troisと申します。
小説投稿は初心者ですので、文章のアドバイスや誤字脱字などは感想欄にお願いいたします。
沈んでいく・・・少しずつ光が遠ざかっていく。
巨大な船体が少しずつ沈みこんでいる。
奴らの『最終兵器』を沈め、世界に平和が訪れただから悔いなどないと思っていたのだが・・・
(戦いの結末が共倒れとはな・・・)
(後悔するのなら敵を一隻も多く沈めたほうが良いなどと考えていたのに、沈んで行くと思うと色々後悔するのだな・・・)
巨大な船体の三割は消し飛んでいて、大和型の主砲かと見間違えそうな主砲も使い物にならない。
もし浮いていたとしても機関室がないのだからどのみち解体されて終わりだろう。
(せめてあいつらは生きて陸まで連れて行きたかったな・・・)
生きている乗員は退艦しており友軍の救助を待つのみ。
(もはやそれすら叶わぬ事か・・・)
(寒いなぁ・・・海の中は・・・)
もう船体も限界に近づいてきたのか軋みをあげている
(もう・・・眠ろうか。)
(どうか・・もう俺のような存在を・・産み出さないで・・)
意識が『暗転』する
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場所は変わって日本最大の海軍基地である横須賀鎮守府。そこに書類処理に勤しむ一人の士官の女性が居た。
「ん~終わった~」グググ
「お疲れ様です、提督」
この士官こそ、この横須賀鎮守府に着任している提督の『山城 光』である。そして秘書艦は『川内型軽巡洋艦二番艦 神通』である。
「後は遠征部隊の子達が帰ってくるだけね。多分そろそろ連絡来るでしょ。」
そんな事を言っていたら執務室に備え付けられている無線機から通信を知らせる音がなった。
「こちら横須賀鎮守府執務室です。」
『こちら第一遠征部隊旗艦北上です。遠征は成功しましたよ~』
北上は改装をすると『重雷装巡洋艦』という魚雷攻撃に秀でた艦種だが改装をしていないため軽巡洋艦のままである。
「そう、暁達は大丈夫?資材ちゃんと回収できた?」
今回の遠征部隊は軽巡洋艦の北上と天龍を主軸に暁型駆逐艦で構成されている。
「暁達~?だいじょーぶ。しっかり資材回収したけどね・・・」
(何か含みのある言い方ね・・・)
「ねぇ北上もしかして何かあった?」
北上の言い方に違和感を感じとりそれを聞き出すと
「実はねー資源を取る島に男のの人が流れ着いてたんだよ。今は天龍が背負ってるよー」
「えっ?人が流れ着いてた?本当に?」
このご時世、海に生身の人が漂流することは自殺行為と言っても良い。つまり、生きて陸に漂着するということは奇跡と言っていい。
「脈もあるし息もあるよー。外傷も無いしー。」
「そう・・・気を付けて帰還しなさい。」
「りょうかーい。」
(何事も起きなければ良いけど・・・)
光の心配をよそに、北上達は鎮守府に向かって進む。青年を連れて、彼が何者なのか知らないまま。
自分には文才ないと思う今日この頃。