ぐふーのみこ!   作:ニラ鍋

11 / 11
贔屓球団がシーズン開幕以降まだ一勝もしていないので初投稿です


最速で、最短で、まっすぐに、一直線に

飛来した8枚の光の羽根。

それぞれが意志を持つかの如く巧みに囲い、あるいは逃げ、そして攻めてくる。

お互いの隙をカバーしながら最適な位置を常に確保する連携は見事と言う他ない。

しかし、自分も精霊である。あの魔術師(人間)が相手ならばともかく、こんな機械の翼なぞには負けられない…!

 

迫り来る霊力の刃を紙一重で躱し、その隙を庇いに来た翼をそれ以上の速さで以て撃ち落とす。我こそは颶風の騎士、速さにおいて並ぶものなどあろう筈が無い―――――!

 

持てる力の全てを動員し、次々と光の翼を|地に堕とす

 

「撃退 これで最後です…!」

 

7基の翼を堕とし次が最後、というところで最後の翼が一瞬不自然に硬直する。とてつもない違和感を覚えながら、しかし鎖は止まらない。

放たれた鎖は正確無比に最後の黒い翼を貫き、瞬間、膨大なまでの魔力が放出された。

 

「なっ……!?」

 

視界を覆う魔力の奔流。それと同時、爆風を突き抜けて向かってくる影がある。

鎖は伸びきってしまっており、防御には間に合わない。

……結果として、彼女に取ることの出来る選択肢はただ1つであった。

―――――――――――――――――――――

翼を囮にしたのは目眩しのためだけでは無い。

身体の中を巡る耶倶矢の霊力を擬似霊結晶(デミ・セフィラ)に充填させる時間を稼ぐ意味もあった。

――精霊兵装・伍式(ライトニング)

第五の精霊・八舞耶倶矢の霊力による颶風を纏い、超高速での突貫を可能とする装備である。

まさしく人ならざる力を用いる代償に、第五の精霊は一定時間の飛行の不可を要求した。空を自由に飛び回ることは我ら精霊にのみ許された行為である、というものである。

故に、この一撃は絶対に外せないし、外さない。

そのために奴の鎖を引き出したのだ……!

 

「俺と一緒に落ちろ、精霊!」

 

「あ――――――」

颶風を纏い、空を舞う精霊に向けて放たれた一条の光の矢。裂帛の叫びと共に一瞬で目標(対の元)に到達した矢は、爆風を巻き上げて精霊の翼を粉砕した。

 

――――――――――――――――――――――

「あ――――――」

 

凄まじい衝撃を受けて砕かれる自らの翼を見て、自らの敗北を悟る。よもや一度ならず二度までも目眩しにしてやられるとは。

翼を失い、ろくに姿勢も保てぬまま重力に身を委ねる。

 

「おい…生きてるか」

 

聞こえてきた声に横を見ると叡斗がこちらに手を伸ばしている。……なんだか癪なので無視することにする。

 

「つーん」

 

「つーんてお前…えぇ…?今俺たち割とピンチなはずなんだけど…?」

 

この男はそもそもここからどうやって助かろうと言うのだろうか?

 

「疑問 手を取ってどうするのですか」

 

「んなことは決まってる。こうするんだよ…!助けて耶倶矢さぁん!」

 

強引に手を掴まれた。

その事に非難の眼差しを向けようとして、出来なかった。

どうにも繋がれた手の方が気になって照れてしまうから、また明後日の方向を向いて誤魔化すことにした。

今回限りはクール枠(自称)な私が照れてしまうのも許して欲しい。

……………だって、そんな。

『俺と一緒に地に落ちろ』なんて、それは、プロポーズ以外の何物でもないのだから。




くぅ~疲れましたw これにて真面目(大嘘)なバトル完結です!
(正直そこまで自信は)ないです
本作における夕弦は割とポンコツ感を出しているつもりですが、どうでしょう。ちゃんと可愛く書けてましたかね…?
ちなみにサブタイトルは一直線(物理的)に突っ込んでいく様子から付けました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。