男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた! 作:ネコ文屋
氷の結晶が舞い落ちる冷たい空間に、通称インテリお肉、第二殻層のボス、『スペリオルオマージュ・フロストボディ』の圧倒的な存在感が漂う。敵の全身は氷で覆われており、その冷気が肌を刺すように感じられた。私はギターを構え、音の波と共に詠唱を始める。炎の術式の旋律が私の指から奏でられ、戦闘の空気を熱気で満たしていく。
「紅蓮の灯よ、熱を宿し敵を灼け…『灼熱の舞踏(フレイムダンス)』!」
私の詠唱が終わると同時に、炎のエネルギーがハルぽんのエレクトロ・チャネリングソードに注ぎ込まれ、剣が紅く輝き出す。ハルぽんは私の方を振り向き、にっこりと微笑んでから、氷の巨体に向かって突進を開始した。
「よし、行くなの、あなた!」
彼女の小柄な体が、力強く氷のモンスターの懐に飛び込む。エレクトロ・チャネリングソードを力強く振り下ろし、炎と電撃の力で敵の装甲を溶かしつつ斬り裂いていく。フロストボディの氷の外殻がじわじわと融け、その度に激しい冷気が解放される。だが、ハルぽんは一歩も引かず、次々と剣を振るい、氷の巨体に傷を刻み続けている。
一方、私は彼女の援護として、手にしたクナイに爆殺符を貼り付ける。目標は敵の右側――フロストボディが再生力を発揮する度に弱点として露出する脆い氷の部位だ。狙いを定めて投げたクナイが敵に突き刺さると、爆破が氷の装甲を吹き飛ばし、再生を遅らせる隙を生み出した。
「よし、その調子だよ。ハルぽん!」
私はさらに火の術式を構築し、フロストボディの周囲を取り囲むように熱気の波を作り出す。ギターを鳴らしながら、火の術式とともに高らかな詠唱が響き渡る。
「火炎の息吹よ、我が音と共に敵を包み込め…『炎環(エンヴェロープ・フレア)』!」
私の周囲に火の輪が現れ、フロストボディをじわじわと灼きつける。氷の表面が溶け出し、再生を抑え込むように敵を包み込む。フロストボディの巨体が一瞬怯んだその隙に、ハルぽんが全力で剣を振り抜き、氷の巨人にさらに深い傷を刻む。
だが、フロストボディはその場にひざまずくことなく、激しい氷の拳を私たちに向けて繰り出してきた。周囲には新たな氷の結晶が生まれ、ブロック状の氷が私たちを取り囲むように迫ってくる。ハルぽんは素早く回避行動をとり、私は再び爆殺符付きのクナイを投げつけてブロックを砕き、攻撃の流れを断つ。
「ふぅ…流石に手強いな。でも、これくらいじゃ負けない!」
ハルぽんが息を整え、剣を構え直すと、私は彼女のために新たな旋律を奏でる。高揚するギターの音が響き、詠唱の力が再びハルぽんを包み込む。
「焦がれし炎の力よ、舞い踊りし刃に宿れ…『煉獄の奏(パイロ・メロディ)』!」
その瞬間、ハルぽんの剣に炎の紋様が浮かび上がり、彼女の攻撃力がさらに強化された。炎と電撃の力を纏った彼女の剣がフロストボディに直撃するたびに、氷の巨人がうめき声をあげるように身をよじらせる。攻撃の連打により、ついにフロストボディの防御が弱まり始めたのが分かる。
「もう少しだよ、ハルぽん!弱点を攻め続けて!」
私はさらに爆殺符付きクナイを用意し、フロストボディの再生が始まるたびに投げつけて爆破を起こし、再生のプロセスを妨害する。フロストボディが再び反撃に出るが、ハルぽんは素早い動きで回避しつつ、絶え間なく攻撃を続ける。
「これで終わりにしてやる!」
ハルぽんが最後の一撃に剣を振り下ろすと、私も全力で詠唱と演奏を重ね合わせ、火の術式を最高潮まで引き上げる。
「炎よ、最期の輝きと共に敵を灼き尽くせ…『烈火終章(インフェルノ・フィナーレ)』!」
ハルぽんの剣がフロストボディの中心部に突き刺さると、私の火の術式が彼女の剣を包み込み、炎と共に爆発的なエネルギーが広がる。フロストボディは氷の塊が崩れ落ちるようにその場に倒れ込み、炎の残滓だけが静かに揺れていた。
そして、霜降りの良いお肉の匂いが辺りを漂った。