【完結】スレイヤーズ リポップ!   作:ぱちぱち

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ちょっと書き方を変えてみました。
次の更新は未定です。

誤字修正。さんたつ様、骸骨王様ありがとうございました。


暗殺騒動()

「ふむ、成る程。セレンティアの神官長からの手紙は目を通した。そのような状況ならば致し方あるまい・・・彼女に負担をかける事は出来ればしたくは無いが」

「はい。痛恨の極みです」

 

エルドラン王の言葉にそう答える。

俺としては、そう。正直ルナちゃんをこんなやり方で利用するような真似はしたくなかった。

彼女の身を守る為に公的な立場をと思ったのは事実だが。そこに思惑が絡んでいなかったとは言えない。

それを察しているだろうに何も言わない彼女には感謝の言葉しかない。

情けない大人だ。俺って。

 

「まぁ、良い事もある。セレンティア・シティの影響力は大きい。カルマート公国(通り道)も無視できんだろう」

「あ、その呼び名通すんですね」

「ワシの可愛い可愛いルナに言いがかりを付けるなんぞ言語道断。ひき潰してやろうかと思ったわ」

 

口ひげをわなわなと震わせながらエルドラン王はそう言った。

あんたの者じゃないからな?間違えんなよ爺さん。というかあんた自分のくぁわいいくぁわいい孫娘が二人も居るだろうが!

 

「美味しいものはたくさん欲しくなるじゃろ?」

「歳考えてください」

 

妄言をきっぱり断ち切ってお茶を出す。ガイリア・シティで盗、げふん。製法をパクッたハーブティーである。

うーん、いい香りだ。これなら用意したお茶請けにも合うだろう。

 

「うむ・・・・・・気が落ち着く良い香りだ。早く菓子をよこせ」

「もうちっと風情って奴感じてどうぞ」

 

せめて一口飲んでから所望して欲しいんですがねぇ。

小皿に乗せたカステラを出すとそのままひょいっと口に運ぶ。

あーあ、めっちゃ口渇くぞ。しーらね。

 

 

 

「おじい様!ルナちゃんと遊んでくるね・・・あ、ヨショ、おじい様どうしたの?」

「へんじがない。ただのどにつまらせたようだ・・・・・・姫様!おおおおお姫様!ふぉおおおお!」

「ぐっ・・がふっ・・・」

 

カッコいいお爺様からカッコ(笑)いいお爺様になっちゃいましたね。

青くなったり赤くなったりするエルドラン王の口に水を流し込み、とんとんと背中を叩いていると元気一杯にグレイシア姫様が入ってきた。

一月ぶりに見る姫様は王子妃様にどんどん似てきてくぁわいいんですなぁ。思わず力の加減間違えて背中を思いっきりどついちまったぜ

あ、でもつまりは無くなったのかしっかり呼吸は出来取るな。よすよす。

そんな爺の事より姫様だぜ!

 

「おじい様、急いで食べるのは駄目だよ?ヨショ!この間のケーキありがとう!また食べたいなぁ」

「姫様の為ならこのヨシオ。例え火の中水の中、どこでもケーキを作りに参りますとも。お任せください!」

「水の中でケーキは食べたくないわ」

「ですよねー」

 

水草で作ったケーキなんかぽいだぜ!

ヌンサには割りと好評だったんだが、割と人よりの味覚をしている連中には不評だったからなぁ。

あと、一応挑戦したら暫く全身から甘ったるい匂いがしたから出来ればやりたくは無いんだよなぁ。流石は姫様。家臣の嫌がることをさせない君主の鏡ですわ()

 

「そうだわ。おかあ様がおとう様のぼうえいきねんにおっきなケーキを作りたいって言ってたから、ヨショを探してたわよ」

「ああ。連続防衛記念ですね」

 

何の話をしているのかって?勿論SUMOUだよ。

 

フィリオネル王子は現在、一大ムーブメントとして各国に取り上げられているSUMOUの第一人者兼最強の横綱として君臨している。

そして近隣各国から腕自慢が集まってくる春場所、各国の代表が集う夏場所、春・夏の上位入賞者だけが参加できる秋場所、そしてそれぞれの国で最強の横綱と呼ばれる戦士達だけで開催される冬場所の4大会を5年連続で制し続けているのだ。

この大会のどれかを一度でも優勝できれば大横綱の名乗りを許されるのだが、現在この称号を持っているのはフィリオネル王子だけになる。

そのフィリオネル王子の防衛記念のケーキ。これは腕が鳴るぜぇ!

 

 

 

念のためにタマちゃんをルナちゃんに預けて一路アリシア様の待つフィリオネル王子の私室へ向かう。

ルナちゃんがタマちゃんを振るう=最強なので何の心配も無い。同じセイルーン・シティ内なら呪い云々も誤魔化しが効くからね。

警備の近衛騎士に挨拶をし、アリシア様の部屋に入ろうとした瞬間に悲鳴が辺りを覆う。

 

「剣借りるよ」

「あ、ええい!」

 

傍に居た顔見知りの騎士の腰の剣を引ったくり、ドアを蹴破って中に突入すると、いつもの痴女服を着たアリシア様に襲い掛かる男の姿が目に入った。

今までの人生で恐らく最速の早さで呪文を詠唱し、風の結界を纏って男に突っ込む。

 

「グアッ」

「お前ちょっと表出ろ?後は任せた!」

 

背後の騎士に大きな声でそう告げて、窓をぶち破って外に飛び出る。

庭先に飛び出た俺は風の結界を纏ったまま男を地面に叩き付けようとしたが、男は手先から糸状の何かを近くの木に巻きつけて身を交わす。

咄嗟に方向を変えられたが・・・あっぶね、地面に俺が叩き付けられる所だった。

と、その前に。

 

「出会え出会えー曲者だー」

「・・・・・・ちっ」

 

大声で周囲に呼びかけると、辺りが騒然と騒ぎ始める。何せここは王族のプライベートエリアのど真ん中。

当然警備も厚く、周囲には沢山の警備の兵士が居るんだ。

勿論、逃げようとする相手へのけん制は俺がする。ガーヴには勝てなかったが、俺の腕はそこらの戦士よりは良い。

白兵戦で逃げられると思うなよ?

 

「・・・先に貴様を始末した方が良さそうだ」

「お、来るのか潔いじゃないか。気に入った、殺すのは全部吐かせた後にしてやる」

「・・・・・・お前は悪魔か」

 

最近よく言われるんだよな。ちょっと自信ないわ。

暗殺者の男は手先から細長い・・・糸か。いや、鋼糸って奴か・・・を取り出して、何事かをぶつぶつと呟く。

この詠唱は・・・モノヴォルト。電撃の魔法か。

あれ。これ俺めっちゃ相性悪いんじゃね?

 

「戦士殺しとまで言われた我が妙技、得と味わうが良い。キエエエエエイ!」

「あ、御免ちょっと用事思い出しうおおお!」

 

かすった!電撃付きの鋼糸が頬をかすったよ!

やばい、これタマちゃん抜きだと相性悪すぎる。近づく事もできないし攻撃を防ぐ事ができない。

遠距離戦をタマちゃんに依存していた付けが回ったか・・・うおっち。数も流れも変幻自在か。

下手するとガーヴや師匠よりやりにくい相手だな。

よし。

 

「誰か魔術師さんきてーもしくは弓兵さんきてー」

「・・・・・・それだけの腕で・・・・・・お主、戦士として恥ずかしくないのか?」

 

呆れたように言われると心に来るわ。

しかも暗殺者にか。かーっ、ツレーわー。かーっ。

お、来たな。

 

「ヨショ殿!援護する」

「まってました」

「おのれえええぇ!」

 

ヒュンヒュンと飛んでくる弓を鋼糸で捌く。そうだろうそうだろう。その技は完全に攻撃に振り切ってるからな。

弓やらを相手にすると隙だらけだぜ!

何かわめいているようだが気にしない。こいつはアリシア様を殺しに来た卑劣な暗殺者だからな。

どの口で喚いているんだって言いたい。あ。捕まえた後は食事を全部さっきエルドラン王を殺しかけたカステラにして、水は尋問の時に最小限差し入れるだけにしよう。

無駄口も減るだろうしこいつも美味しい物を食べれてWIN・WINの関係になるね。

 

「あらよっと」

「ぐぅっ」

 

弓を防ぐ為に鋼糸を動かした瞬間に、間合いを詰めて剣を一閃。右腕を切り飛ばした。

恐らくこっちが利き腕だ。技の性質上、片腕だと碌に扱えまい。

・・・・・・勝負有りだ。

 

「次は左腕を。その次は両足を封じる。満足な体で居たかったら抵抗するな」

「・・・・・・ふっ」

 

はい、仕込み針来ましたね。口から飛んできた針を剣で弾くと、男は踵を返して逃げようと走る。

無駄な抵抗を・・・と男を目線で追うと、男の行先に見える二人の人影が目に入り「あ、オワタ」とつい口に出てしまった。

 

「小娘ども!大人しく・・・・・・!」

 

人質にでもしようとしたのだろう。二人の子供に向かって走る男に、周囲が慌てるように走り出すが、もう間に合わない。

ついてないなぁ。本当に。よりにもよってルナちゃん達を人質に取ろうとするなんて。

 

ドゴン!

 

と大きな音が周囲に響き渡る。

むふーっ、と笑って手の埃を叩き落とすルナちゃんと、そんなルナちゃんを心配するように声をかけるグレイシア姫。

そして人型に地面に空いた穴を見てドン引きする兵士達に混じって、俺も穴の底を見ながら途方に暮れる事になった。

これ、掘り返せるのだろうか。むしろ生きてるのか?

 




L様:おまえはそこでかわいてゆけ
部下S:もが、もがが・・・・・・
愉悦神父:・・・・・・うむ。水分が欲しかろう。存分に食されよ。
部下S:むふううううう!?(首をぶんぶんと振り)



ヨシオ:あ、でも確かに滝のように涎は出るね(もぐもぐ)
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