仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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<剛視点>


第22話

「ちっ!やつらを逃がすな!」

アサシンが先に向かった進兄さんとムカつく探偵達の行く手を遮るよう他のネオシェード構成員に指示を出したが、警官達がその行く手を遮るように立ちはだかった。

「無駄だぜ、アサシン!」

俺はアサシンに向かって言った。

「こいつがネオシェードの幹部か!」

俺の隣には、加賀美がいた。

「また新たなライダーってか!」

アサシンが挑発するように言った。

「俺の友が言っていた!」

「あん?」

「へ?」

加賀美の言葉にアサシンと俺は声が漏れた。

「この世に不味い飯屋と、悪は栄えないってな!!」

加賀美が言い放ったが、意味が分からなかった。

「何言ってんの、お巡りさん?」

「え…。俺の友の言葉だよ!こう、戦う前にガツン!と言うんだ!」

「え~…と、まぁいいや。」

俺は考えることをやめた。

「面白いデカだなぁ。ま、二人まとめて死ぬんだなぁ!」

アサシンは余裕を見せて言った。

「何言っちゃってんの?お前、前に俺に負けかけたじゃん!」

「あんときはな。だが、俺にだって奥の手がある!」

アサシンはそういうと、口から再びガイアメモリを取り出した。

そして、銀色のアダプターと思われる物を取り出し、メモリに装着した。

 

アサシン・アップグレード!

 

アサシンは再びメモリを取り込んだ。すると、その姿は変わり、まるで絵に描いた死神のような風貌になった。

「パワーアップしたのか!?」

加賀美が言った。

「悲しいことに、俺の身体はメモリのレベルアップに耐えられんからな。だが、こいつで俺も強くなったわけだ!」

アサシンは構えた。

「…お巡りさん、俺の速度についてこられるか?」

俺はシグナルチェイサーを手にしながら、加賀美に言った。

「は?それはこっちの台詞だ。俺はお前より前から音速を超えてるんだよ!」

加賀美の手には青いクワガタ・ガタックゼクターが収まっていた。

「へっ!」

俺と加賀美は互いに顔を合わせ、笑って見せた。

 

「レーッツ!」

「「変身!!」」

 

シグナルバイク・ライダー!

チェイサー!!

 

HENSHIN!

 

俺達の身体はそれぞれのライダーの姿に変わった。

 

「追跡!撲滅!!いずれも~、マッハ!!!」

「仮面ライダーぁぁぁぁぁぁ…!」

「チェイサ~…マッッッッッッッッッハァ!!」

 

「何だそれ?」

ガタックが聞いてきた。

「決め台詞ってのは、こういうんだよ。インパクトが大事ってこと。」

「って言うか、お巡りさんそんな姿で俺の速度に追い付けんの?」

俺はガタックの重装甲を見て笑いながら言った。

「言ったはずだ。俺はお前よりも前から、音速を超えている。それに、インパクトなら負けてないぜ!」

「え?」

加賀美が自信満々に言いながら、ベルトに装填されているクワガタのアゴを開いた。

「キャストオフ!」

 

Cast off!

 

「うおっ!!!?」

電子音と共に弾けとんだ外装に俺は驚いた。

 

Change!STAGBEETL!!

 

「マジかよ…。俺より派手じゃん!」

「だろ?」

何だか負けた気がした。

「…。お前ら、漫才は済んだか?ならさっさと死になぁ!」

アサシンが仕掛けてきた。また、それを合図に回りにいたネオシェードの怪人達も動き出した。

「させるかよ!」

俺はとっさにベルトのスイッチを押し、重加速を生み出した。

「なん…だ…!」

ガタックは重加速に捕らわれ、その動きが急激に遅くなった。他の怪人達も同様だった。

しかし、アサシンは何食わぬ顔をして迫ってきた。

「何!?」

「言ったろ!俺はパワーアップしたんだ、この前の様にはいかんぞ!」

重加速の中を動けるということは、それを凌駕する程の加速度を持っているというのか。

「く…ろ…」

ガタックが何かしようとしているが、構ってる場合ではない。

アサシンは以前よりも攻撃の鋭さが増していた。

重加速の中でも、それだけ動けることに驚いた。それどころか、今の俺はデッドヒート以上に速いはずなのにそれに合わせて攻撃してくる。

正直に言って、受け流すのが精一杯だった。

「さっきまでの威勢はどうしたぁ?」

アサシンは余裕を見せていた。

「くそっ!」

俺はゼンリンシューターで射撃してみせるも、アサシンは容易く避けていく。

「遊びは終わりだ!」

アサシンの振り上げた脚が手にしたゼンリンシューターを蹴り飛ばした。その反動で体勢を崩した俺に、やつは容赦のない一撃を与えた。

「ぐあっ!」

俺はついに地に伏せてしまった。

「これで終わりだ。」

アサシンが止めを刺すべく構えた。

 

Clock up!

 

ガキィン!

 

「まだ、終わりじゃない!」

アサシンの攻撃をガタックが両手に持った剣で防いでいた。

「バカな!?」

アサシンは狼狽えていた。

ガタックはアサシンの攻撃を弾き返すと、俺の腕を取って立ち上げさせた。

「行くぞ!」

「おっけぃ!!」

俺達は再びアサシンに立ち向かった。

「ええい…!」

アサシンも襲いかかってきた。

タイマンだと食って掛かっていたのか、高速の世界にいる二人のライダーに対してアサシンは徐々に押されていった。

俺とガタックは初めて共闘するのだが、俺の攻撃にガタックが合わせてくれている。さすが先輩ライダーと言った所か。

「ぐっ…。ま、負ける訳には…。」

アサシンは尚も迫ってきていた。

「一気に畳み掛けるぜ!」

俺は最後の切り札を取り出した。

「来い!ハイパーゼクター!!」

ガタックが左手を高く掲げると、ガタックゼクターより一回り大きいカブトムシが現れ、その手に収まった。

 

シグナルバイク・シフトカー!

ライダー!!

 

マッハ!チェイサー!!

 

Hyper Cast off!

 

Change!Hyper STAGBEETL!!

 

それぞれベルトに装填・装着すると、新たな姿に変わった。

「まだそんな手が…。くそおおお!!」

「諦めろ、アサシン!」

 

Hyper Clock up!

 

ハイパーガタックが言うと、カブトムシの背にあるスイッチを押した。

すると、重加速の中にも関わらずさらに高速で動き出し、アサシンを攻撃していた。

「ぐあっ!!」

ハイパーガタックの攻撃で、ついに、アサシンはその身を宙に投げ出した。

「今だ!」

 

Maximum Rider Power!

One Two Three!

 

「ハイパーキック!!」

 

Rider Kick!!

 

「終わりだ、アサシン!」

 

ヒッサーツ!

フルスロットル!!

 

「はあああああああ!!!!」

俺は高く飛び上がり、アサシン目掛け飛び蹴りを放った。

「でぇやあああああ!!!!」

そして、挟み込むようにハイパーガタックも中段蹴りを放った。

「ぐあああああああ!!!!」

宙に飛ばされたアサシンは成す術もなく二人のライダーキックを受けた。

 

ちょうど、俺の重加速が解除されると同時に、アサシンは忍野の姿に戻った。

排出されたガイアメモリは、アダプター共々砕けていた。

「く…そ…。俺は…家族のため…に。ここ、まで…。やってきた…んだぞ…。」

忍野は声を絞り出すように言った。

「家族か…。俺にも、録でもない親父がいたさ。だがそいつは、俺や姉さんのことを家族だなんて思っちゃいなかったがな。けど、家族のことを想えるあんたの方が随分マシか…。」

俺は自然と言葉にしていた。

「家族のためとはいえ、お前がやってきたことは許されることじゃない。家族のことを想うなら、その分刑務所で罪を償え。忍野瞬矢、お前を逮捕する。」

ガタックが言った。

「罪…、か…。ふふっ」

そう呟くと忍野はその場で気を失った。

 

「おいおい、俺達を忘れちゃいねぇか!」

重加速を解除したことで身動きが取れるようになった怪人達が俺達を囲っていた。

「くそっ。雑魚どもがうじゃうじゃと!」

俺は再び構えた。

その時、シグナルチェイサーが何かに反応するかのように震えていた。

「剛君!ここは俺に任せて、泊刑事の所へ!」

それを見たガタックが言った。

「けど!」

「俺は、戦いの神・ガタックだ!これくらいどうにでもなる!」

ガタックが自信満々に言った。

「…わかった!」

俺はシグナルチェイサーが示す所へ向かった。




アサシン・ドーパントこと忍野瞬矢との決着が着きました。

最速ライダーとして、マッハ&ガタックというタッグで組ませてみました。
Clock upとマッハの超加速を実現させたかったのですが、敢えて重加速の世界の中での戦いを描きました。
重加速の中でガタックが対等に動ける為にClock upし、さらに加速している描写を描くためにハイパーバトルビデオ以来となるハイパーガタックのHyperClock upと設定しました。
それに合わせて、同じくドライブサーガ以来のマッハチェイサーも登場させました。
それだと相手のアサシンも可哀想だったので、ガイアメモリアダプターを登場させ、アップグレードアサシンとして戦わせてみました。

次回、VSリキッド・ドーパント
対するライダーは…。

次回をお楽しみに!

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