部下S:何のアイスを食べておられるんですか?
L様:・・・・・・・・・・
部下S:え、何ですかその沈黙
(誤字修正。あまにた様ありがとうございます!)
セイルーン王国の反乱軍はボッシュートされました。
こんにちは、半魚人の友ヨシオです。
最近気合の乗せ方にある程度の目処が立ったのでヌンサと一緒に素潜りしたりして遊んでます。
何で立派なヒレがあるのに海底を走ってるんだろ。そこら辺はよく分からんが流石に半魚類。河川についてや海についての知識が抜群にあるので色々教えて貰った。
「ヨシオ、人間の割にかしこい。顔もわるくないから、きっと里でもモテる」
「魚にモテル顔って」
魚にモテる顔って。
まぁ、あんまりイケてる面構えじゃないけど池面に見えるのか。そっか。
うん。久々にヘコんだ。
さて。俺の方はこんな感じでのんびりとしていたが、一応雇い主のセイルーン王国の方は何かと慌ただしく動いていた。
まず、ゼフィーリアとの一時的な同盟。セイルーンの動乱に託けて動きそうな国が東西にある為、それらを牽制する目的で同盟が組まれた。
湾岸諸国連合はまぁそれほど脅威ではないけど、エルメキア帝国が動けばコトだからね。魔力武器を標準装備したエルメキアの
次に、今回の軽挙妄動によりランディオネ王子が王位継承権を剥奪され、いよいよ反乱軍側の大義名分が消滅。
連中どうも湾岸諸国連合のどっかの国と密約を交していたっぽいんだけどその国がゼフィーリアの行動を見てか梯子を外したみたいなんだよね。
圧倒的に劣勢の中で何とか保っていた士気もそこで崩壊。後は勝手に自壊していって、勝手に裏切り合戦が起きて、気付いた王国軍が押し寄せた時には目ぼしい人間はほとんど天に召されていたそうだ。
勿論ランディオネ王子も。
ランディオネ王子・・・決して優れた人格の人とは言えなかったけど、俺の料理を美味しい美味しいと食べてくれた顔は今でも覚えてる。
南に向かって、少しだけ哀悼の意を捧げる。
さて。ゼフィーリアに居る俺がなんでここまで詳細な情報を持っているかというと。
「アリシア!アアリシィィアアア!!!」
「貴方!あぁなぁたああ!」
デカいドワーフみたいなナリの大男とキャラ崩壊したアリシア様の抱擁に場が騒然となるなか、二人はひしっと抱き合って再会を喜んでいる。
ロイドさん、レナさん。対抗しなくて良いから。
「お父さま!グレイシアも!」
「ああ、グレイシア!良い子にしてたか?寂しい思いをさせてすまんなぁ」
「さみしくないよ!お母さまもヨショもエリス先生もいるから!グレイシア良い子にしてたよ!」
「そうかそうか!よし、良い子だったなぁハッハッハ!」
ああ、アリシア親衛隊の人達が崩れ落ちている。
人妻だって分かってただろうに・・・無茶しやがって。
とことこと死屍累々の群れを突っ切り膝をつく。
「お疲れ様でした。ご無事で何よりです」
「おお、ヨショか。久しいなぁ・・・此度は無茶を聞いてもらってすまん。無事にまた会えて嬉しいぞ」
「まぁ半分以上望んでやった事なんで。あと、件の子は凄く可愛い女の子なんであんまり構えて接しないで下さいね?グレイシア姫をおねーたんおねーたんって慕ってる超かわゆい娘なんで泣かしたらシバくぞ?」
「う、うむ。わかった。わかったから凄むな。顔が」
あんたまで池面とか言うんじゃねーだろうなおい?
違うよね?違うでしょ??違うと言ってください(震え声)
一先ず旅装では何なので、とフィリオネル王子はアリシア様の為に借り上げられた借家の中に入り身支度を整えるそうだ。
その際にアリシア様の肩を抱きながら家に入っていくもんだからインバース雑貨店の前は血涙を流す野郎達の死体で溢れかえっていた。
「勝手に殺すんじゃねぇ!」
「おお、君はゼフィーリア王国の騎士で相撲の時から相手の正体を知ってるのに叶わぬ恋に焦がれていたデルグラン!デルグランじゃないか!」
「・・・お前、わざとやってるだろ」
「何度忠告しても聞き入れてくれなかった相手への意趣返しだよ。結局こうなるんだぜ?」
「・・・ああ。そうだなぁ。胸にぽっかり穴が空いちまったぜ」
「可愛い娘でも紹介したろか?ヌンサが」
「せめて同じ人間にしてくれ・・・」
「おっけーおっけー。残念会と行こうや。おぉい、心破れた男達よ。飲みに行くぞー」
デルグランの肩をパンパン叩いてやると、表情こそ暗いままだが立ち上がり。名残惜しそうにアリシア様の家とインバース雑貨店を見る。
その場で立ち竦む連中は多かれ少なかれ似たようなもんだろう。今日は溺れるほどに飲ませたろ。
エリスにアイコンタクトでグレイシア様の後を頼むと苦笑して頷いてくれた。阿吽の呼吸って良いね。最近互いに何がしたいのか分かってくるようになった気がする。付き合いも長くなったしねぇ。
まぁ、明日になればフィリオネル王子も元の調子を取り戻すだろうが、流石に今回は辛かったみたいだな。
ヒゲが明らかに萎れてたし。
アリシア様の前でしか王子はただのフィリオネルになれないから・・・せめて今日位は弟さんの死を悲しませてあげないとね。
さて、盛大な盛り上がりを見せた負け犬共が夢の跡から一夜明け。
痛む頭をリザレクションで治すという盛大な上級魔法の無駄遣いをしていると随分久しい人物と顔を合わせた。
「や、どーも」
「おお、久しいなゼロスくん!案内してくれるって言ってたのに急に消えたから正直もう出て来ないのかと思ってたよ?」
「いやぁ、申し訳ない。中間管理職の辛い所で、上司から仕事を無茶振りされましてね」
ほーん。ゼロス君の上司って部下さんだけじゃないのか。獣王?ライオンさんかな?
「いや、私の直属の上司は非常に話しの分かる方でして。問題は他部署の上司が理解力がないというか生真面目というか。兎に角融通が聞かなくて。この一年以上議論していたのですが、これがずっ〜〜〜と同じ所の堂々巡りで嫌になりますよホント」
「嫌になるねぇ。チョコアイス食べる?」
「頂きます。いやぁ、この甘さと冷たさが疲れた心に染みますねぇ・・・」
本当にな。セイルーン名物ソフトクリームはね、俺にとっても衝撃的だったよ。
魔法でアイス作れるんかい!ってね。
冷やす工程さえ何とかなればアイス作るの自体は楽なんで、後はチョチョイと甘味を整えれば美味しいアイスの出来上がりだ。
ヨシオ印のアイスクリンは町のナウなヤングにバカウケだ。こいつでインバース雑貨店は町のトップをとるぜぇ!
「なるほど!是非頑張って頂きたい所です。そのまま暫くこの町に居着かれるんですか?」
「ルナちゃん次第かな。大分安定してるから、セイルーンの方に戻るかも」
「なら、お願いします。そのままゼフィーリアに居てもらえませんかね?」
ペロリとアイスを食べ切ったゼロスくんは、その細い目を開いて俺を見る。
「実はルナ・インバース嬢の暗殺計画が魔族で持ち上がって居まして。ヨシオさんが街を離れたら実行されそうなんですよ。何とか出来ませんかね?」
「分かった。北の山を吹き飛ばせば良いんだな?」
「おーけー、落ち着いて。ゆっくり話し合いましょう?」
俺は落ち着いてるぞ?めっさクールだぜ?
あ、こら押さえ付け。
あー!
ヌンサ:魚に人間の手足が生えた造形の半魚人。里一番のイケメンで魔導の使い手でもあり、人間では魔力が足りずに扱えない水属性最強の魔法を使う魔道士。設定は凄い強キャラ。
デルグラン:オリキャラ。ゼフィーリアの大関と呼ばれるようになったらしい。フィリオネルと相撲で良い勝負が出来る人外枠だが以後登場するかは不明。