ヨシオ:はぁ・・・あの、といってもどうすれば
L様:よし、そこで見てなさい。部下S!尻を出しなさい!
部下S:えっ、える様!(頬を赤らめ)
L様:気色悪い!ドライブシュゥトォォォ!
部下S:そんなああああぁぁぁ!
エコーと共に消え行く部下Sの姿は炎を纏っていた。
L様:あんな感じにやればいいわ
ヨシオ:レベル高いですね
(誤字修正。あまにた様ありがとうございました)
テイク40
うーん、最近山一つ先までぶっ飛ばされるのに慣れてきた自分がいる。こんにちは、ヨシオです。
よろよろとボロボロになった様子で飛ばされてきた進路方向に歩いて帰る。また山越えか。は、はは。
何をしていたのかって?赤ん坊にぶっ飛ばされて山を越えたんですよ。
因みに一語一句間違ってません。本当に女の子の赤ちゃんに山越える勢いでぶっ飛ばされたんです。
暫く歩いていくと、道の向こうから馬に乗った黒髪の男性が手を振っていた。
天の助けだ。流石にこの距離歩くのはしんどいからなぁ。
「ヨシオさん!よかった、無事だったか!」
「はぁい。今回も生き残りましたぁ・・・あ、足がそろそろ」
「わかった。さ、乗ってくれ!」
苦笑して馬から降りたこの方はロイド・インバースさん。ゼフィール・シティ傍の町で雑貨屋を営んでいる男性で、俺が今お世話をしている件の女の子・・・赤き竜の力を持つ神子、ルナ・インバースちゃんのお父さんです。
元々は傭兵をやっていたらしいが、嫁さんに子供が出来た事で帰郷。
老齢の両親から雑貨屋を引き継ぎ、さぁ頑張るぞ、という所で娘さんに信じられない力が宿ってしまったと。
本人は決して悪い事をしているわけではないんだけどね。巡り会わせというか・・・・・・
途方に暮れていた所に奥さんのツテで
因みに純粋な戦士の技量としてはロディマス師匠以上の人でした。身体能力でロディマス師匠を圧倒する奴は一杯居るけど、技術で上回ってきた人は始めてみるかもしれん。
そのまま傭兵続けてた方が良かったんじゃないのかと思ったけど、子供が出来たら危ない事はすっぱり辞めるつもりだったそうだ。
最近はルナちゃんも大分安定してきたから、暇なときに手ほどきを受けてるんだけどこれがまた。気合があれば釣竿でも魔族は殴れるというのは目からうろこだった。
そうだよな。フィリオネル王子とか普通にそこらの魔族くらいド突き倒しそうだもんな。まぁ、その気合を得物に乗せるのがすっごい難しいらしいんだが。
とりあえず戦士としての技量に更に磨きがかけられるチャンスなので、この機に気合の乗せ方って奴を学んでみようと思う。
え。本来のお役目を頑張れって?
うん、頑張ってるよ。ただね。俺が出来る事が体を張るだけなんだよね・・・・・・
「おおい、帰ったぞー」
「貴方、お帰りなさい!」
ロイドさんが声をかけた途端にガチャリ、と雑貨屋の扉が開く。
中から出てきた赤毛のお姉さんは周囲を見渡してロイドさんを見つけると、わき目も振らずに彼に抱きついた。
「レナ!」
「ロイド!」
「「ひしっ」」
三文芝居のようなやり取りだが当人達は割りと真剣だから茶化したらいけない。初日に偉い目にあったからな。
雑貨屋の中から出てきて、ロイドさんに抱きついた赤毛の美人さんがレナさん。ロイドさんの奥さんで、銭勘定に疎いロイドさんに代わってこの雑貨屋を切り盛りする実質店長さんだ。
「あら、ヨショ。お帰りなさい」
「ヨショ!おかえり!」
「ただいま。いやー、腰が痛いわ。途中何本か樹をなぎ倒しちゃった」
「ほんと、何で生きてるのかしらねあんた・・・・・・」
そして店の奥から黒髪の赤ん坊を抱きかかえたエリスと、庶民用の服を着たアリシア様とグレイシア姫様が出てくる。
彼女達は現在、インバース夫妻の雑貨屋の隣の家を借り上げて、市井にまぎれて身を隠しているのだ。
フィリオネル王子?一時帰国中です。師匠も一緒についていきました。
というのも、セイルーン王国の内部が非常に不味い事になっており、その対処のためにフィリオネル王子だけでも帰国しなければいけない状況に『されて』しまったんだよね。
第三王子のランディオネ王子が今、絶賛行方不明だそうです。自発的な物か拉致されたのかはわからないけど。
彼を旗印に反乱まで見えてきてしまったせいで、軍から熱烈な人気があるフィリオネル王子を急遽呼び戻さないといけなくなった。
そんな完全に後手に回っている現状、アリシア様とグレイシア姫様を国内に戻すのは鴨がネギを背負って歩いてる様な物なので、他国の王都近くでいざとなれば実家に逃げ込める距離にある今回の俺のお勤め先近くに二人は身を隠しているのだ。
ほんとはそのまま実家の方でのんびりしていて欲しいんだけど、
もちろん、この辺りの家にはゼフィーリア自慢の隠密部隊が大量に隠れて二人を守っているんだけどね。
「ヨショ、ルナちゃんげんきいっぱいだよ!」
「うん、さっき味わったから知ってます。もうムズったりはしてない?」
「大丈夫みたいです。本当に、ヨショさんにはお世話になって・・・・・・」
「ヨシオです。いやぁ、これもお役目ですからね。タマちゃんも力を貸してくれていますし。ルナちゃーん、タマちゃんと仲良くしてたかい?」
抱き合った余韻が残っているのか顔が赤いままのレナさんがそう言って頭を下げてくるが、俺としては任された仕事を全力でこなしているだけなので不満は無い。
エリスからルナちゃんを抱き取り、笑いかけるときゃっきゃと楽しそうに笑って俺の頬を叩く。
ルナちゃんの胸元で『小さくなった』タマちゃんが調整してくれているのか、その力は普通の赤ん坊の物と変わらない。
そう。俺としては本当にただ、たまに溢れそうになる力の受け止め先になるだけなので不満は無いのだ。
初めてルナちゃんを見た時に感じたことは破裂しそうな風船という印象だった。
人間の身には余りある力が漏れ出る度に周囲が壊れていき、初めて彼らに引き合わされた時、彼らは
ロイドさんもレナさんも憔悴しきっていたが、それ以上に二人を無意識に守っていた限界ギリギリのルナちゃんの様子が凄く不憫で・・・・・
つい、俺はタマちゃんの力を借りて彼女の力を何とか制御しようとし、溢れ出た力を受け止めきれず山三つ先までぶっ飛ばされて死亡することになったのだ。
金髪のねーちゃんには修行が足らんと結構な勢いで怒られた。その通りだと思ったので甘んじてその言葉を受ける。
しかし、このガス抜きをする事によりルナちゃんの力もある程度制御する事が出来るようになったので。リポップしてしまったが結果としてはむしろ上々だった言えるだろう。
慣れない内はバンバン死んでたけど、タマちゃんを三日三晩拝み倒して一時的にルナちゃんに付いて貰っている今じゃ空中浮遊を楽しむ余裕すら出てきたからな。
今の目標は土を抉らずに着地することだがこれが中々難しい。
後はルナちゃん自身が力に振り回されないようにコントロールする事が出来れば完璧なんだが、これはまだまだ時間がかかるだろう。
何せルナちゃんはまだ2歳にも満たないのだから。自我がハッキリするまでは恐らくこの街からは離れられんなぁ・・・・・・
まぁセイルーンの方が落ち着いてグレイシア姫をセイルーン・シティに戻すまでは宮仕えのつもりだったから時間が立つのは構わないが。
願わくば何事も無くセイルーンに戻れると良いんだがねぇ。
活動報告にある通り8時に投稿しました。
今回のキャラ
ロイドさん(パパ・インバース):名前はオリジナルです。まだ煙草を吸ってないのか育児中のため吸ってないのか。髪はもう長い。
レナさん(ママ・インバース):名前はオリジナルです。見た目はまんまリナ。商売ではあんまり役に立たない夫を支えて雑貨店を切り盛りしている辣腕の持ち主。
ルナちゃん:赤の竜神の力を一部身に宿した女の子。元々はルナがスレイヤーズの主役になる予定だったが同時期にセーラームーンで同名のキャラが居たのでリナに変わったらしい。つまり旧主人公。育ったら魔族を笑ってどつき回せるらしいがまだまだ赤ん坊。