仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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照井視点


第23話

「ここまでだな、岡村!」

俺は、リキッドに向かって言った。

「ちぃっ!どいつもこいつも俺達の邪魔ばかりを!」

リキッドは苛立ちを隠さずに言った。

「そこまでして、この国を破滅させたいのか!?」

朔田が言った。

「ああ、そうだ!清山先生の思い描く理想の実現の為に、この国は邪魔なんだよ!」

リキッドが吐き出すように言った。

「お前達の理想など、地獄でしかない!この国の平和の為にも、お前達を倒す!」

後藤が言った。

「ふんっ…。だったら、俺の命に変えても、この国を潰してやる!」

「うぉおあああああああああああ!!!!」

リキッドは叫び声を上げると同時にその身体から莫大なエネルギーが発せられた。

リキッドの身体に金のラインが浮かび上がり、先程よりも殺気立っていた。

「くっ。まさかレベルアップしたのか!?」

朔田が言った。

「ハァ…、ハァ…。来い…!」

レベルアップしたリキッドが手招きして挑発してみせた。

「ならば、やることは一つだ。行くぞ!」

 

アクセル!

 

メテオ、レディ?

 

俺はガイアメモリを、後藤はセルメダルを取り出し、朔田はベルトのスイッチに手をやった。

 

「変…、身!」

 

アクセル!

 

「変身!」

「変身!」

 

俺達は、アクセル、バース、メテオへと姿を変えた。

 

「さぁ…、振り切るぜ!」

「この国の平和は、俺が守る!」

「お前の運命は、俺が決める!」

 

俺達はレベルアップしたリキッドに立ち向かった。

 

エレクトリック!

 

俺はEメモリをエンジンブレードに装填、剣に電気を帯びさせた。

 

マーズ、レディ?

OK、マーズ!

 

メテオはガントレットのスイッチを操作し、右腕に火星を模した炎のグローブを装着した。

 

「いいか、リキッドに物理攻撃は効かん。水に対抗できる力で戦うんだ!」

俺はバースとメテオに言った。

「わかりました。なら、俺がヤツの気を引きます。その間にアクセルとメテオで攻撃してください!」

バースが先行した。

バースの攻撃に合わせ、リキッドは軽くあしらっていた。

しかし、バースはあくまでリキッドの気をそらすことに専念している。バースの攻撃の間を縫って、俺はリキッドに向けエンジンブレードを振るった。

「そんなものぉ!!」

リキッドは右腕をサーベル状に変え、それでエンジンブレードを受け止めた。

「まだだ!ゥアチャア!!」

リキッドが動きを止めた隙にメテオが炎の拳を叩きつけようとした。

「ぐうおおお!!!!」

しかし、リキッドは俺のエンジンブレードを力ずくで弾き返し、回し蹴りの要領でメテオを蹴り飛ばした。

「うわっ!」

さらに、バースに向けて光弾を撃ち込んだ。

「ぐっ!」

レベルアップしたことで、ヤツはさらに強力になっていた。

「ハハ、ハハハ…、うぐっ…。」

笑いかけていたリキッドが苦しそうな声をあげ、片膝を付いた。

やはり、レベルアップに身体がついてこられていないようだ。

「メモリを手放せ!それ以上は危険だ!」

俺は咄嗟にリキッドへ言った。

「ハァ、ハァ、だ、黙れ!」

それでも、リキッドは立ち直した。

「何て執念なんだ…。」

バースが呟いた。

「ここでお前達を潰す!そうすれば、清山先生が喜ばれる!はあ!!」

リキッドはそう言うと、自身の分身を二体分生み出した。

「何!?」

三体のリキッドがそれぞれ攻撃を仕掛けてきた。

応戦するも、水に対抗できる力を持たないバースだけが押されていた。

「くっ、うわっ!」

「バース!!」

メテオが叫んだ。バースの援護に行きたいが、リキッドがそれを許そうとしない。

「はん…。ここで死ね!!」

一体のリキッドが両手にエネルギーを貯め始めた。

「こんな所で…!」

その時だった。

 

バラバラバラバラバラバラバラバラ!!

 

上空からプロペラの音が聞こえてきた。

「ぐあ!」

バースに止めを刺そうとしたリキッドを上空から砲撃が襲い掛かった。

「あれは!?」

ヘリが十数機現れた。

そのヘリの幾つかの機体に"KOGAMI Fund"と印されていた。

「鴻上ファンデーション!?」

バースが声を上げた。

ヘリが高度を下げると共に、中から次々とG5が降りてきた。

その中に、ドラム缶のような物を背負い、銃のような物を手にした女性の姿もあった。

「はぁ!」

彼女はリキッドに向けて銃撃していた。

「ぐっ!何だ!?」

銃弾はリキッドの身体をすり抜けていくものの、突然の攻撃に退いた。

「里中か!?」

バースが里中と呼ぶ女性に言った。

「お久し振りです、後藤さん。」

「里中、どうしてここへ?」

「仕事で。」

里中は淡々と答えた。

「それよりも、後藤さん。貴方こそ何て戦い方を。さしずめ、メダルの消費を気にして手こずっている感じですか?」

「ゔ…。」

どうやら図星らしい。

確か、セルメダルは有限でありバースとして戦う度にそれを消費するとか。セルメダルはかつての戦いで大半を失っているとも言っていた。

「そんなことだろうと思った、鴻上会長からの餞別です。」

里中は背負っていた物をバースに渡した。

「セルメダル!?こんなに沢山…。」

バースは驚いていた。

「それと、これも。」

さらに里中は剣も渡した。

「メダジャリバー?しかし、これは…。」

「うちの技術部で作られたバース仕様になってます。セルバッシュモード対応です。」

「それから、会長からのメッセージです。」

里中はタブレットを取り出し、バースに見せた。

「貴様ら、無視をするな!ぐあ!」

体勢を立て直したリキッドが迫ってきたが、再び里中が銃を突き付けて放った。

「仕事の邪魔をしないで下さい。」

里中は何事もなかったかのように、バースにタブレットを見せた。

『ハッピー!バースディ!!後藤君!再びバースとして奮起した君の欲望!すばらしい!!』

金色のスーツを身に纏った恰幅の良い壮年の男が言った。

「鴻上会長!」

「これ録画です。」

「あ、うん…。」

里中の一言でバースが黙った。

『この映像を見ているということは、君のことだ、セルメダルをケチって苦戦している所だろう!はっきり言って、ナンセンス!』

「うぐ…。」

『だから、君が心置きなく戦えるよう、私のヘソクリを送った!存分に使いたまえ!何、心配はいらん!財団Xが何度もグリードを甦らせたお陰で、セルメダルも沢山生れたのだ!まだまだ欲望の渦は止まらんよ!ワッハッハッハ!!』

鴻上はそう言うと、映像が止まった。

「以上です。ちなみに、G5の輸送も会長のご厚意によるものです。」

さすがというか、何者なのだろうか、鴻上という男は。

「里中、すまない。ありが…。」

「あ、定時になったので、私帰ります。お疲れ様でした。」

そう言うなり、里中は何処へと姿を消した。

「…噂には聞いていましたが、癖の強い方々でしたね。」

メテオが言った。

「…。アクセル、メテオ。心配をかけました。でも、これで俺も戦えます!」

バースは再び奮起した。

「ならば、早急に対処しましょう!」

 

メテオストーム!

 

メテオはアストロスイッチと呼ばれるものを取り出し、起動させた。

 

メテオ!オン、レディ?

 

そして、スイッチをベルトに装填し、ギア状のパーツを回転させた。

ベルトを中心に姿が変わっていき、新たなメテオ、メテオストームの姿になった。

「それがどうした!行けっ!」

三体のリキッドが両手からそれぞれ光弾を撃ち出した。

「ホォ~、アチャチャチャチャ!!」

メテオストームは背にあるシャフトを棒術の如く回転させ、光弾を次々と弾き返した。

「今です!」

メテオストームの合図に、俺とバースは飛び出した。

 

エレクトリック・マキシマムドライブ!!

 

セルバースト!!

 

俺とバースの剣が、二体のリキッドを切りつけた。

切りつけられたリキッドの分身は水に戻るように消えた。

「バカな!?」

リキッドは狼狽えたが、俺達はそれを見逃さなかった。

「「「はあ!!!」」」

俺達の剣、それとメテオストームのシャフト、それぞれがリキッドの身体に振り下ろされた。

「ぐわあああ!!!!」

ついにリキッドが膝を付いた。

「終わりだ、岡村!」

 

アクセル・マキシマムドライブ!!

 

キャタピラレッグ!

セルバースト!!

 

リミットブレイク!

 

俺達は飛び上がり、リキッドへ飛び蹴りを放った。

「「「はああああ!!!!」」」

「ぐわああああああ!!!!」

リキッドは為す術もなく、三人のライダーキックを受け、地に伏せた。

「絶望がお前のゴールだ…!」

岡村の姿に戻り、身体からガイアメモリが排出されると、それは間もなく砕けた。

「岡村…。お前の求める理想など、ただの幻想に過ぎん。自身の過ちを償え。」

俺は気を失っている岡村に対して言った。

「岡村敬介。国家反逆罪により逮捕する!」

メテオが言うと、回りで様子を伺っていた警官達により身柄を拘束された。

しかし、まだネオシェード構成員がにじり寄っていた。

「くっ。幹部を捕らえた所で大元を絶たんことには変わらないか!」

俺は構え直した。

しかし、

「アクセル!貴方は探偵達の元へ!」

「桃瀬と徳川を捕らえて、戦いの終止符を打ってください」

バースとメテオが言った。

「すまない!」

俺は左達の元へ向かった。




リキッド・ドーパントもとい、ネオシェードのリーダー、岡村敬介との決着がついに着きました。

アクセル、バース、メテオ。
2期2号ライダーによる戦いの場面を描きました。いかがでしたでしょうか。

バースが満足に戦闘出来ないのは、グリードとの決戦において、大多数のセルメダルが失われてしまったため。しかし、抜け目がないのがこの男・鴻上会長。
そしてオーズ以降、財団Xにより何度も甦ったグリード達。それによって必然的にセルメダルも再び集められた、という解釈をしました。
ちなみに、リキッドに対抗する為の力として、空間さえも切る=切れないものでも切れるということから、メダジャリバーも用意しました。バース仕様ということで、スキャニングチャージではなくセルバーストで技が出せます。
さらに、バースにライダーキック技が(確か)無かったため、キャタピラレッグで飛び蹴りするという技も追加しました。

トリプルライダーキックがしたいがために、アクセルは敢えて通常形態で戦いました。

メテオストームも登場しましたが、やや弾除け要員気味でした。笑

一方のリキッド・ドーパントはレベルアップし、リキッド・ドーパントL2を登場しました。
リキッドのモチーフが某特撮作品の巨大ヒーロー故にレベルアップ後は身体に金のラインが発生するという、どこぞのV2っぽい見た目になりました。

次回、VSシザース。
"彼ら"ががんばります。
お楽しみに!

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