男が演奏している横に看板が立っている。あなたは看板を読んだ。...投げ銭歓迎!石は投げないでください... あなたは周囲を調べた。... ...何かが見つかりそうだ... 投げやすい小石を見つけた!   作:ネコ文屋

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パシャリ


12_バンドメンバーの加入と練習風景

 スカルアヅチの一室にあるスタジオは、質素だが居心地の良い空間だった。壁には防音パネルが貼られ、角にはレンタルのドラムセットとベースアンプが並べられている。その中で、私は机に座り、初対面となる新しいバンドメンバーを待っていた。

 

 扉が静かに開く音がして、最初に現れたのはドラム担当のアイアンティーポットだった。

 

「よろしく頼む。」

 

 低い声とともに現れた彼は、大柄で屈強な体格をしていた。彼の鋭い目は、まるで物事の本質を見抜くかのような力強さを持っている。しかし、手際よくドラムセットをチェックする姿には、どこか職人らしい落ち着きがあった。

 

「こちらこそよろしく。ギター担当のギター熊だ。」

軽く会釈をすると、彼は少しだけ口角を上げた。

 

「ドラゴンフェスタの話を見た時、久しぶりに叩きたくなったんだ。俺の腕が錆びついてなければいいが。」

 

 その言葉には控えめな自信が感じられた。次にスタジオに飛び込んできたのは、ベース担当のサイバーファングだった。

 

「よーっす! ベースのサイバーファングだ! めっちゃ楽しみなんだけど!」

 

 明るい声とともに現れた彼は、小柄だが活気に満ちた雰囲気を纏っていた。派手な色合いの装備が目を引く。

 

「いい勢いだな。よろしく頼むよ。」

 

 私が笑いながら言うと、サイバーファングは親指を立てて笑った。

 

「俺、ノリだけは自信あるから! 細かいとこはこれから合わせていこうぜ!」

 

 その場にいたハルぽんも、彼のエネルギッシュな姿に満足そうな笑みを浮かべている。

 

「二人とも頼りになりそうだね、あなた。」

 

 それぞれの自己紹介が終わり、簡単な挨拶を交わすと、自然とドラゴンフェスタの話題に移った。

 

「フェスでは、ただの演奏じゃなくて、みんなが楽しめる雰囲気を作りたいんだ。」

 私が意気込みを語ると、アイアンティーポットは静かに頷きながら言った。

 

「フェスか…。規模の大きいイベントに参加するのは初めてだが、悪くないな。」

 

「いや、絶対楽しいでしょ!」

 

 サイバーファングが身振りを交えて語る。

 

「ステラ・プリズムとも共演するんだろ? パフォーマンスとか、めっちゃ刺激になりそうじゃん!」

 

 話が盛り上がり、初めて顔を合わせたメンバーたちとの緊張が次第にほぐれていく。こうして新しい仲間たちとの第一歩が始まった。

 

 

 

 

 

 スカルアヅチのスタジオに集まった私たちの前に、征服人形ユニット「ステラ・プリズム」のメンバーが姿を現した。彼女たちは舞台用の洗練された衣装を身に纏い、それぞれが個性的なオーラを放っている。リーダーのフリューレを先頭に、ルーチェ、ノワール、シエラが整然と並ぶと、スタジオが一気に華やいだ。(型番号は省略して呼ぶことになった。)

 

「あなたがギター熊…いや、今日からは私たちの共演者だね。よろしく。」

 

 フリューレが静かに微笑みながら一歩前に出て、軽く頭を下げた。その仕草は堂々としていて、彼女がこのグループを牽引していることが一目でわかる。

 

「こちらこそよろしく。」

 

 私も会釈を返すと、後ろからルーチェが明るい声で割り込んできた。

 

「あー、ギター熊さん! 当機たち、今日は全力で盛り上げるからね! 楽しみだな~!」

 

 ルーチェは金色のポニーテールを揺らしながら、まるで子犬のように弾むような動きでスタジオ内を見回している。

 

「そんなに張り切ると、ペースを崩すよ。」

 

 冷静なノワールが軽くたしなめるが、彼女自身も練習に向けての準備を完璧に整えている様子だ。

 

 最後に、シエラが柔らかい声で言った。

 

「今日のセッション、きっと素敵なものになるわ。」

 

 

 

 

 私たちはスタジオ中央に集まり、簡単な挨拶を済ませると、いよいよ練習が始まった。フリューレンが場を仕切り、進行を担当する。

 

「最初は、君たちの演奏スタイルを見せてもらえるか?」

 

 彼女の言葉を受けて、私たちバンドメンバーは軽いセッションを始めることにした。

 

 私がギターを構え、ハルぽんがマイクを持って中央に立つ。背後ではサイバーファングがベースラインを確認し、アイアンティーポットがスティックを握り直してリズムを整える。

 

「じゃあ、いくぞ!」

 

 私が最初のコードを弾くと、音がスタジオに響き渡った。ドラムとベースがしっかりとリズムを支え、ハルぽんが透明感のある声で歌い出す。

 

「風に乗って、空を駆ける

 響く音が道を繋ぐ…。」

 

 その演奏をじっと見つめていたフリューレが、小さく頷いた。

 

「悪くない。だが、もう少しアクセントが欲しいな。」

 

 そう言うと、ステラ・プリズムのメンバーが順番に演奏に加わり始める。

 

 ノワールがリズムを取るように手拍子を加え、シエラが補助的なコーラスを入れる。ルーチェは踊るようなステップを踏みながら、高音のアドリブを重ねる。

 

 その結果、音楽は一気に華やかさを増し、スタジオ全体が活気に満ちた。

 

 

 最後にフリューレがレイピア型の小さな楽器を持ち、音色を添えると、全体のバランスがぴたりと整った。

 

「これならフェスのステージでも通用する。だが、まだまだ改善の余地があるぞ。」

 

 彼女の一言に、全員が納得したように頷いた。

 

 練習が終わる頃には、初めて顔を合わせたメンバーたちも、自然と打ち解けた雰囲気になっていた。

 

 

 

 

 

 練習を終えたスタジオは、音楽が満ちた余韻の中に包まれていた。各自が楽器を片付けたり、椅子に座ってリラックスしたりと、少し疲れが見えるが充実感のある表情を浮かべている。

 

「今日は良い練習だったな。」

 

 私はギターをケースにしまいながら、みんなに声をかけた。アイアンティーポットがスティックを握り直し、ゆっくりと頷く。

 

「確かに悪くなかった。リズムセクションも安定してきたし、合わせやすくなってきた。」

 

 真面目な彼らしい総評だった。

 

 サイバーファングはベースを肩から外しながら、嬉しそうに笑っている。

 

「いやー、やっぱりステラ・プリズムはすごいな! こっちも自然とノリが良くなってくる!」

 

 ルーチェがその言葉に応えるように、元気よく手を挙げた。

 

「でしょでしょ! 当機たちの魅力、もっと引き出してくれちゃってもいいんだよ?」

 

 ノワールは控えめに微笑みながらも、的確なアドバイスを付け加える。

 

「ただ、まだタイミングが少しずれる箇所がある。特にコーラスの部分はリズムを意識した方が良い。」

 

「確かにそうだな。次回の練習ではそこを重点的に合わせよう。」

 

 私がメモを取りながら頷くと、フリューレが満足そうに言葉を継いだ。

 

「初練習にしては上出来だ。この調子ならフェス当日には十分な仕上がりになるだろう。」

 

 その言葉に一同の士気がさらに高まる。

 

 

 しばらく音楽の話題が続いた後、練習の疲れを癒すように、メンバーたちは軽い雑談を始めた。

 

 ハルぽんがルーチェに近づき、興味津々な声で話しかける。

 

「ルーチェ、どうやったらそんな高音が出せるの?」

 

 ルーチェは得意げに胸を張り、微笑む。

 

「コツはね、リラックスして空気を流すこと! あなたも試してみて!」

 

 その横でサイバーファングが冗談めかして口を挟む。

 

「俺もその高音出せるかな? ベース弾きながらさ!」

 

「いやいや、低音担当がそれやったらバンドが崩れるだろ。」

 

 私がツッコミを入れると、一同が笑いに包まれた。

 

 

 ふと、シエラが立ち上がり、スマホ型の端末を取り出した。

 

「ねえ、せっかくだから記念写真を撮りましょうよ。」

 

 全員が賛成し、スタジオの中央に集まる。ハルぽんとルーチェが楽しそうにポーズを取り、アイアンティーポットとノワールは控えめに笑顔を浮かべた。私はギターを持ち直し、サイバーファングと肩を組む。

 

 シャッター音が響き、画面に写った一枚の写真には、すでにチームとしての一体感が映し出されていた。

 

「これ、フェスの宣伝にも使えるな。」

 

 私がそう言うと、フリューレが軽く頷いた。

 

「確かに。皆で作るこのフェスは、きっと素晴らしいものになる。」

 

 

 

 

 練習を終え、記念写真を撮った後、スタジオには静かな余韻が漂っていた。それぞれが荷物を片付けながら、どこか満足げな表情を浮かべている。

 

「これがフェスに向けた第一歩だな。」

 

 私はケースにギターをしまいながら、軽く呟いた。その声に応えるように、ハルぽんがにっこりと微笑む。

 

「当機たち、もっともっと練習して、最高のステージを作るなの!」

 

 彼女の無邪気な言葉に、一同が笑顔を交わした。

 

 サイバーファングが肩を軽く回しながら言う。

 

「次の練習までに、ベースラインもう少し仕上げとくよ。みんなで最高の音を出そうぜ!」

 

「俺もリズムを調整しておく。ステラ・プリズムに負けるわけにはいかないからな。」

 

 アイアンティーポットの言葉には、彼らしい真剣な響きがあった。

 

 フリューレが最後に立ち上がり、全員を見渡した。

 

「次回はさらに高い完成度を目指す。私たちの音楽で、観客を感動させる準備をしておこう。」

 

 その言葉に、誰もが力強く頷いた。

 

 スタジオを後にし、外に出ると夜空が広がっていた。スカルアヅチの明かりが穏やかに辺りを照らし、冷たい夜風が心地よい。

 

「これから忙しくなるぞ。」

 

 私は空を見上げ、次第に膨らんでいく期待と少しの不安を感じた。しかし、このメンバーとならきっと乗り越えられる。そんな確信が胸の中に芽生えていた。

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