L様:ん?あんたさっきから何食べてるの?
部下S:部下経由でヨシオから送られてきたアイスです。L様の分もありますよ
L様:あら。あの子も義理硬いわねぇ。じゃあ貰うわ。これ何味?
部下S:ええっと・・・・・・・・・ヌンサ?
L様:・・・・・・ヌンサ?
(誤字修正:ソフィア様ありがとうございます!)
これから毎日北の山を焼こうぜ?
こんにちは。自称魔族スレイヤーヨシオです。
スッゾコラー!とイキってみたもののゼロス君に完封負け喰らいましたでござる。
いや、まぁタマちゃん抜きで勝てる確率なんかないとは思ってたよ?
でもあの黒い錐は卑怯だと思うの。どっから出て来るかよく分からんし。
あ、因みにリポップはしてないです。それどころか傷一つついてません。ただ動く先々に尖った三角錐が出て来て何もさせてもらえなかっただけです。
まぁ、リポップ凸されて一番困るのは部下さんになると言われたらね。俺も落ち着いたんでそこで試合終了。
彼を困らせるつもりは無いんだよ。
「で、結局俺にどうして欲しいん?」
「冥王様ぶっ殺げふん。出来ればこの頭の硬い上司を何とかして欲しいんですが、貴方にそれを頼むと『死体だらけのリアル鬼ごっこ!(北の拠点が)ポロリもあるよ!』になりそうで、それはそれで困るんですよねぇ。流れ弾が魔王様に当たったら事ですし」
「それほどでもない」
自分より格上の相手を倒しにいくならまぁ自爆上等でタマちゃんぶっぱ→死ぬ→リポップの繰り返ししかないからなぁ。
(タマちゃんによる)被害と(死体だらけという)外聞の悪ささえ気にしなければ大体これで何とかなる。被害が怖すぎてする気ないけど。
「世界を滅ぼすという使命を果たすだけならそれもありなんですがねぇ。ただ、ヨシオさんを利用する事は魔王様に止められてまして」
「部下さん・・・・・・ありがてぇ」
「その部下さんって呼称が地味にダメージなんで止めてくれません?」
うちの魔王様、どんな扱いなんですかという質問には目を逸らしておく。聞かない方が良い事もあるさ。
上司に報告できない?報告して良いと思って聞いてるの?・・・・・・うん、素直が一番だよ。
「という訳でゼフィーリアから離れられなくなりました」
「分かった!では早速セイルーンへ向かうぞ!」
「分かったとは一体」
お暇を頂きたいんですが。王子様?目を逸らさないで?
後、エリスさん痛い。肘打ちがすげぇ痛いです。
ゼロスくんとの秘密の会談を終え、どうすっぺかなぁと悩みながら帰宅。
エリスが朝食の準備をしてたのでそれを手伝い、久しぶりに揃った家族の団らんにお邪魔するのは恐縮だが一緒に食事を取り、食後の一服にエルドラン王も唸らせた緑茶を淹れる。
ゆったりとした空気が流れる中でお伺いを立てて見たのだが帰ってきたのはスルーと肘打ちである。
なんてブラックな職場なんだ。リクルートしなくちゃ(使命感)
「前々から辞めたい言うてたやないですか」
「いや、ほら。いつもの小粋なジョークかと」
「辞めたい理由:上司の不理解っと・・・」
「待って!それワシが悪者になっちゃう!」
「・・・・・・いつもそんな事やっとるから冗談だと思われるんだ、タワケ」
ボソリと呟いたロディマス師匠の言葉が心に刺さる。いや、わかってるんだけどね。この王子様相手だとこう、シリアスな口調が続かなくて。
まぁいつもこの辺りでなぁなぁになっちまうのでアレなんだが、今回の俺は本気だ。
なんせルナちゃんの命がかかってるからな。
・・・・・・最近、力を制御してきて正直もう俺より強いんじゃないかなこの2歳児って思う節はあるけども兎も角。
「魔族側もこのタマちゃんが近くにある限りは赤の龍神の神子に手出しはできないみたいなんで」
「・・・・・・その槍だけを置いていくことは、できない、か」
「まぁ。タマちゃんからあんま離れると死んじゃうんですよねぇ俺」
「呪いの魔槍・・・・・・いや、むしろ神槍か。強力ではあるが制限が多すぎるな」
「まぁ。タマちゃんと生きて死ぬのが俺の使命なんで」
という事にしておく。あ、この設定はいつもタマちゃん持ってる理由として後付で思いついたやつだよ。
本当はタマちゃんの近くにリポップするようになってるから、死んだ時に誤魔化せないだけなんだけどね。
金髪のねーちゃんに頼めば何とかなるかもしれないけど、その度に大きな代償を(部下さんが)払うことになるから出来ればこの手は使いたくない。
・・・・・・今度アイス差し入れてやろ。氷付けでも食べられるといいんだが。
「・・・・・・仕方ないか。
フィリオネル王子が渋い顔で俺の暇乞いに許可を出そうとした時。この場で最も聞きたくなかった叫びが部屋の中に響いた。
・・・・・・ここでその涙は辛いっすわ姫様。
「アリシア。グレイシアを・・・」
「ヤダ!」
「・・・・・・アリシア。少し部屋から」
「ぜったいヤダ!」
「私もそれには賛成できないわね」
困り果てた顔でフィリオネル王子がアリシア様を頼るが、アリシア様も敵に回ってしまった。
この王子、(家庭内で)弱いぞ!?そのカイゼル髭は何のためについているんだっ!
いや、そんな事を言っている場合ではない。ちょっとこれは不味いパターンだ。味方を作らねば。
エリスさん、ここは阿吽の呼吸でオナシャス!
「私も反対」
「ワシもだ」
ジーザスお前もか。
というか師匠まで反対派に回ってしまった。これは不味いですよぉ・・・髭と俺だけだと多数決でもヒエラルキー的にも勝てる面子じゃない。
何とか切り崩さないとそのままなし崩しに無かったことにされてしまう。それは不味い。
危機感を強める俺にアリシア様は笑顔で人差し指をピン、と立て、
「そもそもセイルーン所属の外部人員としてここに詰めればいいじゃない。年に何度か報告に戻ってきたり、こちらからの指令を受けてくれるならお給金も出すわ。旅に出るにも公的な身分は便利よ?」
「犬とお呼びください。お給金の方はどうなりますかね」
アリシア様の言葉にすっと膝をつく。ヒモ付きとは言えこんな好条件。乗るしかないなぁこのビッグウェーブに!
あ。フィリオネル王子どうされたんですか椅子に座ったまま転んで。危ないですよ。
「ヨショ、どこにもいかないの?」
「どこかには行きますがまた帰ってきますともハッハッハ。姫様を心配させて申し訳ありません」
「じゃあグレイシアもいく!またスモーしながらみんなでお出かけしよ!」
「それも良いですなぁ」
グレイシア様の言葉に成る程、その手があったかと手を叩く。
俺の近くにルナちゃんが居れば魔族は襲って来ないのだから、一緒に動けば問題はないのだ。
雑貨店もあるからインバース夫妻はそうそうこの町から離れられないが、そこは臨時で人を雇うとか、いっそ家族旅行をプレゼントしたり工夫すればある程度動くことも出来るだろう。
後はルナちゃんが大きくなって自分の身を完全に守れるようになればまた旅路に出れば良い。お墨付きも貰っているしな。
一先ずインバース夫妻にはまだ暫く厄介になると伝えておこう。後はある程度こちらの事情も伝えておかないと、万が一があったら困るしなぁ。
その後は瞬く間に時が過ぎていった。
インバース夫妻にも事情を説明した所もろ手を挙げて歓迎され、またお店の手伝いを申し出たり、逆にロイドさんに師事をお願いしたり。
別れを惜しむグレイシア姫とルナちゃんの姿に絆されたフィリオネル王子が、前回とんぼ返りで出来なかった外遊の続きだと予定をブッチして数ヶ月ゼフィーリアを回ったり。
いい加減、エリスへうやむやな態度を取るんじゃないと師匠にケツを叩かれたり。ちゃんとデートに誘ったよ?
まあこの数ヶ月色々あったけど何より大きくて嬉しい出来事は。
幸せそうな顔で可愛い赤ちゃんを抱くレナさんと、その傍で泣き笑いの表情を浮かべるロイドさんと、赤ん坊に一生懸命に語りかけるルナちゃん。そして何よりも新しく生まれてきた子の姿を見れた事だと思う。
「ロイドさん、名前はもう決まってるんですか?」
「ああ・・・リナ。この娘はリナだ」
「リナ・・・・・・よろしくね。リナ」
レナさんから赤ちゃんを抱き渡されたロイドさんが、赤ちゃん・・・・・・リナちゃんを高く掲げながら名前を告げる。
リナ・・・リナ・インバースか。うん、良い名前だ。
さて、ここからは家族の時間だな。お邪魔虫達はクールに去るぜ!
さ、帰りますよ王子、図体がつっかえてるんですから早くドアを潜ってくださいよ。
・・・・・・どしました?豆鉄砲撃たれたドワーフみたいな顔で固まって。
「ええとね、ヨショ。さっき産婆さんが言ってたんだけど。私も・・・・・・その。二人目が、できちゃったみたい」
「ほう、産婆さんが二人目。サンバ?」
バカ面を晒してフィリオネル王子と俺がその場で固まる中、レナさんとエリスの歓声が部屋に響き渡った。
二人目っすか。ここ他国なんだけど・・・おい、王子様。こっち見てよ王子様。
ヌンサ味:ヌンサが考案した海鮮風味のアイス。本人?の出汁を使っているわけではない。