男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた!   作:ネコ文屋

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シュタッ


06_夜の闇に紛れて

 夜の街は静かだった。闇に包まれた路地裏を私は忍び足で進む。今夜の目的地は、街の中心部にある貴族の館。そこには美術品や高価な装飾品が山のように保管されていると噂されていた。そして、それを裏付ける確かな情報が盗賊ギルドから提供された。

 

「この館は防御が固いが、内部構造はすべて手に入れた」と、ギルドの情報屋は自信ありげに言った。その情報を元に、私は館の侵入経路を完璧に把握していた。正面から入るのは愚の骨頂。目立たない裏口が一番安全だ。

 

 

 目的は、貴族の財宝の中でも特に高価だとされる装飾品。金と宝石がふんだんに使われたそれは、闇市場で一攫千金の価値がある。

 

 私は暗闇の中、貴族の館へと足を進めた。風に乗って聞こえてくるのは、夜の虫たちの鳴き声だけ。館に近づくにつれ、足音を消すよう慎重に歩を進める。裏口にたどり着くと、館の石造りの壁に手をかけた。ギルドからの情報通り、ここには小さな隠し扉があり、見つけにくいが、盗賊ならすぐにわかる。

 

 扉をそっと押し開けると、錆びついた音がかすかに響いたが、誰かが気づくほどの音ではなかった。私はすぐさま中に入り、背後で扉を静かに閉めた。

 

 館の中はひんやりと静まり返っていた。広大な廊下に掛けられた絵画や、両脇に並べられた高価そうな装飾品の数々が、いかにも裕福な貴族の住処であることを物語っている。だが、私はこの絵画や装飾品に手を出すつもりはなかった。目的はただ一つ、地下の宝物庫に保管されている装飾品だ。

 

 私はギルドからもらった館の内部構造図を頭の中に思い浮かべた。長い廊下を抜け、左に曲がり、階段を下りる。そこには数名の警備兵がいるが、パトロールの時間も完璧に把握済みだ。

 

 まずは廊下を素早く進む。絨毯が敷かれているおかげで、足音はほとんど響かない。途中で聞こえてきたのは、遠くの方で兵士が警備をする音。私は気配を殺し、柱の陰に隠れた。彼らが通り過ぎるのを待ち、再び行動を開始する。

 

 廊下を抜け、階段を降りる。地下の入り口は鋼鉄の扉で固く閉ざされていた。だが、盗賊ギルドはこの扉の開け方も把握していた。鍵穴にピッキングツールを差し込み、数秒間集中する。カチリという音がして、扉がゆっくりと開いた。

 

「これで第一関門突破だな…」と心の中で呟く。

 

 地下の宝物庫はさらに厳重な警備が敷かれている。だが、私は事前に得た情報のおかげで、そのすべてを把握していた。例えば、部屋の中央に設置された罠は、天井から突き出る鋭利な槍だ。この罠は特定の床の石を踏むことで作動する。私は石の並びを思い出し、慎重にそれを避けながら進んだ。

 

 次に現れたのは、宝物庫の扉。分厚い鋼鉄で作られ、通常の手段では破れないが、鍵はギルドからの情報で手に入れていた。私は懐からその鍵を取り出し、扉の鍵穴に差し込んだ。

 

 カチリと音がして、扉が開く。中にはさまざまな財宝が積み上げられていたが、私の目当ては中央のガラスケースに収められた一つの装飾品だった。金の細工が施され、無数の宝石が散りばめられたその装飾品は、見るからに高価そうだ。

 

「これだ…」私はそう呟くと、ケースを慎重に開けた。ケースに触れた瞬間、小さな音が鳴り、すぐにそれが警報だと悟った。

 

「くそっ!」時間がない。私は素早く装飾品を掴み、扉の外へと駆け出した。

 

 館内に警報が鳴り響き、どこからともなく兵士たちの足音が近づいてくる。だが、私は事前に把握していた脱出ルートを頼りに、迷うことなく館の出口へと向かった。兵士たちがこちらへ向かってくる前に、なんとか裏口へとたどり着いた。

 

 扉を開け、外の冷たい夜風を感じる。「ふう…危ないところだったな」と息をつく。

 

 そのまま私は夜の闇に紛れ、闇市場へと向かった。既に装飾品を売り渡すための手筈を整えている。

 

 闇市場に着くと、顔馴みとなった闇商人が待っていた。彼は私を見るなり、手招きし、装飾品を確認すると満足そうに笑った。「これでしばらくは金に困ることはないだろうな」と彼は言い、私に袋いっぱいの金貨を10袋渡した。

 

 一般の売店ではマーニでやり取りするのもありだが、取引履歴をたどられて足がつく場合があるらしく闇市場では硬貨でやり取りすることが多い。

 

「任務完了だな…」私は装飾品を渡し、金貨の重さを手で確かめながら酒場へと向かった。教会とも上手く付き合っていきたいので、カルマ値を上げすぎないようにお布施でもしておこうか。

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