仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線 作:ラズベアー
「現状、我々の戦力は?」
朔田が言った。
「W、アクセル、ドライブ、マッハ、そして貴方のメテオの5人だ。」
照井が答えた。
「一方の敵戦力は岡村のリキッド、忍野のアサシン、シザース、そして仮面ライダーエターナル。」
泊が言った。
「裏で動く財団X、桃瀬も何かしら力を持っていると思っていいでしょうね。」
フィリップも加えて言った。
「それに、ネオシェードの構成員が皆、改造人間だとしたら、俺達だけで何とかできるか怪しい。」
俺はGのことを思い出しながら言った。
「いや、それは大丈夫そうだ。」
照井が言った。
「どういうことだ?」
俺は照井に聞き返した。
「あの後、すぐに被害者である元ネオシェード構成員の死体を司法解剖してもらったんだ。その結果、普通の人間と変わらなかったそうだ。」
「…ということは、シェードからネオシェードに変わった段階で改造されていないということかい?」
フィリップが言った。
「可能性としては考えられる。肉体改造にどれだけの費用がかかるのかはわからないが、ガイアメモリ一つで怪人になれるのなら、そちらの方が都合がいいのかもしれない。」
朔田が言った。
「さらに、警察内部にもネオシェードの内通者がいます。こちらの捜査情報は相手に筒抜けと考えていいでしょう。」
泊が言った。
ゲリラ的に起こるネオシェードの暴動の鎮圧に尽力してはいるものの、現れては潰し、潰しては現れる。また、敵も俺達の動向を見抜いてか、俺達が現場に着いた時点で撤収していたり、対応している事件とは別の場所で暴動が勃発したりしていた。まるで、終わりのないマラソンを走っているようだった。警察組織にネオシェードに加担している連中がいるため、下手に情報伝達をすることができず手当たり次第、対応するのが精一杯だった。
岡村達ネオシェードのアジト、桃瀬ら財団Xの動向、エターナルの行方。どれも依然として把握することもできず、八方塞がりというのが現状だ。
「…つまり、この中にも内通者がいる可能性もあると言うことか。」
朔田が俺達を鋭い目で見回した。
「は?冗談キツいぜ、お巡りさん。」
剛が強気に言った。
「あんたも、もしかしたらネオシェードの人間かもしれないしな。」
俺も朔田を見て言った。
「よせ、左!」
照井が言った。
「お互い探り合うのはやめましょう。それに、実は内通者の目星は付いています。」
フィリップが言った。
「本当ですか!?」
泊が身を乗り出すように言った。
「えぇ。ここは一つ賭けにでないかい?」
「賭けに?」
俺は聞き返した。
「あぁ。警察内部に潜むネオシェードを炙り出すためのね。」
確かに、警察内部のネオシェードを排除出来れば、俺達の行動範囲は一気に広くなる。
「何するつもりだ?」
俺はフィリップに尋ねた。
「それはー。」
「徳川清山をICPO本部へ護送する。警察内部に敵が潜んでいる以上、地下拘留所から脱獄もしくは奪取されるのも時間の問題です。総監のご判断により、ICPOへ送ることで、ネオシェードの動きを抑制する!しかし、敵も間違いなく我々の邪魔をしてくるはず。従って、捜査チームはネオシェードの動向を各所で監視、些細な動きでもあれば逐一報告して下さい!また、徳川清山の護送にはライダーチーム及びG5ユニットで行う!以上、各員準備にかかれ!」
一条からの指示で俺達は動き始めた。
「泊、フィリップを頼んでいいか?」
俺は泊に言った。
「良いですが…?」
「Wになったとき、フィリップを安全な所に避難するのに、トライドロンが最適だ。頼む。」
「分かりました!」
泊はそう言うと、フィリップをトライドロンの助手席へ乗せた。
『各員、聞こえるか。』
事前に配られたインカムから一条の声が聞こえた。
『私は本部から指示を出す。何かあれば直ぐに知らせてくれ!』
「了解!」
照井が答えた。
そして、照井のハンドサインを合図に俺達は各々のマシンを走らせた。
徳川清山を乗せた護送車と合流した俺達は空港を目指していた。
空路で清山を護送する手筈になっているからだ。
まずG3-Xを先頭に6人のG5が護送車を挟むように並んでいた。
その両側を更に固めるために、俺のハードボイルダー、照井のディアブロッソ、剛のライドマッハー、朔田のマシンメテオスターが並び、護送車後方に泊とフィリップの乗るトライドロンが配置された。
『こちら杉田、今のところ以上無しだ。』
『こちら氷川、同じく動きは見られません。』
インカムから報告が聞こえる。今のところ問題はなさそうだが…。
『こちら大門!ネオシェードによる暴動発生!市民に攻撃を仕掛けています!』
『何!?』
照井が言った。
『こちら泉!こちらでもネオシェードが繁華街で暴動を開始!応援を求む!』
『こちら須藤。現在、ネオシェードと思われる集団を発見、妨害行動に移る!』
「おいおい、冗談じゃねぇぞ!!」
俺は吐き捨てるように言った。
『このままでは、市民に被害が!』
泊が言った。
『やはり、我々の戦力を分断するために各所で暴動を始めたか!』
朔田が言った。
『こちら泊、一条刑事、指示を求む!』
『一条だ。やむを得ないが応援に動け!』
『くっ…。りょうか…。』
『おっけー!やるしかないんだろ!!』
泊が答えかけたが、剛が言った。
『剛!?』
『進兄さん、そっちは頼んだよ!』
『…。一般人の被害を押さえることが先決か!』
『左!そっちは任せるぞ!』
剛に続き朔田、照井も答えた。
『…わかった!』
俺が答えると、剛、朔田、照井はそれぞれのマシンを別の道に走らせ、暴動鎮圧に向かった。
『…我々は引き続き、護送任務を続けます!』
G3-Xが答えた。
しかし、間もなくバイクや車などの車両が脇道から現れた。
ネオシェードだ。
構成員は皆、マスカレイドを纏っていた。
「く、人手が少なくなればこれか!」
『行くよ、翔太郎!』
「おう!」
ルナ!
トリガー!
「「変身!!」」
ルナ!トリガー!!
「俺達も行くぞ!」
『OK! Start your Engine!』
「変身!」
ドラーイブ!
ターイプ・テクニッーク!!
俺達は変身するとトリガーマグナムを手にし、マシンを操りながらネオシェードへ向けて攻撃を始めた。
ドライブも同じく、手にした銃で射撃した。
『G5ユニット!迎撃開始!!』
G3-Xの合図により、G5達も応戦し始めた。
次々と敵車両を撃破していくが、次から次へと現れた。
「くそ、キリがねぇ!」
『翔太郎、あれを!』
フィリップが前方を指して言った。
護送車の前を須藤のパトカーが走っていた。
そのパトカーをネオシェードが追撃していた。
『須藤刑事!!』
G3-Xはガードチェイサーを前へ走らせ、須藤のパトカーを援護し始めた。
やがて、パトカーのタイヤがバーストしてしまい、道を塞ぐように横向きに止まってしまった。
行く手を遮られ、やむ無く護送車も停車した。
俺達も敵を蹴散らせながらマシンを停めた。
「須藤刑事!」
トライドロンから降りたドライブが叫んだ。
「だ、大丈夫です…!」
G3-Xによって炎上するパトカーから救出された須藤が答えた。
しかし、俺達をネオシェードは囲っており、事態は最悪だった。
「こちら泊!ネオシェードにより行く手を阻まれました!応援を!」
『ザザー…。』
ドライブは一条へ伝えようとしたが、電波障害からか雑音しか帰ってこなかった。
「無駄だ、この一帯は我々が電波ジャックしている!」
ネオシェードの男が言った。
「何!?」
俺は声をこぼした。
「そして、清山先生は我々が預かり、貴様らはここで死ね!」
男が言うと、その姿を虫のような怪人に変えた。ガイアメモリを用いていない。改造人間の力だというのか。
「まずい!」
須藤は拳銃を手に取り、怪人に向けた。
「大人しく清山先生を引き渡せ!」
怪人が言った。
「…ここは、引き渡すべきでは。」
須藤が言った。
「ダメだ、どの道俺達を始末するつもりだ。」
俺は須藤の案を否定した。
『残念だけど、お前たちの要求には応じないよ。』
フィリップが言った。
「それに、お前たちこそ大人しく引き下がった方がいいと思うぞ!」
ドライブも続いて言った。
「何だと!?」
怪人が言った。
「どういうことですか?」
須藤も尋ねてきた。
「つまりは…。こう言うことだ。」
俺達とドライブ、そしてG3-Xは手にした銃を須藤に向けた。
ネオシェードに追い詰められていく現状を打破するために、フィリップが提案した作戦とは。
後半、ネオシェードの人間が変身した怪人態ですが、ワ○ムのような姿をしています。笑
しかし、あくまでも改造人間なのでクロックアップはできません。
誤解されないよう補足しますが、敵のネオシェードは旧シェードの人間とネオシェードの人間の混合組織になっています。その為、怪人態に変身できるのは旧シェード、ガイアメモリで変身するのはネオシェード、と認識してください。(ただし、例外もあり)
最後にライダー達が須藤に銃を向けた理由とは。
次回もお楽しみに!