男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた! 作:ネコ文屋
博物館の通りの酒場『黄金獅子亭』は開拓者や住民たちで賑わいを見せていた。私はカウンターに座り、一杯のエールをゆっくりと楽しんでいた。何度目かの演奏を終え、体を休める時間だったが、次に何を演奏するかが頭の中を巡っていた。
「君、最近この酒場で演奏している吟遊詩人だろう?」隣の席から穏やかな声が聞こえてきた。
振り向くと、そこには中年の男性が座っていた。灰色の短髪に円眼鏡をかけ、少し埃まみれの服をまとっている。考古学者特有の知的な雰囲気を感じさせた。
「そうです。ここで何度か演奏していますが、あなたは?」私はギターを軽く指で撫でながら答えた。
「私はカルツァ。考古学者だ。この街の博物館で古代の遺物を調査している。」カルツァは笑顔を浮かべながら、私のギターに目をやった。「実は、君に頼みたいことがあるんだ。報酬は弾むよ。」
「私に、ですか?」突然の依頼に少し驚きつつ、話を促した。
「『地の大精霊の祠』という場所を知っているだろう?」カルツァは懐から古びた巻物を取り出し、私の前に広げた。
「その祠には、大精霊の祝福が隠されていると伝えられている。そして、祝福を得るためには、特定の古代の曲を演奏する必要があるんだ。」
カルツァは真剣な表情で続けた。「ただし、その曲は決して簡単ではない。文献には、特別な音楽を奏でることで精霊との共鳴が得られると記されているが、古代の旋律は複雑で、すぐに思い浮かぶものではない。しっかりと練習が必要だろう。」
私は巻物を手に取り、中を覗き込んだ。そこには、見慣れない古代の楽譜が記されていた。旋律の構造は、私がこれまで弾いてきたどの曲とも異なり、簡単に奏でられるものではなかった。
「なるほど…この曲を演奏するには、かなりの準備が必要そうですね。演奏すれば精霊の祝福が得られると?」
「そうだ。祝福を得られるかは分からないが、古代の記録では、この旋律が大精霊に語りかけるための鍵になると言われている。だが、君のように音楽の才能と魔術師としての力を持つ者でなければ、この曲を正確に奏でることはできないだろう。」
私はギターに手を触れながら、楽譜を見つめた。これまでの演奏とは違う、まったく新しい挑戦だ。音楽と魔法を駆使し、精霊と対話するための旋律。それを奏でることで、精霊の祝福が得られるかもしれない。
「分かりました。ただ、この曲を習得するには時間がかかりそうです。しっかり練習してから祠へ向かう必要があるでしょう。」
カルツァは満足そうに頷いた。「その通りだ。急ぐ必要はない。まずはその曲を完璧に習得することが大事だ。準備が整ったら、祠へ向かい、その力を試してほしい。」
「了解しました。少し時間をいただいて、この曲をしっかり練習します。それから、祠へ行ってみましょう。」
カルツァは再び笑みを浮かべた。「君に頼んで正解だったよ。期待している。演奏が成功すれば、君は精霊の祝福を受け、何か特別な力を得るかもしれない。その祝福の内容を記録できたらありがたい。それが考古学の大きな一歩となる。本来ならばついていきたいところだが、監視の目があってはやりにくいところがあるだろう。だが、祝福の瞬間は見てみたいのでこの映像水晶を持って行ってくれると助かる。成功報酬は80万マーニだ。前金として20万マーニを渡しておくよ。」
私は巻物と映像水晶を大切にしまい、深呼吸をした。この曲を習得し、演奏できるようになるには、集中して練習を重ねる必要がある。それでも、この挑戦は魔術師としても、吟遊詩人としても、さらなる高みを目指す絶好の機会だった。
「では、練習を始めます。準備が整い次第、祠へ向かいます。」私はカルツァに力強く答えた。
カルツァは杯を掲げて言った。「その時を楽しみにしているよ、祝福を受けた君の姿をな。」