仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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最終話

「何が起きようとしてるんだ!?」

ドライブが言った。

『おそらく、自分自身が"理想郷"になろうとしているんだ!』

フィリップが答えた。

「神にでもなろうというのか!?」

一条が言った。

「だが、俺達がさせない!」

俺は言うと再び暴走したシャングリラに向いた。

『このまま進化が終われば、手が付けられなくなる。でも、不安定な今なら!』

フィリップが言った時だった。

「ゔっ…。」

突然、エターナルが苦しみだし、片膝を着いてしまった。

「どうした、大道!?」

俺は思わず声をかけた。

「ハァ…、ハァ…。そろそろ、潮時のようだ…。」

エターナルが言うと、自身のベルトからEメモリを取り外し、俺に向けた。

「これを、お前が使え!」

エターナルが言った。

俺は迷わずそれを受け取った。

「左!」

アクセルもまた、Aメモリを渡してきた。

「進兄さんも!」

今度はマッハがシフトライドクロッサーをドライブに託した。

ドライブは頷いて答えた。

「やりましょう、左さん、フィリップ君!」

『「ああ!」』

 

サイクロン!

ジョーカー!

アクセル!

エターナル!

 

マキシマムドライブ!!

 

ビッカーシールドに4種のガイアメモリを装填した。

 

「フィリップ、最大出力だ!」

『ああ!!』

 

プリズム!

マキシマムドライブ!!

 

エクストリーム!

マキシマムドライブ!!

 

さらに2種のガイアメモリも起動させた。

プリズムソードに全6種のメモリの力が収束され、刀身が七色に輝きだした。

 

「ベルトさん!ひとっ走り付き合えよ!!」

『OK!』

 

カモnカモnカモnカモnカモnカモnカモン!!

カキマゼーrカキマゼーrカキマゼール!!!!

 

Fire! all Engines!!

 

全21種のタイヤが一つの白く輝くタイヤとなり、ドライブに装着された。

そして、マッハから受け取ったシフトライドクロッサーをブレスに装填した。

 

ヒッサーツ!

フルスロットル!!

マッハチェイサー!!!

 

ドライブは高く跳躍した。

 

『「ビッカー!ヘキサバースト!!」』

俺達はプリズムソードを振るった。それは長大な剣状のエネルギー刃となり、シャングリラをぶった切った。

 

「うおおおおおおお!!!!」

ドライブが蹴りを放つ。その背後にはマッハの幻影とチェイスと呼ばれた銀のライダーの幻影も蹴りをしていた。

ドライブの蹴りがシャングリラに届く直前に二つのライダーの幻影がドライブに重なり、勢いの増した蹴りがシャングリラを貫いた。

 

ドカアアアアアアアアン!!!!

 

暴走したシャングリラは爆散した。

そして、気を失った桃瀬とメモリブレイクされたSメモリが転がり落ちた。

 

「終わった…。」

俺は呟いた。

全ての力を出しきったからか、自然と俺は元の姿に戻っていた。

それはみんなも同様だった。

しかし、その瞬間ハタリと一人倒れこんだ。

「っ!?大道!!」

俺は倒れた大道に近寄り身体を起こした。

「ハァ…、ハァ…。」

大道は虫の息の状態だった。

「おい、大道!しっかりしろ!」

俺は叫ぶように言った。

「ダメだ、翔太郎。」

フィリップが言った。

「元々、ロイミュードのボディを介して甦った存在。そのボディに多くのガイアメモリの記憶を注ぎ込んだんだ。その負荷が限界に達したんだよ。」

フィリップが続けて言った。

「ハァ…、ハァ…。そういうことだ、探偵…。」

大道が弱々しく言った。

「園咲、来人…。お前のように、こいつみたいな…、相棒がいたなら…。ハァ…、ハァ…。俺の未来は…、違っただろうか…?」

大道がフィリップに向かって言った。

「…。それは、僕にはわからない。ただ、翔太郎と出会えたことは、今でも良かったと思っている。」

フィリップは答えた。

「そうか…。なら、あの時お前に倒されたことは本望だったな…。」

大道は俺を見て言った。

「そうだ…、探偵…。」

大道が言った。

「…何だ?」

「お前、あの時俺に向かって言ったよな…?俺は仮面ライダーじゃない、と…。」

「ああ。だが、前言撤回だ。お前も、俺達と同じ仮面ライダーだったんだ。」

俺はそう答えた。

「ふ…。なら…、良か…。」

言い切る前に、大道は力尽きた。そして、まるで風で舞う砂のように姿が消えると同時にロイミュードのボディに変わった。

「…じゃあな、仮面ライダー。」

俺はロイミュードボディに向かって言った。

顔を上げると、照井や泊、一条も静かに敬礼していた。

 

 

 

俺達が洞窟から戻ると、外は大戦を決していた。

岡村を始めとしたネオシェードの連中は一人残らずお縄に着いていた。無論、桃瀬と徳川もだ。

「一条さん!」

こちらに気づいた氷川が言った。

同じく気づいた警官達が近づいてきた。

「みんな…。よく戦ってくれた。ネオシェードの首魁、徳川清山ならびに共謀者である桃瀬理、両名の身柄を拘束した!」

一条が言った。

「これを持って、ネオシェードの壊滅を確認、我々の勝利だ!」

照井が告げると周りで歓喜の声が上がった。

「よくやった、一条君。」

加賀美総監が現れた。

「君達の尽力のお陰で、第一級犯罪組織ネオシェードを壊滅させることが出来た。これを持って、ZECTも解散とする!」

加賀美総監が告げた。

「あ゙~…、ようやく終わったぜ。」

俺は深くため息をついた。

「そうですね。でも、これで貴方達と共に戦えないと思うと、何だか寂しくも感じますね。」

泊が言った。

「確かにな。」

俺は思わず笑みがこぼれた。

「僕達が仮面ライダーている限り、そして誰かの平和を守るためなら、また何処かで巡り会うさ。その時は、また共に戦おう。」

「はい!」

フィリップの言葉に対し、泊は元気よく挨拶して返した。

「しかし、警視庁が崩壊したとなると、組織として建て直すには時間がいるな…。」

杉田が思い出したように言った。

その時だ。

 

バラバラバラバラバラバラ!!

 

再び1機の警察ヘリが飛来した。俺達の目の前に着陸すると、中からずいぶんガタイの良い、しかしとても柔らかな表情をした壮年の警官が降りてきた。

「心配はいらんよ。」

警官が言った。

「あ、貴方は!?」

周りの警官達が驚きのあまりどよめいていた。

「ほ(風の音)う元警視総監!」

風の音で上手く聞き取れなかったが、どうやら加賀美総監以前の警視総監らしい。

「貴殿方がネオシェードと戦っている間に、私が組織を立て直しておいた。建物こそ復旧に時間は掛かるが、明日からでも組織は機能する。」

元警視総監が言った。

「ありがとうございます!」

加賀美総監が礼を言った。

そして元警視総監が俺達と泊に近づいてきた。

「成る程…。君達が新たなライダーか。」

そう言うと、先ほどの優しそうな顔から一転し、鋭い目付きになり言った。

「この世界の未来、任せたぞ!」

 

 

こうして、ネオシェードによる長きに渡る大事件は幕を下ろした。

警視庁から来た警官達は復旧しつつある風都署で照井達と挨拶を交わした後、東京へ帰って行った。

「君達と共に戦えたこと、光栄に思う!」

「また会いましょう、左さん、フィリップさん!」

一条や泊と交わした握手はしばらく忘れないだろう。

剛は、二度と悪用されないように守ると泊に誓い、ロイミュードボディと共にアメリカへ帰った。

また、朔田はかつて学業に努めていた母校に寄ってから渡米すると言い、その場から去って行った。

そういえば、照井が警視庁から何か声をかけられたそうだが、断ったらしい。聞こうにも「俺に質問するな。」の一点張りで教えてはくれなかった。おのれ照井!

 

風都の方もネオシェードの傷跡が癒え始め、普段通りの街並みに戻りつつあった。

一つ奇妙なのは、俺達がしばらく風都から離れていたにも係わらず、あれから全く被害を受けた様子がなかったことだ。照井の帰りをいつもの事務所で待っていた亜樹子に様子を尋ねたが、「ほんとに凄かったんだから!」しか連呼せず語彙力が死んでいたため、よくわからなかった。まぁ、街が無事だったから良かったが。

 

お縄についたネオシェードの奴らはというと、みんな揃いに揃って孤島の超一級戦犯しか収容しないような刑務所で厳重に縛り上げられているそうだ。ただ、忍野だけは中でも深く反省しているようで模範囚として貢献しているようだ。おいそれと会いに行ける訳ではないから、顔を見れないのは残念だが、元気そうならば何よりだった。それから間もなく、警察からネオシェード幹部の逮捕が発表されたため、風都民からは歓喜の声と安堵の声が聞こえてきた。

 

ただし、一つ気掛かりなことが残ってしまった。

徳川が言った、"ショッカー"というワード。

幾度もライダー達の前に立ち塞がり悪事の限りを尽くしてきた集団。気になったからフィリップに検索を依頼したが、特に目立った情報はない、とのこと。

では、やつが口走ったあれは何だったのだろうか…。

未だに真相は謎だが…。

 

だが、この世界がどんな脅威に晒されようと、俺達仮面ライダーがいる限り戦い続ける。

それに仮面ライダーは一人じゃない。仲間との助け合い

、はたまた新しい仮面ライダーの誕生。平和を思う気持ちは時に共有し合い、時に受け継がれていく。

そう、仮面ライダーがいる限り永遠に…。

 

今日も風都に良い風が吹いている。そして、その風が再び奇妙奇天烈な事件を持ち込んで来る。

 

コンコン…

「あのう…、依頼したいことがあるんですけど…。」

 

「待ってたぜ、レディ?さぁ、俺達に任せな!」

 

 




暴走したシャングリラ・ドーパントに引導を渡した仮面ライダー達。

CJXの必殺技を発動するに辺り、アクセル、そしてエターナルのガイアメモリを用いました。
三人のライダーのガイアメモリで戦うW。やりたかったです。笑

それに負けじとドライブ・タイプトライドロンwithシグナルライドクロッサー。
トライドロン最後のタイヤ融合に加え、マッハ最終形態のシグナルバイク・シフトカーを使うという荒業。やりたかったです。笑

それらを受け、遂にシャングリラを撃破し、ネオシェード壊滅に成功しました。

ただし、ロイミュードボディの限界により大道克己は再び永遠の眠りに着くことになりました。

最後に登場した、ほ(風の音)う元警視総監。
劇場版仮面ライダーアギトに登場した当時の警視総監。
警官キャラ最後のゲスト登場でした。
加賀美陸がZECTとして活動していた裏で、警察組織再編に尽力されたという設定です。
元警視総監。誰なんでしょうか。笑


これにて、本作本編は終了となります。いかがでしたでしょうか。
長編の為、だいぶ設定が粗まみれだったかと思います。それでも楽しんで頂けたのなら幸いです。

今後は、本編の裏で起こっていた出来事をまとめた、サイドストーリー編を展開していく予定です。
サイドストーリー編からは、警官ライダーと関係が無くなりますのでご了承願います。

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