【完結】スレイヤーズ リポップ!   作:ぱちぱち

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大分長くなってしまった。
ちょっと書き直すかもしれません。

13:30 微修正入れてます

誤字修正、日向@様ありがとうございます!


死闘。そして決着

 剣と槍がまともにぶつかった場合、まず槍が有利になる。これは至って単純な話で、槍の間合いが剣よりも長いからだ。

 

 通常の戦場で人間を最も殺すのは弓や投石といった遠距離で使用する武器だ。大昔の日本の合戦では大体7割位が矢や投石で死亡し、残り2割が槍などの長柄武器で、残りの1割に刀などの他の武具が出てくるらしい。

 

 距離があるというのは、ただそれだけで圧倒的な有利を保てる要素であるのだ。

 

 さて、それらを踏まえて今の状況を考えよう。俺と対峙する男――ガウルンと名乗った男は剣士で、俺は槍使い。互いに持った武器の相性だけならば俺が圧倒的に有利と言える。

 

 では、この勝負は俺の勝ちか、というとそうではない。

 

 ある一定以上の技量を持った剣士は、距離の暴力を無効化する術に長けていたりするのだ。例えば最初に俺と戦ったロクシタン殿は純粋な技量だけで俺の槍技を全ていなし切った。

 

 最も得意とする突きの連撃を流れる様に捌き切られた時は勝負中であるにも関わらず、思わず感嘆の声を上げそうになったほどだ。機会があれば是非指導を受けたいと思える程の人だった。

 

 俺が勝てたのもロクシタン殿が老人であった事。また、俺自身が回復魔法を使え消耗をある程度無視できた事があげられる。まともな体調で真っ向勝負をしていたらまず俺が破れていただだろう。

 

 そして、今目の前にいるガウルンは――間違いなくロクシタン殿に匹敵する技量を持った剣士である。

 

「おっと」

「ほりゃさ」

「甘い!」

 

 踏み込まれた瞬間に槍を払い距離を開ける。が、すでに後方に飛んでいたガウルンを捉える事は出来ず、また払った傍から巻き上げるように槍がはじき返される。

 

 そして、その隙にまたたった一歩で距離が詰められる。槍の間合いが瞬く間に剣の間合いに切り替わり、光の剣閃が俺に向かって降りかかる。

 

 ヤバイこいつ強い。一歩の速さが尋常じゃない。

 

 タマちゃんの柄で相手の剣閃を受け、勢いを利用してそのまま背後に飛び――当然の様に追いかけてくるガウルンに向かって槍の石突を横合いから跳ね上げてけん制する。

 

「うぉっ」

 

 こいつは意表を突かれたのか。追撃に入ろうとしていたガウルンは大きく体勢を崩しながら襲い来る石突を身をよじって回避する。

 

 うーん、あれを避けるか。手が空いてれば拍手したい位の反応速度だ。

 

「いや、そっちも大したもんだ。槍を学んでまだ10年にも満たないと聞いていたが、信じられない位に基礎が練りあがっている」

「文字通り死にそうになりながら突いてたからね」

「ははは。ディルス流の訓練は熾烈を極めると聞いているが……それ位の厳しさが無ければ大成しないのかもしれんな」

 

 距離が開き、仕切り直しになったからだろうか。こっちの軽口に付き合う形でガウルンが口を開いた。

 

 いや、まぁ本当はマジで死にながら訓練してたんだけどさ。一回死んだら疲労はリセットされるから無限に練習できるのよね。めっちゃ怒られたけど。

 

 とはいえ、それだけやっても精々上の中くらいまでしか来れてないんだからやっぱり才能は無いんだろうけど。特に目の前の才能も努力も当然のように積んでるような奴を見るとね。実感しちまうよ。

 

「いや、俺とて天才というにはほど遠い。恐らく10年もしない内に甥っ子に抜かれてしまうだろう」

「ひょえぇ。居るところには居るんだねぇ」

「ああ。居るところには居るものさ。だが、俺とて諦めているわけではない」

 

 大きく息を吐き、ガウルンは再び光の剣を構える。

 

光の剣(こんなもの)の後継者として選ばれてしまったせいで、長年誰かと競い合うことすらできなくなっていた。もしも誰かに敗れればそれは権威の失墜となり、名門ガブリエフ家の権勢に陰りが出てしまうからな」

「……大変だね」

「ああ。重いよ、本当に。だからこそ、お前の噂を聞いた時居てもたっても居られずにこの国にやってきた。光の剣とすら同格と思わしき魔槍の持ち主。そんな相手であれば枷なく戦えると思ったからな」

 

 ガウルンの構えに合わせる様にタマちゃんを構える。

 

 手に持つタマちゃんからはもっと全力を出させろ、と言わんばかりのオーラを感じるが、流石に今は不味い。王城の前の広場でおっ始めたせいで城内の人々や先ほどまで一緒に歩いていた市民たちが俺とガウルンを取り囲む形で周囲に居る。

 

 タマちゃんの全力は周囲に凄まじい爪痕を刻む。間違いなく複数人の死者が出てしまうだろう。

 

 というか周りを取り囲まれてるせいで余計に距離が取りづらくなって戦いにく――戦いにくい?

 

「素晴らしき武人達よっ!」

 

 ふと頭を過ったある考えに没頭しそうになる直前、広場全てに響き渡るように声が走る。

 

 一斉に人々が城へと目を向ける中。彼は悠々と開かれた門から姿を現した。

 

 偉丈夫であるのは間違いない。仮に比べるとすればフィリオネル王子と比較するべき体躯の人物だった。

 

 だが、流石に頭についている顔はフィリオネル王子の山賊ルックとは違い大分貴公子然とした代物だったが。

 

「王太子殿下」

「王太子様だ!」

 

 ざわめく民衆の声にかの御仁の正体を察し、きっと視線を送る。このタイミングで出てくるという事はほぼ間違いなく一連の茶番の仕掛け人はこの男だろう。

 

 俺の視線に気づいたのか。王太子は民衆に向けていた柔らかな笑顔をふいに緩め、悪戯が成功したような笑顔をこちらに向けてくる。

 

 あ、この人ゼロス君と同じタイプの愉快犯だ。こいつは魔族だな(偏見)

 

「随分と迷惑をかけたな、黒槍のロシエっ!」

「ヨシオです。つかほんと大変だったんですが。ゼフィーリアからのお手紙来てますけど受け取ってもらえます?」

「ああ、勿論だっ! だが、その前にやる事が残って居ようっ!」

 

 彼の歩みに合わせる様に人垣が割れ、まるでモーゼの如く民衆の波の中を彼はゆったりと歩む。

 

 成程、民衆に人気があるという理由が分かってきた。うちの王子様とはまた違った意味でのカリスマを確かに感じる。

 

 多分、いや。間近で見れている訳じゃないから難しいが、彼自身は魔族ではなさそうな気がする。だが、行っていることは間違いなく魔族に利する行為だ。

 

 というか、うん。多分この場に居る時点で、罠にハメられてるな。

 

「こちらのガブリエフ殿は近隣でも最強と名高きかの光の剣士の一族、その正統後継者になるっ!」

「……ええ、恐縮ですが」

「そしてこちらのゼフィーリアからの使者、黒槍のヨショはその闇の魔槍にてわが国の誇る7名の武人を下しついに公都まで至った猛者であるっ!」

「大変でした。というか使者に襲い掛かるって国としてどうなんだと小一時間」

「光の剣と闇の魔槍。講談ではないが、出会ってしまった二本の伝説級の武具の持ち主。運命に近い物を感じないだろうかっ」

 

 よーいうわ。と言葉にしようとした瞬間。

 

ウワアアアアアアァァァァァ!!!

 

 民衆からのそれこそ天を貫くほどの歓声が広場を走り、俺の言葉は口の中に消えていく。そんな俺を相変わらず不敵な笑顔で見る王太子。ここまでがこいつの仕込みって事だろう。

 

 ――タマちゃんの全力ブッパと、リポップは完全に封じられた形になる。というか、どちらかを使えばそれは=俺の負けに近い。

 

 タマちゃんのブッパは勿論周辺の人間が多すぎて使えず。リポップに関しては……いくら色々ゆるいこの世界でも、死んだらまた別の自分が生み出されるなんて通常の人間に居るはずがない。

 

 もし居るとしたらそれこそ精神生命体……魔族と捉えられてしまうだろう。

 

「こっすい真似しやがって」

「もしも貴殿が何の縛りもなくこの世を揺蕩うだけであるならば通用しない手だった。だが、そうであるならばそもそも貴殿はこの場に立っていなかっただろう。誠、世は奇怪なものだ」

 

 未だ続く歓声の中。口の中で悪態をつくと、何故か王太子がそれに返答するように口を開く。何故聞こえたのか。何故奴の声がこちらに届くのか。

 

「例えどういう理由があろうとっ!」

 

 それらを考えようとする前に、会話に割り込むようにガウルンの叫び声が広場に走る。

 

 広場の注目が王太子からガウルンに変わる。それらを一向に気にもかけず、ガウルンは手に持つ光の剣を天に向けて掲げる。

 

「今、この時、この場においてっ! 俺はお前との雌雄を決する為に全力を尽くすっ!」

 

オオオオォォォォ!!!

 

 吠えるガウルンの言葉に再び歓声が起こる中、いやいやこっちにはやるべき理由がないんだよむしろ面倒くさいと口を開こうとする俺に、ガウルンはきっと睨みつける様に視線を向けると再び口を開いた。

 

「それだっ! お前は今、対峙している俺以外に意識を向けているっ! 俺を通して、背後に立つ王太子を見ているっ!」

「……いや、うんそりゃあ」

「それが剣士として、武芸者としてっ! 目の前に立つ武芸者に無視されることがどれ程情けなく悔しいものかっ! 何故お前ほどの武人が理解していないのかっ!」

 

 そう吠えるガウルンの言葉に、口から出ようとした言い訳の言葉は飲み込まれてしまった。

 

「しがらみがお前を縛っているのは今の会話で理解したっ! だがっ! たとえこの勝負が謀り事の類であろうとっ! それを俺とお前の勝負に水を差す理由にしてんじゃねぇよっ!」

 

 彼の叫びと気迫に合わせる様に、光の剣が強く輝きを増していく。

 

「ガウルン」

「今、お前の前に腕のいい剣士がいてっ! 俺の前に腕のいい槍使いがいるっ! 外野がどうあれっ! 武芸者同士の間にそれ以外の理由が存在するのかっ!? 存在していいのかっ!?」

 

 叫ぶガウルンの瞳からわずかに光るものを見て、俺は思わず彼の名を呼びかけた。

 

 一つ溜息をついて、空を見る。

 

 はっきり言えば、この勝負を受ける理由はまるでない。なんならマイナスとしか言えない状況だ。

 

 武芸者としての技量で劣る俺にとってここでの勝負は非常にリスクが大きい。この状況である以上、王太子は俺をリポップさせようと企んでいるのは間違いないし、それによって起こる状況の変化は俺の頭では考えられない位悪くなる、としか思えない。

 

 自身の武芸者としての名声何てドブに捨てて、そのままこの勝負を投げる方が賢いやり方なのはわかっている。

 

 だけれど、だけれども。

 

 彼の叫びが。この世界にやってくる前の自分を見ているようで無視できない。

 

 決して賢いやり方ではないのは分かっている。ただ、俺の心が彼との勝負を受けたいと願ってしまっている。

 

 だから、つい口を開いてしまったのかもしれない。

 

「……俺の実家は、結構古くからある家でさ」

「ヨショ?」

「これがまぁ古くからあるせいでおかしな風習があったりしてね。双子が生まれると上の子は嫡子として、下の子は忌み子として、身代わりとしての役割を与えて成人するまで隔離して育てるんだ。何かが起きた時、忌み子の方にその呪いが流れる様にって。名前をはく奪してさ」

 

 改めて考えるとやっぱりうちの家って頭狂ってるな。しかも弟の方は成人したらそのまま一族の籍から抜いて放逐するんだからね。生活自体は面倒みてくれたから何も言わなかったけど、今にして思えばあの頃の俺はただの人形となんも変わらない奴だった。

 

 だから、今の俺って20歳の時からゲームやらなにやらでそれっぽく自分を形作っただけのがらんどうなんだよね。この事はエリスにだって話してない。一生自分の中で処理するつもりの出来事だ。

 

 ただ、うん。何となく自分の家族から押し付けられた物に押しつぶされそうなガウルンを見ていると、他人に思えなくなったんだ。

 

「だから、俺の本当の名前はヨショなんて物じゃないんだ」

「……それを、今この場で俺に語っても良いのか?」

「話したくなった。これ実は恋人にも伝えてないんだ」

 

 口元に指を一本充てる。とある魔族が良くある仕草を行うと、先ほどまで張りつめていた彼の空気が幾分か和らぐのを感じる。

 

「俺の本当の名前は、源 義臣(みなもとの よしおみ)。今は無くなってしまったこの名に誓い、貴殿を俺が持ち得る全てで打倒する」

「ヨシ、オミか。良い名乗りだ……ならば、俺も返そう。ガウルン=ガブリエフ。光の剣士の後継ではなく、ただ一個のガウルン=ガブリエフの名に誓い、我が全霊をこの剣に込める」

 

 名乗り、そして構える。俺の言葉にガウルンはふっと笑みを浮かべて剣を大上段に構える。剣から漏れる光が強く輝き始める。恐らく次が彼にとっても最後の、そして最高の一撃となるんだろう。

 

 そして、恐らくだが俺の技量では彼の全霊の一撃は受けきれない。半ば確信めいたその予感に、俺はタマちゃんを握る手を強く握りしめる。

 

 俺個人の技量では、間違いなく俺は負けるだろう。それだけの年季と経験の差が俺とガウルンにはあるからだ。

 

 だが、俺という存在は俺だけで(・・・・)成り立っているわけではない。

 

 俺にとっての半身。この手に持つ魔槍もまた、最早俺自身といえる存在だ。

 

 だから。

 

「行くぞタマちゃん。俺たちの、全力だ」

 

 ヴオォォォンッ!

 

 タマちゃんから漏れ出る光が黒から金色に変わり、その光が俺の全身を包み込むように広がっていく。

 

 その姿に騒めく民衆。驚愕の視線を向ける王太子。そして、深い笑みを浮かべるガウルンの姿を視界に納めながら、俺は変化していく体と飛びそうになる意識を繋ぎ止める。

 

「いざアアアアアァァアァッ!」

「尋常にっ!」

 

 叫び、大きく前へと踏み出すガウルン。合わせる様に槍を構え、俺もまた体を前へと傾ける。

 

 金色の光の中、トレードマークになっていた黒いマントが分解されるように消えていき、そしてまたその姿を変えてこの身を包んでいく。

 

 滅びと創造。他の魔王達と同格の金色の魔王の娘でありながら権能をほぼ持たないタマちゃんの、数少ない。されど他を圧倒するその力。

 

 ただ一柱で世界を滅ぼし、創造まで行えてしまう金色の魔王の愛娘。その力によって今、俺の体は急速に作り替えられている。

 

 俺ではガウルンに勝てない。練度も反射神経も技量さえも。全てにおいて。何もかもがっ! まるで足りていないのだ。

 

 だから、作り替える。

 

 今、目の前に立つ男に勝利する為に。

 

 これまでの全てを捨ててでも勝ちたいと思った――この瞬間の為にっ!

 

 <創造・神人器創生>(己が思い描く最強の己)

 

「「勝負っ!」」

 

 ガウルンの持つ光の剣から迸る奔流と、タマちゃんの金色の光が交差する。

 

 激突の瞬間、互いの手元すら見ず、俺達の視線は混ざり合う。

 

 何故だろうか。互いに笑みを浮かべたまま、俺とガウルンは互いを殺すための一撃を互いの急所へとむけて放った。

 

 閃光が広場を貫く。

 

 俺達の意地だけをかけた勝負は――ここに決着の時を迎えた。

 

 

 

 

 激突した光と光。激しい輝きを周囲にまき散らしたそれは、それを見ていた民衆と王太子の目を眩ませ、そしてやがて収まっていく。

 

「……美事」

 

 周囲の人間が頭を振って一時的に失った視力を取り戻した時、広場の中央は全ての決着がついていた。

 

 倒れ伏すガウルン=ガブリエフ。胸元に開いた大きな穴は、槍の一撃によるものだろう。魔槍の一撃だからだろうか。出血はないようだが、恐らくは心の臓を射抜かれている……もはや、長くはないだろう。

 

「俺は……俺一人だけなら、間違いなく俺の負けだった。俺とタマちゃんは半心半体。二つで一つの存在だから……だから勝てたんだよ」

 

 対するは槍から溢れる金色の光に身を包んだ――一人の美しい少女の姿。

 

 どよめく周囲の音すら外野に置き去り、二人の会話は続く。

 

「それでもさ……俺は、光の剣とそこまで一身になれなかった……それが……俺の敗……げふっ」

「ガウルン」

「ごほっ……ヨシオミ……光の剣を……頼む……甥に……ガウ、リイ」

「わかった。俺が請け負った」

「お、れは……ヨシ……あり、が……」

 

 語り掛ける様に言葉を紡ぎながら、ガウルンは静かに目を瞑る。少女の目に映るその顔は、ひどく満足げで。心穏やかな表情のまま、彼は逝った。

 

 無言で彼の顔を眺めて、少女は軽く黙祷を行い……地に落ちた光の剣に手を伸ばす。光の剣は持ち主の死に悲しそうに閃光を発し、そして光を失い……少女の手の中で眠りにつく。

 

「王太子殿下」

「あ、ああ。な、なんだい」

「彼の亡骸を、懇ろに弔ってあげてください」

 

 静かに言い放つ少女の言葉に、王太子は首を縦に振る。拒める状況ではないし、そして何よりも目の前に立つ少女に逆らおうという気が何故か湧いてこなかったのだ。

 

 生物として、今目の前に立つ少女に逆らえない。そんな絶対的存在を前にしたかのような感覚に、エルトリア王太子は囚われていた。

 

 なんだこれは。何故、これでは。この存在は、まるで。

 

「そんなバカなっ!」

 

 王太子の心の声を代弁するように、城壁の上から声が降りかかってくる。

 

「何故貴様がここにいるっ! 何故ヨシオの代わりに、お前がそこに立っているっ! お前は……お前は今、ゼフィーリアに居る筈だっ!」

 

 絶叫するような声だった。民衆と王太子、そして少女の目が城壁の上へと向かう。

 

 エルトリア王太子の息子……と名乗るその存在に民衆のざわめきが広まる中。少年の姿を持ったそれは、少女を指さして叫び声をあげる。

 

「答えろっ!赤の竜神の騎士(スィーフィード・ナイト)、ルナ=インバースっ!!!」

 

 そんな少年の叫びに、少女は眼をパチクリとさせた後。

 

 自身の姿を眺める様に一望した後、眉を寄せてポリポリと髪をかき上げながら口を開いた。

 

「えっ、俺ルナちゃんになってんの?」

 

 少女……ヨシオだったものの呆気に取られたような言葉に答える物はおらず。

 

 ただヴォン、と魔槍が悪戯が成功したかのようにうなりをあげるだけであった。




ガウルン=ガブリエフ:オリキャラ。ガウリイの叔父さんで先代の光の剣の継承者。

ヨシオ改め源 義臣:名乗りはこれからもヨシオですが今回だけはこの名前。生家の狂った慣習に人生を狂わされた少年は青年になり、大人になり、そして今再び自分の人生を歩み始める。次回からは少女になるかもしれないが()



あとがき劇場

L様:草
部下S:いや、その、うん。魔、魔族は似たようなもんだから
L様:さすがは我が愛娘、チョイスが俊逸だわ!
部下S:(そっと合掌をする魔王の図)



義臣:いや、全然気にしてないんですが
外道神父:恋人のいる身としてそれはどうかと思うがね
義臣:えっ貴方がそれを言うんですか
外道神父:さて。次の麻婆の仕込みと行こうか
義臣:はい
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