記憶を無くした青年が拾われました   作:trois

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ゴールデンウィークが終わってしまうー!!

テストが来るから勉強しねぇと・・・だが投稿しちゃうんだなぁ!これが!


世界を知る青年

山城さんに『無名』と名付けられた俺は自分が居るこの施設について質問していた。

 

「まずここはどこですか?」

 

潮の香り、恐らく海沿いにある施設なのだろう。

 

「ここは横須賀にある日本で最大級の海軍基地、横須賀鎮守府よ。」

 

「・・・・鎮守府?」

 

「えぇ。彼女達『艦娘』を戦力として、日本の守りの要よ。」

 

 

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山城さんから大まかな説明を受けた。

 

まず2010年から船舶の原因不明の沈没事故が多発し、各国の緊張が高まった。

すると、とある沈没船の生存者が撮影した映像に海の上に立つ人間のようなものが写り混んでいた。

 

2011年、本格的に『奴ら』が確認されるようになった。

どこから来たのかも、目的も不明な人類に敵対的な不明生物。

 

『深海棲艦』

 

奴らはシーレーンを通行する船舶を無差別に攻撃し、シーレーンを閉鎖した。

 

だが人類も黙って見ていた訳ではないらしい。

現存する全ての兵器を用いて反抗作戦を行ったが、深海棲艦に既存の兵器は何一つとして通用しなかったのだと言う。

 

シーレーンが完全に封鎖されたその時、人類に希望が現れた。

 

人と同じ大きさで、戦艦の砲を人間大まで小さくした艤装を持ち、深海棲艦に唯一ダメージを与える人類に友好的な生物

 

『艦娘』と『妖精さん』

 

彼女達のおかげで陸地の安全は守られてる状態だそうだ。

 

彼女達、艦娘は第二次世界大戦で沈んだ軍艦達の生まれ変わりで、元の戦艦としての魂は欠片となって彼女達一人一人に宿っているのだと言う。

 

つまり横須賀の明石や、トラック鎮守府の明石など明石は明石でも違う存在の明石が複数居ると言うことらしい?魂うんぬんの話はよくわからなかった。

 

深海棲艦の事についてはよくわかっていないらしい。

怨念の塊であることしかわかっていないそうだ。

 

 

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「他に聞きたい事はある?」

 

 

「山城さんが大まかな説明をしてくれたので、だいたいの状況はわかりました。」

 

山城さんはにっこりと笑顔になりこう言った。

 

「体の痛い所はない?なかったら鎮守府の中を案内しようと思うのだけど・・・大丈夫?」

 

俺の体を気遣ってくれる辺り山城さんは優しい人なんだなと思った。

 

「大丈夫ですよ。」

 

俺はそう言うとベッドから立ち上がり、山城さんに着いていこうとすると、内線が鳴った。

 

「私よ。何?大淀。・・・えっ!今日中に処理しないといけない書類が急にできた!?わかったすぐ行くわ!」

 

山城さんは申し訳なさそうにこちらを見た後、謝って来た。

 

「ごめん!無名君。どうしても今日中に片付けないといけない書類が出来ちゃって・・・変わりに北上?頼める?」

 

「仕方ないなぁ、良いよー。北上サマに任せといて。」

 

そのまま山城さんは扉を開けて出ていった。

 

北上さんはこっちを見るとこう言った。

 

「改めてよろしくね。無名君。さっそくだけど行こうか。」

 

彼女が手をさしのべる姿に誰かの姿が被った。

『よろしくーーーー生きて国に帰るとしよう。』

 

フラッシュバックする見覚えのない記憶。

それを俺は懐かしいと感じた。

 

「ーーーーうくん、無名君ったら!」

北上さんに呼ばれてハッとした。

 

「大丈夫?」

どうやら心配させてしまったようだ。

 

「すいません。ボーッとしてたみたいです。」

 

「駄目そうだったらすぐに言ってね。まだ本調子じゃないだろうしさー。」

 

そう言って彼女は歩きだしたので、後ろから着いていく。

 

 

「工廠には、君も知ってる人が管理をしているんだよ。」

 

 

そのまま廊下を歩き、ドアを開けて外に出る。

そこには太陽の光でキラキラ輝く海があった。

 

「綺麗だ。」

思わず呟いた言葉を北上さんは聞こえたようで「綺麗でしょ。」と言ってきた。

 

「私達はこの海を守るために戦っているんだよね~。」

 

北上さんは海を見て悲しそうな眼でそう言った。

その時の僕はそんな目をする理由がわからなかった。

 

「何で深海棲艦は人類を攻撃するのかな。一体どこから来たんだろう。目的とかあるのかな。」

 

北上さんのその問いに僕は答えられなかった。

 

またフラッシュバックする記憶。

それは誰かが歌を歌っている姿だった。

「Where Do We Come From?」

 

「What Are We?」

 

「Where Are We Going?」

 

 

この人は・・・誰?

 

「う・・・」

頭が割れそうに痛い。

 

「無名君!?」

 

北上さんはびっくりしたようで声をかけてきた。

 

『まだ早いの。今はその時ではないわ。』

 

消える意識の中、視界の端っ子に猫を連れた妖精さんが居た気がした。

 

 

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「何でこんな物が・・・」

 

提督から言われて行った大型建造。

出てきた時間は8時間40分。大和型でも8時間だと言うのに。

大和より大型の艦が出てくるというのだろうか。

 

「とにかく提督に連絡しないと・・・」

 

内線で連絡しようと駆け出した。その後ろに猫を連れた妖精が居たこと気づくことはなかった。

 

『ごめんーーーー君、君には苦労をかけることになりそうだ。』

 

『彼女達を頼んだよ。ーーーー』

そう言って彼女は空気に消えるように居なくなった

 

 

 




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