男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた!   作:ネコ文屋

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4833文字
ヨコイッショ


11_ファステイアよ!私は帰って来た!

「どうも~お疲れさまでーす。シャオラッ」

 

 

 

 草原を駆け抜け、門兵さんたちに挨拶してゴールイン!春の陽気の中での草原のランニングは心地よいな!体重減らすのには全く貢献しないだろうが...

 

 

 

 デスペナもあることだし、今日の残りの時間はファステイアで潰すとするか?買い物もしたいしな。装備とかポーションとか。

 

 

 

 

 さて、取り合えず魔術師ギルドに1000マーニ貰いに行くか。

 

 

 

 

 

 

 再びやって参りました魔術師ギルド。

 

 

 

 あれ...?マリーさんと違うNPCの女性が受付に座っている。編み物をしているようだ。ふわふわのドレスに身を包み、白い手袋をしている。リボン付きの丸い帽子がクロークに掛けられている。

 

 

 

「こんにちは~、依頼終わったんですが。こちらの受付でも見て貰えますか?」

 

 

 

「あらあら。お疲れさまです。いいですよ。」

 

 

 

「ライフポーション30本をグラッセ村に持って行くという依頼なんですが。無事配達することができまして、受領証を持ってきました。あ、名前はギター熊です。」

 

 

 

「あらあら。今日が初めての依頼でしたのね。」

 

 

 

 赤色の皮で背表紙が作られた豪華な装丁の本をいつの間にか手に出してめくっている。

 

 

 

「ふふ...受領証いただきますね。」

 

 

 

 受領証が手からするりと抜け宙に浮かび、ふわふわと移動し本の間に挟まった。

 

 

 

 パタン

 

 

 

 女性が本を閉じて、表表紙を人差し指で撫でると1枚の硬貨が表紙の上に出現した。

 

 

 

「どうぞ。」

 

 

 

「あ...どうも。」

 

 

 

 突然だったので若干、呆気にとられてしまった。

 

 

 

「あと、これもどうぞ。」

 

 

 

 そう言って、彼女が本を消し、机の上に手をかざすと、植物の蔦で編まれた紐に丸い青い石が通されたネックレスが卓上に現れる。

 

 

 

「これは...?」

 

 

 

「職業訓練所からご紹介していただいた方が初めて依頼を達成された時にお渡しするものです。失われた魔力の回復に少し効果がありますよ。」

 

 

 

 手にとり、眺める。宝石とまではいかないが、マーブル状のよく磨かれた角のとれた石だ。首から掛けてみる。

 

 

 

「どうも。ありがとう。」

 

 

 

「いえいえ。」

 

 

 

「よろしかったら名前を伺ってもよろしいかな。」

 

 

 

「あらあら。エルネですわ。」

 

 

 

 柔らかい物腰...ぶっちゃけ、タイプかもしれない!お近づきにならなければ!

 

 

 

「エルネさん、今度よろしかったらお茶でもいかがですかな。」

 

 

 

「まあ!」

 

 

 

 ちょっと驚いたようで、片手で口元を隠す。手を下ろしてからちょっと困ったような表情だ。

 

 

 

「魔術のことなど、色々お伺いしたいのですが。」

 

 

 

「ごめんなさい。初めてお会いした方とはちょっと。」

 

 

 

 

 

 

 

 倉庫に向かう。ディアールが座っていたので、安心して声を掛ける。

 

 

 

「よう!心の友よ!配達してきたぞ!」

 

 

 

「おお!ハハハハ!もう依頼終わったのか!初めての依頼達成おめでとう!」

 

 

 

「ハハハハ!ありがとう!もう報酬はエルネさんから貰ってきた。

 

 

 帰って来たらマリーがいなくてびっくりしたよ...」

 

 

 

「ああ!マリーなら交代の時間が来たらすぐに帰ったぞ。ところで、次の夜は暇か?」

 

 

 

 マリーは定時が終わったら即帰るタイプか。で、ディアールは飲みに行きたいタイプと。

 

 

 

「まあ、暇だな。そういえば、奢ってくれるのか?」

 

 

 

 そんな約束してたなぁ。

 

 

 

「いいとも!6時で仕事終わりだから、そのくらいの時間に受付の右側の待合室で待っていてくれ。」

 

 

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 さて、どうやって時間をつぶそうか...

 

 

 

 とりあえず、大広場へ行ってみるか。

 

 

 

 

 

 

 エルネさんに行ってきま~すと言ってから、大広場に来た。朝以来の大広場をじっくりと眺める。昔、訪れたヨーロッパの街にあった広場と似ているな。石畳で舗装されている。そして、結構広い。

 

 

 

 さーて、露天商でものぞくか...?

 

 

 

 

「らっっしゃい!らっしゃい!新鮮な木の棒あるよ!15種類から選べて一束30本1000マーニ!安いよ安いよ!突いてよし!叩いてよし!投げてよし!折ってよし!火にくべてもよし!買っといて損はないよ!木材あったら買い取るよ!そこの剣士の方、木の盾はいらんかね!敵の急襲を防ぐならこれだよ!1200マーニ!勉強しまっせ!」

 

 

 

「ファステイア同じみのエクスカリバー屋!何が出てくるかはお楽しみ。エクスカリバーくじやっていかないか一回1000マーニ!」

 

 

 

「祝福付き鉄の剣、鉄の槍、鉄の斧売ってます!ちょっと背伸びして上等なもの買いませんか?長く使えるよー。」

 

 

「幸運を呼ぶアクセサリー、小物類はいりませんか~。装備に含まれない小物袋や帯も売ってますよ~。『小鳥の庭』では布装備の修繕やアップリケの依頼も受けてますよー。」

 

 

 

「初心者向けポーション安く提供しますよー!」

 

 

 

「兎肉のミートパイはいかがですか~蛇肉のミートパイもあります~美食舌習得にもってこい!」

 

 

 

「バフ付き卵焼き売ってまーす。蛇の卵、鳥の卵、謎の卵!いろいろありますよ!未知の味に挑戦しませんかー!」

 

 

 

「つるはしやシャベルはいらないかい!これからは剣じゃなくてつるはしやシャベルの時代!『塹壕戦の覇者』プレゼンツ、初心者向け万能シャベル【ExCALIBER】。1本5000マーニ!水晶体粉末でコーティングしたファステイア限定の超人気モデルだよ!これ1本さえあればあらゆる状況に対応可能!掘るだけじゃない!戦闘職なら斬る、打撃、防御に対応しているよ!鉄心が入っているから重さも十分!さらには熱伝導性がいいからフライパン代わりにも使える!柄の部分は難燃性の木材を使っているから安心!ほら、目玉焼きが焼けます!特注も受けてるぞ!」

 

 

 

「バール...釘はどうですか...打撃特化の【エクスカリバール】...投擲に釘は効きますよ...ふへへ...呪いの品ありますよ...HPリジェネ鈍足効果の【泥濘のアンクレット】、STR中上昇視界不良効果の【暁闇のサークレット】..呪い装備の道は楽しいぞ...フェフェフェ...」

 

 

 

「搾りたてジュースはいりませんか。」

 

 

 

「スク水、レオタード、ブルマ、ビキニ装備!最高品質の逸品を提供する『紳士工房』出張販売店!圧倒的合法!着せ替え隊御用達!かわいい初心者向け装備もありますぞ!にゃんにゃん手袋、にゃんにゃんヘアバンド!」

 

 

 

「ドーモ!ニュービー=サン!『コブシ・ニンジャクラン』です。カラテは最強、古事記にもそう書かれている。忍殺ミーム用グッズは『コブシ・ニンジャクラン』販売部【ニンジャのザッカ屋】まで!爆殺符、鎖鎌、タケヤリ、バクチク、ニンジャソード、マキビシ!実際、ニンジャはどこにでも現れる。備えよう。」

 

 

 

 おお、案外近づいて見るとにぎやかだな。だが、やはり新人の街だけあって、勧誘めいたものを感じる...アイエエ...ハッ!これがNRS(ニンジャリアリティショック)か...恐ろしい。

 

 

 

 ちょっと食べ物つまんでみるか!

 

 

 

「すみません、蛇肉のミートパイ一つ。」

 

 

「ありがとうございま~す!350マ~ニです!」

 

 

 迷彩柄のバンダナとエプロンをした女の子から手に出したお金と引き換えに商品を受け取る。

 

 

 

 手に持ちやすいサイズのミートパイだ!茶色の紙に包まれている。飲み物も買おう。

 

 

 

 

 

 ジュースを売っている出店に行く。

 

 

 

「すみません、ジュース一ついいかな?どんなものがありますか?」

 

 

 

 カラフルな服にベレー帽を被った背の高い男が店主だ。

 

 

 

「ここから3つの果物を選んでもらってブレンドします。一杯400マーニです。」

 

 

 

「そこのオレンジっぽいのとそこのバナナっぽいのとそこのサクランボっぽいのでお願いします!」

 

 

 

「ちょっとおまちくださいね!」

 

 

 

 果物を包丁でぶつ切りにして大きめの薄い木のコップに入れていく。蓋を被せて、コップを両手で持って...

 

 

 

「ミキシング!」

 

 

 

 コップの中身が渦を巻いて粉砕し混ざり合っていく。

 

 

 

「お待たせしました!」

 

 

 

 おお...!そういう魔法もあるのか!バナナのおかげでクリーミーな見た目になっている。

 

 

 

「ありがとう!」

 

 

 

 

 どこで食べようかな...広場の中央にある像の付近が段差になっていて腰掛けやすそうだ。

 

 

 

 

 よっこらせ...

 

 

 

 まずは蛇肉パイから食べるか。円形のパイ生地でで、中からほんのりと熱が伝わってくる。

 

 

 

 サクリッ

 

 

 

 むっ、中に刻んだ野菜が入っているな、餡にしているようだ。野菜も日本のものとは違う気がする。ニラっぽいのがアクセントだ。蛇肉の味は思ったより癖はないが、少し弾力があるな。焼酎のつまみにいいかもしれない。

 

 

 

 ジュース挟むか。上からみる限り、ドロッとした黄味がかったオレンジ色の液体だが...

 

 

 

 ゴクッ

 

 

 

 おぉ、オレンジっぽいのとサクランボっぽいのが意外にも喧嘩せずに同居している。バナナっぽいののおかげで全体にドロッとしたハーモニーが醸し出されている...この組み合わせはありだな!

 

 

 

 サクリッ ゴクッ サクリッ ゴクッ ゴクッ 

サクリッ ゴクッ サクリッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ

 

 

 

 まあまあの満足感だ、げふぅ...食べ歩きもいいかもしれないなぁ...現実の金じゃないから懐も痛まんし...

 

 

 

 何か良いもの売ってないかな?

 

 

 ぶらぶらと歩いて出店を見て眺める。

 

 

 

 あ、ポーションが売ってるな...青色、黄色、緑色、赤色、紫色、橙色の透明な液体がガラス瓶に詰められて売られている。

 

 

 

「ポーションご入り用ですか?」

 

 

 

「ええ、HPとMP、スタミナの回復ポーションを買いたいのですが。」

 

 

 

「赤がHP、青がMP、黄がスタミナ、他は混合ポーションです。薬効は100%のものより半分に落ちますけれども。一番手前から30、50、100ですね。値段は100マーニ、200マーニ、500マーニです。どうされますか?」

 

 

 

「うーん...どうしようかな...初めてなものでどのくらい必要なのかよく分からないんですよ。」

 

 

 

「そうでしたか!お仲間はいますか?」

 

 

 

「ソロでしばらくはやっていくつもりでして...」

 

 

 

「それなら、赤、青、黄を3本ずつ買えば良いかと思います。HP、MP、スタミナの最大値はどのくらいですか?」

 

 

 

「えーっと...HPが32、MPが100、スタミナが50です。」

 

 

 

「赤30が3本、黄30が3本で、青は30でも50でも100でも良いと思いますが。」

 

 

 

 そうだなぁ...

 

 

 

「これってちょびっと飲んで、蓋を閉めればその分だけ回復することできます?」

 

 

 

「できなくもないですが、蓋を開けた場合薬効成分が空気中に蒸散してしまうので、効果は開けるごとにおちていきます。」

 

 

 

「ふむ...飲む時にクーリングタイムのようなものはあるかい?」

 

 

 

「薬効成分が増えてくるほど消化吸収に時間がかかるという設定のようで、消化能力によって変わってきますよ。素だと100で3分くらいですね。ポーションは吸収されたものから効果が出てきます。

 

 

 青と赤を同時に飲もうとする場合は、バラバラに回復する感じですね。

 

 

 で、クーリングタイムなんですが...飲めるだけ飲めますよ。飲むというのは制限されていません。胃の容量の問題や運動の阻害やめまいを引き起こす場合があります。また、ポーション中毒でペナルティや毒死したり、過回復の問題というものもありまして...連続で飲むのはあまりオススメできませんよ。10分くらいはあけるのが良いかと思います。」

 

 

 

「そうかね...じゃあ、赤30が3本、黄30が3本、青50が2本、青100が1本もらおうかな。」

 

 

 

「えーっと、では...合計で1500マーニですね!」

 

 

 

 1500マーニ渡す。

 

 

 

「はい、確かに!毎度ありがとうございます!」

 

 

 

「また、足りなくなったら買いにくるよ。」

 

 

 

 そう言ってポーション屋を離れた。

 

 

 

 ぶらぶら歩いていると、小物店に目がいった。

 

 

 

 『小鳥の庭』とポップな字体で、鳥が花畑の上で飛んでいるような絵柄が布に描かれている。そんな看板(?)が屋根の上に留めてある。

 

 

 

 なんか良いのないかな...

 

 

 

 そう思って、軒先のテーブルに並べられている雑貨を手にして見てみようとしたところ、広場のどこかから拍手やら野次やらが聞こえてくる。

 

 

 

 何やら騒がしいな...喧嘩でもしているのだろうか。関わり合いにならないように、気をつけなければ。

 

 

 

 と、思い再びテーブルの上に目を落とした。




Tips.プレイヤー露店
プレイヤーは行政機関への申請を出すことで街壁内の規定の場所に露店を合法的に出店できる。露店設備は重量があるためレンタルが一般的だが、買い取ることも可能。
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