飛来した8枚の光の羽根。
それぞれが意志を持つかの如く巧みに囲い、あるいは逃げ、そして攻めてくる。
お互いの隙をカバーしながら最適な位置を常に確保する連携は見事と言う他ない。
しかし、自分も精霊である。あの
迫り来る霊力の刃を紙一重で躱し、その隙を庇いに来た翼をそれ以上の速さで以て撃ち落とす。我こそは颶風の騎士、速さにおいて並ぶものなどあろう筈が無い―――――!
持てる力の全てを動員し、次々と光の翼を|地に堕とす
「撃退 これで最後です…!」
7基の翼を堕とし次が最後、というところで最後の翼が一瞬不自然に硬直する。とてつもない違和感を覚えながら、しかし鎖は止まらない。
放たれた鎖は正確無比に最後の黒い翼を貫き、瞬間、膨大なまでの魔力が放出された。
「なっ……!?」
視界を覆う魔力の奔流。それと同時、爆風を突き抜けて向かってくる影がある。
鎖は伸びきってしまっており、防御には間に合わない。
……結果として、彼女に取ることの出来る選択肢はただ1つであった。
―――――――――――――――――――――
翼を囮にしたのは目眩しのためだけでは無い。
身体の中を巡る耶倶矢の霊力を
――
第五の精霊・八舞耶倶矢の霊力による颶風を纏い、超高速での突貫を可能とする装備である。
まさしく人ならざる力を用いる代償に、第五の精霊は一定時間の飛行の不可を要求した。空を自由に飛び回ることは我ら精霊にのみ許された行為である、というものである。
故に、この一撃は絶対に外せないし、外さない。
そのために奴の鎖を引き出したのだ……!
「俺と一緒に落ちろ、精霊!」
「あ――――――」
颶風を纏い、空を舞う精霊に向けて放たれた一条の光の矢。裂帛の叫びと共に一瞬で
――――――――――――――――――――――
「あ――――――」
凄まじい衝撃を受けて砕かれる自らの翼を見て、自らの敗北を悟る。よもや一度ならず二度までも目眩しにしてやられるとは。
翼を失い、ろくに姿勢も保てぬまま重力に身を委ねる。
「おい…生きてるか」
聞こえてきた声に横を見ると叡斗がこちらに手を伸ばしている。……なんだか癪なので無視することにする。
「つーん」
「つーんてお前…えぇ…?今俺たち割とピンチなはずなんだけど…?」
この男はそもそもここからどうやって助かろうと言うのだろうか?
「疑問 手を取ってどうするのですか」
「んなことは決まってる。こうするんだよ…!助けて耶倶矢さぁん!」
強引に手を掴まれた。
その事に非難の眼差しを向けようとして、出来なかった。
どうにも繋がれた手の方が気になって照れてしまうから、また明後日の方向を向いて誤魔化すことにした。
今回限りはクール枠(自称)な私が照れてしまうのも許して欲しい。
……………だって、そんな。
『俺と一緒に地に落ちろ』なんて、それは、プロポーズ以外の何物でもないのだから。
くぅ~疲れましたw これにて真面目(大嘘)なバトル完結です!
(正直そこまで自信は)ないです
本作における夕弦は割とポンコツ感を出しているつもりですが、どうでしょう。ちゃんと可愛く書けてましたかね…?
ちなみにサブタイトルは一直線(物理的)に突っ込んでいく様子から付けました