仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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第10話

突然のネオシェードによる反逆宣言。署内はもちろん、風都民、いや、日本国民に戦慄が走っただろう。

 

ドカアアアアアン!!!!

 

程なくして風都署内のどこかから爆発音がし、面会室もその衝撃で揺れた。

「爆発!?」

 

『緊急事態発生!署内にドーパントを確認!場所は…きゃあ!』

『さぁ…。モノは全て手に入れましたよ。アサシン!』

 

「何だと!?」

俺は部屋を出ようとした。

「左さん!!」

泊が呼び止めた。

「フフフ…。さて、旦那。色々と話せて良かったぜ。」

忍野は不敵の笑みをこぼしていた。

「忍野…?」

「…っ!翔太郎!!彼は!!」

フィリップが言った。

忍野は自分の拳を自身の鳩尾に叩きつけると、口から何かを吐き出した。それはAと印字されたガイアメモリだった。

「忍野、お前!!」

「ははっ、あんたらのお陰でメモリ探しが随分楽にできた。感謝するぞ!」

 

アサシン!

 

忍野は口を開き、ガイアメモリを自身の舌にあるコネクタに押し当てた。

メモリは忍野の体の中に入り、その姿を変えた。そこにいたのは、俺が戦ったアサシン・ドーパントの姿だった。

「アサシン!!」

俺達は構えた。

突然、目の前の防弾ガラスが砕け散り、俺は部屋の壁まで吹き飛ばされた。一瞬何が起きたか理解できなかったが、殴られたようだ。身体を起こすと、泊も同じく吹き飛ばされていた。

そして、フィリップは気絶したままアサシンに担がれていた。

「この小僧は預かっていくぞ。」

「待ちやがれ…!」

しかし、アサシンはフィリップごと高速でその場から立ち去った。

「大丈夫ですか、左さん…!」

泊が俺の肩を担いだ。

「フィリップが…、後を追うぞ…!」

俺と泊は何とか部屋を出た。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

(照井視点)

爆発音と共に俺は部屋を飛び出していた。方角的に押収したガイアメモリを厳重保管している金庫の方だったからだ。

署内は騒然としていた。事務員は避難行動を取っていたり、拳銃を持った警備員や警官達も署内を走り回っていたりしていた。

 

バンバンバン!

 

エントランスの方から銃声が聞こえた。

駆けつけると、3、4人のマスカレイドドーパント達と杉田を始め、警官達が戦闘を繰り広げていた。その中にあの蟹型のドーパントもいた。

「待てぇ!!」

俺に気づいたマスカレイドを蹴散らしながら、ドーパントの前に立ちふさがった。

「また貴方ですか、照井警視。」

「ここは通さん!変…、身っ!!」

俺はアクセルになり、エンジンブレードを振りかざした。

 

ギィン!

 

金属同士が鈍い音を上げてぶつかった。

ブレードがドーパントの左腕の鋏によって防がれたのだ。

俺は、後退しすぐさま距離を取った。

「ガイアメモリを返して貰うぞ、クラブドーパント!」

「私の名はシザースです。ガイアメモリ、確かに頂戴しました。」

シザースが答えた。

「やるものか!」

「なら、その気持ちにお答えするまで!!」

シザースが迫ってきた。

両手の巨大な鋏で襲ってくる。俺はそれに合わせエンジンブレードで受け流す。が、奴の体術は凄まじく防戦になってしまった。

「おや、口だけですかぁ?」

シザースは余裕を見せていた。

「くっ…!」

すると再び銃声が鳴り響いき、シザースが後退した。

「待たせたね、刑事さん!」

「…マッハか!」

俺とシザースの間にマッハが割って入った。

「ええい…数が増えようが関係ありません!」

再びシザースが迫ってきた。

マッハは新たにシグナルバイクをベルトに装填した。

 

シグナルバイク!

シグナルコウカーン!トマール!

 

マッハがゼンリンシューターでシザースに撃ち込んだ。それが当たると、シザースはその場で動きが止まった。

「う、動きが…。」

「今だ!」

 

ヒッサーツ・フルスロットル!

 

マッハはシザースに向けて飛び蹴りをしようとした。

しかし、どこからともなく黒いエターナルが現れ、迫るマッハを蹴り返し、吹き飛ばした。

「うわっ!」

「エターナル!」

 

エンジン!マキシマムドライブ!

 

俺はエンジンブレードにエネルギーを溜め、刺突の要領でシザースに向けて放とうとした。

「止めておけ、アクセル!」

今度はアサシンがシザースの前に立った。その腕にはフィリップが担がれていた。

「何!?」

俺はすぐさま攻撃を止めた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

(翔太郎視点)

「フィリップ!!」

追い付いた俺は、相棒の名を叫んだ。しかし、気を失っていて返事がない。間もなく、別室にいた一条と氷川も合流し、敵に対し拳銃を構えた。

「あれがアサシン、黒いエターナル、それとクラブドーパント!」

「シザースです、一条刑事!」

シザースが訂正した。

「最悪な組み合わせだな…。」

氷川は拳銃を向けて言った。

「忍野!フィリップ君を離せ!」

泊が叫んだ。

「やはりやつが!」

照井も言った。

「離せと言われて離すバカがいるか?」

アサシンは嘲笑った。

「あんたらのお陰で必要な数のガイアメモリが簡単に手に入った。」

「どういうことだ!」

一条が聞いた。

「思ったより警察の動きが早くてですね。予定通り行動しては、我々が必要とするガイアメモリが全て奪われてしまうことに気がつきましてね。ならば、むしろ警察に集めさせ、後で一辺に奪うことにしたんですよ。」

シザースが答えた。

「そこで、俺が署内に潜り込むことにしたのさ。」

アサシンが続けて言った。

俺ははっとして言った。

「忍野を黒いエターナルに始末させたのは、署内へ潜り込ませるための芝居だったのか!」

あの時点で気づくべきだった。己の思慮の浅はかさに辟易した。

「ご名答!さすがは探偵ですねぇ。Nメモリがあれば蘇生が可能ですから。アサシンがダークエターナルに始末された振りをすることで、その死体は警察署の中の死体安置所に送られるか、重要参考人として拘束されるか。何にしても、署内に送られれば、内側から準備ができますからねぇ。」

シザーズが言った。

「Nのコネクトですらダミーだったのか。」

「一つの身体に複数のメモリを使うのは正直怖かったさ。だが、前例がなかった訳じゃなかったんでねぇ。上手く言って良かったよ。」

アサシンが言った。

「そして、警官の中にも内通者がいたって訳!?」

マッハも言った。

「何てことだ…。」

一条は呟くように言った。

「さて、我々には三つの盾がある。この青年とダークエターナルのボディとなるロイミュード、エターナルになるべく使っているこのベルト。無事で済ませたければ、抵抗は止めるんだな。」

アサシンが言った。

くそっ!

誰も手も足も出なかった。

回りには負傷した警官もいる。下手に戦えば彼らの命も保証できない。

「いい判断ですね。では、我々はこれで。」

シザースの言葉を合図に、アサシン達はその場を後にした。

 

「くそっ!」

俺は力任せに壁を殴った。

俺達は風都私立病院で怪我の手当てを受けていた。

ネオシェード残党による風都署襲撃により、その復旧の為暫く立ち入ることが出来なくなっていた。幸いにも署員の死者はおらず、各々の怪我の程度も大したものではなかった。

「落ち着いて、翔太郎くん!」

亜樹子が照井の看病もしながら言った。

「すまない、所長…。気を遣わせてしまって。」

「ううん、いいの!それが可愛い妻の勤めでしょ?」

亜樹子が言った。

普段なら黙っとけ!と言いたい所だったが、そんな気にはならなかった。

「進ノ介さんも、無事で良かった…。」

「ありがとう、霧子。」

向かいのベッドでは泊の妻である泊霧子が看病していた。

「姉さぁん、こっちも頼むー…。」

剛も情けない声を出していた。

 

何故だろう。身体だけじゃなく、俺の心もボロボロだ。

 

程なくして、室内のドアが開き、一条が入ってきた。

「一条さん、もう大丈夫なんですか?」

泊が言った。

「あぁ。恥ずかしいことだが、君ら程前線に立っていた訳ではなかったからな、軽い怪我で済んだんだ。」

一条が答えた。

「それは何よりです。」

照井が言った。

「しかし…。本当に申し訳ない!」

一条が皆に頭を下げた。

「何で…、あんたは何も悪くはないだろ…!」

俺は一条に言った。

「やめてください、一条さん!」

泊も言った。

「風都署の襲撃。警察官の中に内通者がいた。それを見抜けなかったのは私の落ち度だ。」

一条が言った。

「それだけ、ネオシェードの根が俺達が思っていた以上に深かったってことだろ。あんたの責任じゃない。」

剛もフォローした。

「幸いにも死者が出なかったんです。一条班、氷川班共に。それに少しの間ですぐに動けるようになります。まだこれからです!」

泊が言った。それに続き、俺達は頷いた。

「…すまない、みんな。」

一条の表情が少し柔らかくなった。

「所長、もう大丈夫だ。少し席を外してくれないか?」

照井の言葉に対し亜樹子は頷いて答え、部屋を後にした。霧子もまた泊と目を合わせたあと、それに倣った。

俺と剛で目が合ったがすぐに視線を離した。

「こんな所ですみませんが、今後のことを話しましょう。」

照井が言った。

「無論、まずはフィリップ君の救出が最優先だ!」

一条は迷わずに言った。

「しかし、何故フィリップ君を人質に取ったのか…。」

「それはあいつの能力を狙ってのことだ。」

俺は言った。

「能力?」

俺は一条、泊、剛にフィリップの生い立ちや力について話した。

「そんなことが…。」

一条が驚いて言った。

「だから、やつらがエターナル復活の為のメモリを揃える為に悪用されるか、新たにメモリを作ってドーパント軍団を作り上げるか。何にしても最悪なパターンになる…。」

俺は噛み締めて言った。

「そんな…。だったら尚更フィリップ君を助けないと!」

泊が言った。

「だが、あのままやつらがどこへ消えたのか、見当もつかない…。」

照井が答えた。

「進兄さん。前に岡村が使ってたアジトはどうだろう?」

「俺も考えた…。だが、あそこはすでに特状課で押さえたし、現さんに捜査してもらったけど、もぬけの殻だったそうだ。」

泊が答えた。

打つ手が無いのか…。どうすればいい…。

しばらく考えた後、

「…。悪い、席外すわ。」

俺はベッドから立ち上がった。

「どこへ行く?」

照井が尋ねた。

「外の風に当たってくるだけだ。」

そういい、俺は部屋を後にした。

 




忍野瞬矢の正体が明かされました。
忍野はネオシェードの計画のため、身体に二本のメモリ用コネクタ処置が施されました。
忍野曰くの前例というのは、お馴染み井坂先生のこと。

一瞬ですが、泊進ノ介の嫁、詩島霧子も登場しました。
お陰で翔太郎に余計なダメージが入ります。笑

フィリップは拐われてしまい、押収していたメモリも奪われてしまった。
打つ手は無しなのか…。

次回をお楽しみに!
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