ。アクアウィップ。
短縮詠唱:アクアウィップ
代償:3MP
効果:手あるいは発動体から10mの水の鞭が形成され、杖を振り上げ振り下ろす動作をすると、水の鞭も同様にしなり衝突した物体に対して衝撃を与える。
癖つよ...アクアウィップは森の中だと使いにくそうだな。どう考えても木に当たってしまうだろう。その分エアーカッターの方が使いやすそうだが...やっぱり木に当たるよな。下向きファイヤーボールで乗り切るとするか。燃えないだろ。多分。燃えたらプレイヤーが放火しまくりで森が消えてるだろうから。ファイヤーボールなら説明文的に燃えても3分間だしな。コラプスウィンドは足止めに使えそうだな...
よーし、森に入っていこう。魔法はその都度、試せばいいや。MPも心もとないし。
西側の林道と思われる道に入る。スニーキング気味に行こう。
そろりそろりと進んでいく。木漏れ日が差している。動物の気配はない。左手の方に平原がちらちらと見える。
そういえば、フィールドでのエンカウントはどのようにするのだろうか。グラッセ村に来る途中で出会ったゴブリンは草むらから出てきたが、全てのモンスターはうろついているのだろうか。あの、ゴブリンはひょっとしたら口笛につられてなんだろうと思って出てきたのかもしれないな。だとしたら、悪いことをしたような...まぁ、いっか。音がトリガーだとしたら、なるべく音を立てないように注意しよう。
木の陰に隠れつつ、耳を澄まし、安全を確認しながら進んでいく。足を踏み込む際に落ち葉が音を立てるので若干不安だ。
しばらく行くと道がなくなった。木を切っているのはこの辺までということか...
道から外れ、その辺の木の陰で落ち葉を掻き分け地面に耳を当て耳を澄ませる。漫画の真似だ。忍者ならやって当然である。
トトッ...トトッ...トトッ...
おお、微妙に足音らしき振動が聞こえるな。頑張って方角も割り出そうとしたのだが残念ながら方角は良く分からない。近くに何かいるということだけ気をつけて進もう。右手に若木の短杖を出す。
木から木へと身を移しつつ辺りを警戒する。30m以内にはいないようだ...
少し安心した。前の木へと足を進める。
ふと、嫌な予感がした。
ズル...ズル...
何かが這うような音がする。
予感に導かれるように、上を見上げた。
隣の枝から頭上の木の枝へと身を絡めながら10m近い大蛇が静かに渡っているのが見えた...
NOOOOOOOOOOO~?!
驚きのあまり声も出ず尻餅をついた。
へ、へ、蛇だ...しかも、でかい...逃げねば...
身を翻し逃げようとするときに振り返ると、枝の上から藍色の鱗をした大蛇が緑色の眼でこちらを品定めするようにこちらを覗いていた。
「ひえっ...」
すぐに首を前を向いて、全速力で走りだした。
「オーマイゴォオオオオッド!」
ズルズルズルッザッミシッズルズルズルッズルズルズルズルッ
激しい擦過音を響かせながら、枝を時には飛び移って回り込むように蛇が先回りする。
はやっ...全速力で踵を返して、違う方向へと走り出す。
蛇が鎌首をもたげているのが横目で見えた。
前方に飛び込んで前回りッ
ジュウッ....シュワワワワワ...
酸かよ?!畜生め...MPは35だったな?!
「ファイヤーボール、エアーカッター、コラプスウィンド、アクアウィップ!」
横向きに走りながら大蛇の頭へと狙いをつけ、呪文を唱える。
頭を振り避けたが胴体へと火の玉が当たり、続いて不可視の風の刃が切り付け、横風が吹き木から体の一部が木から垂れ下がるのを横目に見つつ胴体に上手く当たるように杖を振る。
ジャスト10mで木と木の間から、水の鞭が垂れ下がった蛇の胴体へと当たったのを確認してから前を向いて走り出す。
ドオッッン...
後ろから落下音が聞こえる。やったか!
「SHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」
威嚇音が聞こえてくる。やっぱり、レベル差的に無理なのかもしれないなぁ...
後ろを見ると地面で尻尾を荒ぶるように振り回している。
「ファイヤーボール!」
逃げつつエイムして炎の絨毯を敷いてあげる。25mといったところか。
少し走って後ろを見ると、燃え移った地面を怒りを露わにしてこちらへと身をくねらせながら這ってくる。
さっきより格段に遅いな...このままヒットアンドアウェイしていけば、倒せるんじゃないだろうか...
「エアーカッター!」
不可視の風の刃が、胴体へと着弾する。大きさ1m時速およそ60km/hくらいだな...
うむ。なんだか...MPが万全なら絶対倒せそうな感じだな。残りHPがどのくらいかよく分からないから倒せるかどうかというところか...魔力回復用のポーション買っとけばよかったなぁ。
適度に距離をとりつつ前へと走る。35mくらい離れたな...
油断をしていたせいだろうか、唐突に
ピピピピピイピピピピぴぴいぴぴぴぃぴぴぴぴぃピピピピピピピピいいいい
けたたましい鳥の鳴き声が響き渡る。
バサバサッバサバサッバサッバサッバサッ
黄色の胴体で、緑色のトサカ、赤い目の縁取りをした鳥が数十羽飛び去って行く。
ざわめく森の葉。
トットトットトッドドッドドドドッドドドッドッドドドドッドドドドッドドドドッドドッドドドドドドドドド
おいおい...前方斜め右から地響きを轟かせながら、黄土色の牛の群れが向かってくるのが見えた。
ありゃあ...ヨーゾフが言っていたウッドランドブルってやつかい...?こんな時に団体で来なくていいからよぉ。
「コラプスウィンド!」
先頭の牛に向けて呪文を唱える。
横風を受けて体勢が傾き、こちらから見て左側へと逸れていく。後続の牛たちもそれへと続く。
右斜め前へと走る。
「SHAaAaaaaaSHAAAAAAAA」
後ろから聞こえる威嚇音。どことなく戸惑っているように聞こえる。
とぐろを巻いた蛇の向こう側に牛の群れが駆けているのが見える。これはまさか...三つ巴!
よっしゃああああああ。生き残れるかもしれない!よーし、牛の角狙ってこう...
牛の群れは勢いを落とすことなく、蛇を回り込むようにしてこっちへ向かってくる。
おいおい蛇を狙ってくれよ...
駆けてくる牛から逃げるように蛇の体の周りを走る。
「ShaAAA」
鎌首をもたげた大蛇の口から酸が吐き出された。
「BMOooooooo」
泡立つ牛の体。群れが二つに割れる。
ガブリっゴクっズルルルルルル...
大蛇は倒れた牛を飲み込むと、その隙に木へと体を巻きつけあっという間に木の上へと上がってしまった。
やべえ...三つ巴が...
ドドドドッッ
後方から離脱し、こちらへ向かってくる3頭の群れ。
酸を受け呑み込まれた先頭の牛を除く5頭はそのまま怒りに任せて蛇がいる木へと向かっていく。
「「「BRRRRrrrrrrrr」」」」
牛たちの角が淡く光り輝く。角を前に向け突進の姿勢をとる。3頭が併走して駆ける!
「エアーカッター!」
脚部に向け風の刃を射出し、全力で横へと走り飛ぶ。
風の刃は真ん中の牛の脚を捉えたが、両脇の牛は横に逸れて向かってくる。
あわわわわわわ...おわた...
「コラプスウィンド!」
立ち上がって、迫り来る牛たちに呪文を唱えるが...ほとんど効いていない様子...もう...無理...
ドゴオオオオオオオオオオオッッッッッッッッ
「ぐぼおおおおおおおっっっっっっっっ」
腹から突き上げられるような衝撃を受けて足が地面から離れる。
視界がぐるぐると回る。
ガッガガッガガッッガギギギイミシッッッッッッッッ
視界の端で蛇がいた木が倒れていくのが見える...
縦に4回転5回転6回転...
木の枝の高さまで来た。
「うおりゃああああ。」
腕を伸ばして、枝を掴もうとするが弾かれる。
くそおおおおおおおお...
地面が迫る。落下死かよ...
ドオオオオオン
光の粒子が体から出て視界が割れていく。
割れていく視界の中で、鉈を持った兎が二羽、蛇と牛に襲いかかっているのが見えた...
暗い。まぶたを開けると、藁を被って村の集会所の床で寝ていた。
「ほわあああああああ、牛こわっ...」
おいおい...あれを狩らなきゃいけないのかい...?無理...無理...
はー...
デスペナルティを確認するか...
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PN:ギター熊
LV:4(0)
JOB:魔術師
7,220マーニ
HP(体力):5/25[32]
MP(魔力):5/80[100]
STM (スタミナ):20/40[50]
STR(筋力):8[10]
DEX(器用):16[21]
AGI(敏捷):16[21]
TEC(技量):8[11]
VIT(耐久力):8[10](13)
LUC(幸運):1[2]
スキル
・瞑想
・ベースステップ
・スライドムーブ
・グラウンドクリープ
魔法
【ファイヤーボール】
【ヒートハンド】
【エアーカッター】
【コラプスウィンド】
【アクアウィップ】
装備
右手:無し
左手:無し
頭:無し
胴:布のローブ(VIT+2)
腰:布の帯(VIT+1)
足:布の靴(VIT+1)
アクセサリー:無し
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うわ...0.8掛け小数点切り捨てか...20ポイント以上下がっているから実質的に4レベルダウン...これは、レベルが高くなればなるほどきつくなるなぁ。
うーん、一回、街にもどるか...角笛はひとまず忘れよう!
藁をはねのけて、立ち上がる。大きく伸びをする。
今は4時半か...まだ大丈夫だな。一度装備を整えるか。VITを少しでも高めたいし、杖ももっと良いのがあるかもしれない。情報も集めたいなぁ...ゲーム内掲示板が使えるんだっけ...?野良パも考えた方が良いのかもなぁ...
集会所を出て、村の門へと歩く。
よーし、走っていこう!
Tips.エンカウント
(建設予定地)