男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた! 作:ネコ文屋
「よーしここなら巨大聖女ちゃん像の効果範囲に入ってるね。、ここをキャンプ地とする!陣営構築はまかっせなさい。ジ・アース・クリエイト・キャンプベース」
ハイパー黒糖はツルハシを振り下ろして地面に突き刺した。すると周囲の岩が隆起し、みるみるうちに小さめの小屋が出来上がった。ハイパー黒糖はそして小屋の中に入り等身大のメイド姿の聖女ちゃん像をしっかりと台座を作って安置した。
「ちょっと巨大聖女ちゃん像と星々のパスを繋ぐ作業やるから、ギター熊さんは小屋の見張りお願い。ブギホビの人たちは巨大アメフラシを寄せ付けないように戦ってちょーだい。これ終わったらリジェネとマナ回復、闇属性弱体化、光属性エンチャ入るから。」
「えっすぐに恩恵ないのか。それならもう少し足止めしとけばよかったじゃん。野郎ども行くぜ。」
「まった。これを人数分持っていきなさい。」
おもむろにクリスタル聖女ちゃん像をブギホビの人たちに手渡すハイパー黒糖。
「げっ、おいおい。前ももらったんだが捨てるの大変だったぞ。」
豪炎のバクが嫌そうな顔をして言う。
「捨てんなコラ。今回は増幅器として使うから後で回収するよ。もー、捨てるとか聖女ちゃんに対する冒涜だよー。」
若干戦力外通告を受けた気がするがここは優雅にティータイムと行こうか。ブギボビの人たちが砂嵐と火の悪魔をうっとおしげに泥の触手で払いのとしている巨大アメフラシの方へ向かっている間に 、小屋の上に登ろうとしたが手がかりがなく断念。
しょうがないから小屋の前に椅子を置きのんびりと観戦することにした。水筒をインベントリから取り出しフタへと注ぐ。セカンディルの雑貨屋で見つけた紅茶だ。水筒は冷却機能があるものを使用している。
「やれやれ、笛が欲しいだけだったのに何やらとんでもないことになってきたな。ズズズ」
ほのかに柑橘系のフレイバーだ。ファステイア、セカンディルときて街の探索はなかなかに楽しく、ログイン時間の結構な時間を費やしている。次のサードレマも楽しみではあるがまだまだ探索したりない部分が多々あるものだ。
時々小屋の中から光が出てきたりするのにつられてか、モンスターが1匹寄ってきた。
「ハイパー黒糖さん、モンスター来たよ。倒しとくよ。」
さてさて魔女通りで買った本と杖を取り出して、新魔術の試し打ちでもしますか。レベルアップでも魔法は手に入るけど本から魔法を習得するのもありだ。魔術士ギルドにも売ってたりする。
寄ってきたモンスターはミノタウロスだった。ちょっと回避に専念しないと危ういかもしれん。というか無理だな。
「ハイパー黒糖さん、ミノタウロスだった。一人で倒せそうもないから前衛はってくれんか。」
「ミノタウロス。雑魚だから一発で倒せちゃうよ。」
「いや、試し打ちとかしたいのよ。こうね。」
「ふ~ん、じゃあゴーレム貸すよ。」
そう言ってインベントリから取り出したのは2mくらいの銀色の像。
「はい、認証キー。名前はベータ。雑な命令で動くからヨロシクね。」
「なるほど。ベータ、小屋の外に出てミノタウルスと戦え。」
のっぺらぼうの銀色の人型がミノタウルスに向かって体当たりをする。ミノタウロス持っていた斧で斬りつけるがこらえきれず倒れてしまった。
「よし、トリプル・マジック・エッジ」
魔法の斬撃がミノタウロスを三回襲う。
「次は、サンドウォール、ロックニードル。」
基本の防御壁とトゲを出しておく。ミノタウルスはゴーレムの相手で手一杯のようだ。
「マジック・アロー・レイン」
ミノタウロスとゴーレムがわちゃわちゃしている地面に魔法陣が描かれ、その上から魔法の矢の雨が降り注いだ。
「物理攻撃よりなのはいいね。風属性と似てるところはあるが。さて、トドメと行きますか。死をも恐れぬ断罪人よ、魔によって魔を断て。マジック・エグセキューショナー。」
この魔法は召喚魔法にあたるもので魔界やらなんやらから部分的に召喚するというものだ。豪炎のバクが使ってた火の悪魔の魔法もこれと似たようなものだろう。
半透明の覆面を被った処刑人がミノタウロスにエクセキューショナーズソードを振り上げる。ザクり。ミノタウロスの首は一刀両断。南無三。
「ベータ、戦闘終了。小屋に戻れ。」
小屋に戻って作業しているハイパー黒糖に言う。
「ハイパー黒糖さん、ベータむっちゃ便利だね。コレ欲しいなぁ。」
「あげてもいいけど重量制限あるからインベントリに入らないと思うよ。サブジョブでポーター鍛えているから色々と持ててるけど、序盤でベータをうまく運用するのは無理だよ、鈍足だしね。よーし、パス繋がった。」
そして小屋から出てから入口を綿密に封印し、ハイパー黒糖は唱える。
「運命神、創造神、調律神と星々との約定を古より伝えし聖女ちゃんはいわば母。あるいは父。幼くして老獪であり。その身から発せられる聖なる光は万物を照らさん。悪しきは去り平穏が訪れるまで止まることのなき身を案じて我ら聖女ちゃん親衛隊は全ての信仰を聖女ちゃんに捧げ、更には未開の蛮族にも教導しその素晴らしきことを世界のあまねくに伝えん。巨大聖女ちゃん像アーク・スター・ブート!」
その瞬間、巨大聖女ちゃん像とクリスタル聖女ちゃん像が光りだした。おお、HPとMPが回復していく。
「よし狩り場は整ったよ。さあ行こう。」
ブギホビの人たちが戦っているところに行くとマナの回復がついてからなのか好き勝手に魔法を打ちまくっていた。巨大アメフラシにまとわりついていたヘドロも闇属性の弱体化の効果かただの泥になっていた。これなら勝てるんじゃないか。
「そろそろワタクシのユニークアイテムの試運転をしておきましょうかね。ジャ~ン、かわいい猫の杖!効果がいまいち分からないのでぶっつけ本番で使っていくしかないんですよね。」
そういってヘックスなる人が取り出した杖を見ると、猫の耳尻尾が杖についていた。いやよく見るとあらぬところに目や口も就いていた。そして、にゃーと鳴いた。
「まずはオーソドックスにファイアーボール、ウィンドカッター。あんまり効果かわりませんね。ええい呪術でも試してみますかね。」
試運転はあんまり芳しくないようだ。ユニークアイテムというと1点物の武器だろうな。elonaだったらどうやって奪おうか考えているところだが、あまり強くなさそうだ食指が動かない。だがペットとして考えるとどうだろうか。にゃーと鳴いたしな。
「ヘックスさん、口ついてるしなんか食べさせてみてもいいですか。ハンバーガーあるんでちょっと試してみましょう。」
「確かに口があるので何か食べるかもしれないデスね。」
許可を取ったのでハンバーガーをかわいい猫の杖の口の部分に近づけてみた。
ペロリ
かわいい猫の杖はハンバーガーを食べるとにゃーと鳴いた。
「食べたデスね。何か効果があると嬉しいのデスが。グラビティ・ボール。エアロ・バースト。」
すると魔法とともに巨大な猫の手が射出された。巨大アメフラシに着弾すると猫じゃらしで遊ぶように巨大アメフラシをいたぶり始めた。
「おーこれはファンネルタイプの杖かもしれませんね。これも食べるかな。」
そうやって取り出したのは雷蜂の栄養ドリンク。薬品店で試供品としてもらったやつだ。ビンのフタを開けて口に近づけてみる。するとビンごとペロリと食べた。
にゃにゃにゃにゃ
そう鳴いてかわいい猫の杖は目玉をギョロりとさせて震えだした。その瞬間、煙がポンと立ち込めた。
煙が晴れたとき杖はすでにヘックスの手になく眼の前に一匹の大きなかわいいトラ猫がたたずんでいた。そして巨大アメフラシの方に駆けていった。
「あっ装備が強制解除されたデスよ。ユニークアイテムがモンスターになった!」
大きなトラ猫は巨大アメフラシの近くによると猫パンチで大きくひっかいた。かなりの威力だったようでえぐれた引っ掻き傷が見てとれた。