仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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第15話

「現状、我々の戦力は?」

朔田が言った。

「W、アクセル、ドライブ、マッハ、そして貴方のメテオの5人だ。」

照井が答えた。

「一方の敵戦力は岡村のリキッド、忍野のアサシン、シザース、そして仮面ライダーエターナル。」

泊が言った。

「裏で動く財団X、桃瀬も何かしら力を持っていると思っていいでしょうね。」

フィリップも加えて言った。

「それに、ネオシェードの構成員が皆、改造人間だとしたら、俺達だけで何とかできるか怪しい。」

俺はGのことを思い出しながら言った。

「いや、それは大丈夫そうだ。」

照井が言った。

「どういうことだ?」

俺は照井に聞き返した。

「あの後、すぐに被害者である元ネオシェード構成員の死体を司法解剖してもらったんだ。その結果、普通の人間と変わらなかったそうだ。」

「…ということは、シェードからネオシェードに変わった段階で改造されていないということかい?」

フィリップが言った。

「可能性としては考えられる。肉体改造にどれだけの費用がかかるのかはわからないが、ガイアメモリ一つで怪人になれるのなら、そちらの方が都合がいいのかもしれない。」

朔田が言った。

「さらに、警察内部にもネオシェードの内通者がいます。こちらの捜査情報は相手に筒抜けと考えていいでしょう。」

泊が言った。

 

ゲリラ的に起こるネオシェードの暴動の鎮圧に尽力してはいるものの、現れては潰し、潰しては現れる。また、敵も俺達の動向を見抜いてか、俺達が現場に着いた時点で撤収していたり、対応している事件とは別の場所で暴動が勃発したりしていた。まるで、終わりのないマラソンを走っているようだった。警察組織にネオシェードに加担している連中がいるため、下手に情報伝達をすることができず手当たり次第、対応するのが精一杯だった。

岡村達ネオシェードのアジト、桃瀬ら財団Xの動向、エターナルの行方。どれも依然として把握することもできず、八方塞がりというのが現状だ。

 

「…つまり、この中にも内通者がいる可能性もあると言うことか。」

朔田が俺達を鋭い目で見回した。

「は?冗談キツいぜ、お巡りさん。」

剛が強気に言った。

「あんたも、もしかしたらネオシェードの人間かもしれないしな。」

俺も朔田を見て言った。

「よせ、左!」

照井が言った。

「お互い探り合うのはやめましょう。それに、実は内通者の目星は付いています。」

フィリップが言った。

「本当ですか!?」

泊が身を乗り出すように言った。

「えぇ。ここは一つ賭けにでないかい?」

「賭けに?」

俺は聞き返した。

「あぁ。警察内部に潜むネオシェードを炙り出すためのね。」

確かに、警察内部のネオシェードを排除出来れば、俺達の行動範囲は一気に広くなる。

「何するつもりだ?」

俺はフィリップに尋ねた。

「それはー。」

 

「徳川清山をICPO本部へ護送する。警察内部に敵が潜んでいる以上、地下拘留所から脱獄もしくは奪取されるのも時間の問題です。総監のご判断により、ICPOへ送ることで、ネオシェードの動きを抑制する!しかし、敵も間違いなく我々の邪魔をしてくるはず。従って、捜査チームはネオシェードの動向を各所で監視、些細な動きでもあれば逐一報告して下さい!また、徳川清山の護送にはライダーチーム及びG5ユニットで行う!以上、各員準備にかかれ!」

一条からの指示で俺達は動き始めた。

「泊、フィリップを頼んでいいか?」

俺は泊に言った。

「良いですが…?」

「Wになったとき、フィリップを安全な所に避難するのに、トライドロンが最適だ。頼む。」

「分かりました!」

泊はそう言うと、フィリップをトライドロンの助手席へ乗せた。

『各員、聞こえるか。』

事前に配られたインカムから一条の声が聞こえた。

『私は本部から指示を出す。何かあれば直ぐに知らせてくれ!』

「了解!」

照井が答えた。

そして、照井のハンドサインを合図に俺達は各々のマシンを走らせた。

 

徳川清山を乗せた護送車と合流した俺達は空港を目指していた。

空路で清山を護送する手筈になっているからだ。

まずG3-Xを先頭に6人のG5が護送車を挟むように並んでいた。

その両側を更に固めるために、俺のハードボイルダー、照井のディアブロッソ、剛のライドマッハー、朔田のマシンメテオスターが並び、護送車後方に泊とフィリップの乗るトライドロンが配置された。

 

『こちら杉田、今のところ以上無しだ。』

『こちら氷川、同じく動きは見られません。』

 

インカムから報告が聞こえる。今のところ問題はなさそうだが…。

 

『こちら大門!ネオシェードによる暴動発生!市民に攻撃を仕掛けています!』

 

『何!?』

照井が言った。

 

『こちら泉!こちらでもネオシェードが繁華街で暴動を開始!応援を求む!』

 

『こちら須藤。現在、ネオシェードと思われる集団を発見、妨害行動に移る!』

 

「おいおい、冗談じゃねぇぞ!!」

俺は吐き捨てるように言った。

『このままでは、市民に被害が!』

泊が言った。

『やはり、我々の戦力を分断するために各所で暴動を始めたか!』

朔田が言った。

 

『こちら泊、一条刑事、指示を求む!』

『一条だ。やむを得ないが応援に動け!』

『くっ…。りょうか…。』

『おっけー!やるしかないんだろ!!』

泊が答えかけたが、剛が言った。

『剛!?』

『進兄さん、そっちは頼んだよ!』

『…。一般人の被害を押さえることが先決か!』

『左!そっちは任せるぞ!』

剛に続き朔田、照井も答えた。

『…わかった!』

俺が答えると、剛、朔田、照井はそれぞれのマシンを別の道に走らせ、暴動鎮圧に向かった。

『…我々は引き続き、護送任務を続けます!』

G3-Xが答えた。

しかし、間もなくバイクや車などの車両が脇道から現れた。

ネオシェードだ。

構成員は皆、マスカレイドを纏っていた。

「く、人手が少なくなればこれか!」

『行くよ、翔太郎!』

「おう!」

 

ルナ!

トリガー!

「「変身!!」」

 

ルナ!トリガー!!

 

「俺達も行くぞ!」

『OK! Start your Engine!』

 

「変身!」

 

ドラーイブ!

ターイプ・テクニッーク!!

 

俺達は変身するとトリガーマグナムを手にし、マシンを操りながらネオシェードへ向けて攻撃を始めた。

ドライブも同じく、手にした銃で射撃した。

『G5ユニット!迎撃開始!!』

G3-Xの合図により、G5達も応戦し始めた。

次々と敵車両を撃破していくが、次から次へと現れた。

「くそ、キリがねぇ!」

『翔太郎、あれを!』

フィリップが前方を指して言った。

護送車の前を須藤のパトカーが走っていた。

そのパトカーをネオシェードが追撃していた。

『須藤刑事!!』

G3-Xはガードチェイサーを前へ走らせ、須藤のパトカーを援護し始めた。

やがて、パトカーのタイヤがバーストしてしまい、道を塞ぐように横向きに止まってしまった。

行く手を遮られ、やむ無く護送車も停車した。

俺達も敵を蹴散らせながらマシンを停めた。

「須藤刑事!」

トライドロンから降りたドライブが叫んだ。

「だ、大丈夫です…!」

G3-Xによって炎上するパトカーから救出された須藤が答えた。

しかし、俺達をネオシェードは囲っており、事態は最悪だった。

「こちら泊!ネオシェードにより行く手を阻まれました!応援を!」

『ザザー…。』

ドライブは一条へ伝えようとしたが、電波障害からか雑音しか帰ってこなかった。

「無駄だ、この一帯は我々が電波ジャックしている!」

ネオシェードの男が言った。

「何!?」

俺は声をこぼした。

「そして、清山先生は我々が預かり、貴様らはここで死ね!」

男が言うと、その姿を虫のような怪人に変えた。ガイアメモリを用いていない。改造人間の力だというのか。

「まずい!」

須藤は拳銃を手に取り、怪人に向けた。

「大人しく清山先生を引き渡せ!」

怪人が言った。

「…ここは、引き渡すべきでは。」

須藤が言った。

「ダメだ、どの道俺達を始末するつもりだ。」

俺は須藤の案を否定した。

『残念だけど、お前たちの要求には応じないよ。』

フィリップが言った。

「それに、お前たちこそ大人しく引き下がった方がいいと思うぞ!」

ドライブも続いて言った。

「何だと!?」

怪人が言った。

「どういうことですか?」

須藤も尋ねてきた。

「つまりは…。こう言うことだ。」

俺達とドライブ、そしてG3-Xは手にした銃を須藤に向けた。




ネオシェードに追い詰められていく現状を打破するために、フィリップが提案した作戦とは。

後半、ネオシェードの人間が変身した怪人態ですが、ワ○ムのような姿をしています。笑
しかし、あくまでも改造人間なのでクロックアップはできません。

誤解されないよう補足しますが、敵のネオシェードは旧シェードの人間とネオシェードの人間の混合組織になっています。その為、怪人態に変身できるのは旧シェード、ガイアメモリで変身するのはネオシェード、と認識してください。(ただし、例外もあり)

最後にライダー達が須藤に銃を向けた理由とは。

次回もお楽しみに!

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