仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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第2話

だが、俺達の調査も虚しく、新たに犠牲者が出てしまった。

「すまねぇ、ジンさん…。俺が不甲斐ないばかりに。」

俺は、被害を防ぐことができなかった自分に苛立ちを感じていた。

「いや、お前らが謝ることじゃない。本来なら、警察である俺達が何とかしなきゃならねぇこった。」

ジンさんがフォローしてくれたが、それでも自分が許せなかった。

「…だが。」

ジンさんは続けた。

「これまた、奇妙なことがあったんだ。」

「奇妙なこと?」

フィリップが尋ねた。

「今回の件、遺体の近くにガイアメモリが無かったんだ。」

「何?」

メモリが無い?

今まで破壊されてきたメモリ。しかし、今回はメモリが見当たらない。

となると…。

「犯人の狙い。メモリの破壊が目的じゃないのか…。」

「どういうこと?」

隣で聞いていた亜樹子が聞いてきた。

「ジンさん。僕を遺体安置所まで連れていってくれませんか?」

フィリップがジンさんに提案した。

「あぁ…。いいが、何するつもりだ?」

「被害者のコネクトから、何のメモリを使ったか調べるのさ。」

フィリップは答えた。

「え、何で?」

亜樹子には理解できていなかった。

「フィリップなら、コネクトに触れることで、使用されたメモリが何かを見つけることが出来るんだ。」

俺は答えたが、

「うん、知ってるけど。」

何だよ。素で思ってしまった。

「それをしてどうするの?」

「もし犯人が僕たちの模倣が目的なら、全てのメモリを破壊するはず。けど、今回の事件ではメモリが残されなかった。考えられるのは、メモリの収拾。だとしたら、犯人の目的が僕たちの模倣ではない可能性が出た。だから、改めて被害者について調べるのさ。」

フィリップが答えた。

「なるほどな…。わかった、連れていってやる。」

「翔太郎、そっちは任せたよ。」

フィリップはジンさんと共に風都警察署へ向かった。

 

俺は俺で調査を続けたが、それらしい結果は残せずにいた。

風都イレギュラーズに聞いてみても、結果は同じだった。

犯人の目的は何なんだ?

そして、もう一つの疑問があった。

何故今になってT2メモリが流通しているんだ?

 

T2メモリ。それは俺達の敵だった園咲家と財団Xによって開発された次世代型のガイアメモリだ。

以前から出回っているメモリを上回る性能を誇り、それを用いて変身したドーパントもまた厄介だった。

T2メモリが絡んだ"ある一件"のせいで、この街は危うく地獄となる所だったんだ。

今回の事件で、あの時の記憶が鮮明に浮かび上がってきた。

そして、"あいつ"のことも…。

 

きゃあああああ!!!!

うわあああああ!!!!

 

繁華街の方から悲鳴が上がった。

駆けつけると、そこにはドーパントが暴れていた。

「フィリップ、ドーパントだ!次に狙われるターゲットかもしれねぇ!」

俺はすぐにフィリップに連絡をした。

しかし、

「悪いね、翔太郎。今、遺体からメモリを読み取っている所で手が話せないんだ。切るね。」

「あ、おい!?フィリップ!!」

俺の声に対して帰ってくるのは、通話が切れた音だけだった。

フィリップは一つのことに興味を持つと他のことには何も手を付けたがらない。あいつの悪い癖だ。

「仕方ねぇ!」

俺は、普段使用するダブルドライバーではなく、もう一つのドライバーを装着した。

そして、迷わず黒いガイアメモリを取り出した。

 

ジョーカー!

 

「変身!」

俺が手にしたのは"切り札の記憶"を擁するJ(ジョーカー)メモリ。それをロストドライバーに装填し、スロットを右へ傾けた。

 

ジョーカー!

 

すると、ベルトを中心に黒い鎧が身体を包み始めた。

俺はWとは異なる黒い仮面ライダー・ジョーカーに変身した。

 

「さぁ、お前の罪を数えろ!」

いつもなら決まる台詞も、独りだと寂しいもんだぜ。

そう思いながらも、俺はドーパントに攻撃を仕掛けた。

探偵といえど、密偵がその全てではない。やむを得ず戦うことも想定し、戦闘術は身につけておく必要がある。俺はおやっさんにしこたま訓練され、その術を身に付けた。だからこそ、例えドーパントだろうと戦いに怯えたりはしない。

やつは、全身刃物みたいな姿をしていた。さしずめ"刃の記憶"を宿したメモリって所だ。

ならば、戦い方は簡単だ。

刃物を持つ相手と戦う時に、まず気を付けないといけないことは、斬撃である。

それは人の腕の可動範囲内で生まれるため、上下、左右、斜めに振り切ること、そして刺突が考えられる。

次は刃物のリーチ。ナイフの様な短いものから刀の様な長いものまで、そのリーチから生まれる攻撃範囲も予測しなければならない。

そして、今回のケースに限り、斬撃波も想定する必要がある。例え、刃物による物理的な攻撃を避けたとしても、斬撃波により致命傷を受ける可能性もある。

 

それらの事を想定し、俺が導きだした結論。

一つ。全ての斬撃を見切る。

二つ。支点となる手を攻撃し、武器を落とす。今回は腕と刃物が同化しているため、その支点となる関節を狙う。

三つ。刃物を破壊する。

 

ドーパントはその刃で俺を切りつけようとする。が、予想通り、上下、左右、斜め、刺突、その全てをかわした。

ドーパントはすぐに手を変え、斬撃波を飛ばす。予想通り。俺は見切ってかわした。

やつの攻撃パターンを把握した所で、俺は懐に飛び込み、肘を拳で打撃した。それでも、ドーパントは片方の腕の刃や脚の刃で反撃を試みた。

悪いな。それも想定済みだ。

俺は、それらをかわし、各々の関節に打撃を加える。

「おりゃあ!」

怯んだ所で、俺の渾身の一撃が、やつの刃を叩き折った。

「とどめだ。」

ドーパントは戦意を喪失していた。だが、メモリブレイクしなければ、いずれ過ちを重ねる。悪く思わないでくれ。

俺がベルトからメモリを抜こうとした時だった。

「何!?」

突然、ドーパントが苦痛の声を上げた。目に見えぬ何かの攻撃を受けていたからだ。

いや、正確に言えば、"目にも止まらぬ速さ"で攻撃されていた。

ドーパントはその身体を地に伏せると、元の人間の姿に戻った。

すると、倒れたメモリ所有者の前にまるで黒い影のようなドーパントが現れた。やつが何をしようとしているのか、俺にはわかった。

「やめろ!!」

俺は叫んだ。しかし、それも虚しく、ドーパントはメモリ所有者に止めを差した。急所を狙った一撃。俺の目の前でメモリ所有者は即死した。

そして、ドーパントはメモリ所有者から抜け落ちたメモリを拾い上げた。

「見つけた。刃の記憶、S(ソード)メモリ。」

見つけた?やはり、メモリを狙っていたのか。

「おい、お前!!」

俺はメモリ所有者を助けられなかった怒りに任せ怒鳴った。

「仮面ライダーW、いや、ジョーカーか。貴様には用はない。」

ドーパントはこちらを振り向いて言った。

「お前に無くても、俺にはある!そいつをどうするつもりだ!」

俺はSメモリを指して言った。

「答えるつもりはない。」

ドーパントは言った。

「しかし、用が無いとはいえ、姿を見られた以上生かしておくわけにはいかんな。」

ドーパントは攻撃の構えを取った。

「ハッ。いいぜ、相手になってやる!」

とは言ったものの、こいつはただ者じゃないことは肌で感じていた。

風貌からドーパントだろうが、わかっている情報が"忍者のように素早い"こと、そして"急所を的確に狙う正確な技"を持っていることだけだ。まずは、やつの出方を伺うか。

しかし、既に相手は動いていた。

ギリギリの所で攻撃をかわしたが次の一手はかわしきれなかった。

 

速い。次の攻撃までもが予測できない。

 

次々と攻撃が飛んでくるのを、俺はひたすら耐えた。しかし、徐々に体力も削られ、どこまで耐えられるかわからなかった。

 

見極めろ、やつの攻撃パターンを。

 

攻撃に耐えながら俺はチャンスを待った。

「しぶとい!」

ドーパントは痺れを切らして言った。そして、そこにチャンスが生まれた。言葉を発したことで一瞬だが、攻撃に隙が生じた。俺は自分の拳を相手に叩き込んだ。

「うっ」

動きが鈍った。間髪入れずに俺は拳を、蹴りを相手に叩き込んだ。

しかし、先のダメージで呼吸が乱れていたこともあり、こちらの攻撃も長くは持たなかった。

「はぁ、はぁ…。やるな、ジョーカー。」

「はぁ、はぁ…。」

互いに息が上がっていた。

先に動いたのは、ドーパントだった。

「まぁ、姿を見られた所で我らの計画を止められる訳がないか、今回は痛み分けとして身を引こう。」

「待て!」

俺が叫ぶと同時に、ドーパントは姿を眩ました。

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