仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

16 / 33
第16話

「!?何のつもりですか、左探偵!!」

須藤は狼狽えていた。

「今さら芝居は止めましょう、須藤刑事!」

ドライブが言った。

『いや、クラブ・ドーパント!』

「シザースです!…しまった。」

フィリップの言葉に、須藤は反射的に答えた。

「ハッ!ついに化けの皮が剥がれたな!」

俺は言った。

「くっ…、いつから気づいてたんです?」

須藤が聞いた。

「風都署襲撃事件。あれは留置されたアサシンと警察内部にいたネオシェードが計画したものだ。つまり、アサシン、忍野と接触できる人間は限られる。」

俺は続けて言った。

「そして、クラブドー…。」

「シザースです!」

「わかったよ!シザースが現れる時、須藤の姿が確認されなかった。風都署襲撃事件の時でもな!」

『さらに、この捜査組織は極秘裏に結成されていた。外部はおろか、警察内部でも認識されているのはごくわずか。それなのに、シザースは照井や一条の名前を知っていた。その時点で、シザースはこの捜査組織の一員であることが特定できたのさ。』

俺に続き、フィリップが言った。

「そこで、俺達はその事を一条刑事に伝え、徳川清山護送というエサでシザースを炙り出す作戦を実行したんだ。その時に接触してくる刑事がシザースだと踏んでな!」

ドライブも言った。

「なるほど、この作戦自体が私を炙り出すための罠だったということですね。正直、田舎探偵と侮っていました。」

須藤はついに自身がシザースであることを認めた。

「これで全て繋がった。観念しろ、須藤刑事!」

ドライブが言った。

「須藤刑事…どうして!」

G3-Xが須藤に尋ねた。

「力ですよ。」

須藤が答えた。

「力?」

「他を圧倒することのできる力…。魅力的じゃあ無いですか。力さえあれば、総てが私にひれ伏す。想像してみてください…。あぁ、これ程までの優越感を得られたことがあるでしょうか…。」

須藤は不気味な笑みを浮かべながら言った。

「…それだけの為に、ネオシェードに加担したのか!」

ドライブが怒鳴った。

「何か勘違いしていませんか?泊刑事。」

須藤が言った。

「私は元よりネオシェードの人間ですよ?さらなる力を求め、法的権力のある警察に所属し、風都で流通しているガイアメモリの力を手にした。そう言うことですよ。」

須藤が言った。

『とうとう本性を現したか!』

ベルトさんが言った。

「だが、この状況で何もできまい。おい、ネオシェード!そっちの幹部は俺達の手の中だ!大人しく引き下がれ!」

俺はネオシェードに向かって言った。

しかし。

「フっフっフ…。」

怪人は笑いだした。それに続き、周りのネオシェードも笑い始めた。

「何がおかしい!」

ドライブが言った。

「くっ…はは…ははは!詰めが甘いですねぇ。囲まれているのは、あなた方だというのに!」

須藤が答えた。

「え?」

その時、俺達を銃弾が襲ってきた。

「うわっ!!」

「何だ!?」

「っ!?そんな!!」

体勢を立て直した所で、G3-Xが声を上げた。

6人いる内の一人を除く全てのG5がこちらに銃口を向けていたのだ。

「!?何をしてるんだG5ユニット!!」

一人のG5が言った。

しかし、他のG5は黙ったまま一人のG5に向けて発砲した。

「止めろ、G5ユニット!」

G3-Xが言ったが、指示に従う様子は見られなかった。そこで俺は勘づいた。

「こいつら…、まさかネオシェードか!」

俺は言った。

「まさか!?」

G3-Xが驚いて言った。

「そのまさかですよ、尾室主任。」

G5の一人が答えた。

「我々崇高なるネオシェードがあなたみたいな人間に従うなど、冗談ではない!」

「この決起までの辛抱だったが、それもようやく終わった。」

「ここでサヨナラだ、尾室主任。」

G5達が口々に言った。

「そん、な…。」

G3-Xは、その場で膝をついてしまった。

「聞いちゃダメです、尾室さん!」

ドライブが言った。

「G5にまで…。」

俺は噛み締めるように言った。

「何も、私だけが内通者という訳ではないんですよ。」

そう言うと、須藤はシルバープラグのガイアメモリを取り出した。

 

クラブ!

 

「変身!」

須藤は自身の腹部にメモリを当て、その姿をクラブドーパント・シザースへと変えた。

「あぁ…。この身体中を巡る力…。最高だ…。仮面ライダーW。ガイアメモリを使うあなたなら、私の気持ちも解るでしょう?」

シザースが俺に言った。

「あぁ、わかるぜ。ガイアメモリが人を惑わす忌まわしきものってことをな!」

俺は構えた。

「左さん…。」

「実に愚かだ…。その愚かさを持ってここで死ぬがいい!」

シザースの合図で、ネオシェード、G5ユニットが構えた。

『まずい、形勢が逆転された。』

『改造人間、ドーパント、G5。我々だけで相手するには戦力差が有りすぎる。』

ベルトさんの言うこともごもっともだ。それに。

「尾室さん、尾室さん!!しっかりしてください!!」

「…。」

一人のG5がG3-Xに言ったが、完全に意気消沈していた。

「ダメか…。おい、そこのG5!お前を信じるから、尾室刑事を頼んだ!」

俺が残った一人のG5に言うと、そいつは強く頷いた。

「やるしかねぇ!!」

 

サイクロン!ジョーカー!!

 

ドラーイブ!

ターイプ・スピード!!

 

俺達は姿を変え、ネオシェードに立ち向かった。

マスカレイド程度なら簡単にあしらえたが、やはり怪人、G5、そしてシザース相手に、俺達は苦戦を強いられた。

G5もおそらく改造人間だろう。上位機種であるはずのG3-Xをも凌駕する戦闘力だった。

このままでは…。

「くっ…。」

「先程の威勢はどうしましたぁ?」

シザースが挑発するように言ってきた。

「どうやら、終わりのようですね!」

シザース以下ネオシェードが最後の攻撃を仕掛けようとした時だった。

 

「まだ終わりじゃない!」

俺達の背後から声がした。

振り向くと一人のG5が銃を構えていた。

「おい…よせ!あんた一人じゃ…。」

俺はG5に言ったが、聞く耳を持っていないようだ。

「俺は、世界の平和の為に戦っている!こんな所で諦める訳にはいかない!」

そう言うと、G5は駆け出しシザースへ立ち向かった。

「ほぅ。面白い!」

G5は手にした銃を発砲したり、ガードアクセラーを振るったりしたが、シザースは両手のハサミで軽くあしらい、逆に一撃一撃を確実に当てていた。

「ふっ、その程度で世界の平和など守れませんよ!」

「うわぁ!」

シザースの一撃でG5は吹き飛ばされてしまった。

「大丈夫ですか!?」

ドライブが駆け寄り、G5の身体を起こした。

「はぁ…はぁ…。やはり、"これ"じゃダメか…。」

G5が呟いた。

「もう…。いいっすよ…。」

意気消沈していたG3-Xが言った。

「何を諦めてるんですか…、尾室主任!あなたはG5ユニットの隊長でしょう!そんな弱気になってどうするんですか!」

G5が言った。

そして、G5はおもむろに自身の装甲を外し始めた。

「何する気だ!?」

俺はG5を脱いだ男に言った。

「俺は諦めたくないんだ。あいつみたいに、すべての人の手を掴む、訳にはいかないが、せめて世界の平和を守りたいという自分の意志は最後まで貫きたい!」

男が言った。

「随分立派ですねぇ。ですが、安心してください。あなたもここで死にますから!」

シザースが言った。

「まだだ。俺には、これがある!」

そう言うと男は小さな銀のメダルを取り出した。

『セルメダル!?』

フィリップが言った。

「後藤君、何を…!」

G3-Xが男に言った。

「主任。今まで黙っていてすみません!」

男の腰にはG5のエナジーゲージとは別のベルトが付けられていた。

 

「変身!!」

 

男がベルトにメダルを装填すると、ベルトを中心にいくつかの球体が現れ、身体の至るところに散らばった。

そして、球体から装甲が展開されていき、ついには仮面ライダーの姿に変わった。

「何!?」

シザースが驚いて言った。

「あれは確か、仮面ライダーバース?」

俺は、以前照井から聞いたことを思い出した。

「さぁ、探偵、泊刑事。まだ終わりじゃないぞ!」

バースが言った。

『…ふふ、そうだね。行こう翔太郎!』

「ああ!!」

「ベルトさん、もうひとっ走りつき合えよ!」

『OK、進ノ介!』

俺達はバースのお陰で奮起した。

「僕だって…、僕だって仮面ライダーだ!」

G3-Xも立ち上がった。

「ええい、何人揃おうが変わりません!」

シザースが言うと、ネオシェードが再び攻撃を仕掛けて来た。俺達もそれに応戦した。

 

ドリルアーム!

 

メダルを装填したバースの右腕にドリルが装着され、敵を次々に攻撃した。

G3-Xもケルベロスで敵を薙ぎ払った。

俺達とドライブで怪人、シザースを相手取った。

しかし、さすが改造人間。一対一でも強敵だ。お互い攻防戦を続けるだけだった。

『進ノ介!フォーミュラーで駆け抜けるぞ!』

「おう!」

 

ドラーイブ!

ターイプ・フォーミュラー!!

 

ドライブは青いスポーツカーのような装甲を纏った。

「行くぞ!」

 

FFFフォーミュラー!!

 

ドライブは超高速で駆け抜け、次々に敵を攻撃した。

怪人も例外ではなく、ドライブの攻撃で怯んだ。俺達はそこを逃がさなかった。

「今だ!」

 

ヒート!メタル!!

 

メタル!マキシマムドライブ!!

 

『「メタルブランディング!!」』

 

炎を纏わせたメタルシャフトを怪人に叩きつけた。

「うわああああああああ!!!!」

その勢いで吹き飛ぶと同時に怪人は爆散した。

「そんな、ばかな…。」

残りのネオシェードは全て倒され、シザースは狼狽えていた。

「これで、お前だけだ!」

俺はシザースに向けて言った。

「…いいや。清山先生を取り戻すまでは終わりません。」

依然としてシザースは余裕を見せていた。

「須藤刑事、いい加減にしてください!」

ドライブも言った。

『須藤!この護送車に徳川清山なんて居やしない!お前を釣るための嘘さ!』

フィリップが言った。

そう。今回の作戦において徳川清山の護送車とは全くの嘘。警察内部のネオシェードを炙り出す為に大事にしてまで作り上げた嘘だったのだ。

「…それはどうでしょうね。」

シザースはせせら笑いながら言った。

 

その時だった。

 

バアアアアン!!!!

 

護送車の扉が内側から吹き飛ばされた。

「何だ!?」

 

コツ、コツ、コツ、コツ…。

 

護送車から男が降りてきた。

右目に眼帯を付けているが、鋭い目付きの壮年の男だ。

『まさか、そんなはずは…!?』

フィリップは驚きを隠せないでいた。

「ご苦労だったな、須藤。」

男が口を開いた。

「…清山先生!!」

シザースが歓喜の声を上げた。

「あいつが、徳川清山!」

俺は男の名を口にした。

「そんな!この作戦じゃ、清山は護送なんてされないハズ!」

ドライブが言った。

「お前らも分かってたはずだ。我々シェードの同胞が、警察内部にいることは。」

清山が言った。

「…だが、俺達がお前を捕まえる!」

バースが言った。

「フッそうも言ってられないぞ?」

清山が言った。

 

ドォォォォン!

 

遠くの方で爆発音がした。

「あの方向、警視庁!?」

ドライブが言った。

その途端、電波障害が無くなったのか、インカムから一条の声が聞こえてきた。

『左君!泊巡査長!応答してくれ!』

「どうしたんだ!?」

俺は答えた。

『やっと繋がった!たった今、ネオシェードが警視庁を襲った!そして、総監の行方も分からなくなった!』

「何だって!?」

ドライブが声を荒らげた。

『そちらの状況は!?』

「須藤がネオシェードだった。そして、やつらの手引きで徳川清山が脱獄した。護送車に乗っていやがった!」

『何だと!?そんなばかな!!』

一条も声を荒らげて言った。

「さて、俺達は失礼するぞ。仮面ライダー。」

清山が言うとシザースと共にその場から姿を消した。




クラブドーパント・シザースの正体が、ついに明らかになりました。
お察しの通りですね。笑

須藤ファンには大変申し訳ないですが、リセットされた龍騎世界でも汚職刑事であることには変わりないと思い、いっそのこと敵幹部として扱いました。

そして、満を持して(?)仮面ライダーバースこと後藤慎太郎の登場です。
元警察官で、世界平和の為に鴻上ファンデーションへ籍を置き、オーズとグリードの戦いが終わると警察官へ復帰したという経緯がありました。
隠れ警察ライダーとして登場させました。

後藤さんが何故G5ユニットにいたのかは後日明らかになります。

しかし、須藤を拘束するはずの嘘が現実となってしまい、シェードの黒幕・徳川清山の脱獄を許してしまいました。また、警視庁襲撃により加賀美総監の行方は一体…。

次回、照井視点での話です。
お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。