男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた!   作:ネコ文屋

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5086文字
スヤァ



05_あの鈴の音の子守歌(ララバイ)

 カンテラに火を点けて、4人で森を進んでいく。

 

 

 

「そういえば、ロッコさんや...さっき光る球投げてなかった?閃光弾めいたやつ。」

 

 

「あ!あれはね、忍者の屋台の人から買ったフラッシュダマってゆーアイテムだよー。5個700マーニ。」

 

 

「ふわぁっ...ニンジャ?!ニンジャ?!」

 

 

 

 再びNRS(ニンジャリアリティショック)が身体を駆け抜ける。いつからここはマッポーの世界になってしまったのだ?!余りにビックリしたので辺りをキョロキョロと見回した。

 

 

「な、なにー?その反応?挙動不審だよ。」

 

 

 ハッ...ここはあの都市じゃない...シャンフロだ...随分前にハマり過ぎて何回も読み返してたら夢にまで出てきたんだよなぁ...

 

 

「大丈夫だ。問題ない。」

 

 

 

 

 何だろう無性に煙草が吸いたい気分だ...スッキリしたい。それに...なんだか口元と手が寂しいんだよねぇ...この世界にもあるんだろうか...?チコに聞いてみようかな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チコと言えば、森をよく見てみると本当にいろいろな植物があるな...木もいろいろな種類のものが生えている。

 

 

 

 『輝ける種』や木の棒屋の店主があんなに熱心になる理由も分かる気がするなぁ。確かにこんだけ試せる素材がごろごろ転がっていたらいろいろやりたくなっちゃうよね...

 

 

 

 

 

 

 

「この木とかハンモック吊せないかなぁ...昼寝に良さそうだ...」

 

 

 

 木を見て自分もなんか楽しめないかなぁと思ってたらそんなことを思いついた。

 

 

「ハンモックであるか?それはナイスであるな。」

 

 

 逆立ちで歩きながらマサカが独り言に相槌を打ってきた。

 

 

 

「おっ...このロマンが分かりますか。ハンモックでゆらゆらと揺られながら気持ちよく昼寝するロマンが。」

 

 

「分かりますぞ。さぞかし気持ちよいでしょうな、高いところで地面から離れて脱力するのは。」

 

 

「そうでしょうそうでしょう。なんか共感するところが違う気もしますが同志がいて嬉しいですなぁ...」

 

 

 

 

 

 ハンモックについて語りあっていると、ロッコとトマ君も話に入ってきた。

 

 

「ハンモックもいいっすけど、木の上ならツリーハウスもありっすね!木の上での生活憧れあるんすよね!」

 

 

「あー、分かるかも!メルヘンチックでかわいいよね!」

 

 

「ツリーハウスか...!その発想はなかったな。フィールドに家って建てられるんだろうか?立てた場合、家も残るのかな?」

 

 

「さあ、どうであろう?」

 

 

「耐久値がなくなるまで残る気がするなー。だって道具や武器だとそうだよねー。」

 

 

「素人が作った家とかすぐ壊れそうっすけどね。2LDK。ただし、日曜大工のお父さんが作ったポチの家的な!」

 

 

「確かに職業持ちじゃないと...厳しそうだな。木の上は特に。」

 

 

「そうよねー...」

 

 

 

 ロッコはちょっとがっかりした様子だ。

 

 

 

「依頼をすればいいのではないか?」

 

 

 マサカが不思議そうに言うと、ロッコの顔がパッと明るくなった。が、依頼するとどんくらい取られるやら...現実だと数千万やろ...ゲームでもそれくらいするとしたらぞっとする...うごご...マイホーム......働かなきゃ...ローンはオッケーですか...

 

 

 どこかに気前のよい大工さんは転がってないかな?いや、俺は自由な根無し草でいきたい。家はナシナシ!

 

 

 

 

 

 暇をつぶすための会話が途切れた時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 

 

 

 

 微かに鈴の音がした...

 

 

 

 

 

 

 うん?と行った様子で耳をすませる一同。

 

 

 

「これ鈴の音?鈴虫でもいるのかな?」

「なんすかねぇ?」

「風鈴の音にも聞こえましたぞ。」

「何だろうか...」

 

 

 

 

 

 

 

 森林の縁から離れる方になるが好奇心に任せて進んでいこうということで意見が一致し、音のする方へ行ってみようという話になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロッコの先導で先を進む。徐々に、少しずつ音が大きくなっていくのが分かる。一体何がいるのだろう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大きな高い鈴の音が辺りに響き渡っている。その音が聞こえる方向を見てみると連なる木々の奥に鈍く光る何かが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それはゆっくりとこちらに近づいてきた。近づくにつれて何であるか分かってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宙に浮いてるっすよ...?!幽霊だ!」

「鐘であるな。」

「クリスマスベルじゃないかなー。」

「あれは....?!いや、微妙に違うな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふよふよと浮かんでいるそれは黄金色をしたベルだった。複雑な文様の装飾が施されたもので、表面に不自然な光沢が浮きでている。上の方の輪の部分にはカラフルなリボンがつけられている。マサカが鐘と言ったのもう頷ける大きさだ。寺の鐘というより、教会の鐘というべきか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだか今日はおかしな敵によく遭遇するな...いや...敵なのか...?

 

 

 

 

 

 

 

 少し離れたところでふわふわと浮かんでいるベルをみてそんな疑問が頭によぎる。何故だか敵意があるように感じられないのだ。それどころか喜んでいるように感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 心地よい音だ。

 

 

 

 

 

 

「あれ?HPが回復しているっすよ?」

 

 

 

 

 

 なんだって...ステータス画面を開いて確認してみると、音が鳴るたびにHPとMPが回復しているのが目にできた。

 

 

 

 

「なんだろー不思議な子だね。かわいいかも。」

 

 

 

 

 ロッコが宙に浮かぶベルの方に近づいて撫でようとする。

 

 

 

 

 

 

 ting*

 

 

 

 

 

 

 伸ばされた手をベルはサッと避けた。

 

 

 

 

 

 ting*ting*ting*

 

 

 

 

 

「あれっ?あれっ?この子、すごく素早い?!」

 

 

 

 

 

 ロッコがなんとか触ろうと手を伸ばすがことごとく素早い動きで避けられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつ、どうすればいいっすかね?」

 

 

 

 

 ロッコがムキになって触ろうとする様子を見ながら、バトルジャンキーのトマ君が困惑している。確かに友好的な態度だから手を出しづらいな...

 

 

 

 

 

 

 

「ぜぇ...ぜぇ...だめだー...」

 

 

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 

 

 嬉しそうにベルは音を鳴らす。ご機嫌なようだ。どうしたものかと話していると...

 

 

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 

 

 構って欲しそうに上下に揺れながら、ベルは音を鳴らす。

 

 

 

 

 

 

「遊んでほしいのではないか?」

 

 

 

 

 

 マサカがその様子を見て推測する。しばらく観察していると音の鳴り方が変わった。

 

 

 

 

 

 

 水音のような、包み込むようなこもった音。さざ波のような音。

 

 

 

 

 

 

 あれ...眠気が...

 

 

 

 

 

 立っていられないほどの眠気が襲ってきて、地面にへたり込む。

 

 

 

 

 そして眠りの世界に旅立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 RRRRRRRRRRRRRRRR

 

 

 

 RRRRRRRRRRRRRRRR

 

 

 

 

 

 ハッ...寝てた?!

 

 

 

 

 けたましい目覚まし時計の音で飛び起きた。

 

 

 

 

 RRRRRRRRRRRRRRRR

 

 

 

 

 

 

 

 ふよふよと浮かんでいるベルから騒音が発生している。

 

 

 

 

 

 

「うるさいっすね!」

 

 

 

 耳をふさぎながらトマ君が叫ぶ。そして、ベルに切りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 ting*

 

 

 

 

 

 

 

 ハルバードは空振りした。

 

 

 

 

 

 

 ガサガサと周りの茂みから複数の物音が聞こえる。

 

 

 

 

 GRrrrrrrrrrrruuuuu

 

 Aoooooooooooohhhhhhh

 

 DangDang

 

 Brrrrrrrrrrraaa

 

 

 

 

 暗闇に獣の威嚇音が響き渡る。

 

 

 

 

 

「これは...まずいのでは...........一旦逃げるぞ!」

 

 

 

 

 状況の悪さを考えて、逃げることを提案した。しかし、状況は思ったよりも悪かったようだ。

 

 

 

 

「だめ!四方を囲まれているよ?!」

 

 

 

 

 ロッコが周りの様子を察知して叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 

 

 ベルは嬉しそうに音を鳴らす。

 

 

 

 

 

「まさか...このベル...眠っている間にモンスターを引っ張ってきたのか...?!

 

 

 

 先ほどまで和気あいあいとしていた雰囲気だったのに...モンスターはモンスターということか!くそったれめ。」

 

 

 

 

 Ring*Ring*

 

 

 

 

 茂みからモンスターたちが飛びだしてきた!

 

 

 

 

 

 KYYYUUUU!

 

 5体の尻尾がふくらんだリス。

 

 

 DangDang

 

 一体の4足歩行するイカ。

 

 

 AoO!AoO!

 

 4体のトサカのあるサル。

 

 

 CHuuuuu...CHuuuuu...

 

 十数匹の血の色をしたネズミ。

 

 

「ゲヒッ...ゴブッ...」

 

 3体の蛮族風な格好のゴブリン。

 

 

「ブフーッ...ブフーッ...」

 

 1体のコシミノだけを身につけたオーク。

 

 

 

 木々の間から飛び出し我々を囲んだそれらの目は等しく充血し、怒りに身を震わせていた。

 

 

 

 

こっちを見ろ!

 

 

 

 

 ギョロリ...濁った目が、目が、目がトマ君に向けられる。

 

 

 

 ハルバードが振られた。

 

 

 上方高く振り上げられた斧が高速の踏み込みと共に、ゴブリンを真っ二つにした。

 

 

 

 けたましい獣たちの咆哮。

 

 

 尻尾で地面を蹴り飛びかかってくるリスを先端部分の穂先で串刺し、そのままの勢いで正面のゴブリンごと木に叩きつける。そのまま柄を払って体当たりで後方のゴブリンを突き飛ばす。

 

 

「ヒハッハハハッ」

 

 

 地面を踏み、慣性を抑えつけながら、込み上げる笑いが押さえきれないように声を上げている。そして、空気を震わせるトマ君から咆哮が放たれた。

 

 

 

かかってこいやぁああアア!!

 

 

 

 

 

 

 おー...これは...っと、仕事せねば...な!

 

 

 

「ホワイトフォッグ!そりゃ!おら!.........ホワイトフォッグ!」

 

 

 うっとおしいネズミどもを蹴り上げバールで横殴りつつ、厄介そうなイカに向けて視界を妨害するホワイトフォッグを放つが触手に阻まれてどうにも上手く目に当たらない。

 

 

 

 うっとおしげにイカが触手を振り回す。余計に当たりにくい。攻撃をし、その隙に距離をとるか。

 

 

「ええい!こんちくしょう!焼きイカにしてやらぁ!ファイアーボール!」

 

 

 

 触手に当たって火の玉が散る。ギロリとこちらを見たイカが余った触手でネズミたちを投げつけてきた。

 

 

 

「つっ...ファイアーボール!」

 

 

 真っ赤なネズミが燃え上がる。

 

 

 

 Chuuuuu!Chuuuuu!

 

 

 

 勢いが死んでないッ!ダガーを使うべきだったか。

 

 

 

「アクアウィップ」

 

 

 火ネズミが飛んでくる方向に向かって水の鞭を小さめに振るう。

 

 

 

 CHuuuuu!!CHuuuuu!

 

 バールから飛び出した水流の勢いでネズミたちがイカの方へ押し返される。

 

 

 

 それをまたイカが触手で打ち返してきた。こ...これは...テニス?!いや、バドミントンだな...

 

 

 

 思わぬハートフルコミュニケーションに胸をほっこりさせる。これが異文化コミュニケーションか...

 

 

 

 

 

「ピッチャーいい球。よーし...フルスイングじゃ!目指せホームラン!」

 

 

 再び飛んでくるネズミにバールを構えて思いっきり振るう。小学校時分、休み時間は運動場で必ず野球をやったものだ。野球の選手のモノマネが得意な奴がいて教えてもらったこともあったなぁ...

 

 

 

 バールにめり込んだネズミの身体が弾かれるように木々の間を縫って、イカを越えバックスタンドへと飛んでいく。

 

 

 

 硬いなこのネズミ...手に残る手応えに見た目と合わない硬さを感じた。

 

 

 

 

「ぬおっっ!ネズミがふってきたぞ!」

 

 

 

 イカの向こう側からマサカの声が聞こえる。うーん...ナイスバッティン...狙い通り...うん、普通に邪魔をしてしまったようだ...すまん...!

 

 

 

 

 これはイカん。どうもイカは相性が悪い。ほっといて他のモンスターは...どうだ?

 

 

 

 イカの地面にファイヤーボールを打ちながら、イカの体から離れるように木々を回り込んで前線の様子を観察する。

 

 

 

 ドンッッッッッ

 

 

 

 移動する横に毒々しい木の実が投げ込まれた。

 

 

 

 紫色をした木の実から液体が噴出する。

 

 

 

「うわぁっっっっ...」

 

 

 

 身体にもろにかかった。身体の熱が異常を知らせる。紫色の液体が装備にべったりとついていた。毒か...くそイカが...薬品店で買った毒消しを頭から振りかけて腹を立てる。相手してやらぁ!

 

 

 

 姿勢を低くしてイカへと駆け出す。

 

 

 

「ファイアーボール!」

 

 

 

 唱えるのと同時に100マーニ硬貨を10枚右手に掴み投げつける。

 

 

 

 

「コラプスウィンド...炙ってやるぞ...」

 

 

 

 ファイアーボールを通り抜け熱された硬貨がイカの身体に向かってまき散らされる。振り払おうとする触手に向かって横向きの突風を吹かす。そしてまた100マーニ硬貨10枚を思いっきり投げつける。その後にスローイングダガーを投げる。

 

 

 

 触手たちが横へと流され、最初の硬貨たちがイカへと打ちつけられた。

 

 

 BrrraAaaA

 

 

 火の玉が続けて着弾するのを見ながら、次の仕込みをする。

 

 

 

「ファイアーボール!楽しい...キャンプファイアーの時間だフハハハハ!」

 

 

 時間をあけずにまき散らされた硬貨に声を上げてイカはひるみあがった。顔を背けて逃げようとする無防備な胴体にスローイングダガーが突き刺さる。

 

 

 

 Brrrrgyppppppaaa

 

 

 

 良く燃える木の棒に火を付けた俺は燃え盛る木の棒とバールを左手に、右手に鉄串2本ともう一本良く燃える木の棒を出現させ火を移す。

 

 

 

 

 イカが叫び声を上げながら6本足で飛び上がる。何ぃ...動くのか...

 

 

 

 バシッッッッッ

 

 

 

 木の枝に触手を巻きつけ大きく身体をこちらに向かってスイングしてきた。




Tips.状態異常
正常ではない状態への変化あるいはその状態を指す。代表的なものでは、毒、沈黙、睡眠、魅了、呪い、石化が知られる。解除方法は一概には言えず、その要因、程度によって難易度が異なる。時間経過で治るものや薬の服用によって治るものもあれば、複雑な手順をこなさなければ死亡しても解除できないものが存在する。
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