仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線 作:ラズベアー
「お、お前ら!三対一は卑怯だろ!」
ドーパントが言った。
『四人だ!!』
俺が言った。
「いや、五人だろ。」
ドライブが自身のベルトを指して言い返した。
『進ノ介!私もカウントしてくれるのか!』
ベルトさんが喜んでいた。
「それでも四人だろ、だって一人はほら。」
マッハは、倒れている俺の身体を指して言った。
『それには色々あんだよ!』
「もういいかい?翔太郎。」
フィリップが呆れて言った。
「無視すんじゃねぇ!!」
業を煮やしたドーパントが襲いかかってきた。
やつは両腕から、植物の蔦のようなものを飛ばし、鞭の様に振り回してきた。
三人の仮面ライダーはそれを避けるが、自在に操られた蔦の猛攻は続いていた。
「桜井、大門!ライダー達を援護するぞ!」
「「了解!!」」
三人の警官は狙いを定め、ドーパントへ射撃を始めた。
「蔦ならば、切り落とすまでさ!」
ショルダーファング!
フィリップがFメモリの角のようなスイッチを二回押し、右肩に白い刃が現れた。
それを手に持つと、ブーメランのように蔦へ投げつけた。それは蔦を次々に切り落としていった。
『進ノ介!植物なら、火が適切だ!』
「わかったベルトさん!これでどうだ!」
ドライブは左腕に装着しているシフトブレスに別の車型のアイテム・シフトカーを装填した。
タイヤコウカーン!
トライドロンから炎を纏ったタイヤが飛ばされ、ドライブに装着された。
「はぁ!!」
身体に装着された炎のタイヤから炎の車輪が飛び出し、ドーパントを炎で包みこんだ。
「あち、あちぃあちち!!」
さらに、炎を纏わせた拳や脚で次々に攻撃を加えていった。
「負けられないよ!」
マッハはベルトのスイッチを数回叩き、高速移動しながら矢継ぎ早に攻撃を加えていった。
「これで最後だ!」
ファング・マキシマムドライブ!!
フィリップがスイッチを三回押し、右足首に白い刃が現れた。それと同時に右脚にエネルギーが蓄えられた。
「ま、まずい…!」
ドーパントが逃げようとしたが、
「逃がすか!」
ヒッサーツ・フルスロットル!
ドライブがシフトブレスのスイッチを押すと、トライドロンが自動で動きドーパントを中心に回りを高速で移動し始め、ドーパントの動きを止めた。トライドロン目掛けドライブが跳び蹴りをすると、トライドロンを蹴って再び跳躍し、その反発力を生かしドーパントを蹴り飛ばした。
「うわっ!」
ドーパントは宙に飛ばされた。
『「ファングストライザー!!」』
右脚に溜めたエネルギーを刃に纏わせ、回し蹴りの要領で刃でドーパントを切り裂いた!
「うわああああ!!!!」
ドーパントは地に伏せると、人の姿に戻りメモリが排出された。
「元ネオシェード構成員、お前の身柄を拘束します!!」
影で見ていた大門が駆け寄り、元ネオシェード構成員に手錠をかけた。
「おい、フィリップ!何でメモリブレイクしなかった!?」
フィリップが変身を解くと同時に意識が戻った俺は、フィリップに尋ねた。
「アサシンや黒いエターナルが、どのメモリを狙っているか、調べる必要がある。その都度メモリブレイクして、犯人の身体から調べるのは非効率的だからね。」
フィリップは排出されたメモリを拾いながら言った。
「"植物の記憶"I(アイヴィ)メモリか…。」
「左さん!」
ドライブから姿が戻った泊が駆け寄った。
「まさか、あなたも仮面ライダーだったとは。」
「照井から聞いてないのか?」
照井と捜査をしていたなら、知っているはずだと俺は思っていた。
「それが…。照井警視が仮面ライダーアクセルだったことは、一度ライダーとして一緒に戦ったことがあったので知っていましたが、左さんのことを尋ねた時に"俺に質問するな!"と言われてしまいまして…。」
照井の野郎…。
「それと。」
泊が白いライダースジャケットを着た青年を引っ張って言った。
「こいつが、ご迷惑をお掛けしてすみませんでしたっ!!!!」
泊は頭を下げると同時に青年の頭を掴んで無理やり下げさせた。
「ちょっ、進兄さん!?」
青年は泊の手を払い除けて言った。
「やっぱ、泊の弟か?」
俺は泊に尋ねた。
「いえ、彼は義理の弟で、詩島剛です。」
「義理の?」
「嫁の弟です。」
「お前も既婚者かよ!何だよ、くそぉ!!」
「翔太郎。君、結婚願望強かったっけ?」
フィリップが尋ねてきた。
「うるせぇ!そろそろそういう年頃なんだよ…。」
俺は何だか悲しい気持ちになった。
「…てか、お前!この前はよくもやってくれたな!」
俺は剛に言った。
「黒のライダーなんて、紛らわしいんだよ!」
剛も反論した。
「けど、何故君は黒いエターナルを追っているんだい?それに、"身体を返せ"ってどういうことなんだい?」
フィリップが剛に冷静に尋ねた。
「そ、それは…。」
剛は言葉を詰まらせた。
「剛!その黒いエターナル、ベルトにマッハドライバーが使われてるのは本当か!?」
泊も詰め寄った。
「あー。取り込み中に悪いんだが、話は署に戻ってからにするぞ。」
杉田が話に割って入ったことで、剛も含めた俺達は再び風都署に戻った。
今回の一件を報告したことで、一条班の面々に、俺達が仮面ライダーであることが露呈した。最も他言無用を約束してくれた。
「やはり君達が…。」
一条は驚きはしていたが、冷静であった。
「黙っていて悪かった。合同捜査と言っても、俺達にとって部外者だからな。」
「職業柄、あまり正体を知られたくないもので。」
俺とフィリップは言ったが、誰も非難することはしなかった。
「気持ちはわかるさ。だが、我々も君達に協力していきたい姿勢だ。これからはなるべく隠し事は無しで頼む。」
そういうと、一条は改めて手を差し出した。
「あぁ。よろしく頼むぜ、一条さん!」
俺は一条の手を握った。
フィリップも続いて握手をした。
「そして…。君が泊君の義弟の詩島剛君だね?」
「進兄さんや姉さんが世話になってます。」
見かけによらず、剛はしっかりと挨拶をした。
「こんなにも仮面ライダーが多いなら、心強いですね!」
「そうだな!」
桜井と杉田も歓迎していた。
「ここに晴人君も居たらなぁ…。」
大門が呟いた。
「晴人?」
俺は尋ねたが、何でもないと言われてしまった。
「剛。教えてくれ。お前の言う黒いライダー。やつを追っている理由を。」
泊が本題に話を戻した。
「…。」
剛は黙っていたが、やがて口を開いた。
「あの黒いライダー。あれはロイミュードだ。」
「何だって!?」
泊が言った。
「ロイミュード?」
聞き慣れない単語だったが、泊の様子から、おそらくドーパントと同じ類いのものだろう。
「機械生命体・ロイミュード。重加速を武器に破壊工作をしていた怪人です。」
大門が答えた。
「翔太郎、前に東京を襲ったグローバルフリーズ事件を覚えているかい?あれはロイミュードの仕業だったことが、検索結果でわかったんだ。」
フィリップが言った。
「なるほど…。で、黒いエターナルがロイミュードって言い切れる根拠は何だ?」
俺は剛に尋ねた。
「あれは…。特状課で封印されていたロイミュードボディで、俺の恩師、ハーレー・ヘンドリクソンに預けていた個体だ。」
「!?どういうことだ?何であの身体がハーレー博士の元に…?」
泊が尋ねた。
「…。チェイスを、復活させたくて…。俺が博士に頼んだんだ。」
それを聞いた泊が、突然剛の胸ぐらを掴んだ。
「剛、お前!!」
「落ち着け、泊!」
俺は、二人の間に入り泊の手を離させた。
「ごめん!進兄さん…。俺、どうしてもあいつに伝えたいことが…。」
剛は申し訳なさそうに言った。
「その、チェイスというのは?」
一条が尋ねた。
「…。チェイスは、俺達の大切な仲間のロイミュードだったんです。かつて、俺達と同じく仮面ライダーとして共に戦ってきました。ですが、戦いの中で彼は消滅してしまって…。」
泊が冷静さを取り戻しながら言った。
「チェイスもロイミュードだったから、俺達は一度だけロイミュードボディを作って、あいつを復活させようとしたんだ。思ってたのと違う結果になったけどね。」
剛も続けて言った。
「なるほど、そういう事情があったんだな。」
杉田が言った。
「けど、それが黒いエターナルって言うのはどういうことなの?」
大門が剛に尋ねた。
「数週間前、何者かがハーレー博士の研究所を襲撃してきたんだ。そして、ロイミュードボディと、それと共に預けていたチェイスのマッハドライバーも奪って行ったんだ!」
剛は言葉を続けた。
「やつら、ボディに何か細工をしやがって、俺が一度追い詰めた時にはマッハドライバーを使ってあの黒いライダーに変身したんだ!」
「それってつまり…。」
「ネオシェード…。」
フィリップに代わって泊が言った。
「本来、ロイミュードは"コア"がなきゃ起動しないんだ。それがどういう訳かコア無しで、しかも仮面ライダーとして動いてやがる。」
剛の言葉で俺はあることに閃いた。
「…。なぁ、フィリップ。ネオシェードは、ガイアメモリを収集しているな。ガイアメモリは、地球上の総ての事象を記憶したもの。だとしたら…。」
「あぁ。僕も同じことを考えていた所だよ、相棒。」
さすがはフィリップだ。
「どういうことだ?」
一条が尋ねた。
「そのコアの代わりに、ガイアメモリの記憶を起動キーとして使った可能性が高いということです。」
フィリップが言った。
「泊、ロイミュードってのは人間に擬態することは可能か?」
俺は泊に確認した。
「え、えぇ…。」
「ロイミュードを素体とし、ガイアメモリを利用した結果、エターナルの姿をしているのだとしたら…。それから、さらに特定のメモリを収集しているのなら、ネオシェードの目的は…。」
「…。ロイミュードを用いた、大道克己の復活。」
俺はフィリップの言葉に続けて言った。
「!?風都を襲撃したテロリスト集団・ネヴァー。そのリーダーの復活が、やつらの狙いだと言うのか!?」
一条が言った。
「憶測ですが…。でも、それならネオシェードがガイアメモリを収集していることにも合点が行く。」
フィリップが言った。
「…繋がった!ガイアメモリ一つの記憶では大道克己の完全復活に至らなかった。それで完全復活させるためにいくつかのメモリが必要なんだ!」
泊が言った。
「てことは、やつらが狙うメモリは"大道克己に繋がる記憶"を擁するものか…!」
俺は戦慄した。
「署内に情報伝達!一つでも多くガイアメモリを押収するぞ!」
一条の指示で班員捜査を続けた。
ダークエターナルの正体。そして、ネオシェードの目的。それぞれが明かされてきました。
今回は、オリジナルドーパントならびにガイアメモリを設定しました。
<I(アイヴィ)メモリ>
植物の記憶を擁するガイアメモリ。
<アイヴィ・ドーパント>
植物怪人。腕から伸びる伸縮自在の複数の蔦が武器。これを鞭の様に振るったり、蔦を収束させ、棍棒や槍の様に変化させて攻撃したりすることもできる。身体中を幾重にも蔦が覆っているため、衝撃を吸収することができ、物理攻撃に対する防御力が高い。
しかし、植物由来であるため炎また斬撃が弱点。
能力的には強い部類だが、斬撃がメインだったWファングジョーカー、炎攻撃が可能なドライブタイプスピード・フレアと完全に相手が悪かったため、敢えなく撃破された。
ネオシェードが集める、大道克己に繋がる記憶とは。
翔太郎達は、ネオシェードの狙いを阻止できるのか。
次回もお楽しみに!