「ふーっ、こりゃ今日は早めに帰れそうだな」
今日も今日とて仕事、仕事、仕事である。
武士道とは、働くことと見つけたり…!と、悟りを開きそうになったが、頭を振って意識を目の前のパソコンに戻す。ふぇぇ…目が疲れたよぉ…
しかし今日はいつもの俺とは一味違う。
なぜなら今日はクリスマス、つまりいくら悪徳会社ラタトスク、その
技術開発顧問"村雨令音"氏によると、
「…人間は30年は眠らなくても働ける」
とのことだが、あの人だけなんだよなぁ…
ちなみに、精霊対策部の方々は"五河家クリスマスパーティー大作戦!"の設営やら進行やら経過観察やらでなにやら忙しなく走り回っている。
精霊の相手はもうホント大変だもんね、頑張って。
まぁ、
つくづく精霊対策部の方々の苦労が偲ばれる。
そんなことを考えながら街へ出ると、やはりと言うかなんと言うか天宮町はクリスマス一色に染まっていた。
この街案外イベント色強いですね…
「さて、任務開始といきますか」
たまには俺もやってみよう、
クリスマスくらい、らしくないことを。
という訳で天宮モールに到着、と同時に目的の店へ。
この間わずか2分(やや迷子)。
目的の店に到着。「厨二病でも服が着たい!」というなんかもうパロディ先に失礼極まりない店名の書かれた黒板が絶妙に入りづらい雰囲気を演出してくれている。
「ホントに大丈夫なのかこの店…?」
至極真っ当な疑問と共に入店し、目を見張る。
品揃えが、見事なまでにセンス抜群なのだ。
厨二病を乗り越えた俺でさえ心牽かれるアクセサリーの数々に、「welcome♥️hell」とかなんとか書かれた変なTシャツ、
ん?あれはデジヴァイス…!?あんなものまであるのか…!
おっと、こんなことしてる場合じゃない。
この店は設計図や構想を送り付ければ全力を尽くしてその通りに作ってくれるのだ。
以前には〈オリハルコン〉なる素材すら使用したと聞く。
えっなにそれは…(畏敬)
頼んでおいた商品を受け取り、外に出る。
また来ることもあるだろう…(リピーター化)
家に帰り着き、そのまま転送装置を使って〈フラクシナス〉へ。
艦橋に着くと、モニターには五河家のクリスマスパーティーの様子が映されており、横には精神状況のパラメーターなどが表示されている。
いや、マジで大変そう…
「おや、叡斗くんではありませんか!」
今話しかけてきた人は〈神無月恭平〉。魔術師として破格の性能を誇るフラクシナスの主力である。
この人がいるからフラクシナスはこれだけの人数での任務を任されていると言ってもいい。
なんせこの人がいなけりゃ俺が魔術師として配属させられてた所だし…(一応は非常勤魔術師として配属している)
「お疲れ様です。これ、
先ほど用意したプレゼントを渡す。
パーティーの中なら渡しやすかろうという考えからである。
しかし、〈フラクシナス〉の乗組員からの視線は冷たい。
緊急事態だけとはいえ俺もクルーだよ?ん?
ゴー☆ジャスが、呆れたとでも言いたそうな顔でこう言ってきた。
「叡斗くん、それは君本人から渡してこその物なのですよ。」
「いや、まぁそうなんですけど…」
「そうです!あえて下着などの類いを贈ればご褒…お仕置きに踏んでもらえるんですよ!?」
それはアンタだけだと思うんですけど(名推理)
けどまぁ、ぶっちゃけ恥ずかしいのだ。
プレゼントを用意したのは良いが、いざ渡すとなると突然とんでもないレベルで緊張してしまったのである。
「……大丈夫さ、心配はいらない。彼女なら絶対に喜んでくれるはずだよ。」
「……主任!?何故〈フラクシナス〉に!?」
何で村雨主任が飛空艇にいるんだ…この人ほんと過労死しちゃうんじゃない?
なんか知らないけどこの人からはたまに殺気?のようなものを感じることがあるのだ。
特に気にするまでの事ではないが、なにか、とても恐ろしい"ナニカ"が潜んでいるような…まぁ今はいいか。
それはともかく何だかこの人が言うと凄い説得力がある。
「わかったらちゃんと渡して来て下さい…ね?」
「……その、ありがとうございました。」
「……はい♪」
この中でも比較的まともな部類の椎崎さんから念を押され、〈フラクシナス〉を後にする。
なんか椎崎さんからの好感度振り切れてたけど呪われたりとかしないかな…?
零音さんこわいなーとづまりすとこ
(耶倶矢の出番は)ないです。
主人公くんの経歴
五河士道のクローンとして〈ラタトスク〉本社で誕生→魔術師として育つ→或美島に精霊顕現→五河士道の修学旅行先が本編と異なる→そのためのクローン?あとそのための唇?→クリスマスプレゼントどう渡そう?