仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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第26話

<左視点>

 

プリズム!

 

俺達はプリズムサーバーから召喚されたプリズムビッカーを手にし、プリズムソードを抜き取った。

俺達とアクセル、そしてエターナルはシャングリラと、ドライブとマッハは徳川怪人態と戦った。

「加頭さんの敵ぃ!!」

シャングリラが迫ってきた。俺達は応戦するが、俺達の攻撃を全て見切ってかわし、一方的に攻撃をしてきた。まるで、俺達の攻撃を読んでいるかのように。

『そうか、やつの力は"理想の体現"。全ての理想を反映させる力だ!』

「どういうことだ!?」

フィリップの言葉にアクセルが言った。

『つまり、僕達が"こうしたい"という考えが全てやつに反映される。だから、やつはそれを逆手に取って僕達の行動を読んでいるんだ。』

「それって、俺達が地球の本棚とリンクしてるのと似たような状況じゃねぇか!」

俺は思わず言った。

それでは俺達がどう行動しようにもシャングリラには筒抜けということになる。

これでは勝ち目がない。

だが、一人。それでも余裕を見せる男がいた。

「ふん…。理想の体現か…、面白い!」

エターナルが単身で挑んだ。

「ハアァ!!」

「ぐぅ!」

しかし、エターナルの攻撃はシャングリラに届いていた。

「何故やつの攻撃は通る?」

アクセルが言った。

シャングリラはエターナルの攻撃だけかわせていない。むしろ、エターナルの攻撃に恐れすら見せていた。

その瞬間、俺の中で何かがはまった。

「成る程、そういうことか!」

『何か分かったのかい?』

フィリップが聞いた。

「桃瀬はエターナルの、いや大道の完全復活を望んでいなかった。それは、もし敵に回ったときやつの理想を体現できないからだ!」

俺は続けた。

「やつは元々死人。死んだ人間に理想も何もありゃしないってことだ。」

「成る程、だがそれが俺達に取っての希望となるのか。皮肉だな…!」

アクセルが言った。

「照井!エターナルに合わせられるか!?」

「俺に質問するなっ!!」

俺達はエターナルの攻撃に合わせるように攻撃に加わった。

俺達の攻撃を読めてもエターナルの攻撃だけは読めない。怒涛の攻撃の中に一点だけ見えない攻撃が加わると言える。そうなると、シャングリラは俺達の攻撃に対応できなくなっていた。

「ぐはっ…。こ、こんな…こんな事がぁ!!」

シャングリラが言葉を絞り出すように言った。

『シャングリラ、お前の総てを閲覧した。もうお前に勝ち目はない!』

「だが、お前達の理想が見えないだけだ!!」

突如、木の根のようなものが地面から現れ、俺達とアクセルの身体を縛り付けた。

「しまった!」

だがエターナルは間一髪難を逃れた。

「貴様の理想なぞ、俺が潰してやる。」

エターナルはそう言うと自身のベルトからガイアメモリを抜き取った。

そしてそれをエターナルエッジに装填しようとしていた。

「まさか、"アレ"をするつもりか!?」

アクセルの言葉を待たずして、俺にもエターナルが何をしようとしているのか分かっていた。

『今ここで"アレ"はまずい!!』

「止せ、大道!!」

俺達は叫んで言った。

「…。」

エターナルは俺達を一瞬見たが、エターナルメモリをエッジに装填した。

 

エターナル!

マキシマムドライブ!!

 

「ぐああああ!!」

シャングリラが苦痛の叫びを上げた。

それと同時に、俺達とアクセルを締め付けていた根が崩れ落ちた。

ところが、俺達の身体には何も起きなかった。

「大道、お前…。」

「…ふん。」

エターナルは鼻で笑った。

「く、そ…。メモリの、力が…!」

シャングリラは苦しんでいた。

『今だ、翔太郎!』

 

エクストリーム!

マキシマムドライブ!!

 

アクセル!

マキシマムドライブ!!

 

エターナル!

マキシマムドライブ!!

 

俺達はメモリの力を引き出し、高く跳躍した。

『「終わりだ、桃瀬!!」』

 

「「『「ハアアア!!!!」』」」

 

「ゔあああああああ!!!!」

俺達の飛び蹴りがシャングリラに叩き込まれた。

「さぁ…。」

エターナルが右手を真横に上げた。

「地獄を楽しみなぁ!!」

そして親指を下に突き立てた。

桃瀬はシャングリラから元の姿に戻り、そのまま地に伏せた。

 

 

 

 

<泊視点>

 

「もう諦めろ、徳川!」

俺は徳川怪人態に向かって言った。

「ここまできて、諦めるものかあ!!」

徳川怪人態はそう叫ぶと、その姿を消した。

「消えた!?」

『いや、超高速で移動しているんだ!』

ベルトさんが言った。

「だったら、俺に任せろ!」

 

ズゥート・マッハ!

 

マッハも同様に超高速で移動を始めた。

互いに高速で攻撃しあっているが、まもなくマッハだけが弾き飛ばされた。

「うわっ!!こいつ、強い!」

マッハをも上回る戦闘力があるのか。俺は戦慄した。

『進ノ介!運転交代だ!』

ベルトさんが言った。

「わかった!」

そう答えると、俺の意識は身体から離れ、ベルトさんがその身体を使って戦い始めた。

『例え高速でいようと、私達仮面ライダーは負けない!』

ベルトさんはハンドル剣を構えた。

『っ!そこか!』

「ぐはっ!」

ベルトさんは何もない空間に向かって剣を振るった。しかし、それは間違いなく徳川怪人態の身体を捉えていたのだ。

「ナイス、ベルトさん!」

『私にかかれば、高速で動いていても捉えることは可能だ!』

ベルトさんが得意気に言った。

「お前達…。SHOCKERが世界を意のままに操ることを許すというのか!?」

徳川怪人態が言った。

「言ったはずだ、ショッカーもネオシェードも俺達が倒す!」

俺は言った。

「お前達のやり方を許すわけあるかよ!」

マッハも続いて言った。

「もういいだろ…。お前がこの国を守りたい気持ちは分かった。だから…。」

「だから何だ!?」

俺の言葉を遮るように徳川怪人態は言った。

「お前達にわかるものか…。SHOCKERの闇を、それを目の当たりにした、俺の恐怖を…!」

徳川怪人態が言った。

「それを善しとする日本政府を、許す訳にいくか!!」

再び徳川怪人態が迫ってきた。

『まだ来るのか!』

ベルトさんが構えた。

「ベルトさん、俺が戦う。変わってくれ!」

俺はベルトさんに言った。

『…いいだろう。』

すると、俺の意識は再び自身の身体に戻った。

「剛、俺達があいつの思いを受け止めるんだ!」

俺はマッハに言った。

「は?どういうこと?」

マッハが聞いてきた。

「詳しくはわからない…。ただ、やつも何か呪縛に囚われているんだ。それを俺達で助ける。」

俺はそう答えた。

人間を辞めてまでショッカーを潰そうとするその信念。徳川自身に何かがあったことは明らかだ。やつは、怨念ともとれる何かに囚われている。だとするならば、俺達が出来ることは、あいつの思いを受け止め、そして、倒すこと。

「どうやって助けるんだ!?」

マッハが再び尋ねてきた。

「戦う、そして勝つ!!」

「はっ、分かりやすくていいね!」

そして、俺とマッハは徳川怪人態に立ち向かった。

「ハッ!」

俺とマッハで、タイミングをずらしながら徳川怪人態に攻撃を加えていく。

「まだだ!」

徳川怪人態も負けじと応戦するも、徐々に押されていた。

「もらった!」

 

シグナルバイク・ライダー!

シグナルコウカーン!

マッハ・トマーレ!!

 

「ぐっ…!」

マッハはゼンリン・シューターからエネルギー弾を撃ち込んだ。それは徳川怪人態に直撃すると、その場で動きが止まった。

「くらえ!」

俺はトレーラー砲を構えた。シフトフォーミュラーを装填し、それを打ち出した。

「ぐわああ!!」

それは徳川怪人態に直撃した。そして、ついに膝を着いた。

「行くぞ、剛!」

「おっけい!」

 

ヒッサーツ!

フルスロットル!!

トライドロン!!!

 

ヒッサーツ!

フルスロットル!!

チェイサー!!!

 

俺達は高く飛び、徳川怪人態に向けて蹴りを放った。

 

「ぐああああああああ!!!!」

徳川怪人態は爆発した。爆煙が収まると、元に戻った徳川が倒れていた。

「お…のれ…、仮面ライダー、ども…。」

徳川は声を絞り出すように言った。

「…。俺達でショッカーを倒す。お前はもう、頑張らなくていいんだ。」

俺は徳川に言った。

「…。そう、か…。俺は…、もう、頑張らなくて、いい…のか。」

徳川は安堵の表情を浮かべると、その場で気を失った。

 

 

<左視点>

 

「やったな、みんな…!」

物影で様子を見守っていた一条が言った。

桃瀬も徳川も倒れた。それはネオシェードの壊滅も意味していた。これで、俺達の戦いは終わった。

しかし。

「いや、まだだ。」

エターナルが言った。

「何!?」

俺はエターナルを見て言った。

まさか、エターナルは俺達と戦うつもりなのか?

しかし、エターナルが見ているのは俺達ではなかった。

エターナルの視線の先に、ボロボロになりながらも立ち上がった桃瀬の姿があった。

「そうだ…。まだ終わりではない…!」

桃瀬が言った。

「桃瀬!?」

アクセルが言った。

「徳川清山は倒れたが、私はまだ立っている。財団Xの栄華の為にSHOCKERは潰さなくてはならない!そのために、貴様らを生かしてはおけん!」

桃瀬はそう言うと、再びSメモリを取り出した。

『そんな!メモリブレイクしたはずだ!』

フィリップが驚いて言った。

「ふふ…、このSメモリは新造されたT2メモリ!そう簡単にメモリブレイクはされん!そして、貴様らとの戦いでレベルアップも果たした!」

「何!?」

 

シャングリラ!

アップグレード!!

 

桃瀬はSメモリにメモリアダプターを装着し起動させた。

『よせ!レベルアップし、さらにアップグレードなんてしたら、身体が持たない!』

フィリップが言った。

「財団の為ならば命なぞおおおお!!!!」

そして、桃瀬は再びガイアメモリを取り込んだ。

すると、桃瀬の身体が宙に浮かんだかと思うと岩石や植物、洞窟に住まう生き物などが囲い始めた。桃瀬を中心に集まり始めた。それは徐々に膨らみ始め巨大化を始めた。

 




W、アクセル、そして味方になったエターナルのトリプルライダーキックにより、シャングリラ・ドーパントは撃破。
さらにドライブとマッハにより、徳川怪人態も撃破しました。

言うのを忘れていましたが、徳川怪人態はグ◯◯スワ◯ムを真っ黒にしたような姿。もちろんネイティブである為、クロックアップも可能。

詳しくは書きませんでしたが、徳川がシェード結成という狂気に囚われる原因にSHOCKERの"何か"を見てしまったという設定を設けました。SHOCKERの脅威から人類を守る為に行動を起こしたという、実は徳川も根っからの悪者ではなかったと、勝手に妄想して設定しました。

しかし、そうじゃないのがこの男、桃瀬理。
シャングリラメモリを暴走させた彼の行く末は…。

次回をお楽しみに!

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