ヨシオ:部下さん・・・・・・だから、あんなにやめておけっていったのに
部下S:やめろ!そ、それを!私に近づけるなぁあああああ!?
L様:んー、おいひい。良い腕してんじゃない!この抜群の刺激が癖になっちゃったわー。部下Sもさっさと食べれば良いのに♪
愉悦神父:感謝の極み(愉悦)
テイク30
「てやー」
「フレアアロー!」
ゴブリン死すべし慈悲はない。
どうも最近エリスにまでヨショ呼ばわりされてます、流離いのシェフ兼戦士ヨシオです。
今日は最近疎かになってたライフワークのゴブリン退治に勤しんでます。
一応陛下に許可を貰った公務ですが半分はフィリオネル王子の家族サービスのようなもので、アリシア様と3歳になった姫様も一緒に連れた家族旅行みたいなものだ。アリシア様の出身地であるゼフィーリア王国に里帰りも兼ねて孫を見せに行き、暫く滞在した後にセイルーン・シティに戻るという行程で、今回俺やエリスはそれぞれ王子と王子妃様の側付として、ロディマス師匠は護衛の騎士の一人として参加しています。
最初はフィル王子がいつもの調子で「家族だけで団らんしたいんじゃぁ!」と主張してたんですが立場を考えてくれってのと状況が悪いのでちゃんと近衛の皆さんや家臣の人に着いてきて貰っている。
状況が悪いってのは、誰かが王族の暗殺を企んでるっぽいんだよね。しかもほぼ全員の。
本来そこに居た毒見役も共謀してたらしく、たまたまその場に居た俺が料理の見た目が教えたものと違う、と気づかなければ恐らく全滅してただろう。
毒見役を買ってでた俺が死んだんだから間違いない。ほぼ即死だったよ・・・
金髪のねーちゃんにお願いして死んだ瞬間の体に戻してもらわなければリポップがバレる所でした。
代償は高くついたけどしょうがないよね。今の生活気に入ってるし。皆に化け物みたいに見られるのは流石に辛い・・・・・・
ていうかこの毒。こんなん何で担当のシェフは作ったんだって位に毒性が強い薬物がたっぷり入ったミートパイだったんですが。毒見として一欠け食べた瞬間に凄い勢いで血を吹いてたらしい。
リザレクションを使って自力で復活した、という態で起き上がったときは辺りが血まみれになっててちょっとビビッた。これ毒というより硫酸でも飲んだのかな?でも変な匂いは無かったし・・・ファンタジー毒怖い。
流石に皆に心配をかけてしまったため数日仕事を休まされたのですが・・・・・・その間見舞いに来たエリス達の話を聞くと、王様も王子達も青筋を浮かべてガチギレしてたそうです。
セイルーンの王族は代々家族が一緒に食事を取るのが仕来りで、この晩餐は王家にとっても特別なものらしいんだが、そこに暗殺等という企てを持ち込んだ輩が居る。しかも無差別に。
たまたま体力のある人物で、たまたまリザレクションが間に合ったから助かったものの。これがもし姫様や妃殿下達、そして老齢のエルドラン王だったら助からなかった可能性が高い。
料理を作ったシェフと毒見役は厳しい取調べの果てに自害。現在王宮ではクリストファ王子を中心に背後関係を洗い出しているらしい。
さて、そこから何故この家族旅行になったかというと。元々外遊の予定があったのと、もし暗殺犯が王族全体を狙っている場合に纏めて一網打尽にされる事を避けるためだ。
少なくとも相手はセイルーン王家のシェフに手の者を潜り込ませる事が出来る位の立場にある者だというのは分かっている。
恐らく下位の王位継承権保持者か、あるいはそれらの継承権持ちを神輿に据えたい派閥の者か。
そんな相手が仕掛けてきた以上二の矢三の矢があるのはほぼ間違いない。それが分かっている以上、一つの場所に王族を纏めているのは聊か不味い。
という訳でフィル王子は囮兼保険の役割を持って一時的に国外へ脱出。
その間に国内を陛下とクリストファ王子で綺麗に掃除、掃除し切れなくても潜在的な敵対派閥の割り出しを図るのが目的になる。
それでなんでゴブリン退治をしているかって?
それはもうただの趣味です。
「ふ。ふふふふふ。今宵のタマちゃんは血に飢えて居るのだイヤー」
「真昼間に何言ってんのよあんた。本当に戦闘中は変なテンションになるわね」
「いや、小市民なんでこうやって自らを偽っておるのだよ。血とか超苦手だからこれほんと」
その点タマちゃんは斬った所が何かごっそり削り取られるみたいな感じで血も吹き出ないから素晴らしい。
といっても、最近は切れ味の調整が出来るようになって、前の何でもかんでも斬り飛ばす切れたナイフ状態を脱したのでフィル王子の御付で行う暴徒鎮圧でも大活躍してるのだが。やっぱり血を吸って上機嫌に黒いオーラを振りまく姿も素敵なんだぁ。
おっと、ついついタマちゃんに見惚れていたらエリスが粗方片付けてしまった。失態失態。
ごめんねタマちゃん。このお詫びに後で果実水を飲ませてあげるからね。
「にしても小規模な集団しか居ないな。あっさり終わっちまう」
「まぁ、この辺りゼフィーリアに近いからねぇ」
旅を始めて1週間。そろそろ国境に差し掛かろうかという辺り。
途中に寄った村々で某黄門様よろしくフィル王子が騒動を起こしたり解決したりしている中、モンスター災害的な物がゼフィーリアに近づけば近づくほどに減っていくのを感じる。
後なんかタマちゃんがちょっぴり嬉しそうなのが気になる。強敵?の波動なのか何なのか。若干同類の気配がするらしい。
タマちゃんの同類って金髪ねーちゃん関連なんですがこれから行く国はどんな人外魔境なんだろうか。
「あながち間違ってないのも困るわね。あの国、奇人変人豪傑英雄と有名人の名前が他の国全部を合わせた位に出てくるから」
「何それ怖い」
全員がフィル王子とかその辺り並って事か?それ国として大丈夫なのか?
「『
「ほー。千年も」
「あと未婚らしいわ」
「千年も!?」
やべえ。俺も魔法使いだったけどそんなん目じゃねぇ。賢者としかいえんわ。正に喪女の大賢者様だ。
思わず尊敬してしまった・・・・・・・・・きっと信念を持って独身を貫いてるんだろうな。ぼくにはとてもできない(小並感)
「おお、帰ったか二人とも」
「はっ、無事村を騒がせたゴブリンの駆除を完了しました」
「うむ。ご苦労だったな。村長よ、これで悩み事は解決したか?」
「は、ははぁ!王子のご温情ありがたく!ありがたく存じます!!」
アリシア様からタオルを受け取ったフィリオネル王子は流した汗をふき取りながら俺達の挨拶を受ける。
周囲には見物客の村人と、アリシア様の傍に控えていた村長。そして上半身裸のまま倒れた、死屍累々という状況の近衛騎士達と、膝を突いたロディマス師匠の姿がある。
何をしていたのかって?
もちろん相撲だよ。
「やはりロディマスが最も難敵だった。流石はヨショの師。良く鍛えられておるな・・・倒しきれなんだわ」
「ご冗談を。いつでも投げ飛ばせたでしょうに」
「押し切れなければ勝ちとはいえぬ。横綱の相撲はカンロク勝ちでなければならぬのだ。そうだな、ヨショ」
「あ、はい」
何をしているのかって?
勿論相撲の興行です。
いや、フィリオネル王子様がですね。止まらないんですよ何かやらせないとね。
でも、行動力と好奇心と理不尽が服を着て人の形をしているこの人を止める方法なんて、正直この場だとアリシア様とグレイシア姫しか居ないんでアリシア様を抱きこみました。
ちょろっと「かっこいい姿が見たい」ってね。二人っきりの時に言って貰った訳です。
で、王子様が張り切って何かやりたそうにしている時に故郷の催しですとお耳を拝借して行く先々で興行を行って。
するとフィリオネル王子、予想以上に相撲に入れ込んじゃったんですよね。
今では行司役の文官まで作って各村々で興行を行っては~~場所とかやってます。
それぞれの村で腕に覚えのある村人が挑んでは幕下の騎士達に弾き飛ばされ、その幕下の騎士達が相手にもならない幕内の騎士とその頂点に立つフィリオネル王子。
ただでさえ高かった王子の人気がポコジャカ高まっていくというね。
調整のために度々接触するゼフィーリア側の文官が毎回この場所を見て是非ゼフィーリアでも行って欲しいって言って来てるんだけど正気だろうか。
下手すると自国の王族より他国の王族になびく人が出てくるかも知れんぞ。これ。
「今日もかっこよかったわダーリン♪」
「おとうさま!すごーい!」
「そうだろうそうだろう!ダーッハッハッハッハ!」
アリシア様とグレイシア姫に抱きつかれてフィリオネル王子が豪快な笑い声を上げる。
まあ、うちの殿様方は満足そうだし。別にいっか。
永遠の女王:本当に長生きしてるらしい。