【完結】スレイヤーズ リポップ!   作:ぱちぱち

20 / 34
L様:神様にダイスを転がさせることなく闘い続ける。うん、ああいうのを求めてるんだけどね?
ヨシオ:無理言わんで下さい。どうぞ、新作のアイスです。
L様:うむ。辛い!不思議!甘いのにめちゃ辛い!
部下S:(一口食べた瞬間に火を吐き始める)





愉悦神父:中々の手合い。これは負けておられん。


ゴブリンスレイヤールナちゃん

 

 

 

 

 

 

テイク43

 

 

 

ゴブリンは狩らねばならない。

 

どうもこんにちは。セイルーン王国ゼフィーリア外交担当部官ヨシオです。

役職がなんか仰々しい?大した事ありませんよ。ただのスパイ予備軍ですから。相手の王宮にも伝えてあるタイプの。

まぁ平たく言うと「私はセイルーン側の人間です。なんかうちの国に用があったら言ってね?」って言いながらなんか変な事があったら本国に告げ口する担当ですね。

すわ一大事!となったらセイルーン王宮までひた走る役どころになります。

 

普通はこんなん分かってて国に留まらせるような所はないんで、ちゃんとした外交官がいるんですがね。このゼフィーリアの場合ちょっと特殊というかなんというか。想像しづらい時は外交官の下働きにいるなんか色々働かされてる小間使いみたいな人を思い浮かべてください。恐らくそれが今の俺の立場に一番近いので。

 

そう、下働き。ここ重要ですよ。決して責任が無く、しかし無関係とも言えない立場。

普通は上司に馬車馬のように働かされるポジションですがなんとこのゼフィーリア外交部!

出産の関係で実家に戻られているアリシア様とグレイシア姫を除けば俺とエリスとロディマス師匠しか本国側の人間が居ません!

つまり立場上上司に当たる様な人物がエリスしか居ないんです!ロディマス師匠は武官枠なんで命令権はありません。緊急時は勿論ロディマス師匠が指揮権を持つんですがね。

という訳で晴れて給料シーフに転職した俺は悠々自適の生活を送って。

いません。

 

 

「ルナちゃん、帰ろうよぉ危ないよぉ」

 

「だいじょうぶだよおねーちゃん!わたしつおいんだから!ヨショせんせーもいるし」

 

 

うん、君が強いのは分かってる。4歳児にこないだフルボッコされた俺が言うんだ間違いない。

でもね。普通4歳児が棍棒もってゴブリンの巣に突撃することはないんだ。普通はないんだ。

先生。常識を持つ子に育って欲しいと強く願っているんだよ!

 

 

「『ゴブリンはくちくしなければならない!』って前に言ってたのヨショせんせーだよ?」

 

「それは間違ってないけど」

 

「ヨショ!やっぱりあんたが悪いんじゃない!」

 

 

涙目でそう叫ぶグレイシア姫につい尊いと思ってしまう不敬者が居る。誰だ?

俺か。

 

 

「さて、漫才も終わりましたしゴブリン退治に参りますかの」

 

「ゴブリンざこ!ヌンサひとりでやれる!」

 

 

軽装で剣を持ったロディマス師匠といつも通りうろこで身を固めるヌンサがすっと二人のカバーに入れる位置につく。

まぁ、楽勝なのは間違いないんですがね。

背中のタマちゃんを構えて前衛に付く。まぁ、ルナちゃんの邪魔をしないのが精一杯なんだけどなぁ。もっと修行しないと。

 

さて、こんな状況になっているのには特に深い理由はない。

ルナちゃんがふらっと居なくなって探していたらグレイシア姫と一緒にゴブリンの巣に凸しようとしていたので慌てて駆けつけただけである。

そういえば冒険者ギルドでゴブリンの巣が出来たから暇な人は駆除してくださいって聞いてたな。

ゼフィーリアでゴブリンなんぞが巣を張れるなんて滅多にないから、いつまで持つか賭けの対象にしてたんだった。

 

正直見つかって1日で駆除されると思ってたらルナちゃんが見つけるまで放置するとは見抜けなかった。このヨシオの目を持ってしても!

なんせ村人ですらたまに騎士を捻り倒す人物が居る国である。流石にデルグランレベルの騎士だとそういう事はないが、子供の頃から騎士になるために訓練を積み、実戦も数度経験した若手の騎士が村人Aさんと言わんばかりの麦藁帽子で農作業に精を出していた小太りのおじさんにポイっと投げ捨てられてたのを見たときはリポップの時に目が狂ったのかと一度リポップしてしまった。苦い思い出である。

 

というのも、その時は余りに下らない理由で戻ってきた罰として中々帰してもらえず、金髪のねーちゃんにこき使われて延々料理を作らされたのだ。

ついに役職から料理人が抜けたのに結局王宮に居る頃より料理を作っていた気がする。まぁ戻ってくるタイミングはリポップした瞬間なので問題ないといえば無いんだが。

あそこ時間の流れどうなって・・・いや止そう俺の勝手な考えで(ry

 

あ、ゴブリンの巣ですか?5分持ちませんでしたね。

ルナちゃんだけで秒殺間違いなしだけど姫様も何だかんだ魔道士として育ってるようで何よりです。ヨシオは、ヨシオは感動しました!

でも勝手に抜け出した罰は二人とも受けさせるんですけどね。

 

 

「という訳で二人は宿題二倍ですね。あとひmナーガお嬢様は奥様の所に。ルナちゃんはレナさんが呼んでましたので行って来なさい」

 

「えええええ!ごぶりんたいじしたのに!」

 

「やっぱり怒られた・・・」

 

「ゴブリン退治お疲れ様でした。ちゃんと謝って宿題も終わったらおやつを作ってあげますね」

 

「「はーい!」」

 

 

一気に元気良く駆け出す二人にふぅ、とため息が出る。

子供の元気には参ったものだ。成長したと言えば聞こえは良いが振り回されている身からすればよくぞここまでと思ってしまう。

勿論嬉しい悲鳴だからね?

 

 

「お前も走り回って疲れたろう。もう休んだらどうだ?」

 

「あー。おやつを用意してからですね。あとエリスに見つかったって報告入れないと」

 

「ふむ。ならエリスに先に報告に行くといい。無駄足を踏ませるかもしれんからな」

 

「それもそうですね。じゃあお言葉に甘えて」

 

 

ロディマス師匠の言葉に頷いて呪文を発動させる。

ふふっ、この2年、ロイドさんとの鍛錬で磨いた近接戦技術の他になんと!ついにリザレクション以外で使える魔法を身につけたのだ!

行くぞ!翔封界(レイウィング)!

体の回りを風の結界が取り巻き、高速移動を可能とするこの魔法。ヌンサとの水中探検の際に息が出来ず何度かリポップしてこりゃヤバイと思って必死こいて覚えたんだがこんなに使える魔法だとは思わなかったぜ!

街中まで数十分で戻り、冒険者ギルドで報告を待っていたエリスに声をかける。

この町に居ついてからは余り魔道士用のローブを着なくなり、タイトなスーツで如何にも仕事が出来る女ってイメージになったエリスは今も書類に目を通しながらギルドのソファに座って報告を受けていた。

なんでギルドの仕事までやらされてるのかは知らんがさっさと声かけて帰るか。

 

 

「エリスー、終わったよー」

 

「ヨショ!早かったじゃない!」

 

 

きりっとした表情で書類を見ていたエリスが笑顔で立ち上がった。あの、書類放り投げてるけど大丈夫?大丈夫なんだ。あ、はい。

そのまま何事かギルドの職員に話をして、青い顔の職員に軽く耳打ちをした後にエリスはてくてくとこちらに歩いてくる。

職員さんが必死こいて書類集めてるんだけど、あの。何かご迷惑をおかけしましたでしょうか?(震え声)

 

 

「いいのよ。ボランティアみたいなものだから。さ、早く帰りましょ?」

 

「・・・うんわかった!」

 

 

考えない方がいいなこれ。

すっと左腕に右腕を絡ませてくるエリスを抱きしめて翔封界(レイウィング)を唱え、町を飛び立つ。

呪文を唱えるときに「あれが女帝の・・・」やら「あんな笑顔でお姉さまが」とか聞こえてたのは。質問して良いのかな?

俺セレンティア・シティ以来2件目の出入り禁止地域が出来てしまったとか(震え声)

大丈夫?あそこと違って良く躾けてある。なるほど。全然大丈夫じゃないっすね。

これからこの辺り来るときには腹にガンガン・・・は無いから鎖帷子着込んどこうっと。

 

 

 

 

 

さて、怖い現実はともかくとして。

便利すぎる魔法を覚えてしまった結果、良くないことも増えた。

セイルーンとの連絡要員として月1でルナちゃんを背負って王都まで行くことになってしまったのだ。ちゃんとロイドさん達には許可を貰ってある。

何せ俺が離れたら近隣の魔族が何するかわからないという脅し文句貰ってるし・・・・・・正直ルナちゃんならもう大丈夫かなとは思うけど警戒しすぎて損はないだろうし。

という訳でゼロスくんからの連絡が来るまでルナちゃんには苦労をかけるなぁ・・・とか思って何度か往復していたのだが、何故かエルドラン王がルナちゃんを妙に気に入ってしまった。

セイルーンにルナちゃんが来る度に俺の報告そっちのけでルナちゃんを甘やかすんだよね。

 

昨年お生まれになったアメリア姫がある程度育つまで長旅は出来ない、とアリシア様が実家に戻られている状況で、何故か本国で単身赴任状態のフィリオネル王子もグレイシア姫やアメリア姫の近況が聞けて嬉しいのかルナちゃんを猫可愛がりするし・・・・・・

実家よりも周りが駄々甘いせいでルナちゃんの教育に悪い悪い。

あと同い年位の可愛い女の子だからってポーッとしてるアルフレッド王子。

その子に惚れるならもうちょい男を磨かないとお兄さん許しませんよ?(威圧)

 

 

「アルフレッドもなぁ。初めての男孫でちと大切にしすぎたのか。クリストファに似て少し芯が弱いように思える。困ったものよ・・・・・・おかわり」

 

「貴方とフィリオネル王子が大概なだけでクリストファ王子も十分傑物って言える人なんですがね。お爺ちゃん3杯目でしょう?あんたがまた偏食こじらせてるって泣きつかれて月1で戻らされてるんですが全然必要なさそうですね」

 

「美味いのが悪い。ルナ、どうじゃ?おいしいかい?」

 

「うん!あいすくりーむだいすき!」

 

 

自信満々に言い切られると清清しく感じる。不思議!

後その駄々甘な声音孫に聞かれるなよ?威厳あるお爺ちゃんって通したいんだよな?

まぁしがない雇われの身。求められれば否やとは言わないがね。

 

 

「それで。その、グレイシアはどうかな?仲良くしているかい?」

 

「うん!おねえちゃんやさしくてほんとうのおねえちゃんみたい!」

 

「そうかそうか。ならば良いんじゃ」

 

 

安堵したようにため息をつくエルドラン王に視線を送る。

うん。永遠の女王(エターナル・クイーン)のお願いは順調だな。これならルナちゃんが人としての心を失うなんてそうそうないだろう。

永遠の女王(エターナル・クイーン)と違い生まれた瞬間から赤き龍神(スィーフィード)の力を宿したルナちゃんが、その力ゆえに孤独を味わうことも。

人として未熟なまま成長しその暴力を簡単に振るうような魔人になる事も、最早ないだろう。

まぁ、力の使い方にはまだまだ苦言が必要みたいだがな!

 

 

 




今年度最後の投稿になります。
正月は流石に奥多摩しか行進できなさそうなのでまた日にちは空きますが早めに投稿できれば行います。
皆様、良いお年を!




ゴブリンスレイヤー終わったのがつら・・・辛い・・・・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。