仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線   作:ラズベアー

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第16~18話の間に起きた、ネオシェードによる警視庁襲撃。絶体絶命の中、無事だった加賀美陸警視総監。

「危うい所を、私の同胞に救われたのだ。」

その真実とは。


加賀美陸視点


サイドストーリーズ
地獄の戦士(第16~18話)


ネオシェードへの対応が追い付いていない。

"彼"の手伝いもあって、裏切り者の粛清はしてきた。残念ながら微々たるものだが。思いの外、裏切り者は上手く立ち回っているようだ。特に須藤雅史。やつは間違いなく黒。いや、下手をすれば元々ネオシェードの人間かもしれない。しかし、確固たる証拠があるわけではない。ご丁寧に経歴も完璧に整っている上に、裏切り行為の証拠も上手く隠している。故に下手に吊し上げることもできない。何とも厄介な男だ。

"彼"に命じようにも、あの時ほど私に対し忠誠心があるわけではない。しかし、どういう訳か私の命を守ってくれるが、それ以上のことはしない。"彼"なりのルールがあるようだが、私の知るところではない。

「状況は?」

私は、警視庁執務室で部下に尋ねた。

「芳しくありません。」

部下が答えた。

現在、一条班と氷川班を中心としたネオシェード掃討作戦が実行されてはいるが、やはり警察側の動きがネオシェードに流れているからか、遅々として進まない。

「そうか…。ならば、"あれ"を実行に移すとしようか。」

「よろしいのですか?」

私の言葉に、部下が問い質してきた。

無理もない。

それは、あの風都の探偵が提案した"徳川清山護送計画"。と、表面上はそうなっているが、実際は徳川清山の護送という情報を餌に警察内部の内通者、須藤をあぶり出す作戦だ。どうやら探偵も勘づいていたようだ。なかなかやる。

「うむ…。何にせよ、警察内部に裏切り者がいるとなれば、ネオシェード掃討まで我々が持たないだろう。」

そして、私はこう言った。

「徳川清山、本人を護送させる。」

それを聞いた部下は目を丸くさせた。

「ご冗談を!?」

「いや、私は本気だ。」

これは一つの賭けである。

何事もなく徳川をICPOへ送りさえすれば、ネオシェードの計画を頓挫させることができる。

仮に脱獄を許したとしても、そうだな…。

仮面ライダーが徳川に打ち勝てば、ネオシェードの戦意を喪失させることもできる。

だがもし、徳川に負けることになれば…。

「本当に、よろしいのですか?」

部下が改めて聞いた。

「…。」

私は黙ったまま頷いた。

 

間もなく、作戦は実行された。

部下の手腕により、徳川の護送も開始されたそうだ。

ただし、これは極秘で行った。

もちろん、周囲に反対される可能性があった。と言うことは言うまでもない。しかし、"ネオシェードの手引きで徳川が脱獄を果たした"というシナリオにしてしまえば、"私の切り札"を使う口実にもなる。何の問題でもないのだ。

 

作戦開始から30分経った時のことだった。

 

ドガアアアアアン!!!!

 

爆発音と共に執務室が大きく揺れた。

 

『緊急事態発生、緊急事態発生!ネオシェードと思われる集団による襲撃を確認!職員は速やかに退避してください!繰り返します!』

 

やはりか。

徳川清山護送任務に仮面ライダーは総動員をかけている。つまり、我々は今、丸腰の状態と言えよう。今のうちに本丸を潰そうと行動を起こすことは、何ら不思議ではない。ネオシェードも馬鹿ではなかったということだ。

「警視総監の加賀美です。待機中のG5に出撃要請をしたまえ。」

私は内線で指示を出した。しかし。

『それが…。一部のG5達もネオシェードと共に行動しているようで!』

「え。」

予想外だった。

マスクドライダーシステムに比べたら、お粗末な戦闘力とはいえ、一般人でも容易に活用でき、それなりの戦闘力も期待できる。それ故に万一に備え幾人か待機させていたのだが。

よもやネオシェードに裏切るとは。

ちょっとびっくり。

 

「総監!!」

執務室のドアを突き破るように、部下が飛び込んできた。

「ここは危険です!私が誘導しますので、御移動を!!」

私は部下に促されるまま、避難した。

 

護衛に囲まれながら、庁舎を出ると、既に凄惨な状態となっていた。

庁舎は半壊していると言っても過言ではない状態だった。あちらこちらから火の手が上がっている。上空を火災による黒煙が覆っていた。

「こちらです!…ゔっ!」

部下が凶弾に倒れた。

ネオシェードに寝返ったG5が銃撃してきたのだ。

護衛も構えるが、虚しく次々と凶弾に倒れていった。

「警視総監、加賀美陸だな!」

ネオシェードの一人が言った。

「ネオシェードか…。」

「フハハハ!その命、貰い受ける!」

ネオシェードの一人が言うと、その姿を怪人に変えた。

そのまま、迫ってきた。

が。

寸での所で、私とネオシェードの間に全身黒尽くめの"彼"が入り、片足でネオシェードをあしらった。

所謂V系と呼ばれるような装衣、どこか暗いネガティブな雰囲気を纏う男。

どこからともなく現れた"彼"はこう言った。

「お前今…、俺を笑ったな?」

「ぐっ!」

"彼"は足でネオシェード怪人を蹴り飛ばした。

「大丈夫か!?」

ネオシェードのG5が怪人に言った。

"彼"はそれに反応した。

「はぁ…。お前は良いよな…。どうせ俺は…、誰にも心配されやしない…。」

"彼"は深いため息をつくと手をかざした。

それを合図にバッタのようなもの・ホッパーゼクターが現れ、"彼"の手に収まった。

「ほら、笑えよ…、俺の事を…!」

「貴様、仮面ライダーか!?ならば!」

それを目にした怪人が言った。

「お前の相手、仮面ライダーには仮面ライダーだ!」

怪人の合図が挙がると、ネオシェードの集団の中から、黒地に赤いラインの入ったコンバットスーツに身を包んだ男が現れた。

まるで生気のない顔をしていたが、その男が何者かはわかっていた。

「大道克己か…!」

私は思わず声に出してしまっていた。

「さぁ…。地獄を楽しみな…。」

 

シグナルバイク・ライダー!

 

大道はマッハドライバーにシグナルバイクを装填した。

 

「お前がそうか…。お前は良いよな…。本当の地獄見れて…。どうせ俺は…!」

そう言いながら、"彼"は構え直した。

 

「変身。」

 

エターナル!

 

「変身…!」

 

HENSHIN!

 

"彼"はホッパーゼクターをゼクトバックルに装着させた。

お互いの体を、ベルトを中心に装甲が纏いはじめた。

純白の身体に手足に黒い炎、赤い単眼。大道は仮面ライダーエターナルに姿を変えた。

 

Change! KICK HOPPER!!

 

そして、"彼"は緑色のバッタを模したマスクドライダー、キックホッパーへ姿を変えた。

お互い、睨み合ったまま立ち尽くしていたが、間もなく始めの一手が打たれた。

 

ズゥート・エターナル!

 

Clock up!

 

瞬きした瞬間、ライダー達の姿が消えた。

「うわあっ!」

「ぐあっ!」

突如、ネオシェードから苦痛の悲鳴が聞こえ始めた。

そう、彼らは消えた訳ではない。クロックアップし、超高速化したのだ。そして、彼はエターナルと戦う片手間でネオシェードにも攻撃を加えているということだ。

ただし、加速してから未だにどちらも姿を現さない。ということは、エターナルはキックホッパーと互角の戦いを高速の世界の中で繰り広げているということだ。

「なんという男なんだ…。大道克己。いや…。」

むしろ逆なのかもしれない。

大道はネヴァーと呼ばれる不死身の傭兵。いわば戦いのプロフェッショナルなのである。そんな男と、彼は互角に戦えているのである。

かつてZECTの精鋭部隊シャドウのリーダーであったとは言え、傭兵と渡り合えるとは、"彼"もまた化け物なのかもしれない。

 

Clock over!

 

そう考えている内に、ライダー達は再び姿を現した。

「ライダージャンプ!」

 

Rider Jump!

 

キックホッパーはゼクターの脚部を操作すると、両足にエネルギーが蓄えられた。そしてそのまま高く飛び上がった。

 

「ライダーキック!」

 

Rider Kick!

 

ゼクターの脚部を戻すと、跳躍で得られたエネルギーとゼクターから新たに送られたエネルギーを左足に纏わせ、急降下した。

エターナルは構えたが、キックホッパーの狙いはエターナルではなかった。

「ぐはあ!」

キックホッパーの蹴りは、ネオシェード構成員に向けられていた。

「何だと!?うわああ!!」

怪人は驚愕していた。

キックホッパーは、最初に蹴った敵の反動を活かし、さらに他のネオシェード構成員にも攻撃を加えていった。言うまでもなく、リーダー格の怪人にも、である。

キックホッパーの蹴りを受けた敵は次々と爆散していった。

そして最後にエターナルへ向かっていった。

 

ヒッサーツ!

フルスロットル!!

 

エターナル!!!

 

エターナルもエネルギーを足に蓄え、キックホッパーに向けて蹴りを放った。

 

 

ズゥゥゥゥゥン!!!!

 

 

衝撃が走ったかと思うと、キックホッパーとエターナルはお互いの攻撃の反動で吹き飛ばされていた。

「もっと…、お前の地獄を見せてくれよ…!」

キックホッパーは立ち上がるとエターナルに言った。

エターナルも立上がりキックホッパーを見ていたが、エターナルは踵を返して去っていった。

「はぁ…。あぁ、そうか…。どうせ俺なんかに…、地獄を見せる価値すらないんだな…。」

キックホッパーは再び深いため息を着くと同時に、元の姿に戻った。

「…。ほら、笑えよ…。」

"彼"は私を見るなり、そう言った。

「何故、私の事を助ける。もはや君に完全調和の精神がなければ、私への忠誠心すら無いはずだが?」

私は"彼"に尋ねた。

「…確かに、完全調和なんてどうでもいい…。だが、あんたには借りがある。地獄が垣間見える程、どん底に墜ちた俺に手を差し伸ばしてくれたからな。だが勘違いするな…。」

"彼"は鋭い目付きになり、言葉を続けた。

「あんたのせいで、俺の相棒は死ぬことになったんだ。それだけは忘れるな!」

「…。」

「だから、あんたが死ぬことは俺が許さない…!生き続け、その命が尽きるまで罪を償え…。」

"彼"はそう言うと何処へ立ち去ろうとしていた。

「…すまない。」

私は"彼"の背中に向かって言った。

彼は一度止まり、こちらを振り向きかけたが、

「どうせ俺は…。」

何かを言いかけたが、"彼"・矢車想はそのまま歩き続けた。




サイドストーリー編
第一弾、いかがでしたでしょうか。

ネオシェードによる警視庁襲撃、そこに現れた仮面ライダーエターナル・ダークフレア。
絶体絶命の加賀美警視総監を救ったのは、仮面ライダーキックホッパーこと地獄兄弟兄貴・矢車想。
矢車は、カブト本編でもZECTを追放されたにも関わらずキックホッパーの資格者に選ばれていました。それは、追放されても加賀美陸から信用されていた、と設定しました。故に自身の危険には助けに来る用心棒と認識していました。
しかし、矢車はそうではなく、結果として相棒であり地獄兄弟弟分・影山瞬の死への切っ掛けを作った元凶という認識でした(理由はなんにせよ加賀美がネイティブと結託していたという点)。
彼の死を無駄にしないため、矢車は罪を償わせる為に加賀美を助けているという設定にしてみました。

エターナルVSキックホッパー。
お互い地獄に関係するライダー(片方は中二を拗らせた感じですが。笑)なので戦わせてみました。しかし、あくまでも加賀美陸視点ですので細かい戦闘描写は敢えてカットしましたm(__)m

次回、皆さんはあまり認識してないかと思いますが、本作の影の主役である仮面ライダーGの物語を描きます。

お楽しみに!
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